『 人間なのね〜! 』

著者:まきしゃ


    美神事務所
小竜姫 「こんにちは〜」
キヌ 「あっ、小竜姫さまっ、いらっしゃいませ、お久しぶりです。
  あら、ヒャクメさまも… え? ヒャクメ…さ・まっ?」
ヒャクメ 「ど、どうも〜〜〜」
令子 「えっ? ヒャクメ、あんたどうしちゃったの?」
   
  なぜだか小竜姫のミニスカを着ているヒャクメ…
ヒャクメ 「つまり〜、その〜〜」
小竜姫 「今日は、ヒャクメのことでお願いが有って、こちらに伺いました…」
令子 「お願い? なんか、やっかいそうなことみたいですね…
  ヒャクメの波動からして…」
ヒャクメ 「わ、わかりますか〜〜?」
   
令子 「そりゃあね… いつもの波動と全然違うし、額の目も閉じちゃってるでしょ?
  あんた、どうして人間なんかになっちゃったの?」
横島・キヌ 「えっ!? 人間にっ!?」
   
小竜姫 「私がお話致しますね…」
  ヒャクメが人間になってしまった経緯を語る小竜姫…
   
小竜姫 「昨日、妙神山にヒャクメが遊びに来たのですが、そのとき丁度
  老師さまの古いお知り合いの方々も見えていて、歓談なされていたのです…」
令子 「その知り合いって、やっぱり三蔵法師関係の?」
小竜姫 「ええ。 昨日見えてたのは、天蓬元帥と綣簾大将のお二人です。」
   
横島 「なんか、すごそうな肩書きの神様だなぁ〜
  サルの知り合いに、そんなすごい奴がいるなんて…」
令子 「猪八戒と、沙悟浄のことよっ。」
横島 「あっ、な〜んだ、そうか。」
シロ 「先生、それって、どんな神様たちでござるのか?」
横島 「サルのところに、ブタとカッパが遊びに来たんだってさ。」
小竜姫 「………」
   
令子 「まあ、三蔵法師がいないなら、歓談っていうより宴会なんでしょ?」
小竜姫 「そうなんです…。 そこにヒャクメも呼ばれて…」
令子 「なにか、そそうをした…」
小竜姫 「ええ…」
   
令子 「あんた、いったい何やらかしたの?」
ヒャクメ 「ああ〜ん、悪気はなかったんですね〜〜
  ちょっとお酒を飲みすぎちゃって、口が軽くなっちゃって〜…」
令子 「猿酒は、悪酔いするっていうからね〜 何、口走っちゃったの?」
ヒャクメ 「それがですね〜〜」
   
  老師たちが、天竺を目指して旅していた当時のことを自慢げに話してたとき、
  ヒャクメが老師たちの記憶を覗いて、ほんとのことを暴露してしまったという…
   
令子 「そりゃ〜、あんたが悪いわ…」
ヒャクメ 「だって〜、誰でもわかるような大法螺ふいてたんで、
  ほんとのことが気になってしょうがなかったんですね〜〜〜」
令子 「だからって、言わなきゃよかったのに…」
ヒャクメ 「ですから、酔ってて口が軽くなっちゃってたんですね〜〜〜」
   
令子 「でも、それだけで人間にされちゃったわけ? ちょっと厳しすぎるわね…」
小竜姫 「いえ、神族に戻れないわけじゃなくて、一時的な仏罰なんです。
  しばらく相手の心を覗けなくして、反省してもらうのが主旨だそうです。」
令子 「なるほど。 で、どれくらいの期間なんですか?」
小竜姫 「今日から、1ヶ月間とのことです。」
   
令子 「神様にとって、それぐらいなら、たいした長さじゃないですね。
  で、私にどうしろと? もう、事務所は定員オーバーですけどっ?」
小竜姫 「そこを、なんとかお願いしたいと思いまして…
  やはり、ヒャクメが人間界で1ヶ月間無事に過すには、ここしか思い浮かばなくて…」
   
キヌ 「あの、私のお部屋広いので、私と相部屋でよろしければ…」
令子 「いいの?おキヌちゃん。 無理する必要は無いのよ?」
キヌ 「いえ、大丈夫です。 ヒャクメさまにはお世話になってますし…」
ヒャクメ 「おキヌちゃんと一緒なら、私も安心して暮らせますね〜〜!」
令子 「ん? それって、私とだと不安っていう意味?」
ヒャクメ 「えっ? あっ? はは…」
横島 「誰だって、美神さんの奴隷にはなりたくないっしょ?」
  令子に殴られ横島ダウン…
   
令子 「ま、おキヌちゃんがいいっていうなら問題ないわね。
  ところで小竜姫さま、もちろん、タダじゃありませんよね?」
小竜姫 「はい。 老師さまにお願いして、報酬を用意してきました。」
  何か文字の書いてある色紙を見せる小竜姫
令子 「これはなんですか? 小竜姫さま…」
小竜姫 「老師の、直筆サイン入り色紙です。」
令子 「わかりました。 お引受けいたしますわっ!」
   
  コケる横島たち…
横島 「いくらなんでも、そんなんが報酬…?」
令子 「あんたも物の価値をわかんない奴ねっ! 本物の孫悟空のサインよっ!?
  好事家なら、数千万は出す代物よっ!?
  それに、1ヶ月間、事務処理の出来る派遣社員が無料でこき使えるのよっ!?」
横島 「鼻息が荒くなってる…」
ヒャクメ 「あああ、先行きが不安ですね〜〜〜」
   
  そんなわけで、おキヌちゃんの部屋でヒャクメを預かることになった美神たち
令子 「ヒャクメ、ここがあなたの1ヶ月間の仮の宿よ。
  あんまりおキヌちゃんに世話焼かせるんじゃないわよっ!?」
ヒャクメ 「はい…。 おキヌちゃん、お願いしますね〜〜」
キヌ 「ええ、なんでも聞いてくださいね。 私も幽霊から人間に戻ったとき、
  いろいろドジやっちゃってますから。」
   
  令子たちが帰宅した後のキヌの部屋
ヒャクメ 「ああ〜〜〜、私、こんな環境に耐えられるのかしら〜〜〜!」
  と、不安がりつつ、キヌと一緒にジュースを飲んで
  ポテチをつまみながら、テレビに見入るヒャクメ… 結構、楽しんでるのかも…
   
   
  翌日 事務所
ヒャクメ 「おはようございます…」
令子 「おはよう。 ヒャクメ、あんたの仕事、考えといたわよっ。」
ヒャクメ 「はい、何をすればいいんですか?」
令子 「これっ!」
  ヒャクメの前に積み上げられた、古文書の山…
   
令子 「古文書を調べるのって、結構大変なのよ… ヒャクメなら、簡単に読めるでしょ?」
ヒャクメ 「ええ。 特に問題有りませんが…」
  古文書をぺらぺらめくっているヒャクメ
令子 「よかったっ! それじゃあ、それ全部、現代文に訳してパソコンに入力しといてねっ!」
ヒャクメ 「えっ!? 全部?」
令子 「全部っていったって、そこに出してあるだけよ?
  なんなら、倉庫からもっと持ってこようか?」
ヒャクメ 「い、いえ、いいです。 早速、取りかかりますね〜〜!!」
令子 「よろしくねっ!」
  結構真剣に取り組んでいるヒャクメ… どうやら根はまじめらしい…
   
令子 「じゃあ、除霊に行って来るわ。 留守番、よろしくね。」
ヒャクメ 「はい〜。」
  事務所に一人取り残されるヒャクメ いつしか夜になり…
   
ヒャクメ 「私って、すごいのね〜。 こんなに仕事をやっちゃたもんね〜。
  ふう、さすがに少し疲れたかも。 休憩しよっと。」
  軽く顔を上げてみると、ついている明かりはヒャクメの机のスタンドだけで、
  広い事務所の隅の方まで光が届かず薄暗くなっている…
   
ヒャクメ 「ああ〜〜〜 まわりがよく見えないのって、怖いのね〜〜〜
  私ってば、こんな状況に慣れてないのよね〜〜〜
  あ〜〜ん、美神さんたち、早く帰ってきて〜〜!!」
   
   
  数時間後、仕事を終えて帰ってきた美神たち
横島 「ただいま〜〜」
ヒャクメ 「横島さんっ! あ〜ん、お帰りなさい〜っ!」
  半泣き状態で、いきなり横島に抱きつくヒャクメ  ぎゅう〜〜っ!
横島 「えっ?」
令子 「え゛っ?」 (ピキピキ)
ヒャクメ 「一人で待ってるのって、心細かったんですね〜〜〜!!」
令子 「あんた、それでも神様なの?」
ヒャクメ 「だって、人間になるなんて初めてなのね〜 一人でもうど〜しよ〜かと…!!」
令子 「まあ、いいけどね。 でも、あんた、いつまで横島クンに抱きついてる気っ!?」
   
ヒャクメ 「えっ!? あっ! ご、ごめんなさいっ!」
  真っ赤になって横島から離れるヒャクメ
  横島は、妄想状態に突入中で、心ここにあらずってな感じ…
横島 「でへへへ… ぶっ!?」
  令子に殴られ横島ダウン…
令子 「いつまで呆けてるっ!? 明日の準備をするわよっ!」
横島 「へ〜い」
  ヒャクメのOL一日目は、少々事務所の雰囲気を悪くして終了…
   
   
  翌日
令子 「今日も留守番よろしくね。」
ヒャクメ 「また一人ぼっちですかぁ〜?」
令子 「しょうがないじゃないの。 今のあんたじゃ、除霊の仕事は危険でしょ?」
キヌ 「あの〜、私、残りましょうか?」
令子 「いいのよ、おキヌちゃん。 留守番なんて小学生だって出来るんだから。
  なんか危険が有るなら別だけど、事務所にいるだけだもの。」
ヒャクメ 「うう〜、美神さん、冷たいですね〜〜」
令子 「あんた、仏罰を受けてる身でしょ? それくらい、我慢しなさいっ!」
  またまた事務所に一人取り残されるヒャクメ やがて夜になり…
   
  ガチャッ! バタンッ! 玄関のドアを開閉した音が聞こえる…
ヒャクメ (あっ! 美神さんたち、帰ってきたのね〜?)
  コツッ!コツッ!コツッ!コツッ! 階段をゆっくり上る足音は、革靴の音…
ヒャクメ (えっ? 美神さんたちの足音じゃないっ!?
  そういえば、車がガレージに入る音もしなかったわねっ!?
  もしかして、美神さんを殺しに来た暗殺者っ!?)
  ぞぉ〜〜〜っ!!
   
ヒャクメ (あああ〜〜!! 美神さんったら、敵が多すぎるのね〜〜っ!
  私ったら、美神さんと間違えられて殺されちゃうんだわ〜〜っ!
  こんなところで、私の一生が終わっちゃうなんてぇ〜〜〜っ!!)
  机の下に隠れて、ブルブル震えているヒャクメ
  足音は、事務室の前で止まり、ドアが開けられる… ギィ〜…
   
   
   
  仕事を終えて事務所の前に帰ってきた令子たち…
令子 「さっ、車をガレージに入れるわよ。 おキヌちゃん、シャッター開けてくれる?」
キヌ 「はいっ。」
  車の中からシャッターの自動開閉用リモコンを操作するおキヌちゃん
キヌ 「あれっ? 開かないわ。 どうしたのかしら?」
横島 「リモコンの電池が切れちゃったんじゃないの? 俺、手動で開けてきますねっ!」
令子 「そう? 悪いわね。」
  そう言いつつ、いかにも挙動不審な様子で車から降り、ガレージの
  シャッターを開けもせずに事務所の中にそそくさと入っていく横島…
   
令子 「なんなの? あの横島クンの態度… トイレならそう言えばいいのに…
  ほかに何かわけでも……   あっ! ヒャクメっ!!」
  横島の魂胆に気づいて、車を飛び降り横島を追いかける令子!
キヌ 「あああ、リモコンに電池が入ってない…」
シロ 「どういうことでござるのか…?」
タマモ 「横島が、電池を抜き取ったってことでしょ?」
   
   
  事務所の中に勢いよく飛び込んだ横島
横島 「ヒャクメ、今帰ってきたよっ! もう怖くないからねっ!」
  と、ヒャクメが前日みたいに抱きつくのを想定していた横島
  でも目に入ったのは…
横島 「なっ!? 西条っ!? 貴様がなんでっ!?
  このやろう、美神さんや魔鈴さんだけじゃ飽き足らず、
  ヒャクメにまで手を出すなんて許せん〜〜〜〜っ!!」
西条 「えっ? なんの話だっ?」
横島 「問答無用っ!!」
   
  霊波刀で西条に襲いかかる横島っ! それと同時に横島を追って来た令子が、
  神通棍を振りかざして事務所の中に勢いよく飛び込んでくるっ!
   
令子 「横島ぁ〜〜っ!! 色ボケも、たいがいにせんかぁ〜〜〜いっ!!」
  令子の放った神通棍の一撃が横島に命中! バキィ〜ッ!
  さらに、延びた神通棍の先端が西条にも命中……
西条 「わっ!?」
令子 「えっ!? 西条…さん…?」
   
  気を失った二人を看病する令子とキヌ、やがて西条の目が覚めて…
令子 「ごめんなさい、西条さん…」
西条 「い、いや、たいしたことはない。 大丈夫だよ、令子ちゃん…」
令子 「ところで、今日はどんなご用で来られたんですか…?」
西条 「ああ、出張から帰ってきたところでね、君たちにお土産を買ってきたんだ。
  さっき、ヒャクメ様にお渡ししたんだが…」
   
ヒャクメ 「はい、美味しいお菓子でした〜。ごちそうさまですね〜」
シロ 「うまかったでござるよっ!」
タマモ 「油揚げ以外であの味なら、まあまあだわ。」
  そういう三人の前にあるのは、空っぽになってしまったお土産の箱…
   
令子 「あんたら…、もしかして全部食べちゃったのっ!?」
ヒャクメ 「だって〜、この騒動で夕食が食べれなかったじゃないですか〜
  もう、お腹がすいちゃって、我慢できなかったのね〜〜」
令子 「………」
  ヒャクメのOL二日目も、いろいろ問題を起こしながらとりあえず終了…
   
   
  翌日
シロ 「美神さん〜 とってきたでござるよ〜〜!」
令子 「ごくろうさんっ! おキヌちゃんの方は用意できた?」
キヌ 「はい。 でも、もう使わないと思ってたので、ほこりかぶっちゃってますけど?」
令子 「かまやしないわっ。 どうせ、練習用なんだもの。
  じゃ、ヒャクメ、こっち来てくれる?」
ヒャクメ 「はい〜〜〜…。」
   
  令子の机に置かれているのは、シロが採取してきた低級霊の入った箱と、
  五十円の御札 9枚 (10枚セットで、1枚使用済み)など、1枚千円以下の御札の山…
   
令子 「あんたを留守番させても、ろくなことがないってことがわかったからね〜。
  しかたないから、あんたも除霊に連れて行こうと思ってるの。
  ま、元は神様なんだから、人間になっても人並み以上の霊力は有るはずよ。
  御札の使い方とかの人間の戦い方を覚えておけば、実戦に出ても困らないわ。
  今から私が、徹底的に教えてあげるからねっ!」
ヒャクメ 「は、はい〜〜〜っ!」
   
横島 「あの〜、今夜の仕事は…?」
令子 「ん? ヒャクメが使えるようになるまで、あんたたちだけで、お願いねっ!」
  そういって、別室を締め切って特訓を始める令子とヒャクメ…
   
横島 「ああ、美神さんの大好きな特訓が始まった…。」
キヌ 「ヒャクメさま、耐えられるかしら…。」
シロ 「美神さんの特訓って、そんなにすごいんでござるか?」
横島 「まぁ〜な…。 出来るようになるまで、絶対、手ぇ〜抜かないから…。」
   
  別室から漏れ聞こえる二人の声…
ヒャクメ 「ええ〜? 無理なのね〜?」
令子 「甘えてるんじゃないわよっ!」
  ピシ〜〜ッ! 令子の神通棍のムチの音…
ヒャクメ 「ああああ〜〜〜っ!」
   
  ぞぉ〜〜〜〜
キヌ 「あ、あの、横島さんっ! し、仕事に行きませんか?」
横島 「そ、そうだな。 ま、まだ、ちょっと早いけど、いいよな?」
タマモ 「でも、予定の時間まで、まだ3時間もあるわよ?」
横島 「とにかく、外に行こうっ! 下手すると巻き込まれて、ヒドイ目に遭うぞっ!」
シロ 「そうなんでござるか……」
   
   
  仕事を終えて、事務所に戻ってきてみると…
  つやつやとした笑顔の令子と、涙も枯れ果てぐったりしているヒャクメ…
キヌ 「あああ、ヒャクメさま……」
横島 「美神さん、ずいぶん、機嫌良さそうですね?」
令子 「まあねっ! 思った通り、ヒャクメの霊力は、人間としたら高い方だわっ!
  鍛えれば、GS試験のベスト4ぐらいには入れそうよっ!」
   
横島 「でも、そうとうキツイ特訓してるみたいっスね?」
令子 「そりゃそうよっ! ヒャクメを使えるのは1ヶ月しかないのよ?
  普通2〜3年かけるような修行を、5日でやろうとしてるんだもの。
  それぐらいは、しかたがないわねっ。」
横島 「………、かわいそうに……」
   
   
  キヌの部屋…
キヌ 「ヒャクメさま、大丈夫ですか…?」
ヒャクメ 「ひ〜ん、あんまり大丈夫じゃないのね〜〜っ! 背中の傷、見てくれる〜〜っ!?」
  下着姿になって、キヌに背中を見せるヒャクメ
キヌ 「あああ………っ!」
  背中からオシリにかけて、令子の神通棍で出来たと思われる傷跡が、
  赤くはれ上がって、幾筋もついている…
   
キヌ 「ど、どうして、こんな傷が…?」
ヒャクメ 「美神さんが、『悪霊の攻撃と思って、よけるのよ〜っ!』って言いながら、
  神通棍を私にめがけて振り下ろしたんですね〜〜〜!
  あんな攻撃、人間じゃ、よけれるわけありませんね〜〜〜っ!!」
キヌ 「あああ……」
  言葉のかけようもないおキヌちゃん、ただただ、ヒーリングしてあげるだけ…
   
   
  翌日以降も令子によるヒャクメの特訓は、情け容赦なく続き、
  一応、予定の5日間が経過する…
   
令子 「うん、なんとかこれで実戦に連れてっても大丈夫そうねっ!
  あんたも、少しは自信がついたでしょっ?」
ヒャクメ 「自信とかより、シゴキが終わったことのほうが嬉しいですね〜〜っ!」
   
令子 「なに言ってんのよ。 実戦前の特訓が終わっただけで、これからも特訓は
  続けて行くわよ? そうしないと、実戦でヒドイ目に遭うわよっ!?」
ヒャクメ 「ひえ〜〜っ!?  実戦でヒドイ目に遭ったほうが、楽かも〜〜〜っ!!」
   
   
  翌日 仕事先の廃工場 ヒャクメの実戦初参加…
令子 「ヒャクメ、頭数も多いし、今夜は見てるだけでいいわよ。
  でも、自分の身は、自分で守るのよっ、いいわねっ!?」
ヒャクメ 「はい〜〜。」
   
ヒャクメ 「おキヌちゃん〜〜、いざとなったら私を守ってね〜〜〜?
  横島さんも、シロちゃん、タマモちゃんも、お願いね〜〜〜?」
キヌ 「ええ、私たちで、お守りしますから……」
  怖がりながらも、一人になるほうがもっと怖いので、
  キヌたちについていくヒャクメ…
   
  令子たちの様子を伺っていた悪霊
悪霊 『俺を除霊しにきた連中かっ! 数が多いから一気に襲うのは難しいな…
  よし、弱そうな奴から一人ずつ襲っていって、恐怖で震え上がらせてやるっ!
  クックックックッ… まずは、あいつからだっ!』
   
  悪霊が最初に目をつけたのは、当然ながら腰の引けてるヒャクメ…
悪霊 『ゴガァアアア〜〜〜〜ッ!!』
  ヒャクメに目掛けて襲いかかる悪霊っ!
ヒャクメ 「えっ!?」
   
キヌ 「ヒャクメさまっ!」
横島 「文珠でっ…!」
シロ 「拙者がっ!」
タマモ 「私もっ!」
ヒャクメ 「きゃあああぁぁ〜〜〜〜〜〜〜っ!!!」   どっご〜んっ!!
   
  し〜〜ん…
ヒャクメ 「あああ、私、まだ、生きてるの? どうなっちゃったの?」
  うずくまってブルブル震えながら、怖くて目を開けられないでいるヒャクメ…
   
令子 「さすがに、元神様ね、たいしたもんだわ……」
ヒャクメ 「えっ? その声は美神さんっ!?」
令子 「あんたが、悪霊を退治したのよっ!? あんたの強力な霊波の一撃でねっ!
  目を開けて、見てごらんなさいよ…」
   
ヒャクメ 「そうですか…?」
  言われるままに、恐る恐るヒャクメが目を開けてみると…
  ひっくりかえって目をまわしている、横島、キヌ、シロ、タマモの4人… きゅるるる〜〜!
   
ヒャクメ 「ええっ!?」
令子 「かわいそうにね〜〜 あんたを助けようとして悪霊に飛びかかったところに、
  あんたが霊波を放出したもんだから、それをモロに受けちゃって…
  ほら、ぼんやりしてないで、介抱してやんなさいよっ!」
ヒャクメ 「あああ〜〜、ごめんなさい〜〜」
   
   
  ま、それでも、自分の霊力にそこそこの自信を持てたおかげで、さほど怖がることなく
  除霊も、留守番も、人間としての生活も、普通にこなせるようになったヒャクメ
  ほとんど趣味と化した令子による特訓と、
  まるっきり趣味の横島によるセクハラに悩まされながらだけど…
   
   
  やがて1ヶ月が過ぎ、小竜姫がヒャクメを迎えに来る…
小竜姫 「みなさん、どうもありがとうございました。
  いろいろ迷惑をおかけしたと思いますが、許してあげてください。」
令子 「ま、はじめはどうなることかと思ってましたけど、慣れてきてからは
  ずいぶん役に立ってくれましたわっ。」
ヒャクメ 「そう言っていただけると、嬉しいですね〜。」
   
小竜姫 「それでは、お師匠様のかけた仏罰の封印を解除しますっ!」
  なにやら呪文を唱えて、霊波をヒャクメに送る小竜姫
  ヴィ〜〜ンッ!!
   
ヒャクメ 「ああっ! 元に戻ったのねっ!? 嬉しい〜〜っ!!」
小竜姫 「ヒャクメ、これに懲りて、人の心を安易に覗いたりしちゃダメよっ?」
ヒャクメ 「人の心を覗くっ!?」
   
  ゆっくりと、令子と横島の方を振り向くヒャクメ…
ヒャクメ  (ニヤリッ!!)
令子・横島  (ギクリッ!!)
   
ヒャクメ 「横島さん〜〜 ここと、そこと、あそこにあるのは何ですか〜〜?
  ずいぶん沢山、私の恥ずかしい写真を撮ってくれましたね〜〜?」
横島 「やめて〜〜っ! 僕の宝物〜〜!」
小竜姫 「ヒャ、ヒャクメっ!」
ヒャクメ 「あら〜、小竜姫の写真も〜っ!?」
小竜姫 「ええっ!?」
横島 「あああ〜〜〜っ!」
   
ヒャクメ 「つぎは…  美神さん〜〜」
令子 「な、何よっ! わ、私は、何もやましいことなんかっ!!」
ヒャクメ 「これは、何かしらぁ〜〜っ?」
令子 「あああ、それは私のよ〜〜っ!」
小竜姫 「竜神の短剣が、なぜここにっ!?」
   
   
キヌ 「ああぁ……」
シロ 「……、ヒャクメどのも、ずいぶんストレス溜まってたみたいでござるな…」
タマモ 「……、溜まらない方が不思議だと思うわ……」
   
END  

※この作品は、まきしゃさんによる C-WWW への投稿作品です。
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