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サンデー8号「パンドラキューブ」感想

パンドラキューブ

 時間が取れなかったので遅れましたが、先週のサンデーの感想の続きです。

 渡瀬悠宇先生がサンデーに降臨して描いてくれた「パンドラキューブ」。学校に何故か置いてあった変な箱をネタに、少年達が一度は壊れた友情を再生させていくという趣向の物語です。
 結局、「何故パンドラキューブが学校に置いてあったのか」とか「パンドラキューブとは何だったのか」という説明は最後までなされないままでしたが、この物語の主題はあくまで「些細な行き違いで壊れた友情の再生」ということになっているので、パンドラキューブは登場人物達が抱えている問題の象徴を具体化させたものである、と解釈するのが妥当なところなのでしょう。

 パンドラキューブが提供する「ナゾ」が全て主人公のカズヤが持ち前の直観力で解決可能な範囲のものであったのも、「2人と今度こそ、本当の友達になるんだ!」と決意したことでかつての仲が良かった頃のカズヤ達三人の映像がフラッシュバックし、友情が復元するラストに繋がるのも、例え問題があっても行動を起こせば結構何とかなるものだというメッセージなのではないかと思いました。
 そういう意味において、この「パンドラキューブ」は極めてポジティブかつプリミティブな、少年漫画らしい少年漫画なのではないかと感じます。

 ゲーム的な数学パズルが題材なだけに、要所要所で「学校もあんまり魔窟と変わらなかったな」とか「人の気持ちは数字みたく割り切れない」とか青臭い台詞が出てくるんですけど、それはそれでまた少年漫画の醍醐味ということでひとつ(ひとつ何だ)。


ワイルドライフがドラマ化を待たずに終了してビックリ記念・サンデー8号感想

結界師

 血涙を流して「カエ…セ」と訴える土地神に対してあっけなく「そんなに大事なものなら返すよ。ごめんな」とキーアイテムである唐傘を返してしまう人の良い良守と、散々「禁忌だ」「禁忌だ」って言われているにも関わらず、危機的状況を打開するために覚悟を決めて土地神を殺しにかかる時音。行動が両極端ではありますが、やっぱりこの二人は何だかんだでバランスが取れている、良いコンビだと思います。
 時音はこのままだと扇一族の陰謀シナリオ通り、良守母同様「神殺し」の汚名を着せられてしまう可能性があるのですが、良守にとっての時音を守るための本当の戦いはそこから始まるのではないのでしょうか。

 でもまあとりあえず、その辺の心配は今回のバトルを生き延びてからしないといかんのですけどね。個人的な今回のバトルにおける死んじゃいそう感は、黒芒楼編ラストバトル以上です。

ハヤテのごとく

 作品内ヒエラルキー最上位に位置している割には何かと報われない、マリアさんの幼少期を描いたお話。彼女は確か自称17歳という設定なので、7年前というと10歳。「絶チル」の薫達や、ついでに言えば「ドラえもん」のしずかちゃんと同年代ということになりますが、でも何かこう必要以上にロリロリなマリアさんを見ていると、とても彼女が同じ10歳だとは思えません
 10歳の時にはあまりに幼く、17歳の時にはあまりに老けているマリアさん。一体彼女は何者なのでしょうか。

 今回は、本来であれば彼女の過去の一端を窺い知ってマリアさんをより深く愛することができるようにするためのエピソードなはずなのですが、逆にますます謎が深まったような気がします。

金剛番長

 「剛力番長はあんなちっちゃい体なのに何故あんな巨大な鉄球を振り回せるの?」という、読者なら誰もが思う疑問に対して、「彼女はヒュペリオン体質という特異な筋肉構造の持ち主だから」なる説明がなされていましたが、この説明は民明書房の本から引用されたものに違いないので、コミックス収録の際にはぜひ引用元を記載してくださるようお願いします。
 というか、あらゆる読者が「これは『金剛番長』なんだから、あらゆる理不尽も『金剛番長のやることなら仕方ない』と納得する」ことを了承している物理的リアリズム皆無なこの作品において、あえて間違った形でリアリティに説得力を持たせようとするこのサービス精神には、ほとほと感心させられます。

 勝負の方ですが、予想通りパワーでは剛力番長が一歩リードな状況。でも彼女は持久力の面で問題を抱えているような気がするので、金剛が粘れれば勝機はあるかも知れません。
 このマンガは『金剛番長』なので、まともな予想が通用しそうにないところはアレですが。

最強!都立あおい坂高校野球部

 「すげー!」「でけー!」という驚嘆の声は、富士山に対してではなくマネージャーの小池さんのけしからんおっぱいに対してかけられた言葉だと思った人は、絶対私だけではないはずです。

 あともう一人のマネージャーの桂木響子さん(優等生)が鈴ねえに「お人好しですね」とボソッと呟いたところにグッと来ました。正統派青春野球漫画であるはずの「あおい坂」で、こんな腹黒そうで根性が曲がってそうなステキお姉さんを拝めるとは嬉しい限りです。千葉さんの靴に画鋲入れるとかやってくれないでしょうか(バカ)。

DIVE!!

 湊さんの胸は、もっとスレンダーなものだと思ってたよ!(表紙を見ながら)
 でもあのポーズっていわゆる「寄せて上げる」をやっているので、素だともうぢょっと小さく見えるのかも知れない!(目を閉じながら)

 今回のエピソードは、実は湊は知季に影響されて飛び込みを始めたのであった! という、割と重要な位置付けのエピソードでした。
 言うなれば湊は知季に対してツンデレ状態にあるということになりますが、知季は彼女にフラれたことが飛び込みに没入する原動力になっているので、とりあえずオリンピックが終わるまでは湊は知季に対してツンモードを持続していただきたいと思います。
 オリンピックにおける日本のメダルの数に影響を与える程のツンデレ。ツンデレも随分スケールが大きくなって来ましたね。


人間は汚いと知りつつ、それでも人を愛そうとするダブルフェイスに人間の尊厳と業の深さを垣間見たサンデー8号絶チル感想

絶対可憐チルドレン

 「ハヤテのごとく!」の枠で流れている、サンデーCM劇場「絶チル」版を見ました。確かに、薫の声は平野綾さんっぽいですね。
 (アニメファンの間では)一般的に平野綾と言えば「やっぱりハルヒの声の人」であるらしく、そのイメージが強過ぎてあまり薫っぽくないという感想も見かけましたが、自分の場合はハルヒの本放送の時は裏番組だった「シムーン」を観ていたので、個人的にはあまりそういう固定観念はないです。「シムーン」観ていて良かったよ!(そういう喜び方はどうか)

 そして今週のサンデーの感想ですが、物語の時間軸は連載第一話よりも前の出来事ということになっているものの、これまでの長い連載の積み重ねでチルドレン達や皆本のキャラクター性が連載開始時と比べて確立していること、および彼らにもそれぞれの生い立ちや経歴といったバックボーンがついたことにより、連載開始時と比較するとよりキャラクターの個性が際立っているように思えました。
 特に、薫が「仲間を守る」意思を持っているということをかなり明確に描写していた点が印象的です。皆本がそんな薫が葵と紫穂を守るために周囲に牙を向く様を猫に例えていたのは、判りやすくて良い表現ですね。猫かわいいよ猫(まちがい)。

 ただ、最後に「その人が『お菓子あげるから家へおいで』って──」ってシレッと言ってのける姿は連載開始時の凶悪だったチルドレンそのまんまのアレっぷりであり、この辺はちゃんと基本を踏まえているんだなと思いました。

 また、今週は「首輪を調べるために顎を上げて上向きになる」描写が何回か出てきたんですけど、何かこの仕草ってグッと来ませんか皆さん。言うなれば幼女が顎を上げる仕草フェチ。何でこんなにこの仕草にときめくのか、自分でもよく理由が判りません。背の高い男性とチューする時の仕草に似ているから?

 あと最後のシーンの「シャツがはだけた状態で手錠をかけられて拘束される」皆本の姿は、深遠な読者サービスだと思います。こんなシーンを盗撮しつつニヤニヤする朧さんは流石です(何が)。


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