うちの子にかぎって…!(古い) サンデー52号「BIRDMEN」感想

BIRDMEN

 鳥男を巡る状況が著しく変化していることを察した烏丸がついに母親と決別、自らの自由を得るため、そして自分たちを置いて失踪した鷹山を探すために、実家を離れて旅立つという話。

 今回のクライマックスは、勿論烏丸が母親に自分の正体を明かすシーンなんですけど、母親の前でおもむろに服を脱いで鳥男に変身した後、諦めに似た表情を浮かべながら「全然…いい子になれなくてごめん」と母親に言うシーンが、ンもう最高にグッと来ましたね。こんなカッコいい家出宣言、今時めったに見られるものじゃありません。

 自分の中に潜む邪気眼的な能力によって自分が世界から迫害される対象となり、これまでのような平穏な生活を捨てて世界と戦うために飛び立つ覚悟を決めた少年が、かりそめの平穏の象徴だった家族に己の正体を晒し、「いい子に育って欲しい」という両親のささやかな希望を叶えられなかった後悔の念と共に、全てを告白したんですよ! いいですね! もし自分が現役の中学二年生だったら、絶対烏丸の真似をして家出するフリをするに違いない! って本気で思いました。

 「BIRDMEN」という作品が内包する中二病的な志向はこのサイトでも以前指摘していますが、今回の烏丸の家出宣言のシーンもそういった視点で見るとものすごくカッコいいんじゃないかと思いました。中二病を自称する「古見さんは、コミュ症です。」の中々さんも、友達と楽しくスマブラやるのもいいけど、同じ雑誌に載ってるホンモノの超人でありリアルバウト中二病伝説の真っ只中である烏丸の徹底した清々しさを見習って欲しいですね(相変わらずひどい感想)。

 あと興味深かった点は、これまでは瞳が描かれずにのっぺらぼうだった烏丸の母親が、烏丸の告白を受けて初めて瞳が描かれたことでしょう。あれは「息子にいい子でいてもらいたい母親」のペルソナが外れたことの表現であると解釈していますが、彼女の本当の表情が描かれたのが息子を失った後だったというところが悲しさを感じさせます。
 そして烏丸君って、顔が母親似だったんだなとも思いました。男の子は母親に似るっていうけど、烏丸も例外じゃなかったんですねえ(そこか)。

 全体的な感想としては、アイリーンはやっぱ猫っぽくてカワイイなと思いました(おわり)。


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はい、「BIRDMEN」は「中二」ではなくあくまで「青春ジュヴナイル」であることは承知しています(二度目)

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