「ムシブギョー」ハーレムエンド記念 サンデー43号感想

保安官エヴァンスの嘘

 巻頭カラー。すっかりこの作品はサンデーの新しい顔になりましたね。
 そろそろアニメ化とかしないんでしょうか(気が早い)。

 顔と言えば、「ファンの夢を壊さないために、わざと空撃ちしてうやむやにしたんでしょ?」って頬を紅潮させながら言ってるフィービーの表情がすっかりできがってるというか、完全にエヴァンスに惚れてるような感じに見えるんですが、これは自分の思い込みに過ぎないのでしょうか(過ぎないのでは)。

 フィービーって、エヴァンスのことが好きとかそういうところとは別に、エヴァンスのガンマンとしての腕をプロフェッショナルとして信用しているところは好感持てます。今回はそれがいい方向に転がった格好ですね。

キングオブアイドル

 ちんこ回(要約)。いわゆる「アイドルマンガ」の見せ場であるまほろのライブが終わった後は、このマンガ独自の見せ場であるところのちんこ回をキッチリ入れてくれるところは、ホント素晴らしいと思ってます。

 前回のライブでは瀬奈さんとの共同作業の結果生まれた愛の結晶であるところの「オブジェクト」を盛大に撒き散らかしたので、もしかしたらオブジェクトを沢山出したからスッキリしてちんこが勃起しなくなるのかな? とか勝手に予想していたんですが、そうではなかった様です。
 これにより、オブジェクトは性的エネルギーとは違うってことが明らかになりました。良かったです(良かったね)。

 あと今回初登場した2組の霧ヶ峰ミサというキャラですが、『エナジードリンクをオーバードーズして目を血走らせながらガンギマってブルブル震えている』という、一般的なアイドルの定義から著しく逸脱している人物であることをわずか一コマで判らせる圧があるところがステキだと思いました。このマンガにおける「アイドル」の懐の広さを伺わせるに十分です。
 でも彼女、アイドルとして輝くよりも前に、人間としてだめになってしまいそうな予感がします。というか、もうダメになってますね。霧ヶ峰ミサ先生の次回作にご期待下さい。

初恋ゾンビ

 「なんと愚かだったか! こっちの方が全っ然最高じゃ~♡
 マンガ本編の方が全力で指宿と江火野のカップリングを推進して来ており、何というかこう「公式が病気」と言わざるを得ない状況になって来ました。

 文化祭の時は「江火野に自分は『江火野と同じ普通の女の子』であることを告白することで、自分も江火野と同じくタロウのことが好きだということを遠回しに宣言する」ことを匂わせる、百万乙女の恋のバイブル的な展開が始まるのかな? と予想していたのですが、まずはそこに至る前に「『普通の女の子』としては色々とおかしいところがある指宿に、(少なくとも指宿よりは普通の女の子である)江火野と仲良くさせることで、『女の子』とは如何なるものであるかを学ばせる」というステップを踏むことにしたのではないかと理解しました。

 というか指宿くん、今回の件で完全に江火野ラブになったっぽいので、学園内ではそろそろ指宿×江火野が公式カップリングとして認められる展開になったりするのではないかと思ってます。江火野さんなら指宿くんのことを安心して任せられます。お幸せに(おわり)。

ムシブギョー

 最終回はまさかの孕ませハーレムエンドに。
 自分、孕ませハーレムエンドで終わるマンガを読んだのは、多分「少女達の茶道ism」以来ですよ…(と言われても)。

 前回、常世の蟲から「奈阿を幸せにしておくれ」と言われた仁兵衛が「はい!お約束します!」と答えたので、仁兵衛はついに蟲奉行様と結婚する覚悟を決めたのかな? でも、仁兵衛が絶望しそうになった時に彼を救ったのはお春殿への想いだったよね? それに火鉢も仁兵衛にベタ惚れだったよね? その辺どうするのかな? と疑問だったのですが、それをたった一話で円満に解決するためにハーレムエンドに持ち込んだというところが、実にロックだと思いました(褒めてます)。
 このマンガの中で「妾」の概念が出てきたのはこれが多分初めてなので、その辺が強引さを感じさせなくもないのですが、でもまあ仁兵衛はこういう展開になっても「まあ仁兵衛がやることなら仕方がない」と思わせるだけの魅力を持ったキャラクターなので、それなりの説得力はあると思います。

 あと個人的には天間と壱与のカップリングも好みでした。メカ美少女と死ぬまで添い遂げてもらえるなんてうらやましいなあ。ハーレムエンドもいいけど、個人的には人間じゃないメカ美少女と結ばれるエンディングの方が好みですね(と言われても)。

シノビノ

 吉田松陰大暴れの回。吉田松陰は「正気には大業ならず。武士道はシグルイなり」な精神を体現した人物であることはどうやら史実な模様なので、黒船に乗り込んで乗っ取りを画策し、扇子で水兵の首をバッサリ斬り落とすくらいのことも「吉田松陰ならやりかねない」と納得できるようになりました。

 そしてついにそのベールを脱いだ藤堂平助ですが、彼のやんちゃ気質であるというパブリックイメージを最大限に活かした上で、「やんちゃな態度で人殺す」というシリアルキラーなキャラクターとして設定されているようです。
 彼自身が吉田松陰の攘夷的な思想に共感しているというよりは、単に「先生」の側にいれば楽しく暴れられるからという理由で松陰の側に付いているものと考えられます。

 何にしろ、松蔭が本格的に動き出したことで、このマンガはますます面白くなってきたことに変わりはありません。おそらくこの作品は、「保安官エヴァンスの嘘」と共にこれからのサンデーの顔の一つになり得るのではないかと、個人的には予想しています。これからが楽しみです。

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