一番湯のカナタ 人物紹介(前期型モデル)

 

カナタ

 主人公(名目上)。年齢はおそらく8-10歳程度。家族構成は両親と姉(ユウリ)。ただし両親の消息はいまだに不明。
 ナ・リタ星域を治めるトルマン王朝の現王の息子として生まれ、何不自由なく暮らして来た彼だったが、国を悪家老・カローに乗っ取られて母星から脱出。現在はリョウの実家の銭湯に居候しながら、王位を奪還するための前準備として、自らが王である資格を示す「ロイヤルガード」という名の強制イベントをリョウ達に助けられながら実行中。
 性格は温厚かつ脳天気。責任感は強いが、それが負担となるのを嫌って責任を背負いこむのを嫌がるタイプ。ある意味、典型的日本人思考とも言える。しかし、戦いの最中に「何も考えずにヘラヘラ笑って暮らすのが好き」とハキハキ言い放つ辺りは、さすが王族は違う!(脳天気さが)と思わせるに十分。

 また、王位継承者らしく、この歳にして既にワネット姫という幼なじみの婚約者がいる。普段はヘラヘラしている彼も、ワネットが絡むと途端に目の色を変えてアクティブになるのは、まぁそれなりに彼女のことを大切に思っているのだろう。
 なお、語尾に「カナ」を付ける口癖は、外交上失言をしないように躾られたため。決して安易なキャラ立てをするためではない。ではない。ではない(暗示)。

 

リョウ

 主人公(実質的に)。高校生。本名は星野涼。
 日本某所の下町にある唯一の銭湯「星の湯」の跡取り息子として生まれ育つ。現在の家族は父親のみ。母親は既に父と離婚して別居中。
 喧嘩っ早いが情には厚く、頼まれたら嫌とは言えない面倒見の良さを持つ、近頃の若者には珍しいよくできた息子さんとして近所のじいさんばあさんの間では人気者(推定)。しかし、ある日自宅の銭湯にカナタ達宇宙人御一行が空から降って来て居候となってからは、彼らが引き起こす様々なトラブルに振り回される日々を送る。
 持ち前の腕っぷしと気合いとド根性が幸いして(あるいは災いして)、カナタの「ロイヤルガード」では強力な戦力として活躍、結果として更に頼られるようになる。そんな彼の姿は、カナタに色々な意味で影響を与えている模様。

 そんな彼だが、子供のころにドイルに窮地を救われた経験を持ち、いつかは彼のようなヒーローになりたい、という願望を持っていたりする。というか、彼が今のような人格になったのは、その時の経験と憧れによるところが大きい。

 

ユウリ

 カナタの姉にしてナ・リタ星域の王女。年齢はリョウより少し年上の16-18歳くらいと推定される。
 カナタやワネットの前では「しっかりした年上のお姉さん」っぽい面を見せたりするが、地球の標準と比較すると相当の天然ボケで世間知らずのお姉ちゃんという典型的イメージに合致する系の女性。リョウの親父さんに言いくるめられて脱がされたり、リョウの親父さんに言いくるめられてバニーガールのコスプレをさせられたりして活躍した(過去形)。

 しかし、銭湯漫画なのに銭湯が舞台になるエピソードが少ない為か出番に恵まれず、結果的に影が薄い。ヒロインの座もセイリュートに奪われた感がある。がんばれ脱がされ担当。

 

じい

 トルマン王朝配下の宇宙軍の提督にして、カナタユウリのお付きのじいや兼お目つけ役。気は荒いが、義に強く忠節を貫く昔気質の軍人さん的性格。何故か納豆好き。
 彼の種族の特徴は古典的火星人のような8本の足で、どの脚も人間の手のように自由に物を扱うことができる。戦いの際には様々な武器を操ることが可能。また、生命維持装置的な働きをすることも可能なようだ。ただし、肉体があまり大きくないのと地球では重力が彼らの星より強いことも災いしてか、戦闘では役に立った試しがない。

 彼の人生の目標は勿論カナタ達と共に母星に帰還して王位を奪回することだが、この調子では当分先になりそう。彼の気苦労はまだまだ終わらない。

 

リョウの父親

 本名不明で年齢不詳(何故か)。一応、「星の湯」のオーナー。女房には逃げられ、息子のリョウからは叱られ、家業の銭湯は儲からず、楽しみはパチンコとキャバレー通いという、典型的な冴えないショボクレ人生を送る。
 そのせいか性格は飄々としており、女風呂を覗いたりユウリを騙してバニーガール衣装を着させて喜んだりする一方で、血気にはやるリョウを諭したり、ドイルと酒を組かわしたりする懐の広さも持ち合わせる。実は大人物かも? と思わせる余地は残しているが、でもやっぱり基本的にはダメオヤジだと思う。

 

総長

 通称。カナタの両親が治めていたナ・リタ領出身。本名は不明。彼がこの街の不良を束ねるボスであるところから「総長」と呼ばれる。
 第一話でリョウとタイマンを張り、「タイマン張ったらダチ」の法則に基づいてリョウの仲間に。得意技は「変に重いパンチ」こと慣性制御重力パンチと真剣光刃取りだが、どちらも地球人風にデザインされた専用ボディーがないと使えず、本人の実体は至って貧弱。貧弱な肉体にコンプレックスを持っている模様。

 

サヤカ

 本名は士島さやか。リョウの同級生にして幼なじみ。
 隠し事が嫌いで思ったことをハッキリと口に出す、サッパリした性格。しかし、知ったことは何でも他人に話さないと気が済まない、お喋りさんでもある。それ故、カナタ達が宇宙人であることをバラされたくないリョウにとっては脅威の対象になっている。
 最初に登場した時はリョウに密かな恋心を抱く幼なじみの女の子という位置付けだった彼女も、今では「宇宙人のことを知ってしまう→記憶抹消装置で記憶を抹消される」を繰り返す、ギャグキャラクターとしての役柄を確立。知らない間に裸になって銭湯に入っている自分自身の素行に疑問を抱く毎日を送っている。果たして彼女が幸せになる日は来るか?

 

セイリュート

 正確には、カナタの宇宙船・星龍刀(セイリュート)号の意識をイメージ化した存在。セイリュートは元々「星龍」と呼ばれる宇宙を馳る龍族であり、それを宇宙船として生体改造したのが今の彼女の姿だ。
 最初のうちは主人であるカナタに「ロイヤルガード」の勤めを課して、それを遥か衛星軌道上から見守る存在であった彼女だが、ゴーグルの下に隠されたロリ顔を晒してからは積極的に(?)カナタやリョウ達の前に姿を表し、ブレインとして協力するようになる。また、カナタの命令に応じて必殺の対地レーザー砲「星龍刀」を撃ったりする。
 本来の性格は「眼鏡を掛けた有能で冷徹な秘書」といった赴き。現在はブラッドから猛烈なアプローチを受けており、ちょっとだけ女の子っぽくなったような。

 なお、人気の面では間違いなく女性キャラの中ではトップレベルであり、「椎名高志マンガの男性ファンは人間以外の女性キャラが大好き」というGS美神の時代からの伝統を改めて証明する形になった。

 

ブラッド

 本名はブラッド・ビット。宇宙の流浪民として知られるビット族出身の自称「宇宙海賊」。「相棒」と称するロボット・チャカと共に、いつの日か自分の宇宙船を手に入れ、海賊として宇宙を駆け回る日を夢見る若造。初仕事で地球にやって来たが、そこで雇い主を「気にくわねぇ」という理由で反逆して葬り去って以来、住所不定無職な生活を送る。
 性格は考えるより前に手が出る、ケンカっ早いタイプ。リョウとは初対面で拳を合わせた仲だが、「タイマン張ったらダチ」の法則に従わず、相変わらずウマが合わない様子。あと女性には弱い。

 また、現在、セイリュートに猛烈かつ不器用にアプローチ中。最初は「宇宙船を手に入れたい」という欲望を実現するためだったが、今ではもうそういう目的を忘れてしまっている程に身も心も惚れ込んでしまっている模様。頑張れ若造。

 

チャカ

 ブラッドが「相棒」と称する自律型ロボット。普段はアスキーアートでも書けてしまいそうな単純な容姿なのだが、ブラッドの命令に応じて様々な武器形態に変形する機能を持つ。でも「ピ?」としか喋られないおちゃめさんでもある。何だこいつ(これがキャラ紹介か?)。
 遠隔攻撃兵器に変形しての戦闘支援から、普段のブラッドの料理の世話に至るまで何でもこなせる高い知能を持つが、最初にリョウ達と戦った時にユウリのおっぱいに体を押し付けられた時から「女のおっぱいは気持ちいい」と開眼。今では、女と見るやおっぱい目掛けて突進する、おっぱい星人としてのキャラクター性を確立した。おっぱい星人まで出てくるなんて、さすがはSFマンガだ。

 

アニーザキス

 エイリャーン星原産の自己増殖型エイリアン。通称アニー。他の生命体に寄生し、宿主の肉体を苗床にして増殖、最後は宿主の肉体を食いちぎって飛び出し、新しい宿主を探し回るという、悪性種族として悪名高い。早い話が「エイリアン」(映画)そのもの。
 地球へは遭難した宇宙船経由で到達。そこでサヤカの体に取り付くも、ドイルの協力を得たリョウ達の尽力によって生け捕りにされる。現在、ドイルの元で増殖本能を抑制する薬を投与されながら、他の生命体と共存できるようにリハビリを行っている。
 彼女自身は「増殖行動は自分の種族の本能であり、抑制できるはずがない」と考えているようだが、同時に「他の生命体との共存」の道を自分に与えようとしているドイルに対しても知的な興味を抱いている。

 

ドイル

 本名、出身、年齢地共に不明。元々は、手からガード不能攻撃技の怪光線を発射する変な能力(「スターウォーズ」で言うところのフォース)を駆使して銀河の正義と平和を守る「プレアデス騎士団」という名の組織に属していた凄腕のエージェントだったが、騎士団が内部分裂によって壊滅してしまった今は、地球で牛乳を飲んだくれる酔っぱらいに身をやつしていた。
 しかし、過去に彼に助けられた経験を持つリョウから「アンタはオレのヒーローなんだ!」と聡されて開眼。今は牛乳浸りの生活から抜け出すべく、アニーザキスと一緒にリハビリ中。
 過去にカナタの星を乗っ取ったカローと何か関係があったらしいが、今のところまだ詳細は不明。

 

ワネット

 カナタの幼なじみにして婚約者。地球には、行方不明となったカナタを探す目的で、自前の宇宙船「マリーアント」号で配下の忠実な忍者・クロカゲを伴って来訪。しかし、地球に着くなりリョウに一目惚れし、そのまま居候として居着いてしまう。モデルは間違いなくマリー・アントワネット(ベルサイユのばら)。
 性格は典型的な「わがままなおてんばお嬢様」にしてトラブルメーカー。自分の野望(具体的には王妃の地位と権力の奪取とロマンスの成就)のためならどんな悪事も厭わないが、行き当たりばったりで後先考えないまま行動するため、必ずドジを踏んで失敗。お目付役と化したリョウとセイリュートに叱られ、ユウリに諭される毎日を送っている。

 カナタのことは「冴えない男だが、彼と結婚すれば莫大な地位と権力が手に入るから仕方なく『親が決めた婚約者』の存在を受け入れている」程度っぽい。しかし、筆者の見込みではカナタは将来もの凄い美青年に成長して社交界でモッテモテになるはずなので、そうなった時の彼女の態度がどうなるか見物だ(妄想)。

 

カロー

 元カナタの父親(国王)の家老だったが、クーデターを起こして王族を追放、めでたく君主の座についた銀河下克上男。世は正に戦国時代。カナタにとっては克服するべき最大最後最強の敵。「星馬槍」(セイバーソー)という名前の星龍を持つ。時々、発作的にカナタ達に追っ手を放つ癖がある。
 彼がどんな動機で、またどうやってカナタの星を征服したのかは明らかになっていないが、どうやら彼は元々ドイル同様「プレアデス騎士団」のメンバーであり、フォースの暗黒面(まちがい)を使ってクーデターを成功させたのではないかと思われる。

 果たして、カナタが彼と対決できるほどに成長するまで連載が続くのかどうか。カローが活躍できるか否かはこの点にかかっていると言えよう。がんばれ椎名先生。


cwww@pos.to