『プリンセス・オブ・ドラゴン』

著者:CSU


キキッ!!  美神事務所の前に一台の車が止まった。
鬼門「着きましてございます、小竜姫さま」
小竜姫「ご苦労」 

車の中から現れたのは小竜姫さまであった。 
小竜姫「鬼門の二人はもう帰っていいわよ」
鬼門「小竜姫さま、では・・・」 
小竜姫「ええ・・・」
と言いつつ鬼門の二人は帰っていった。

美神事務所内にて 
美神「小竜姫がここに来たってことは、また、魔族の武闘派か何かが反乱を起こしたとか
   言うんじゃないでしょうね、冗談じゃないわよ、ついこの間アシュタロスを
   倒したばっかりだって言うのに!」
おキヌ「まーまー美神さん、何もそんな決めつけることもないじゃないですか
   まずは話を聞いてみましょうよ」
美神「小竜姫さま、今日はどんなご用件で?」 
小竜姫「突然、お邪魔してすみません、実は美神さんに相談したいことがあって・・・
    非常に私的なことで申し訳ないのですが・・・」 

ここから回想シーン 
************************************* 

斉天大聖老師「小竜姫、小竜姫はいるか」 
小竜姫「はい、何でしょうか、斉天大聖老師」 
老師「実はな、天界からおまえ宛にこんなものが来ておるのだ、
   『右の者、妙神山管理人、小竜姫を竜神王陛下の后として命ずる、
   よって3日以内に天界まで来ること、なお、この決定に不服がある場合は、
   正当なる理由を持って陛下に直接交渉すること』という内容だ。」 
驚きのあまり目を丸くした小竜姫が一言 
小竜姫「何で私が・・・」 
老師「おまえも知っておる通り、先日、竜神王陛下の后が亡くなられてな、
   その跡継ぎを決める会議が先日開かれて、詳しい事情はよくわからんが
   おまえに決定したのだ。」 
小竜姫「でも私、まだ結婚だなんて考えたこともありませんし・・・」 
老師「どっちにしろ、断るなら陛下が納得できるような理由を持っていくのじゃな」 
小竜姫「陛下が納得できるような理由といってもどうすればいいんですか、老師?」 
老師「それは自分で考えることじゃな」 
小竜姫「そんなぁ〜〜〜!」 

*************************************** 

小竜姫「で、色々考えたのですが、私、こういった事にはてんでうとくて・・・」 
美神「ふーん、なんだかどっかで聞いた事あるような話ねー」 
おキヌ「あ、そういえば美神さんも昔、似たようなことがありましたね。」 

その言葉を聞いて小竜姫がずいっとおキヌに詰め寄る。 
小竜姫「で、その時美神さんはどんな方法で相手の方を納得させたのですか?」 

真顔で質問する小竜姫に圧倒されながら、おキヌは質問に答えた。 
おキヌ「え、えーと、確かあのとき美神さんは、横島さんを恋人役にして ・・・」 
おキヌの言葉を遮るように美神が怒鳴る。 
美神「おキヌちゃん!余計なこと言わなくていいの、大体そんなことで竜神王みたいな
   お偉いさんが納得する訳ないでしょ!」 

言い終わったあと美神がふと小竜姫のほうを見やると、
何やら真剣な面もちで考え事をしているようだ。 
美神「しょ、小竜姫さま、まさか本気でそんなこと考えてるんじゃないでしょうね?」 
小竜姫「その方法、結構いいかもしれませんね、実は今、天界では、
   横島さんはアシュタロスを倒した人間として有名になってるんですよ」 

ここで横島登場。 
横島「おはようございまーーす、ってあれ?、なんで小竜姫さまがいるんスか?」 
おキヌ「あ、横島さんおはようございます、実はかくかくじかじかで・・・」 
横島「ふーん、で小竜姫さまはどうするつもりなんですか?」 
小竜姫「そのことで横島さんにお願いが、あの・・・、竜神王陛下と会ってるとき
    だけでいいですから、私の恋人のフリをしてもらえませんか?」 

・・・・・5秒ほど沈黙してる横島 

横島「お、俺が・・・小竜姫さまの・・・恋人?・・・」 
美神「あんた、フリだけって言ってたのが聞こえなかったわけ?」 
横島「こーなったら、もー、神様と人間の禁断の恋にーーーー!!!」 
美神、小竜姫「ちがうでしょーーー!!!、(ガンッ×2、)」




天界にやってきた小竜姫、横島、美神、おキヌだがすっかり観光気分の横島に、
なにやら機嫌の悪い美神とおキヌを連れて、いきなり不安になる小竜姫さまであった。 

小竜姫「ちょっと、横島さんいつまで写真なんか撮ってるんですか、
    もうちょっと真面目にやってもらわないと困ります。」 
横島「いや、でも、せっかく天界に来たんだから記念に写真を撮っておきたいんですよね」 
おキヌ「でも、天界って言うくらいだからもうちょっと神秘的なイメージがあったんですが、
    なんか私たちの世界とあまり変わりませんね」 
美神「そーよねえ、なんかイメージちがうわよね・・・」 
小竜姫「確かにそうですね、最近の天界はずいぶんと人間界の影響を受けてますからね、
   (前はこんなじゃなかったんですけどね)」 

ここで、突然だがヒャクメ登場。 
そして、なにやら小竜姫とヒソヒソ話を始めている。 

ヒャクメ「話は聞いたわよ、何〜、竜神王の嫁さんですって、いいわよねー、
     これ以上の玉の輿なんてないわよ」 
小竜姫「何言ってるのよ!、私は受けるつもりなんて毛頭ないわよ!」 
ヒャクメ「何でよ!、竜神族の王なのよ?、こんな名誉なことないと思うんだけどね」 
小竜姫「あなたには分からないでしょうけどね、私はそんな安っぽい女じゃないのよ」 
ヒャクメ「ま、それならそれでいいんだけど。ところで、さっきから気になってるんだけど、
    何で美神さん達が一緒にいるの?」 
小竜姫「それは、かくかくじかじかで・・・」 
ヒャクメ「ふーん、なるほどね、でもあなたも結構まんざらでもないんじゃないの?」 
小竜姫「な・・・私はそんなつもりじゃ・・・」 
ヒャクメ「冗談よ、冗談!、でも、恋人役をやるなら、証拠写真の一つぐらい有った方が
    いいんじゃないの?」 
と言ってヒャクメは横島にカメラを借りに行く。 
その間に小竜姫はふと横島の方を見て考える。 
(私が?横島さんに・・・?、まさかねー) 

そうこうしてるうちに竜神王との対談開始。 
そして、外で待っている美神・おキヌ・ヒャクメだったが、
ヒャクメが何やら考え事をしている。 
おキヌ「どうしたんですか?」 
ヒャクメ「うーん、何か小竜姫に言っておかなきゃいけないことが
    あったような気がするんだけど・・・」 
美神「何よその、『言っておかなきゃいけない事』って」 
ヒャクメ「あっ、そうだ、竜神王は私と同じ心眼の能力を持っているから、ウソを
    ついても、すぐにばれちゃうって事言うつもりだったんだけど、おまけに
    竜神王はウソが大嫌いな性格だからばれたらただじゃ済まないかも・・・」 
美神「ゲッ、それじゃ、横島クンたちはどーなっちゃうの?」 
ヒャクメ「さあ・・・」 
おキヌ「そ、そんな無責任な・・・」 

一方の、横島と小竜姫だったが。 
ヒャクメが予言した通り、あっさりウソがばれて、竜神王の怒りを買う。 
そして・・・・・・ 
竜神王「余を愚弄するとはたいした度胸をしておるな」 
小竜姫「そ・・・そんなつもりでは」 
と、次の瞬間周りの景色が歪んだかと思うと、異界空間にテレポートしていた。 

竜神王「ここで余と戦ってもらおう、で、余に勝てたらこの話は
   なかったことにしてやろう」 
横島「コラー、おっさん!そんな無茶苦茶な話があるかーーー!!」 
小竜姫「ちょ、ちょっと横島さん、これ以上陛下を怒らせない方が・・・」 

と、その言葉にキレたのか竜神王はいきなり竜神変化を始めた。 
で・・・ 
巨大なドラゴンに変身した竜神王を前に呆然とする横島。 
横島「こ・・・こんなのに勝てるかあああぁーーーッ!!」



なんだかんだで、竜神王と戦う羽目になった、横島と小竜姫だったが・・・
竜神変化をしている竜神王は半分理性がなくなっているので、横島たちの説得にも、
まったく応じようとしない。 
そして、ふいに、竜神王の指先が光ったかと思うと、大きな勾玉が出現した、
次の瞬間、それは巨大な剣へと姿を変える。 

横島「小竜姫さま、あれってもしかして『竜の牙』ですか?」 
小竜姫「そうです、『竜の牙』は、元々、竜神王陛下の専用の武器なんです、
   それに・・・『竜の牙』まで出したとなると、陛下は完全に本気ですね」 
そう言うと、小竜姫はふと、自分の身につけているヘアバンドと小手を外して
横島に手渡す。 
小竜姫「こうなったら、戦うしかありません!」 
と言うと、小竜姫は次の瞬間超加速に入り竜神王に向かっていく。 
横島「あ、待って下さい俺も」 
と言って、横島も竜神の装具を身につけ続けざまに超加速に入る。 

・・・・・・しばらくの間戦いは続く。 
竜神王は巨大化した分スピードが落ちているので、超加速を使っていれば
何とか戦うことはできる、しかし・・・霊力に差がありすぎて、
ほとんどまともなダメージを与えられない。 
そして・・・ 
横島「しょ、小竜姫さま、なんか全然まともなダメージを与えた気が
  しないんですけど・・・」 
小竜姫「・・・・・・・・・」 
横島「なんとか言ってくださいよ!」 
小竜姫「私だって・・・勝てるなんて思ってないですよ」 

軽くズッコケる横島。 
横島「それじゃー、どーしよーもないじゃないですかーーー!!」 
小竜姫「しょーがないでしょ!、元はといえば、横島さんの演技力が足りないから、
   陛下にバレちゃったんじゃないんですか?」 
横島「んな、俺のせいだっていうんスか?、だったら・・・」    
  「本当ーに神様と人間の禁断の恋にーー!!」 
小竜姫「そんな場合じゃないでしょーー!!(ガンッ×1)」 
と、そのとき、集中力がなくなったのか小竜姫の加速が解けてしまった。 
その隙をねらって竜神王の『竜の牙』が迫る!。 
横島「小竜姫さま、危ないッ!」 
とっさに小竜姫をかばった横島が『竜の牙』の直撃を受ける! 
横島「ぐ・・・」 
小竜姫「よ、横島さん、、」 
そのまま地面に落下する横島。 
小竜姫「陛下!、もうやめてください!」 
と、小竜姫の必死の説得にもかかわらず竜神王はなおも攻撃を仕掛けようとする。 
そして、「もうだめ」そう思った時だった。

突然、竜神王の動きが止まったかと思うと、小竜姫達の目の前に
身の丈1メートルほどの少年が立っている。 
よく見るとそれは天龍童子であった。 
小竜姫「で、殿下」 
天龍童子「父上!この二人は余の家臣なのじゃ、いくら父上でも
    手を出すことは余が許さん!」 
さすがに、自分の息子に説得されて理性を取り戻したのか、竜神王は元の姿に戻る。 
天龍童子「小竜姫、大丈夫だったか?」 
小竜姫「私は平気です、それより横島さんが・・・」 
よく見ると横島はいつ死んでもおかしくないくらいの重傷でピクリとも動かない。 

天龍童子「父上、何とかしてくだされ!」 
竜神王「いや、ワシはヒーリングはできんのだ、スマン」 
小竜姫「私がやりますから、あとのことは頼みます」 
と言って小竜姫は横島にヒーリングを始める。 
しかし、横島の受けたダメージはヒーリングの限界を超えるものなので
そうそう簡単には回復しない。
おまけに、小竜姫の方も先ほどの戦いでかなりの霊力を消耗しているので
治療を続けるのはかなりつらそうだ。 
小竜姫(く・・・もう力が、でもここでやめたら横島さんが・・・) 
と、思いながらもなおも治療を続ける小竜姫だったが・・・ 

しばらくして、なんとか横島を回復させた小竜姫だったが、
限界以上の霊力を使う無茶な治療をしたため、そのまま気絶。 


それから2日の時が流れた。 
医務室のベッドで目を覚ました横島だったが、
目を開けると心配そうにみつめるおキヌの顔があった、一応美神もいた。 
おキヌ「よかった・・・横島さん2日間も眠ってたんですよ」 
横島「えっと・・・俺どうしたんだっけ?」 
美神「まったく、世話やかせるんじゃないわよ」 
と言って美神は横島に今までのいきさつを説明する。 
横島「あ、そーでしたね、ところで小竜姫さまは?」 
おキヌ「それでしたら、さっき連絡したからもうすぐ来ると思います、
   でもなんか、小竜姫さま責任感じてるみたいでしたよ」 
横島「責任?何の?」 

美神「さて、おキヌちゃん、横島クンはちゃんと目覚めたことだし、もう帰るわよ。」 
おキヌ「え、でも・・・」 
横島「そんなあー、一緒に帰ってくれてもいいじゃないですか」 
美神「だめよ、もう二日も事務所開けっ放しで仕事がたまってるんだから、あんたは
  ケガが治ったら自分で帰ってくるのよ、分かった?」 
横島「は、はい分かりました・・・」 

そうして医務室から出ていく美神とおキヌだったが、
すれ違いに小竜姫と天龍童子が入ってきた。 
そして、ベッドの近くの椅子に座ると小竜姫は横島に話を始める。 
小竜姫「すみません横島さん、私がよけいなこと頼んだばっかりに・・・」 
ここで横島、さっきの話を思い出して、ちょっと調子に乗ってみた。 
横島「全くッスよ、もうちょっとで俺死ぬところだったんですからね」 
小竜姫「・・・・ごめんなさい・・・・」 
と、少しうつむいてマジで落ち込む小竜姫。 
それを見た横島、あわててさっきの言葉を取り消す。 
横島「あっ、冗談ッスよ、冗談、俺そんな気にしてないですから、
  それに美神さんの助手やってればこんなことはよくある話ですし」 
と、今度はいきなり明るくなった小竜姫が一言。 
小竜姫「あ、そういえばそうですね、あーあ、謝って損しちゃったかなー」 
横島「そりゃないっスよー」 
小竜姫「それもそうですね」 

なんだか変な雰囲気になっている横島と小竜姫だったが、そこに天龍童子が水を差す。 
天龍童子「あーー、盛りあがってるとこスマンが・・・」 
小竜姫「べ、別に盛りあがってなんかいませんよ!・・・」 
と、少し焦ったような口調で小竜姫が反論する。 
天龍童子「横島と二人で話がしたいのじゃが、席を外してくれるか?」 
小竜姫「なんです?、横島さんと話って」
天龍童子「いーから席を外してくれ!」
不信に思う小竜姫だったが、否定する理由もないので、医務室から出ていった。 

天龍童子「さて横島、お主に質問があるのだが、もしあそこで余が止めに
入らなかったらどうなってたと思う?」 
横島「はあ・・・死んでたかもしれませんね」 
天龍童子「と、いうことは、余はお主の命の恩人ということじゃな?」 
横島「まあ、そういうことになるんスかね」 
天龍童子「そこで、お主に頼みがあるのだが聞いてくれるか?」 
横島「別にいいけど何?」 
天龍童子「この前行けなかったデジャブーランドに連れてってほしいのじゃ」 
横島「いいけど、前みたいな事ないだろうな?」
天龍童子「大丈夫じゃ、ちゃんと父上の許可は取ってある(本当は許可取ってない)」
         


天界から事務所に帰ってきた横島だったが・・・。 

横島「おキヌちゃん、ちょっといいかな」 
おキヌ「はい?なんですか横島さん」 
横島「あのさ、これから時間空いてるかな?」 
おキヌ「空いてますけど、何ですか?」 
横島「一緒にデジャブーランドに行って欲しいんだけど・・・いいかな?」 
おキヌ「え!?・・・もちろんいいですけど」 
横島「じゃあ、準備できたらすぐに行こっか、あ、それから美神さんには
  内緒にしといてね、あの人が知るとまたややこしくなりそうだから」 
おキヌ「ややこしく・・・って、何がですか?」 
横島「あ、いや、別に何でも」 

こうして、おキヌを連れてデジャブーランドに来た横島だったが。 
デジャブーランドに着くと、ポケットから一つのツノを取り出した。 
おキヌ「横島さん、何ですかそれ?」 
横島「まあ、見てれば分かるって」 
と言うと、次の瞬間それは、天龍童子に姿を変えた。 
それを見たおキヌ。 
おキヌ(なーんだ、そーゆーことか・・・)と、ちょっとがっかりする。 
横島「こいつが迷子になったりしないようにってことで、
  おキヌちゃんに来てもらったんだけど・・・」 
おキヌ「そうですか・・・」 
天龍童子「おい横島、余は迷子になったりなんかせんぞ、
    家臣の分際で生意気なクチをきくなっ!」 
横島「誰がおまえの家臣だ?誰が?」 

一方その頃・・・・・・ 
*************************************** 
妙神山では、小竜姫が、天界で撮った横島とのツーショット写真をぼーっと眺めていた。 

小竜姫(何だろう、この気持ち・・・) 
と、考え事をしている小竜姫だったが、そこへ斉天大聖老師が来た。 
老師「小竜姫!」 
小竜姫「・・・・・・・・・」(聞こえてない) 
老師「おい、小竜姫!」 
小竜姫「・・・・・・・・・」(まだ聞こえてない) 
老師「きーとんのか、小竜姫!」 
小竜姫「え?は、はい!」 
あわてて写真を隠す小竜姫。 
老師「まったく、たるんどるぞお前は」 
小竜姫「す、すみません・・・」 

老師「今、天界から連絡があってな、天龍童子殿下が行方不明らしいのだが、
  お前何か知ってるか?」 
小竜姫「いえ、特に存じてませんが」 
老師「そうか・・・」
と言って老師は去っていったが、小竜姫は天界でのやりとりを思い出してふと気づいた。 
小竜姫(ひょっとして今、殿下は横島さんと一緒にいるんじゃ、
   確か前、デジャブーランドっていう所に行きたがってたから・・・) 
こーして、天龍童子を探しにデジャブーランドに行く小竜姫だった。 

***************************************

舞台はふたたびデジャブーランドに戻る。 
横島「おキヌちゃん、俺なんか買ってくるから」 
と言って横島は席を外した。 

ここからおキヌと天龍童子の会話。 
おキヌ「はぁ・・・」 
天龍童子「どうした?」 
おキヌ「あ、いえ、何でも」 
天龍童子「さっきから気になってるのだが、おぬし、ひょっとして
    横島の事が好きなのか?」 
おキヌ「え?いや、それはその・・・」 
しどろもどろな答えを返すおキヌ。 
天龍童子「なんだ、そういうことか、だったら余は邪魔か・・・よし!
    じゃあこれから余はしばらく一人で遊んでくるから
    お前たちは勝手にしておれ」 
おキヌ「い、いいですよ、そんなことしてもらわなくても」 
天龍童子「いーから気にするな、お前たちは二人で仲良くやっておれ」 
と言って天龍童子はどこかへ行ってしまった。

しばらくして、横島が戻ってきた。 
横島「あれ?、おキヌちゃん、天龍童子はどこ行ったの」 
おキヌ「あ、なんか一人でアトラクション回ってくるって言ってましたけど」 
横島「ダメだよ、迷子になったりしたら、またややこしくなるんだから」 
おキヌ「大丈夫ですよ、殿下だっていつまでも子供じゃないんですから」 
横島「いや、でもやっぱり探してくる」
そう言って天龍童子を探しにいこうとする横島。 
そして、不意にその横島の腕を掴んで引き止めるおキヌ。 
横島「おキヌちゃん?」 
おキヌ「大丈夫ですよ、ね!」 

と、ちょうどその時、天龍童子を探しに来た小竜姫が横島たちの前に来ていた。 
で・・・おキヌといちゃついてる(ように見える)横島を見て何故だか
無性に腹の立つ小竜姫は必要以上に横島につっかかる。 
そして、そのあと、3人手分けして天龍童子を探しに行く。 
しばらくして横島が天龍童子を発見し、ちょうどそこに小竜姫も来ていた。 
・・・それは、デジャブーランド閉館の30分前のことであった。 

小竜姫「殿下、申し訳ありませんが、先に妙神山に帰ってもらえませんか?」 
天龍童子「なんじゃ、なんか用事でもあるのか?」 
小竜姫「いや・・・ちょっと・・・」
天龍童子「まあいい、先に行ってるぞ」 
そう言って天龍童子は妙神山の方へ飛んでいった。 

小竜姫「・・・横島さん」 
横島「分かってますよ、言いたいことは」 
小竜姫「え!?」 
横島「そりゃあ、殿下を勝手に連れてきた事は謝りますよ、でも、
  本人がちゃんと許可を取ってあるって言ってたもんですから」 
小竜姫「そのことじゃないんです、あの・・・今度、妙神山に遊びに来てくださいね」
横島「へ?修行じゃなくて、遊びに? 別に構いませんが・・・」
小竜姫「よかった」

そう言うと小竜姫は体を宙に浮かせ、
そして、そのまま2mほど上昇した所でもう一度。
小竜姫「絶対に、来てくださいね!」 
そう言い残すと、そのまま天龍童子の所まで飛んで行った。 

天龍童子「小竜姫?お前なに赤くなっとるんじゃ?」 
小竜姫「何でもないです!」 
天龍童子「?」 

一方地上では、物陰から先ほどの一部始終を見聞きしていたおキヌが
横島の方に近づいてくる。 
で、そのおキヌに向かって横島が一言。 
横島「小竜姫さま、なんか様子が変だったけど、なんかあったのかな?」 
その言葉を聞いたおキヌ、軽く『はぁ・・・』とため息をついたあと、小声で一言。 
おキヌ「横島さんって、本ッ当に鈍いんですねー」 
横島「え、なに?今何か言った?」 
おキヌ「何でもないですッ!!!」 
横島「???」 

しばらくして・・・・・・・・・ 
おキヌ「横島さん」 
横島「な、何おキヌちゃん」 
ふわりと髪をなびかせ、軽い足取りで横島の前に立ったおキヌが一言。 
おキヌ「今度は二人で来ましょうね!」



〜お し ま い〜

※この作品は、CSUさんによる C-WWW への投稿作品です。

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