| 人間界の片隅で… | ||
| メドーサ | 「ん、ん～ あれ？ あたし…… | |
| そうか、また復活したのか… | ||
| えっと、あたし、最後はどうだったっけかな？ | ||
| アシュ様の指示で月に行って、横島にやられて、 | ||
| 横島の腹の中で若返ったと思ったら、横島にやられて、 | ||
| 宇宙船ごとふっ飛ばそうと思ったら、横島にやられて、 | ||
| 復活したと思ったら、横島とデキてるルシオラに驚いてるうちに、横島にやられて… | ||
| な、なによっ！ あたしったら、横島にやられっぱなしなわけっ？ | ||
| むぅ…、やっぱあいつは生かしておけないわっ！ | ||
| でも… なんか、もう、どうでもい～って感じ～。 | ||
| くやしいはずなのに、なぜだか殺したいっていう衝動が湧かないしな～ | ||
| それより、これからあたし、どうしよう？ | ||
| 人間界が続いてるのをみると、アシュ様の計画は失敗したみたいだし、 | ||
| なんか、魔族との関係も、どうでもよくなっちゃったわ。 | ||
| そおね～、小竜姫をからかいに、妙神山にでも行ってみよっとっ。」 | ||
| 妙神山入り口 | ||
| メドーサ | 「ちわ～っ！ ねえ、中に入れてよ。」 | |
| 右鬼門 | 「お、おまえはっ！！ 復活したのかっ！？」 | |
| 左鬼門 | 「ならぬ！ 貴様のような奴を通すわけにはっ！」 | |
| メドーサ | 「あっ、そっ。」 | |
| 鬼門をあっさりやっつけて、中に入ってしまうメドーサ | ||
| 小竜姫 | 「何事ですっ！？ うっ、メドーサ…」 | |
| メドーサ | 「はあ～い、お久しぶり。 あんた、ちっとも変わってないのね～ | |
| あら、でも、目尻にしわが…」 | ||
| 小竜姫 | 「うっ！ （ピキピキ）」 | |
| メドーサ | 「あははっ。 じょ～だんよ、あんたの顔のしわなんか、いちいち覚えてなんか | |
| いないもの。 それより、せっかく遊びに来たんだから、お茶くらい出しなさいよ。」 | ||
| 小竜姫 | 「遊びにっ！？」 | |
| メドーサ | 「そおよっ。 いまさら昔みたいにあんたと戦う気なんか無いんだから。 | |
| とりあえず、あたしが消滅してから復活するまでの間、 | ||
| どんなことがあったのか、知りたいだけよ。」 | ||
| 小竜姫 | 「そ、そう…」 | |
| お茶を用意したあと、ぎこちなく会話を始める小竜姫とメドーサ… | ||
| しばらくして… | ||
| ヒャクメ | 「小竜姫、急ぎの用事ってなぁに～？ えっ？ メドーサ？」 | |
| メドーサ | 「あら、ちょうどよかったわ。 小竜姫じゃ、話がちっとも進まないんだもん。 | |
| ねえヒャクメ、あたしが消滅してからのこと教えてくれる？」 | ||
| ヒャクメ | 「えっ？ ええっと…」 | |
| 小竜姫 | 「ヒャクメ、私の用事が先ですっ！ ちょっと、こっちに来てくれる？ | |
| メドーサ、あなたはそこで待ってなさいっ！」 | ||
| メドーサ | 「さっさと終わらせてよね～」 | |
| 妙神山の隅に移動する小竜姫とヒャクメ | ||
| ヒャクメ | 「驚きましたね～、なんでメドーサがここに？」 | |
| 小竜姫 | 「急ぎの用事はそれなのよ。 ちょっとメドーサを見て欲しいの。 | |
| あの小生意気な態度とひねくれた性格は、確かにメドーサなんだけど | ||
| 以前と違って邪悪な気がまったく感じられないの。 | ||
| あなたの目で、ほんとかどうか確かめてくれる？」 | ||
| ヒャクメ | 「どれどれ？ ん～～～～～～～ あら、ほんとっ！ | |
| 気の光具合は、竜神族のそれなのね～。 | ||
| あ～あ、小竜姫とメドーサがおんなじ光になっちゃったのね～」 | ||
| 小竜姫 | 「うっ、あんなのと一緒にしないでくれるっ！？ | |
| でも、どういうことかしら…？」 | ||
| ヒャクメ | 「アシュタロスが消滅したので、メドーサには邪悪になる理由が無くなったみたい | |
| なのね～。ですから、普通の竜神族に戻ったと考えたほうがいいわね～。」 | ||
| 小竜姫 | 「そういうことか…。 でも、頭では理解出来ても、心の方が…」 | |
| ヒャクメ | 「あなたがそんな気持ちで接したら、また悪の道に入っちゃうかもね～ | |
| そしたら、責任は小竜姫ってことで上に報告することになっちゃうんですね～」 | ||
| 小竜姫 | 「ううう～～～、わ、わかったわ。疑うのをやめるわ。やめればいいんでしょっ！」 | |
| ヒャクメ | 「ま、そういうことですね～」 | |
| 小竜姫 | 「くっ、あなたはあいつと直接戦ったこと無いもんだから……」 | |
| ヒャクメ | 「ほらほら、いつまでも待たせてちゃ、悪の道にぃ～」 | |
| 小竜姫 | 「ううううう～～～～～！！！」 | |
| メドーサの所に戻る二人 | ||
| メドーサ | 「遅かったわね～。 小竜姫って、ほんっとトロいんだから～。」 | |
| 小竜姫 | 「ヒャ、ヒャクメッ！ この態度のどこが邪悪じゃないっていうのよっ！？」 | |
| ヒャクメ | 「しかたないですね～。 性格は邪悪だったときのまんまですから～。 | |
| 違うのは、悪い事を思いついた場合、以前だったら必ず実行してたのに、 | ||
| 邪悪な気の無い今なら、口先だけで気がすんでしまうんですね～。」 | ||
| メドーサ | 「ふ～ん、あたしって、そんな状態なのかぁ～。 | |
| ねえヒャクメ、あたしが消滅してからの話をしてくれるんでしょ？」 | ||
| ヒャクメ | 「そうですね～」 | |
| ヒャクメの話を聞き終えて… | ||
| メドーサ | 「アシュ様が死にたがってたっていうのは意外だったわ～。 | |
| そんなこと考えてたなんて、ちっとも知らなかった。 | ||
| あたしが悪の道に入ったのも、大昔アシュ様に誘われたからだったのに。 | ||
| ま、アシュ様が復活しないんなら、あたしに邪悪な気が無いのもわかるわ。 | ||
| でも変ね～。 アシュ様が復活しないなら魔界のパワーは不足気味でしょ？ | ||
| なんで、あたしが邪気の無い竜神族として復活したのかな～？ | ||
| あたしのパワー、神魔界でも、かなり強力なはずなんだけど…。」 | ||
| ヒャクメ | 「最初に話したとおり、アシュタロスが本格的に動き出したときに、その部下たちに | |
| 俗界の神族、魔族の全拠点を破壊されちゃったのね～ | ||
| そのとき、多くの格の高い神族も一緒に消滅しちゃったんで、生き残った神魔族の | ||
| パワーバランスは、一応、均衡してたのね～。 | ||
| でも、強力だけど１年で消滅するはずだった魔族のべスパとパピリオを、 | ||
| 長生きできるようにしちゃったため、現状では、魔族のパワーの方が上回って | ||
| るんですね～。 だから、神族が復活するのは、別に変じゃないのね～」 | ||
| メドーサ | 「ふ～ん、そうなの。 でも、そのとき消滅した神族が復活せずに、あたしが | |
| 復活したのはなぜかしら。 小竜姫、わかる？」 | ||
| 小竜姫 | 「推測だけど…、強い魔族が敵対することになったとき、神族の戦士として | |
| 働いてもらうために復活したんだと思うわ。 | ||
| おそらく、あなたの戦闘経験を買ってのことでしょうけど…。」 | ||
| メドーサ | 「なるほど。 魔族の戦い方なら、熟知してるからね～ | |
| そういえば、あたし、小竜姫本人には負けたこと無かったもんねっ！ | ||
| たぶんお偉いさんも、小竜姫だけに任せるのは不安だったのね～。 | ||
| ふふん、なんか気分いいわぁ～。 | ||
| 小竜姫、戦いになったら、あたしの指揮下に入るのよっ！」 | ||
| 小竜姫 | 「ま、まだ、戦いになると決まったわけではありませんっ！」 | |
| ヒャクメ | 「………」 （この二人が組んだら、神族の戦力、内輪もめで半減するかも～） | |
| 神族たちが仲悪く会話を続けていたとき… | ||
| パピリオ | 「ただいまでちゅ～」 | |
| 小竜姫 | 「パピリオっ！ 修行をさぼってどこに行ってたんですかっ！？」 | |
| パピリオ | 「べスパちゃんのとこでちゅ～ | |
| どうちたんでちゅか？ ご機嫌悪そ～でちゅね～ | ||
| たまには会いに行けって言ってたのは小竜姫ちゃんでちゅよ？」 | ||
| メドーサ | 「パピリオって…、たしかアシュ様直属のチビっこ… | |
| こいつのおかげで、あたしが復活できたってわけね？」 | ||
| パピリオ | 「えっ？ おまえはメドーサっ！？妙神山に喧嘩を売りに来たんでちゅかっ！？」 | |
| いきなり戦闘態勢に入るパピリオ | ||
| 小竜姫 | 「パピリオッ！ 戦闘態勢を解きなさいっ！ | |
| メドーサは敵ではありませんっ！ すっごく残念だけど… 」 | ||
| パピリオ | 「えっ？ どういうことでちゅか？」 | |
| メドーサ | 「あんたと同じってことさっ。」 | |
| メドーサについての話をおおまかに聞いたパピリオ | ||
| パピリオ | 「ふ～ん、そうなんでちゅか…。」 | |
| 小竜姫 | 「さっ、わかったでしょ？ あなたはもう修行に戻りなさいっ！」 | |
| パピリオ | 「はいでちゅ…」 | |
| メドーサ | 「そおね～、あたしも小竜姫と雑談するの、あきちゃったわ。 | |
| パピリオ、どお？ あたしがあんたに稽古つけてあげるわよっ？」 | ||
| パピリオ | 「稽古？ いいでちゅけど、わたしは、強いでちゅよ？」 | |
| 小竜姫 | 「そうね、パピリオ、メドーサに稽古つけてあげなさい。」 | |
| パピリオ | 「いいんでちゅか？」 | |
| 小竜姫 | 「ええ、メドーサも神族の戦士として強くなってもらわなきゃっ！ | |
| さっ、二人に修行場貸すから、気の済むまでやってらっしゃい。」 | ||
| 修行場に二人を送り出した、小竜姫とヒャクメ | ||
| 小竜姫 | 「これでメドーサも、パピリオにやられて少しはおとなしくなるわねっ！」 | |
| ヒャクメ | 「小竜姫…、わたし見てしまいましたね～」 | |
| 小竜姫 | 「えっ？」 | |
| ヒャクメ | 「パピリオに、竜神族の装備を渡しましたね～？」 | |
| 小竜姫 | 「だ、だって、相手はメドーサよ？ | |
| 超加速使われちゃったら、パピリオの分が悪いから…」 | ||
| ヒャクメ | 「まあ、いいですけどね～～」 | |
| 修行場では、二人とも超加速状態で戦っていた… | ||
| メドーサ | 「なに？ こ、こいつ、強いっ！？」 | |
| パピリオ | 「ほらほら、どうしたんでちゅか？ 次の攻撃いきまちゅよっ！？」 | |
| メドーサ | 「わわっ！？」 | |
| ドッゴ～ン！！ あっさりやられてしまうメドーサ | ||
| メドーサ | 「くやしいけど、今のあたしじゃ、勝てそうもないわね… | |
| でも、いい目標が出来たわ。 技、磨きたいから、また戦ってくれる？」 | ||
| パピリオ | 「いいでちゅよ。わたしも、相手のいない修行は、つまんないでちゅから。」 | |
| どうやらこの二人の仲は、うまくいきそうな感じ… | ||
| パピリオ | 「あ～、いい汗かいたでちゅ。 メドーサ、こっちに岩風呂があるでちゅよ。 | |
| 一緒に入るでちゅ。」 | ||
| メドーサ | 「へえ～、岩風呂か。 いいね、入らせてもらうわっ！」 | |
| 湯船につかってくつろいでいる二人 | ||
| パピリオ | 「あ～、気持ちいいでちゅ～」 | |
| メドーサ | 「やっぱ、復活したばかりのせいか、動きがにぶってたわね～。 | |
| あっ、そうそう、あんたの戦い方だけど、ちょっとバカ正直過ぎるわよ？」 | ||
| パピリオ | 「どういうことでちゅか？」 | |
| メドーサ | 「小竜姫の指導じゃむりないかもしんないけど、戦いっていうのは勝つのが目的よ。」 | |
| と、ヒキョーな戦い方をパピリオに伝授しはじめるメドーサ | ||
| 風呂から出て、小竜姫たちの所に戻る二人 | ||
| メドーサ | 「小竜姫、あたし、ここ、気に入っちゃったわ。 | |
| しばらくここで修行したいんだけど、いいでしょ？」 | ||
| 小竜姫 | 「えっ？」 | |
| パピリオ | 「わたしもメドーサちゃんに、戦い方を教わりたいでちゅ。」 | |
| 小竜姫 | 「えっ？ メドーサちゃん？」 | |
| ヒャクメ | 「よかったですね～ メドーサとパピリオが仲良くなれて。 | |
| それじゃ、私は帰りますね～ 小竜姫、がんばってね～。」 | ||
| 小竜姫 | 「あっ、ヒャクメ！？」 | |
| 戸惑う小竜姫を残してさっさと帰ってしまうヒャクメ… | ||
| 小竜姫 | 「ふぅ、わかりました。 いいでしょう。 | |
| ただ、ここは人間と神界との接点でもあります。 | ||
| ですから、人間にあなたのことを一緒に説明しに行かなければなりません。」 | ||
| メドーサ | 「え～、一緒に？ 小竜姫だけで、あたしは行かなくてもいいんじゃないの？」 | |
| 小竜姫 | 「そういうわけにはいきませんっ！ | |
| あなたは人間界では悪い竜神として通っているんですよっ！？ | ||
| あなたが改心したってことを見せておかないと、ここが悪の巣窟と勘違いされて | ||
| しまうじゃないですかっ！」 | ||
| メドーサ | 「わかったわよっ。さっさと行って、さっさと終わらせちゃってよね。」 | |
| パピリオ | 「人間界に行くんでちゅね？ 久しぶりに、ポチに会えるでちゅ～」 | |
| 美神事務所 | ||
| 令子 | 「この性悪ヘビ女が、神様になって復活しただってぇ～っ？！（ぷるぷる）」 | |
| メドーサ | 「性悪～？ あんたに言われたくは無いわね～ | |
| えげつない戦い方では、あんたのやり口がずいぶん参考になったんだから。 | ||
| それでも、そこの横島にはやられたかもしんないけど、あたしはあんたに | ||
| やられた気は、これっぽっちも無いもんね。 | ||
| そういえば、月ではあんたを刺したっけね～ | ||
| 痛かったでしょ～？ ご～めんね～～」 | ||
| 令子 | 「しょ、小竜姫さまっ！ この態度のどこが邪悪じゃないっていうのよっ！？」 | |
| 小竜姫 | 「仕方が無いんです… 性格は邪悪だったときのままですから… | |
| 違うのは、悪い事を思いついた場合、以前だったら必ず実行してたのに、 | ||
| 邪悪な気の無い今なら、口先だけで気がすんでしまうということなので…」 | ||
| メドーサ | 「あっ、そうそう。 しばらく妙神山に居る事になったのよ。 | |
| 修行したくなったら、いつでも相手してあげるわよ。 お・ば・さ・まっ！」 | ||
| 令子 | 「うきぃ～～！！ おまえが言う！？ そゆこと言う！？」 | |
| キヌ | 「み、美神さん、落ち着いてっ！」 | |
| 横島 | 「しっかし、信じられんな～。あのメドーサが、小竜姫様と同じ神様だなんて…」 | |
| パピリオ | 「私だって、何度もヨコシマを殺そうとしたことがあるでちゅよ。 | |
| 誰が敵で誰が味方かなんて、しょっちゅう変わるんでちゅ。」 | ||
| 横島 | 「ああ。 おまえの言ってることは、よくわかるんだが…」 | |
| 小竜姫 | 「信じ難いこととは思いますが、メドーサに邪悪な気が無くなったのは事実です。 | |
| 性格は今まで通りですので、いろいろ気に障ることはあるでしょうけど、 | ||
| 信じてあげてください。 私が保証します。」 | ||
| 横島 | 「小竜姫様に保証されたんじゃ、信じないわけにはいかないなぁ～。 | |
| メドーサが、悪い邪神から善い神様にねぇ～…」 | ||
| メドーサ | 「横島、あんたには散々ヒドい目に遭わされたけど、いまさら復讐する気もないわ。 | |
| こう見えても、神様だからね～ 命の保証だけは、してあげるわよっ。 | ||
| そのかわり、あたしのことを『メドーサ様』と呼ぶのよっ！」 | ||
| 横島 | 「メドーサ様かぁ～ ちょっと抵抗はあるけど… | |
| でも、殺される心配が無いのはありがたいよな～ | ||
| えっ！？ ということは、もしかしてっ！？」 | ||
| おもむろに両手でメドーサの胸をつかむ横島 むにゅ！ | ||
| メドーサ | 「えっ！？」 | |
| 突然のできごとに固まってしまうメドーサ | ||
| 令子 | 「なにやっとるかぁ～！ きさまは～～～っ！！」 | |
| 令子に殴られ、横島ダウン… | ||
| 横島 | 「今までは、殺されるのが怖くて触れなかったけど、今だったら大丈夫かな～と思って…」 | |
| 令子 | 「アホか～～～～！！」 | |
| メドーサ | 「よこ・しま？」 ムカッ | |
| 横島 | 「えっ？」 | |
| メドーサ | 「よ・こ・し・ま？」 ムカムカッ！ | |
| 横島 | 「えっ？ えっ？」 | |
| メドーサ | 「よ・こ・し・まぁ～～～？」 ムカムカムカ～～～ッ！！ | |
| メドーサ | 「貴様だけは、許せん～！ 死ね～～！！！」 | |
| 横島 | 「ひ、ひぇ～～～？」 | |
| 横島のセクハラに怒り心頭となり、邪悪な気が湧き上がってしまったメドーサ！ | ||
| 小竜姫 | 「メドーサ、血迷ったかっ！ 覚悟っ！」 | |
| パピリオ | 「ポチになにするんでちゅかっ！！」 | |
| メドーサ | 「うわっ！！！」 ドッゴ～ン！ | |
| 小竜姫とパピリオの素早い攻撃を受けて、メドーサ消滅…… | ||
| 横島 | 「あ、あの…、もしかして、俺の…せい…？」 | |
| 令子 | 「ほかに誰のせいっていうのよっ！ | |
| ま、かわいそうだけど、私にとってはラッキーねっ！」 | ||
| 小竜姫 | 「………、あなたたちに会わせたのは、間違いだったみたい…」 | |
| パピリオ | 「メドーサちゃん、かわいそうに…」 | |
| 妙神山に、足取り重く帰ってきた二人… | ||
| 小竜姫 | 「私の留守の間、なにごとも有りませんでしたか？」 | |
| 右鬼門 | 「そ、それが…」 | |
| メドーサ | 「よっ！ 遅かったじゃないのっ！」 | |
| 小竜姫 | 「えっ？ あなた、消滅したんじゃ…？」 | |
| パピリオ | 「メドーサちゃん、無事だったんでちゅねっ！？」 | |
| メドーサ | 「なんだよ、超加速で逃げたのに、気付かなかったの～？ 情けないわね～」 | |
| 小竜姫 | 「どうやら、今はもう、邪悪な気は無いようね… | |
| メドーサ、あなた自分で邪悪な気を制御できるのね？」 | ||
| メドーサ | 「まあね～。 元の竜神に戻ったんだもの、それくらいわね～。 | |
| あたし、天敵の横島に会いに行くのは、嫌だったんだ。 | ||
| 邪悪な気が湧いてくるんじゃないかって、心配だったからなんだけど、 | ||
| 会っただけならなんともなくて、自分でも善い竜神になったという実感が湧いたのよ。 | ||
| でもさ～、あんなことされたら、あんただって怒るだろ？」 | ||
| 小竜姫 | 「えっ？ ええ…、仏罰を下そうとしたことはあります…」 | |
| メドーサ | 「だろ～？ それでも瞬間的に殺しちゃぁまずいと思ったから、 | |
| あんたたちが攻撃する前に、あの場を逃げ出しちゃったわけさ。」 | ||
| 小竜姫 | 「そ、そうなの…」 | |
| メドーサ | 「あたしもまたあんな目に遭うのは嫌だから、もう横島んとこには行かないよっ！？ | |
| いいだろ？ 小竜姫。」 | ||
| 小竜姫 | 「そうね…、そのほうがいいでしょう…」 | |
| メドーサ | 「そうそう、パピリオ。さっき、あたしをどうやって倒そうとしたの？ 技を教えてよっ。」 | |
| パピリオ | 「いいでちゅよ。 じゃあ、修行場に行きまちょう。」 | |
| 「メドーサのことは、横島さんが死ぬまで人間界には黙っておこう…」 | ||
| そう心に決めた小竜姫であった… | ||
| ま、パピリオの手紙で数日後には、ばれちゃったけど… | ||
| END |