後書きまで読んでくれてありがとうございます。本文は最下部 以下はしばらく別エンドバージョンを記載。ちょっとラブラブバージョンです(笑)


bang of cosmic fortune



  妙神山の女湯?の更衣室では、立ち話もなんだと、何故か?現われたヒャクメを入れ、女6人が今時のリサイクルの思想に乗っ取ってでも無いのに、瓶入りの白牛乳 コーヒー牛乳 フルーツ牛乳を置いた卓袱台(ちゃぶだい)を差し向かいに歓談?していた。
 初め、息せきりながら問い詰めにきた割には、美神もオキヌも小竜姫らに事情を説明されて納得したようだ。

  「まったく、雪の丞ったらあんなに嘘教えて。帰ったら思いしらせてやるから」
 決して嘘は教えたワケでもないが、美神がそう思った時点で彼の命運はちえた。遙か都会で背中に冷たいものが走る雪の丞であった。は置いといて・・。
  「すいませんね。横島さんがいなくなって心配したでしょう。いつお帰りか分からなかったので雪の丞さんにお頼みしたんですけえど」
 まさか嫉妬で乗り込んで来たことは悟られては困るので、失踪した家出人捜しを理由にした美神ら。それを間に受けて連絡しなかった事を悪いと思い詫びる。
  「ま まあいいわ。これでまた横島の奴強くなったんでしょうから、あたし達は全然気にしてないわよ。ね!オキヌちゃん」
 白々しい美神の会話。なんか亭主の浮気相手の家を間違えて押しかけたような塩梅だ。
  「そうですよ。まあ、その・・。ここはそう言う所ですから、あはは」
 オキヌもそれに答える。
 初め雪の丞に聞いた時は、すわ浮気と思った女三人。ただ横島とは決して男女的に付き合っているワケでも無いので、正式には当たり前だが浮気では無い。が、ここにいる女らは何もさせなくても独占欲が強い。世間的に言えば権利と義務を履き違えた困ったちゃんであるが、皆可愛いし美人ならば許されるらしい。まあ、それも置いといて。
  「でも、こうなったワケもう少し詳しく聞かせてくれませんか」
  「ええ、そうですね。皆さんもそれを聞かないと納まらないでしょうから」

  チン
 電話を置いた小竜姫が、番台?脇のオロナイン軟膏と名前の入った大鏡を見てため息をつく。どうにも火照ってしまって顔は毛穴が開き、赤くなった顔を番台脇の洗面台の冷水で納めようとした。
  (もう、雪の丞さんったら、あんな事云うからあたしまで意識しちゃうじゃないの)
 『あんたの名前を出せば〜』とフレーズが妙に気になった。普段は蛙並みに、目の前の女に見境無く飛びかかる困った男の人との認識が強い。でも、雪の丞によればちゃんと意識して、自分が好みだと云ってくれている。無論横島自身が言っている理由では無いが、仲の良い友達の話なので、軽口半分でも妙な気持ちになってしまった。
 確かに困った人ではあるが、自分に正直であるとも言える。決して悪意は感じられず、自身の立場を見極める目も持っている、それに絶対女性を見捨てるような事はしない(女性限定だが)。あまり人の女性に持てないのは、人が視覚動物で目で見て判断する割合が高いからであって、主に感じたまま正直な魔族が魅かれるのも小竜姫にも理解出来ている。

  (あたし・・・・・好みって・・・・・・あたしも・・・・かな)

  「あ!そういえば老師に連絡しなくちゃ」
 本当に自分が好みかなど、いくら自身考えても回答が出ないので、意識を管理人に戻す。今時間を浪費しても何も解決しないのだ。この辺りが真面目な彼女らしい由縁である。もう一度、番台の黒電話を取ると神界にいるハヌマン老師にダイアルを回す。
  ツルルルルルルルルルルルルル
 数度の、いや数十回の呼び出しの後に繋がる。
  「ああ、老師。おはようございます、小竜姫です。お時間かかったようですけど、何かされておられてのですか?」
 などと云う、のほほんとした会話は中断された。受話器の向こうから聞こえたのは助けを呼ぶ声であったのだ。何事かと、ヒャクメを引き連れ老師の所に向かうと。そこには、電話機を取り上げたまま、中腰の格好で固まっているハヌマンの姿であった。
  「ギックリ腰ね。血行良くない、筋肉が固い状態で立ち上がると、お年よりはたまになることあるから気をつけないとね。小竜姫、あんたもキツイ修業してんだから腰骨すり減ってるんだから気をつけなさいよ」
 ヒャクメが冷静に解説するのが、自分の意志では中腰のままに動けないハヌマンが口だけ目茶苦茶怒っていた。とにかく、天界に名を馳せる彼でも、よる年波によるこの病には勝てないらしい。

  「でも、どうしようかしら?」
 取り敢えず病院に彼を送って妙神山に戻ってきた。
 普通ならば自分でも事足りるが、相手が横島と雪の丞程になれば老師に指示を仰ぐ方がいいに決まっている。しかし今は緊急手術の麻酔で眠っているのでしばらくは無理だ。
 神族でも殆どいない、文殊を使えるなどと云う特殊な人間族への次の修業など、思い浮かばないのが本当の所だ。管理人はやってはいるが、未だに彼女は修業中なのだ。ハヌマン程精通している理由は無い。初め美神の修業コースにしても初歩の初歩であったのが本当の所なのだ。
 幸い今は夏休みの最中だし、いつも事を急ぐ美神らもいないので、普通に時間をかけた修業が出来る。
  (でも美神さんたちがいないって事は、しばらく横島さんと二人っきり・・・)
 封印していた意識が蘇ってまた顔が火照る。ここでは既に忘れられた男がいたが、奴にはお相手が既にいるのだから、まあ気にしなくてもいいだろう。
  「小竜姫!」
  「え?ああワルキューレ。おはよう」
 呼ばれた声に振り向く。今では友人となっている魔族軍士官、現在は妙神山魔族軍支社の配属になっていた。
  「どうしたのだ?浮かない顔して。夏風邪か?だとすると、一寸たるんどるぞ」
  「いいいえええ。ちょ ちょっとね」
 顔が赤くて風邪と言われたと気がつき慌てる。
  「?」
 随分とリベラルになったので、感情を結構あらわにして首を捻る。これも美神らに付き合った影響で、本人もあまり嫌がってはいないようだ。

  「なるほど」
 無論の事、小竜姫は己の感情は廃して事情を説明した。
  「いいでは無いか。取り敢えず出方を見てから考えれば」
  「ん〜」
 まだ少し踏ん切りつかないようだ。
  「まあ、あの二人ならば多少無理をしても死にはすまいから、やり過ぎても多少は大丈夫だろう。いつもより多少キツメにやってみて、厳しいようだったらば手を変えてみようではないか」
  「そ そうかしら?」
 ワルキューレのキツメ 、と言うのは洒落で済まないレベルなのだ。おろしの吹く、涼しい山奥なのに汗が伝う。
  「しかし、あの二人相手ではお前だけでは手が足りなかろう。片方受け持とうか?」
  「そ そうね・・・じゃあ・・」
 雪の丞の事を思い返して、二人きりのフレーズが再び思い浮かぶ。これで自分の気持ちが確かめられると思ったので、これ幸いと事態を自分の望み通りにしようと思った矢先に。
  「では私は横島の方を受け持とうか。あいつがこの間の一件でどれほど強くなったか、私も知りたいしな。ふふ、直接やりあうのは久しぶりなので楽しみだ」
  「ちょ ちょっと待って」
 なにがし、ワルキューレの単なる訓練での腕試しを楽しむ・・・・・とは別の意味合いの表情に意義を唱える。
  「それは私も同じです。わたしがキッカケを与えてからの成長を私も知りたいから、ワルキューレは雪の丞さんをお願いします」
  「ん?」
 あまり積極的には意見しない小竜姫の言動に面食らった。
  「しかし、お前は一度手合わせしているんだろう。同じ相手と何度も闘ってもあまり参考にはならんと思う、だから横島の事はわたしに・・」
 流石に闘争本能は強いので、例え何であれ「はい そうですか」と譲る事は出来ないのだ。どっちが師匠の立場に立つかで、二人の間に精神的な闘いが繰り広げられる。例えそれまで対して欲しく無いと思っていたバーゲンの服でも、他の誰かが自分と同じように手に掴んだならば、猛烈に欲しくなるのと同じだろうか。
  「いえ!直接対決はありませんから心配無く。それに雪の丞さんの得意な魔操術はそちらの管轄でしょうから」
  ・・・・・・・・・・・
 シレッとした空気が流れた。
  「なんだと・・」
  「なによ!」
 こうなると、結構案外意地っ張りな彼女らは、もう止まらなかった。先のバーゲンのくだんでもそうであるが、後で考えるとどうでも良いことであっても、女同士でいさかいが始まれば、もはや争う理由が何であったかすらどうでもいいことなのだ。目的の為には手段を選ばず、手段の為には目的を選ばないのはどこかの女神だけの特権では無い。
 神魔同士の闘いから、中学生の口喧嘩の様相を呈し始めた。メデューサに後れを取ったと片方が持ち出せば、片方はダミアンの事をついてくる。果ては、デタントなどドコ吹く風とばかりに、お互いの種族を掛けた鍔迫り合いが始まってしまった。


  「それで・・」
 美神が痴呆のように表情で二人を見比べる。少し恥ずかしそうな小竜姫に、毅然といつものスタンスを崩すまいとするワルキューレ。でも、ちょっと顔が赤い。
  「で、お互いの直接対決での決着から、今度はお互いの所属の優劣を決める手段に横島君をドッチが強く出来るかで決めようって事にしたと」
 事の発端のあまりの些細に対する心労から、垂れて卓袱台に突っ伏す。何しろそれだけならば笑い話で済むからいいが、問題はいまやそれだけでは済まなくなったらしい。
 先の闘いで有名になった横島をドッチが強く出来るか?。それでお互いの納める剣技の素晴らしさ、取りも直さずに種族の優劣を決めると云う、ベトナムか中近東のアメリカソ連の代理戦争の様相を呈していた。無責任な野次馬にブックメーカーが騒いだならまだしも、彼らの元には頂神頂魔からも激励も届き、既に二人も後には引けない所までも事態は移っていた。
  「えらい事にしてくれたわね」
 美神の呟きも当然であろう。話からすると、今や横島の修業は世界を巻き込んでいるようだ。流石の彼女と云えども、無下に逆らうには相手がでかすぎるので渋い顔をするぐらいしか手が無かった。


 カポーン ピチャン ポチャン
 岩風呂に桶と水音がコダマする。長旅で汗もかいているので、行きがけの駄賃では無いが、折角の温泉なのでお邪魔する三人に付き合う小竜姫達。番台での牛乳は、もう夕方なので熱燗に変っている。
  「でも、聞いた所によると御二人が順繰りにやっておられるならば、ドッチが上手いか分からないんじゃないですか?」
 頭にタオルを載せたオキヌが向かいの小竜姫に尋ねる。
  「それは横島さんが決めます」
  「アイツが」
  「ええ、どっちが強くなったか、やはり判断出来るのは本人だろうと思ったんもので」
  「でも、アイツの事だから、きっと優しくお色気一杯で教えてくれた方がいいとかいいだしたんじゃないの?はははっ」
 横島のジャッジ基準であったらばと笑う美神、無論冗談であったがサッと目を反らす二人。
  「・・・」
  「・・・」
  「何?その間は」
 熱いお湯以外の汗が垂れる美神とオキヌ。
 どうやら彼女らもその辺は分かっているので、修業は真面目にやってはいるが、その後のケアは多少美神の冗談を地でいっていた。何しろ事は彼女らだけの話では無くなっているのだ。そう簡単に負ける理由にはいかないので、疲れた体に手間かけた手料理を出して、悪く言えば点を稼いでいた。
  「そ そ そうなの・・・・・で でも そんな事までしなくても い いいんじゃないの」
  「そ そ そおうでえすよ」
 一緒に暮らして、それに別の女が餌つけをされているのは女としては危惧すべき状況。大体男がなびくのは手料理と近くに暮らしているのが定番と決まっている。子鳩に強烈な危機を抱き、この頃は事務所で飯をたかる横島に文句を言いながらも、美神も料理をたまに作っていたぐらいだ。
  「あんな奴、カップ麺かカルカンかチャム辺りでも食わせればいいのよ。手料理なんか勿体無いから止めていいわよ、あいつ馬鹿食いだから大変でしょう」
 無論作っている二人を気ずかってでは無い。それが証拠に微笑みは彫像のように固まっていた。それは二人の次の言葉に更に固まった。彼女らは言った、食事を作るのは楽しいんだと。
 オキヌもそうだが、旨そうに食べる横島は女性にとってはつくり甲斐があるのだ。それに今まではそんな長い間一緒に暮らした事は無かったので知らなかったが、横島と付き合っているの楽しいと、酒に酔ったのも手伝い吐露する二人。
 セクハラには鉄拳を持って対処する煩わしさを除けば、普段退屈な妙神山の生活にも張りが出ているそうだ。その事を満更でない顔で話す、ヒャクメを入れた三人。
  「ま まあ、それはいいけどさ」
 気を取り直し「知ってるわよ」と言いたいのを押さえ、平常心を取り戻そうとする美神。

  「で でで、いつ頃横島君帰して貰えるの」
 何やら不穏な空気を女の勘で感じた美神が、すでにオチョコを碗に代えた杯を傾け本題に入る。しかし、小竜姫もワルキューレも、お互い見渡して押し黙ったまま。疑問に答えたのはヒャクメ。
  「無理でしょうね、多分」
  「えー、なんででござる?」
  「だって、どっちか決めようとすると・・・・ねえ」
 ヒャクメが意味深に小竜姫とワルキューレを見ると、二人してバツが悪そうに視線を外す。
 例え横島が飴か鞭のどちらかの事情で片方を選ぼうとしても。
  ガチャ
  『今なんていったのだ横島。よく聞こえなかったので、よ〜〜〜〜く考えてもう一度話すがいい』
  チャキ
  『横島さん!いま仰ったことは冗談ですよね』
 横島の首筋に当てられた、彼女らの手にはエモノがキッチリ握られている。選ばなかった方に殺されるのでは、選ぶ事など出来る理由が無いであろう。
  「じゃあ、どうなるの」
 神魔の代理戦争の様相を呈している以上はどちらも引けない、つまり完全な袋小路状態である。しかし事が神魔界が関わっているので傍若無人な美神と云えども強く出れない。折衷案としては、その内話題にものぼらなくなって自然消滅まで待ってくれとの事だ。
  「でも、それまでここにいるんじゃ、事務所の仕事にも、学校にも差し支えませんか?」
  「まあ、仕方無いんじゃないの。まあ、ただでバージョンアップ出来るならいいんじゃないの」
 ここに至って美神は諦め気味だが、まだオキヌは納得いかないようだ。

  「でも、なんでお二人ともそんなに意地を張ったんでござるか」
 パピリオがゆでったのでヒャクメに連れていかれ、一人で暇してたシロが口を開く。どうやら小竜姫らの事情は聞いていなかったようだ。
  「「え?」」
 あまりに単純な質問に慌てた二人。
  「だって、独占しなくても得意な分野をやればいいだけでござろう。雪の丞殿もいたのだし、お互い交代でやれば良かったようではござろうか?。何か話聞いてると、何か自分だけが先生と一緒に居たかったような気がするでござる。拙者が二人だけで散歩にしたいのと同じなのでござるな」
  「そ、それは・・」
  「?」
 シロの野性の勘と、忌憚の無い疑問に口籠る二人の様子に、美神オキヌ不審な雰囲気に気がついた。それに戻ってきたヒャクメが続く。
  「おかしいのよ二人共。どちらが横島さんにとって役に立つかで相性なんか雑誌で占っていたんだから」
  「何?」
 ヒャクメの言動に食いつく美神。
  「相性?!」
  「そうなのよ。どっちが横島さんにふさわしいとかで、喧嘩始めちゃって、この頃はもう修業なんかどうでも良くなっていたみたいなのよね」
  「ヒャクメ!!」
  「小竜姫が、この間下界で買ってきた女性雑誌の後に乗ってた血液型で有利だと言えば、ワルキューレは星座占いの本を持ち出して自分が優位になろうとしてたんだから」
  「ヒャ ヒャクメ」
 慌ててヒャクメの口を押さえた二人の顔は赤い。
  「・・・・・血液型」
  「・・・・星座占い」
 流石に美神とオキヌも確信した。どちらが修業の先生を決めるのに、そんな物で相性を決めるワケが無い。それに、占いで自分に都合のいい結果を出す物を心の盾に取るのはハッキリいって、女子高の休み時間に盛り上がる種類の話に他ならない。
  「・・・」
  「・・・」
  「・・・」
  「・・・」
  「?」
 最後の?はシロ。

 妙神山の空に悲鳴が響いた。
  「なんじゃ、今日は夜も修業か?それも綱引きとはな。それにしても、まあ、変った綱じゃな」
 異変を確かめようと、ハヌマンがジークに車椅子で押されてきた。
  「修業 ・・ なんですか?」
 彼は、どうも老師の意見には賛成しかねた。
  「私は大岡越前の真似だと思いますけど」
  「ん〜、なるほどな。いわゆる『子供が痛がるのを思い、手を離したほうがまことの母』と言うやつか」
  「多分母では無いと思いますけど」
  「ええい!ジークのアホ!!それより早くたすけんかい」
 ハヌマンの初めの意見によれば、綱引きの綱の横島が文句を言う。
 彼は両足を美神とオキヌシロに引っ張られ、反対側の両手を小竜姫とワルキューレに引っ張られていた。まるでバーゲン会場でワゴンを挟んで奪いあわれる、伸びたワンピースと云った所だ。

  「だから!横島が修業に選んだのはあたしって事にすれば、神魔共に丸く納まるじゃない。こっちは休暇中の仕事が溜まってるんだから、そう修業にもかかっていられないのよ」
  「ええい、今更そうはいかん。修業で人間などに軍配を上げられたなどとあっては、それでは魔族のプライドが廃る」
  「二人とも、妙神山に修業に来た人を、人や魔族に修業に奪われたなんて事はあって竜神のプライドが保てません。さあ横島さん、わたしと修業を続けましょう」
  「でも、もう直ぐ学校も始まりますから、帰りましょう横島さん」
  「そうでござる、何だか分からぬが、帰っていつもの道を散歩をするでござる」
 シロはともかく、お互い明確に想いが露見した女の戦いだ。

  「横島なにやってるでしゅか」
 湯だっていたパピリオも悲鳴に起き上がってきた。
  「おお!助けてくれパピリオ」
  「ああ、パピリオあなたも手伝って」
  「なんでしゅか小竜姫しゃま」
 手短に事情を説明する。
  「駄目でしゅ。横島はもっともっとパピリオと遊ぶでしゅから」
 パピリオも小竜姫側に参戦した・・・・が。
  「あ!パピリオ!!首は止めなさい」
 小竜姫の制止は遅かった。おかしな音と共に横島の首が妙な方向に曲がって、神魔界を巻き込んだ修業合戦は呆気なく御破産になったそうだ。


  「さあ、横島、今日もやるでしゅ」
 天界の病院に横島は入院中。その病室にゲーム機を持ち込んで来るのは当然パピリオ。
  「でも、この頃の横島弱いでしゅね」
 ベッドの横島が不貞腐れた。
  「まっすぐモニター見れればもう少しやれるさ」
 コントローラーを持たされた彼の首は不自然に横に傾げていた。これで格闘ゲームは・・・・・、まあパピリオは一日中遊べるとご機嫌なので、まあ良かった・・・かな?。

  めでたし めでたし。


   劇終


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