No.1 | 2003/10/11 03:18 | Iholi(yiholi@nike.dricas.com) |
葉梨らいすさん、はじめまして。
実は僕も比較的最近、「Q&A」の方で同様の話題につい
て少し考えていました。宜ろしかったら 「No.495 宇宙の
卵」をどうぞ。以下は今回の葉梨さんのご意見を見て新たに
想い起こされた、持論の補足です。
葉梨さんと違い、僕の論考では宇宙のタマゴの内部の設定
は完全にアシュタロスの支配下にあるのが前提です(タマゴ
を元にした宇宙処理装置からアシュタロスが好き勝手にモノ
――現実世界から既に居なくなった者(雪女など)から同じ
く別個に存在すると考えられる者(ブラドー伯爵など)まで
――を節操無く出現させる=「復活」では無く「創造」。と
ころで宇宙処理装置が壊れても令子が平気だったのは、現実
世界の自分自身を元にして「復元」したからでは? この方
法論が許されるなら当然ルシオラも完璧に復元できる筈)。
謂わばタマゴは彼の箱庭みたいな物です。
しかし、そのタマゴに無限の可能性を内在させ、かつ創造
&世界の交換を行う力を与える程の潜在能力を持つ魂の結晶
を、通常のタマゴの中で完全に再現する事はやはり難しいで
しょうね。
さて、ここで問題。宇宙処理装置で魂の結晶の複製を創造
する事は果たして可能でしょうか?
(完全に同じ能力を持つ物は多分無理でしょう)
「まだ三日」発言について。実は「Q&A」では不適当な
発言としてあっさりと切り捨ててしまいましたが……この場
をお借りして別見地をば。
あれはベスパが発した「二ヶ月」なる年月の意外さに対し
て「パピリオ家出事件からさえも未だ三日しか経っていない
のに、二ヶ月とは一体どう云う事だ」と云う驚きの気持ちか
ら唐突に出てきた発言なのではないか? ……うーん、それ
でもやはり苦しいですね。
それとベスパの「ルシオラの言うとおり」発言ですが……
これは忠夫の「アシュタロスは(中略)俺が倒す!!」(31巻
36頁参照)宣言を踏まえて、ルシオラがベスパに忠夫の何某
かをアピールした可能性が考えられます。しかし件のベスパ
発言の前に「アシュ様のパワーがこれでわかったでしょ?/
お願い、おまえだけでも(略)」と随分弱気な発言が見られ
ますから、ルシオラのアピールが有ったとしたらそれは忠夫
の宣言の直後、南極作戦をアシュタロスが言い渡す前の事に
なるでしょう。
以上、私見でした。何かの参考になれば幸いです。
No.2 | 2003/10/11 03:56 | Iholi(yiholi@nike.dricas.com) |
すみません。一個補足です。
上で「タマゴ=アシュの箱庭」云々と言いましたが、つまりが
「現実世界の令子(&アシュ)が入っても全然違和感を抱かせな
い、アシュにとってはまっこと都合の好い世界」をタマゴの中に
創り出す事も可能、と云う事です。
何せこの時のタマゴは宇宙処理装置の母胎となる特別製ですし、
情報量が膨大と云っても基本的に令子の周辺のみをきちんと動か
して、最低限彼女に不審感を与えなければ好いのですから。
極端な話、令子を誘導する方法によっては彼女の生活圏内しか
存在しない世界でも構わない訳で、寧ろ任務の遂行に影響を及ぼ
しかねない余計な要素は極力排除すれば情報量も削減できて一石
二鳥です。
情報量と云えば……アシュ編ではマリアの(記憶)バックアッ
プがたった1枚のMOディスクに収まったと想ったら、後にドク
ター・カオスの「データさえあれば大丈夫」発言であっさり復活
してみたりして……つくづく、人工霊魂の本質について混乱と疑
問が生じましたなあ。まあこれは余談ですが。
No.3 | 2003/10/11 10:33 | 葉梨らいす |
>Iholiさん
いやあ、ツッコミをいれられると、色々得しますなあ。どーもです!「Q&A」を読みましたよ。同類がいたぞ!バンザーイ!!などと喜んでいる場合ではありません。自分のフォローをしませんと。
>ところで宇宙処理装置が壊れても令子が平気だったのは、現実世界の自分自身を元にして「復元」したからでは?
私の考えでは、美神さんは、宇宙のタマゴの中に飛び散った自分の魂を集めて復活したのだと思ってたのですが、『現実世界の自分自身を元にして「復元」』という論理だと、魂が逆操作?から逃れられた説明にはならないのでは?(マンガだからなんでもアリなのかも。)となると、やはり、逆操作?から逃れられた理由が何か必要なのではないでしょうか。「主人公だからいいんだよ!」などというのは抜きで。あれ、美神さんって、主人公だったのか?……う〜ん、やっぱり人体の不思議は尽きませんねっ!(逃げモード全開)
>あれはベスパが発した「二ヶ月」なる年月の意外さに対して「パピリオ家出事件からさえも未だ三日しか経っていないのに、二ヶ月とは一体どう云う事だ」と云う驚きの気持ちから唐突に出てきた発言なのではないか? ……うーん、それでもやはり苦しいですね。
「苦しい」なあ。「苦しい」ですよ。セリフが不完全すぎて、他にもどーとでも解釈できるんですが、時間はこの議論の核ではないわけなので、パス!!(無責任一代男!!この歌のスチャラカぶりが好きだなあ。 ←現実逃避)椎名先生!!ワイド版で我らに光を!!(現状では無理だろうなあ。)
No.4 | 2003/10/11 10:34 | 葉梨らいす |
(本文が長すぎたので後半です。)
>何せこの時のタマゴは宇宙処理装置の母胎となる特別製ですし、情報量が膨大と云っても基本的に令子の周辺のみをきちんと動かして、最低限彼女に不審感を与えなければ好いのですから。
>極端な話、令子を誘導する方法によっては彼女の生活圏内しか存在しない世界でも構わない訳で、寧ろ任務の遂行に影響を及ぼしかねない余計な要素は極力排除すれば情報量も削減できて一石二鳥です。
それでも、それでも……(やらねば〜〜な〜らぬ〜〜♪)、え〜と、ジョドー教授の「逆ギレ縁起理論」によると、人との交わり無くして世界はなりたたないそうなので……
はい。すいませんでした。まじめに考えます。
美神さんの範囲だけ再現するとしても、その周りの人たちの背景がおろそかになりますから、再現されるものの裏では想像以上に複雑な処理がなされているはずです。(水面下の白鳥の足原理)私の認識では、人物を一人設定するだけで、情報量が無限大近くに達すると考えております。脳の側頭葉を刺激すると、本人が忘れていたような記憶が喚起されるというのは有名な話ですが、脳だけでも、莫大な情報量を記憶し、複雑な処理をしているはずなんです。そんな情報をアシュタロスが収集できる時間的な余裕も、能力もあったとは思われないのです。そんなわけで、一応、本文の内容で説明できる気がするんですが、実際はどうなんでしょうね?(三十六計逃げるに如かずッ!!)
と、まあ、最初に置いた仮定や、設定の解釈に根本的な相違がある以上、どちらかが、どちらかを論破するという行為自体無意味ですし、作品のある程度正しい解釈はあると思いますが、そこからさらに何を読み取るか?となると、それは個々人に委ねられていると思うので、私としては、Iholiさんみたいな考え方があっても、全然OKだと思いますよ。これからも激しいツッコミを期待してますよ!
しかしマリアのディスケットは卓見ですなあ。いつか作品に使わせてもらいますよ!
No.5 | 2003/10/11 13:23 | Iholi(yiholi@nike.dricas.com) |
葉梨同類、早速のご返事ありがとうございます!(挨拶)
いやあ、こちらこそ色々と参考になっています。ディスカッショ
ンの本質は相手を言い負かす事ではなく、自分たちの思考や意見
を尊重しお互いを磨き合う事にあるので、勿論葉梨さんの解釈も
十分アリだと想っていますよ。
では、ツッコミ返された部分についてのみ、手短に。(本当は
「アシュの嘘」についてとか長々とツッコミの続きを書いていた
とか云うのは秘密なのじゃが(笑))
>逆操作
まず確認。作中で使用された「逆操作」は、令子が自身の魂を
再生する際に行った行為の事ですので、宇宙処理装置の崩壊によ
る再生怪人の消滅現象とは区別した方が良いです(もしかして、
「?」がそうだったのカナ?)。
さて、僕の意見では「再生怪人=100%被創造種」であり、
身体を構成する素材はタマゴ内部の「可能性」に全面的に基づい
ている故、その維持をも処理装置に依存せざるを得ません(つま
り再生メドーサはタマゴの世界のメドーサが世界の入れ換えによ
り現実世界に現れたもので、オリヂナルのメドーサとは別人!)。
一方、令子の魂の再生自体やはり「可能性」に依っていますが、
それを「残存する令子本人の魂を素材に再生する可能性」とすれ
ば、殊に強い令子の魂(34巻31-34頁参照)ならば特にその維持
を処理装置に依存する必要は無いでしょう(工場が潰れた処で製
品が壊れる訳ではない)。実際、装置から魂の結晶をガメた後の
令子には特に異状は見られませんし。
つまり現実世界の内側にタマゴの世界がある訳で、現実世界の
住民(令子やルシオラ)はタマゴが潰れても平気ですが。タマゴ
の住民(再生怪人)はタマゴが潰れてしまえばおしまいです。
No.6 | 2003/10/11 14:20 | Iholi@理系(yiholi@nike.dricas.com) |
全然手短にならなかったので(苦笑)、続き。
>苦しい
「Q&A」でも議論しましたが……全く苦しい(笑)。
>ジョドー(違う)
「平行世界への道を作る」のと「箱庭を作る」のと、果たして
どちらが低損失高利益を得られるか(若しくは好み(笑))、で
すね。まあ僕は宇宙処理装置の持つ任意性(要するに何でもアリ)
とルシオラの残留思念の仮説(34巻110頁)を鵜呑みにした末の
一結論なわけですけど。
時間の流れにしても、僕は現実の科学理論云々よりも寧ろ形而
上学的な解釈に止めるのが適当かな……と想っています(例えば
文珠一つとってもその発生から力の発現まで、とてもじゃないが
物理学を適用できるとは想えない)。要はある程度論理(スジ)
が通っていれば可いかな、と。
まあ、可能な限り科学的に、と云うのは理系に共通の欲求なの
で、相対論をどう適用すべきなのか考えてみるのはそれそれ面白
いかも知れませんね(四次元空間内の特異点がどーのとか)。
結論:色則是空、空則是色(現実逃避)
No.7 | 2003/10/11 16:02 | 葉梨らいす |
>Iholiさん 同士よ!今日も爽やかに戦おう!
他人の意見ってのは、どうしてこう面白いのでしょうか?なんかこう、理系魂がふつふつと燃え上がってきますよ。
>逆操作の言語センスがおかしい!(そこまでは言っていないって)
おお!!その通りだ!!でも、コンデンサだから放電っていうと語弊があるし、どーしたらいいんだ!?でも、美神さんの「逆操作」も、日本語として十分おかしいと思うな。うん。あれ?文系魂も再燃してきたのか!?
そもそも、なんで結晶を破壊?して、宇宙処理装置が壊れて、再生怪人が消えたのかがよく分からんのです。いや、それが結晶の破壊?に起因して起こったのかさえも不明なのですよ。私のコンデンサの話は、その一つの説明に過ぎないのです。(いーのか?こんなに無責任な説明で。)
>再生怪人の素材構成(「塩ビ」 …ウソです。)
再生怪人の構成素材ですか……、製品を造っている会社がつぶれると、製品のアフターケアが受けられなくなってしまいますが、再生怪人はまさにそれだったということなんでしょうか?
でも、それって、相対性原理に反していませんか?タマゴの中に入っていた美神さんの例もあることですし、それはないかと。(ヤバイ。物理一直線だ。)相対性理論の前提の危機ですよ!う〜ん、構成素材についての話は無かったことにしましょう!!ねっ!(文系諸氏の為にも)
量子力学と相対性理論が、相矛盾する内容を抱えているように、マンガの面白さと科学的考察は、一般的には平行線を突っ走って行くものですからね。(たまに歪んだ時空で走っているのか、ぶつかることもありますが。)
さすがに、文珠は宇宙のタマゴ以上に考察の仕様がありませんね。要するに、既にこのマンガ自体、既存の物理学を超越してるってことなんですが。というわけで、これからは、形而上的な折り合いをつけることにしませんか?(事実上の講話宣言)
No.8 | 2003/10/11 20:32 | Iholi(エセ理系)(yiholi@nike.dricas.com) |
おおっ、もう反応が有るとはっ……さすが我が同志(笑)。
では再び、ご意見があった所に反駁をば。
>逆操作
この単語、僕も連載当初から変だと想っていました(ドクロ)。
恐らくはアシュタロスがやる様に正規のインタフェイス(鍵盤)
から行う(正)操作に対し、直接エネルギー結晶に働きかける裏
技的操作を指して「逆」としたのでしょうけど。
>結晶破壊
結晶破壊直後の処理装置崩壊は……謎です(ドクロ)。エネル
ギー結晶が宇宙処理装置の(再)起動に必要であり(33巻160頁、
34巻180頁参照)、しかも「亜空間迷宮の心臓部」(34巻137頁)
から外されれば処理装置は動かなくなります(同165頁)。当然
結晶を破壊すれば処理装置は無用の長物と化しますが、いつのま
にかそれに「神魔復活、アシュ弱体化」(35巻9頁)と云うおま
けが附き、挙げ句に結晶と同時に処理装置も崩壊しました。
いずれにせよ結晶は膨大なエネルギーの塊であり、それを破壊
するのはまさに油に火を着ける様な物ではないでしょうか。しか
も「破」の文珠の作用が忠夫の心中に渦巻くアシュタロス打「破」
の感情により、宇宙処理装置(&妨害霊波発生装置、アシュタロ
ス動力源)を破壊する様に破壊後の結晶エネルギーが方向づけら
れたなら、ああ云う連鎖崩壊現象が起きるかも(結局文珠オチ)。
No.9 | 2003/10/11 21:27 | 葉梨らいす |
>Iholiさん
そうか!!「愛はすべてを超越する!!」「文珠の本質は愛だ!」よって、「文珠はすべてを超越する!!」三段論法より帰結するこれが言いたかったんですねIholiさん!!今ならすべてを理解できます!藤……唐須神父!!GSは「グレート・スピリッツ」の略だったんですね!!(マンガ違い)
つまり、アシュタロスは「宇宙意志」に負けたんじゃなくて、「愛」に負けたんだ!(原作の歪曲)偉大なる魂に幸いあれ!!ハラショー!!ラブアンドピース!!
愛は科学を超えました!!(ダメだよ)
No.10 | 2003/10/11 21:32 | Iholi(エセ理系)(yiholi@nike.dricas.com) |
さて、懲りずに続き。
>塩ヴィ(違う)
うーん、相対論に矛盾すると云うより、この場合は余り関係無
いんじゃないでしょうか? まあ「可能性を原料に」と云う辺り
で既に通常の物理から遠くかけ離れていますすが(形而上オチ)
……ひょっとして現実世界とタマゴ世界との相関でしょうか?
僕の意見ではタマゴ世界の系(スィステム)は現実世界の系の
内側に存在しています。タマゴ系をトラック、現実世界を地球に
例えると、車中からみれば風景の方が動いて見えていても、実際
には車の方が地上を走っているに過ぎません。つまりタマゴ系は
現実系の下位に属しているのです。
再生怪人は処理装置の性能により現実世界の一部と入れ換えら
れたタマゴ世界の住人ですので、これはトラックのコンテイナ内
に格納されていた自動車に例えられます。この車はトラックから
のリモコン制御でのみ動作し、一見トラックと独立している様に
見えて常に密接な関係に有ります(つまり再生怪人はタマゴ系に
属しています)。そこでトラック(タマゴ)が壊れれば、車(再
生怪人)も尽く動かなくなる道理です。
それはそうと、量子力学と相対論って矛盾する内容なぞ在りま
したっけ? ちょっと記憶にありません(確かにアインシュタイ
ンは曖昧な確率なぞを論じる量子を嫌っていましたが)。
さて『極楽』では霊などの形而上の存在を扱う訳ですから、結
論もそう云う方向に流れるなる事もあります。しかしそれ以外の
部分では通常の物理が働きますし、SF的手法を駆使すれば曖昧
な存在にもある程度科学的な結論を与えられます。
お互い、それなりに頑張りましょ。