訪れるのは、俺が望んだ世界なり サンデー44号絶チル感想

絶対可憐チルドレン

 ナイの爆弾摘出という難易度の高い手術を成功させた後、何事もなかったかのように子供たちが集っている皆本宅にお土産を持って登場、ナイの「飼い主」である悠理を自宅まで車で送った後で、飄々と皆本や不二子とフェザーの正体に関する際どいトークを酒を飲みながらする芸当を見せた賢木が、何気に凄いんじゃないかと思いました。これでは、何か賢木がすごくかっこいいお兄さんのように見えてしまって困ります。いや何となく。
 その賢木に「ありがとうございました」と頭を下げた悠理は、やっぱり賢木がナイの手術を成功させたことを感づいていたんでしょうかね?

 そして今回の「絶チル」では、ついにフェザーの正体が「未来からやってきた、薫を中心としたエスパーの意志と能力の集合体」であることが明らかになりました。このマンガにおける超能力は「物理法則を超えた能力であり、不可能をも可能とする」ものであるという概念は中学生編に入った時点で既に提示されてましたが、フェザーはまさにそれを具現化した存在であると言えます。

 フェザーは本来ならばこの世界にはなかったはずの超時空的な存在であるので、既に定められた「未来」に対して何らかの干渉を行えるのかも知れない。「未来は変えられない」と定められたに等しいこのマンガの世界においては、フェザーのみが唯一未来を書き換えられる(かも知れない)存在である──と、今回のエピソードで明らかになりました。
 これは逆に言えば、皆本や兵部はこの「世界」の一部であるが故に、彼らが未来を変えようとしてどのような行動したとしても、「世界」が選んだ黒い幽霊によって仕組まれたエスパーとノーマルの全面戦争という最悪の未来を避けることはできない──ということになります。
 彼らができることは、彼ら自身が未来を変えようと思うのではなく、よりよい未来を作るためにベストを尽くすこと、そして未来を託せる世代を育てること。多分、フェザーが変身した葵や紫穂が言っていた言葉の意味はそんな感じなんじゃないかと思っています。

 皆本自身は未来を変える可能性を持っていないことが明らかになった、という意味では彼にとって極めて残酷なエピソードになりましたが、逆に言えば皆本がこれまでのように「自分が未来を変えなくては!」と意固地になる必要もなくなったとも考えられます。よりよい未来をつくるため、自分は本当は何をするべきなのか。今回の話は、皆本がそれを考えなおすきっかけとなるのかも知れません。

 とりあえず今回のエピソードでは、ナイの頭部に仕込まれた爆弾は無事に摘出され、悠理の元に無事(猫の姿で)戻ってくることができ、兵部が望んでいた「ナイと悠理がいつまでも幸せに暮す」未来への可能性は残されました。今はこれで良しとするべきなのでしょう。
 個人的には、翌朝悠理が目を覚ましたら、人間の幼女の姿に戻ったナイが全裸で「おじょうさまぁ~」と抱きついてくる、百合百合な展開を希望したいところです。

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