サンデー2012年42号姉ログ感想

姉ログ

 巨乳姉萌えマンガを武器にクラブサンデー界で頭角を現したことで(個人的に)有名な田口ケンジ先生が、サンデー本誌に初連載。
 「電波教師」の東毅先生を筆頭に、最近ではクラブサンデー世代の作家がモリモリ成長して本誌に登場して来ており、徐々に時代が新しくなって来ていることを感じさせます。「ソク読みサンデー」立ち上げ当時からウォッチし続けていた私としても嬉しい限りです(エラそう)。

 本編の方は、サンデー界の巨乳姉萌えマンガ第一人者の名を(個人的に)冠する田口先生らしく、弟が好き過ぎるあまりに色々と頭がおかしくなってる姉の靄子さんのアレっぷり(およびおっぱい)が余すところなく表現されており、終始ニヤニヤしながら楽しまさせて頂きました。読めば誰もが素直にハッピーになれる、素敵なマンガだと思います。

 その中でも個人的に感心したのは「お姉ちゃん汁」のエピソードです。「姉の入ったお風呂のお湯を飲みたい弟」を単に変態扱いするのではなく、そんな弟の性癖と「そんな弟の身体を気遣う姉」である自分自身の双方が満足できるラインを必死で考え、自らの雑菌が混ざった風呂のお湯を自ら飲んで「飲んでも身体に影響がないお姉ちゃん汁の許容量」を割り出すに至るその姿勢は、昨今の放射性物質を初めとした環境汚染に過剰に反応するあまり思考停止し、あらゆるモノにゼロリスクを求め続ける一般消費者に対するアンチテーゼとして読むことも可能なのではないかと思いました。
 単に相手に全ての安心安全を求めるのではなく、皆が幸せになるために自ら考えてリスクを踏まえた行動することが大切である。露子さんの行動は、図らずもそのようなことを示唆しているのかも知れません。例え彼女が考えている「姉の入ったお風呂のお湯を飲みたい弟」の姿が、彼女の妄想が生み出した非現実の存在であってもです。

 本編の主人公の露子さんは、確かに「自分の弟は自分のことが大好きなあまり、自分の入ったお風呂のお湯を飲みたがるくらいの変態である」と誤解するくらいのおかしい人ではありますが、そんな弟のおかしさを受け入れて弟の全てを愛そうとする博愛の精神をも持ち合わせている、包容力を秘めた素晴らしい女性なのではないのでしょうか。
 ないのでしょうか?(疑問文)

DCD Diamond Cat Diamond 6 (少年サンデーコミックス)
田口 ケンジ
小学館 (2012-05-18)

DCDもまだ連載は完結していないんですよね。並行連載?

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