美神 令子・その人生・その愛

美神 令子・その人生・その愛


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96/ 7/ 7

 現在少年サンデーはアニメ化作品を現在3本ばかり抱えており、コミックスの売れ行きは好調なようだが、でもなんか噂によると肝心の発行部数は全然伸びていないらしい。このままではチャンピオンにマジで追い抜かれてしまうのではないのだろうか。

 しかし、今の少年サンデーは実は完成度が高いマンガが多く、そんなにつまらなくはないんだぞ(笑)。そんな訳で、久しぶりにサンデーの他のマンガの感想を。


  • 名探偵コナン(青山剛昌)
     実はかなりの確率で読み飛ばしているのでパス(笑)。
     推理モノのマンガは、コナンや金田一少年よりも「エラリー・クイーンの冒険」(JET/角川書店)や「シャーリー・ホームズ」(後藤寿庵/富士見出版・成人コミック)みたいな奴の方が好きだ。つくづくマイナー好みだ。

  • “LOVE”(石渡 治)
     最初の頃(えらい昔だけど)はパンチラの連続でどうなることかと思ったが、最近はテンション高くていい感じだ。作者の実力の程を改めて感じる。
     しかしこのマンガ、どこまで続くんだろうか。なんか、すごく連載が長くなりそうな気がする。

  • め組の大吾(曽田正人)
     これはかなり熱い。自信を持ってお勧めできるマンガだ。
     毎回毎回よくもここまで危機的な状況を考え付けるものだと感心する。

  • H2(あだち充)
     安定した面白さを保っており、安心して読めるマンガだが、ここのところ主要女性キャラクター2人の顔の見分けが付かなくなって来てしまい、非常に困っている。
     あだち充キャラの見分けが付かないなんて、ひょっとしたら私はサンデーを読む資格はないのかも知れない(笑)。

  • GS美神極楽大作戦!(椎名高志)
     おキヌ復活後のエピソードは、割と「普通」の話が多いような印象を受ける。しばらくはこんな感じの話が続くのではないのだろうか。
     しかし、ここ最近は絵柄が荒れて来ている印象があるのと、安易に格闘路線に話を流しているのではないかといった疑問点もあり、先行きはちょっと懸念気味。ひょっとして苦しいのか?

  • ガンバ! Fly High(菊田洋之/森末慎二)
     スポーツマンガの基本を押さえており、これも安心して読めるタイプのマンガ。
     ただ主人公に個性がなく、アクの強いサブキャラの方が目立つ上に面白いというパターン(主人公があまりに善良でいい奴なマンガが陥りやすい)になっているのがアレだが、まぁ問題はなかろう。

  • 秘拳伝キラ(三好雄己/碧星タケル)
     理屈っぽい格闘マンガで、実にサンデーらしい(笑)。サンデー増刊からの移籍マンガだが、明らかに今の方が増刊時代よりもテンポがよくなり、面白くなっていると思う。
     この人、昔サンデーで「俺はジュウベイ!」ってマンガ描いてたんだよねー。ああなつかしい。

  • エンヤKODOMO忍法帖(森下裕美)
     なんと言うか、つい読んじゃうタイプのマンガ。ベテランの味を感じる。
     あの子供たちはみんなさらわれて来た可哀相な連中なはずなのだが、もはやそんな事はどうでもいいらしい(笑)。

  • MAJOR(満田拓也)
     これは面白い。良質の少年野球マンガだ。
     主人公の少年は暗い過去を抱えているが、それに寄りかからないで話を作っているところもエラい。続けて読む価値はあるよ。
     今後の希望としては……ぜひ、主人公のおかーさんを幸せにしてやって下さい(笑)

  • 烈火の炎(安西信行)
     ノリとしてはもはや完全な格闘大会真っ只中のシャブ中マンガ(笑)なのだが、実は内容的にはかなり安定しているマンガである。敵味方のキャラクターの設定その他がしっかりしているのが、行き当たりばったりになりやすい格闘路線に走っても割と安定している要因なのだろうか。
     この人の前の作品「ロケットプリンセス」は後半ガタガタになって急逝してしまったけど、その頃に比べればかなり実力が上がったと思う。

  • じゃじゃ馬グルーミン★UP!(ゆうきまさみ)
     絶好調。文句なく面白い。とりあえず読め。
     かつてサンデーはあだち充と高橋留美子で持っていると言われたが、今ではゆうきまさみで持っていると言っても過言ではないのではないのだろうか。

  • 感動王列伝・田村亮子物語(橋口隆史/根岸康雄)
     別に連載になっているわけではないのだが、アトランタオリンピックが近いと言うことで,こういうものも少年誌らしくやっている。田村亮子の柔道人生は、実はこんなマンガになれるほどマンガチックなものだったとは……(笑)。
     これの絵を描いている方は、昔「キャスター参るぞ!」というハチャハチャマンガを描いていた人で、個人的には結構好き。しかし田村亮子の伝記マンガとしては、田村亮子があまりに可愛すぎる :-P

  • 今日から俺は!(西森博之)
     ヤンキーマンガの完成形態の一つと言ってもいいほど完成度が高いマンガ。
     もはや、サンデーが潰れるまで続くのではないのだろうか。

  • 俺達のフィールド(村枝賢一)
     ついに主人公達は世界を相手にし始めたが、この後はどこまで話が大きくなっていくのだろうか。あんまり日本を強くしすぎるとリアリティが薄れるし(笑)、難しいところなのかも知れない。
     リアリティはともかくとしても、サッカーマンガとしては充分面白い。

  • ワープボーイ(松浦聡彦/荒尾和彦)
     最初始まった時にはあまりの内容のライトさにクラクラ来たが、当初からこだわっていた「バスケ」要素をばっさり切り捨てた後は、かなり面白くなって来たと思う。いよいよ物語も佳境に入ってきたようで、実は密かに注目していたりする。
     また、さりげなくマンガの中で女性キャラを脱がすテクニックは、さすがと言えよう。

  • DAN DOH!!(万乗大智)
     人気は高いらしいのだが、安直な「悪役」キャラがポンポン出てくるタイプのマンガなので、個人的には嫌い。

  • うしおととら(藤田和日朗)
     「帯をギュッとね!」「GS美神極楽大作戦!」と一緒にサンデーの一時代を作って来たこのマンガも、今や最終局面を迎えている。もはや、座してその終局を見守るのみである。

  • アホアホ学園(久喜青葉)
     計画的な無計画マンガ。よく今まで続いたものだと思う。
     ギャグのセンスがあまりにくだらなくてしょーもないところが魅力といえば魅力だが、さすがにもう読むのが苦しい。打開なるか。

  • なぎさMe公認(北崎 拓)
     この作者お得意のパターンに持ち込まれつつあり、今後はかなりラブラブチュッチュー要素が入りまくって盛り上がるのではないかと思われる。
     しかし、このマンガのタイトルの意味がいまだに判らない(笑)。

  • 行け!南国アイスホッケー部(久米田康治)
     いつまでも続けられるマンガだと思っていたので、もうすぐ終ってしまうとはビックリ。久米田氏は意外に泣かせるマンガが描ける人なので、最後はちゃんと読んでおこう。

  • 砂漠の野球部(コージィ・城倉)
     これも毎週やたら熱い。
     このマンガの熱さ、とても言葉にできない。とりあえず読んでみろ、といった感じ。
     もちろんお勧め。

  • 神聖モテモテ王国(ながいけん)
     10年来のながいけんファンとしては、この人のマンガがサンデーに載っていることだけでも嬉しいのだが、さらにこのマンガが現代の少年少女にウケている(らしい)事の方がもっと嬉しい。ようやく時代がながいけんに追いついたか。
     週によってかなり面白さにばらつきがあるのがアレだが、読んでおいて損はない。ジャンプの「すごいよ! マサルさん」と共に、今後のギャグマンガのムーブメントになる可能性を秘めたマンガだと思う。

  • 東京番長(鈴木けい一)
     「今日から俺は!」と違う形の新しいヤンキー系(ヤンキーじゃないけど)マンガだが、なかなかいい感じで続いている。ただ、その場つなぎのキャラに頼っているような印象もないことはなく、今後どうなるのかがちょっと不安であることも確かだ。

     ちなみに、私は昔、作者の鈴木けい一氏と同じゲーム系サークルに属していたことがあり、その頃の彼の作品が載っている同人誌も持っている。どなたか高値で買ってくれないだろうか(笑)。

  • アクシデンツ(山田貴敏)
     玄人好みの渋いマンガ。渋い人向け。
     しかし、こういうマンガは、ネタや資料を集めるのが大変そうだ。


  • 96/ 7/11

     以前ここで紹介した須藤 玲司さんという方が書いている「をたく日記」だが、今でも時々過去のログを勤務中とかに読んでいる。
     いやー、やっぱ就職するならIPリーチャブルな会社に限るわ。就職先を探している学生さんは、ぜひその辺を念頭に置いてもらいたい。

     とかなんとか言いながら、私はホントはしがない派遣要員として今の職場で働いているに過ぎず、本当の勤続先はIPリーチャブルでもなんでもなく、ついこの間ホームページを立ち上げて喜んでいるレベルのよくある会社なのだ。日本の現実はこんなもんだな。


     で(さりげなく話を戻したフリ)、この日記を読んでいてちょっと気になったのが、3月8日の記事。
     この日はアニメージュで以前やっていたという「セーラームーンとああっ女神さまっのアニメーター同士の座談会」の話題を取り上げていたのだが、個人的に気になったのが、その座談会に出てきた「女神さまっ」スタッフの台詞だ。
     なんでもそのスタッフは、「ファンレターなんかを読むと、ファンの人たちの想いがあまりに純粋すぎて怖い」という事を言っていたらしい。

     私が思うに、これは特に「ああっ女神さまっ」に限ったことではなく、ヴェルダンディーみたいなタイプのキャラが出て来るタイプのマンガ・アニメのファンには、割とよく見られる現象なのではないのだろうか。
     そして――もちろん、「GS美神」のおキヌちゃんとそのファンも、例外ではない。


     私はGS美神関連の BBS とかにも参加しているが、やはりそこでも「純粋すぎて怖い」タイプだと私が思うおキヌちゃんファンは存在する。
     GS美神には、おキヌの他にも美神とかシロとか小鳩とか、もう美女美少女入り乱れてより取りみどり状態なのだが、だがしかしおキヌファンのおキヌに寄せる想いは「別格」だろう。ここの「ベストカップルコンテスト」が、良い参考になるだろう。

     私は今まで、おキヌちゃんファンの半分以上は、アニメの声優・國府田マリ子ファンが感極まっておキヌちゃんファンに転嫁したタイプなのではないか、という甘い推測をしていた。……が、だがその声優が演じたキャラだからという理由だけで、声優ファンというのはここまで純粋になれるものなのか。それはないだろう(多分)。

     國府田マリ子が演じたというのはほんのきっかけに過ぎず、「おキヌ」というキャラにここまで純粋になれる何らかの理由が、彼女には(そして彼女に純粋に入れ込む読者にも)あるはずなのだ。


     おキヌファンのパワーは私ですら「凄い」と感じているので、実際にマンガを描いていてそういうファンレターの矢面に立たされている(笑)椎名高志氏に対するプレッシャーは、さぞかし凄いに違いない。
     現在、おキヌが比較的あっけなくレギュラー復帰し、そして現在実質的な主役として活躍しているが、それはこの「純粋な想い」のパワーが作者の構想を押し切ったためなのかも知れない。

     こんな尋常ならざるパワーを誇る「ファンの人たちのあまりに純粋すぎる想い」を生み出す原因とは、一体何か。……そこに、おキヌというキャラの人気の秘密を解き明かす鍵があるに違いない、と思っている。



    96/ 7/11

     現在のサンデーは「コスプレ格闘」モードの真っ最中だが、そこに出てくる対戦相手のほとんどは一発キャラ扱いで、名前も何にも出てこない。ひどいものになると、台詞すら喋らせてくれないらしい。

     だが、それではいかにもさみしいので、私が彼女達にせめてニックネームをつけて上げよう。題して、「私が彼女達にせめてニックネームをつけて上げよう」企画。ああそのまんま。でもヒューリーゴーゴー。


    ・第一回戦(確か1年A組)
     サンデー32号 P.87 左から


    ・第二回戦
     サンデー32号 P.101 左から


     それはともかく、アトランタはもうすぐだ。



    96/ 7/19

     コミックス22巻が発売された。
     今回の表紙はなかなか構図が凝っている上に、ちょうど良い具合のセクシーさ加減がいい味を出している。ちょっと前に出たチャンピオンのお色気コミック「乱丸XXX」4巻の表紙にも負けてないぞ(バカ)。


     で、今回のメインは「デッド・ゾーン」編だが、この話は96年度の最高傑作と今から断言して良い程、個人的に気に入っているエピソードだ。

     まず、(以前にも言ったような気がするけど)タイムスリップというSF的な、それも古臭いロマンを感じさせるギミックと、菅原道真とか平安京とか影陽道などの歴史的な要素をうまく絡ませているのが良い。
     なんかこういうノリは、昔愛読した藤子不二雄のSFマンガ「T・Pぼん」とかを思い起こさせるものがあり、個人的に凄い好きなのだ(ちなみに私はF派だ/どうでもいいけど)。

     また、この話は16巻の「ある日どこかで!」編から始まった「美神の対魔族・時間移動能力モノ」に一応のケリをつける話でもある。
     この「ある日どこかで!」編は、最初から美神の母の意識が横島に「今後美神に凄いことが起こるぞ」とアオリを入れている事からも判るように、この当時から椎名氏は「美神の時間移動能力を絡めた対魔族戦」を長期的なストーリーの要とすることを決めていたのではないかと思う。
     で、その長期展望の区切りとなるのが、今回の「デッド・ゾーン」なのだ。

     さらに、今回の最後の方でアシュタロス様が美神達にナニされてしまうのだが(ナニが何なのかは秘密)、実はこの結末は、ちゃんと「ある日どこかで!」とか12巻の「母からの伝言!」などの事件が起こる原因に繋がるようになっているのだ。この辺の整合性も実に見事で、そういう意味でもよくできたお話といえる。


     だが、やはり「デッド・ゾーン」の最大のポイントは、メフィストと高島のむず痒いロマンスをむず痒い想いで見守る美神だろう。この辺は22巻の範囲でも十分むず痒いのだが、23巻にはみ出た「デッド・ゾーン」の最終話はさらにむず痒い思いができること請け合いだ。

     むずむずしながら、待て次号。