胸を甘やかな痛みで締め付けられる無邪気な京介(*´д`*) サンデー39号絶チル感想

絶対可憐チルドレン

 過去編こと絶対可憐兵部京介編も今回で事実上の第一部完。

 サプリメントでは相変わらずいい歳して素直に人に頭を下げられないひねくれ者っぷりを披露している兵部ですが、彼も少年時代はあんなに素直で可愛かったというのが、今回の過去編において作者が基本的に主張したかったことに違いないと思いました。特に、嬉しさのあまり隊長に飛びつくところなんて、ンもうまるで飼い主に甘える子犬のような破格の可愛さであり、あまりに可愛すぎるので逆に「後の兵部京介である。」とキャプションを入れたくなる衝動に駆られる程です(当時も兵部京介です)。
 いやまあ、ナイのために必死になって賢木に頭を下げようと葛藤してる今の兵部も可愛いといえば可愛いのですが、ちょっと可愛いの種類が違うのが残念です。

 今回の物語で、兵部や不二子は「超能力で自分達の未来を勝ち取ることができる」希望を手に入れましたが、しかし今回救ったイルカの009番(後の伊-9号と思われる)が示唆したように、彼らの将来は「(兵部と不二子以外は)みんな死ぬ」「しかも最後は未来を視た隊長自ら『超能力者は人類の敵』と明示して兵部を含めたメンバーを抹殺する」ことが判っているだけに(今のところ提示されている彼らの末路についてはコミックス10巻を参照)、何というかとても切ない気分になります。

 もしこのマンガの人気が今後も続くのであれば、いつか彼らが戦いの中で次第に希望を失い、あの優しかった隊長が超能力者の抹殺を決意するに至るまでの物語が描かれることがあるかも知れません。というか、兵部の抱えている心の闇を描き、物語の中で彼を「救う」ためには、いずれこの部分に(兵部のみならず、皆本やチルドレン達も)再び踏み込まなければならないのではないかと思われます。
 もし実際にこれが描かれたら何か非常に辛く悲しいお話になりそうなんですけど、でも今回の超能部隊の死に様カットにおけるイヌガミ×ヤドリギの「死んだヤドリギを抱きかかえて咆哮しながら撃たれるイヌガミ」というシチュエーションが死に様萌え的な意味合いでとてもグッと来てしまうのもまた事実であり、せめて彼らの死を我々は見届けるべきなのではないか? という気にされられました。どうでしょうか(と言われても)。

 あと、個人的には戦時中のエピソードを見ると、やっぱり「Mr.ジパング」を思い出してしまいます。
 「Mr.ジパング」は、端的に言えば日本が第二次世界大戦の敗戦によって「滅亡」する運命の歴史を書き換えようとして戦国時代に戻った人間と、その時代にあっても自らの意思によって未来を創ろうとする人間が相克する物語であると言えますが、「絶対可憐チルドレン」もまたそのテーマを受け継いでいるんだなー、と改めて思う次第です。

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