【GS試験編の後書きと反省と言い訳】 

まずはご挨拶を。 きつねレポートGS試験編、「牙と思いの幻影」を読んでくださり、まことにありがとうございます。 狐の尾です。 読んでくださる皆様のおかげで、私も楽しく作らせていただいてます。 本来は単発のこのシリーズ、5回にかけて引っ張ってしまいました。 いかがでしたでしょうか? 
最初に反省すべきは、やはりこのGS試験編、やるのが早かったかな、ということです。 もう少し単発の話をやっておいても良かったと思ってますが、終わってみてまあいっかとも思ってます。 
最終的にどうなったかと申しますと、「なかったことになった」ということです。 もともとは人造妖怪なるものは存在しないことが本来でした。 コーリングに成りすましていた人造妖怪の核となっていた赤い石の爆発で、皆吹き飛んでしまいます。 爆発をきっかけに、その反動が原因なのか、それとも誰かの差し金なのか、時間はGS試験が始る前に戻ってしまい、歴史は修正されます。 ハルを始めとする、人造妖怪のことは全て消えて。 もちろんタマモやクロからもその記憶は消えてしまいます。 何もなかったこととなり、普通にGS試験が進むのでしょう。 コーリングは普通に研修生として試験に臨み、ツクモなる者はやって来ません。 この結果についてはだから何だと言うわけではありません。 が、人(いわゆる普通に生きてる方々)にはどうしようもない理不尽なことが起こることもあるってことで、そうなってしまったとしても、人はその人が出来ることをするしかないってことで、今回の話を締めくくりたいと思いました。 念の為書きますと、ハルを思い出して悩むとか、ツクモが再びやって来てばくろするとか、そんなアホなことはしません。 「忘れた」のではなく、「知らない」のですから。 これからも、彼らは普通に今までどおり生活してくれると思ってます。 それがタマモ達の強さなんじゃないかなって思います。 タマモとクロにとってはいい結果ではないかもしれません。 が、ハルと会えたこと、それが記憶に残ってなくても、彼らには良かったことだと私は思いたいです。 シロやコーリング達にとっては、修正されて良かったのかもしれません。 多分、そういう関係ない人達の方が多いんでしょうね。 
過去を変えるということについては書いてる当初、私は深く考えていませんでした。 ただ、よくある横島君の逆行話はつまらないと思ってましたけど。 いいか悪いかはわかりませんしね。 でもタマモには、今を生きるという大切さみたいなのを語ってもらえてよかったです。 神様とか悪魔とか、そういう方々には言えない重みがタマモだから言えると思ったからです。 ハルには、私の個人的意見では、消えずにタマモと生きて欲しかったです。 ハルがどういう経験をして、見て、聞いてきたかはわかりません。 人造妖怪を消すことについては、歴史を元に戻すという大義名分はあるでしょう。 それでも、それは自殺してしまうことと変わりません。 ハルにもどうしたらいいのかわからなかったのかもしれません。 人造妖怪が作られることになったのは、そもそも未来から逆行してきた人間の仕業でした。 その人がどうしてそんなことをしたのか、今となってはそれはわかりません。 お金のためか、誰かを守りたかったためなのか。 それで幸せになれた人達もいれば、そうでなかった人達もいたのでしょう。 ハルは、そういう人達の代表として元に戻したかったのかもしれません。 変えられた歴史は、皮肉なのかその歴史が作ったハルによって元にもどる経緯をたどりました。 
今回思いもかけずに好評だったキーパーソン、ツクモなる者、その正体実は、私の前作、「GS美神 ひかり」の主人公君、横島君の1人娘なのです。 わかった人にはわかったでしょうか? それとも無理? 横島君の娘が何で80年後に20代の容姿でいるかというのは、その辺は深く気にしないでください。 世の中、科学や理屈じゃわかんないことが多いんです。 だから74という年齢は嘘ではないのです。 タマモとの関係を少し話しますと、GSをする上での相棒であり、よきお友達であります。 最近(80年後)はしばらく会ってなかったようですが、3年という月日に対して、彼女達は長いと考えてないのかもしれません。 80年後の経緯を少し話します。 ハルは生き残りの人造妖怪最後の1人であり、ツクモはハルが時間移動をしたことを知って追いかけます。 1年かけて時間移動する手段を探し、文珠を作れる人を見つけます。 彼女が文珠を持っているのは帰りの分です。 彼女はまた変わった子なので、歴史うんぬんに興味はないようで。 変わっちゃったら「あ―らら。」ってな感じで笑ってくれるでしょう。 仮面で顔を隠すのはほとんどは遊び心から。 「今見せちゃったらつまらないから」、素敵な理由だと私は思います。 最後に仮面が割れてしまい、タマモには顔を見られてしまいます。 タマモは素顔から何かをひらめいたようですが、それが何かは文章ではわかりませんよね。 絵がないと。 一応、彼女は母親似ということなので、その辺でタマモは子孫かなと思ったわけです。 でも結局は時間が変な方に曲がって歴史は修正されてしまい、タマモもツクモも、会った事実は消えてしまいました。 こればっかりはしょうがないと思ってください。 ごめんなさい。 ツクモはいずれまたどこかで書きたいと思ってます。 もちろん今回のこととは何のつながりもありませんが。 ちなみに今回の話、ツクモ視点で改めて読んでみると、また読み味が変わってくるかもしれませんよ? ・・・などとCMしてみます。 彼女については、前作の方を参照してくださいませ。 
タマモにしろハルにしろクロにしろ、悩んで困りながらも、出来ることをしようとしました。 単純に誰かの言葉に従うわけでなく、説得されるわけでもなく、善悪とかいうもので考えるわけでもなく。 その結果について、全て満足している者は誰もいないでしょう。 歴史の良し悪しを語りたいわけではありません。 答えが見つからない中、頑張ろうとするタマモ達の姿を書きたかったのかもしれません。 そういう中で、ツクモや美神など、自分のすることがはっきり見えていた知り合いがいたことが、タマモもまた頑張っていける理由になるんじゃないかと思います。 そういうのが、1人じゃないってことかなあ、何て私は思ってます。 
まだ反省点は多々ありますが、ここらで失礼いたします。 読んでくださった方、本当にありがとうございました。 では。  

                            by  狐の尾  


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