サンデー8号「パンドラキューブ」感想

パンドラキューブ

 時間が取れなかったので遅れましたが、先週のサンデーの感想の続きです。

 渡瀬悠宇先生がサンデーに降臨して描いてくれた「パンドラキューブ」。学校に何故か置いてあった変な箱をネタに、少年達が一度は壊れた友情を再生させていくという趣向の物語です。
 結局、「何故パンドラキューブが学校に置いてあったのか」とか「パンドラキューブとは何だったのか」という説明は最後までなされないままでしたが、この物語の主題はあくまで「些細な行き違いで壊れた友情の再生」ということになっているので、パンドラキューブは登場人物達が抱えている問題の象徴を具体化させたものである、と解釈するのが妥当なところなのでしょう。

 パンドラキューブが提供する「ナゾ」が全て主人公のカズヤが持ち前の直観力で解決可能な範囲のものであったのも、「2人と今度こそ、本当の友達になるんだ!」と決意したことでかつての仲が良かった頃のカズヤ達三人の映像がフラッシュバックし、友情が復元するラストに繋がるのも、例え問題があっても行動を起こせば結構何とかなるものだというメッセージなのではないかと思いました。
 そういう意味において、この「パンドラキューブ」は極めてポジティブかつプリミティブな、少年漫画らしい少年漫画なのではないかと感じます。

 ゲーム的な数学パズルが題材なだけに、要所要所で「学校もあんまり魔窟と変わらなかったな」とか「人の気持ちは数字みたく割り切れない」とか青臭い台詞が出てくるんですけど、それはそれでまた少年漫画の醍醐味ということでひとつ(ひとつ何だ)。

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