あっという間の三週間でした(私信) サンデー40~42号感想

境界のRINNE

 この回の美人さん(名前)には、所謂女の業と言われるものが全て詰まっているように思えます。鯖人がクズ男だと知っていながら婚姻届を押し付けようとする辺りは、本当にグッと来ました。汚い大人な皆さん(決めつけ)なら、そうしてしまう彼女の心理がとてもよく判るのではないのでしょうか。
 こんなに深い闇が潜む話を、少年誌の枠に収まるフォーマットで作れる高橋留美子先生は流石だなと思いました。高橋先生の描く根性が曲がった女性はみんな大好き。

ヘブンズランナーアキラ

 少し前の話になりますが、サンデー40号でアキラが100m走でついに真の実力を披露してそれが周囲に認められた時、部長が感動して涙を流していたのが印象的でした。主人公のために感動の涙を流せる部長は、やっぱりこの作品のヒロインだと確信しましたね。
 そして小笠原さんはアキラを見守って静かに導く女神。あるいは菩薩。

BE BLUES!

 これも少し前の話になりますが、サンデー40号で藍子が桜庭のことを「相手を馬鹿にしている馬鹿である」と評し、ミルコもまた桜庭のことを「飛び道具だから狙いを定めてやらないといけない」と、まあ端的に言えば「馬鹿とハサミは使いよう」的な形で桜場を評していたところが面白かったことを覚えています。
 サッカーのキャリアは段違いなれど、この二人が桜庭のアレっぷりという共通の話題で盛り上がれるということは、それだけ桜庭のキャラクター性が際立っているということの証でもありますよね

 前回の本編の方は、BCD混成チームを「自分のやりかったサッカー」の形にまとめ上げた龍の人間力の高さと、決めるべきところでキッチリと外す矢沢の(違う意味での)人間力の高さが際立った回だったと思いました。男・矢沢の後半の活躍にも期待です(違う意味で)。

だがしかし

 連載開始からまだそれほど間がないのにも関わらずコミックス1巻が早くも発売、しかも1巻にはサンデー42号に掲載された話まで載っているという、これまででは考えられなかったスピーディーな営業戦略を展開したことで話題になってました。それだけ「だがしかし」が今サンデーから期待されている、と言えるのではないのでしょうか。

 ほたるにおっぱいアイスをぶっかけた前回の露骨にエロな話は勿論好きですが、サンデー41号における「透過光で見えないパンスト越しのパンチラ」という控えめかつ読者の想像力を刺激させるフェティッシュなエロの話も大好きです。
 結論としては、どっちのエロもできるほたるは素敵です(褒めてます)。

デジコン

 新連載(40号の)。「宇宙人が主人公のいる銭湯に空から降ってきた」という導入部こそは『一番湯のカナタ』を彷彿とさせるものがありましたが、こちらは『カナタ』のような面白宇宙人ほのぼの銭湯コメディではなく、空から降ってきた最強宇宙人のオメガを初めとして、出てくる宇宙人が何かみんな本気で相手を殺しにかかってくるという、バイオレンス分がかなり多めの内容になっているのが大きな違いだと感じました。
 特に前回のラストでは主人公のシホが頭から血を流しており、常識的に考えるとこれもう彼女は死んでるんじゃないの? と思わざるを得ないレベルでバイオレンスです。

 総じて、ルックスは従来のサンデーマンガ的な作品のように見えながらも、その内容は従来のサンデーのマンガにはちょっとない感じの雰囲気の作品という印象。これからどんな形でこちらをもっと驚かせてくれるのか、今後の展開に期待します。

史上最強の弟子ケンイチ

 まさかの最終回。サンデー超増刊に連載されていた時代から読んできた身としては、「ケンイチ」が終わってしまうのは寂しくもあります。
 「達人と弟子」という概念を初め、このマンガ独自の極めてユニークな格闘理論の数々は、何かこう如何にも「サンデー読者が好きそうな格闘マンガ」を体現しているように思えました。そういう意味では、極めてサンデーらしい作品だったと言えます。何にしろ、長い間おつかれさまでした。

 既に松江名先生の3話連続読み切りが告知されているところからして、再び松江名先生の作品がサンデーに戻ってくるのもそう遠くはないように思えます。

だがしかし 1 (少年サンデーコミックス)
コトヤマ
小学館 (2014-09-18)

「だがしかし」1巻、現在品切れでプレミアムな売値が付いててビビります

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