Archive for the 'コミック' Category

[クラブサンデー読んだ日記 釣りチチ・渚編

2009/11/28 22:31

 お久しぶりです。

 いきなりですが、現在クラブサンデーにおいて、サンデーGXで連載されている「釣りチチ・渚」が限定公開されていることは、クラサンをチェックしている方ならご存じだと思います。

釣りチチ・渚

釣りチチ・渚

佐藤まさき
(C)Masaki Sato/Shogakukan 2009

サンデーGX誌上で大人気のアウトドア青春コメディーが、単行本発売を記念してクラブサンデーに特別参戦!! 神奈川・湘南の美しい自然を舞台に、美少女釣り師・渚さんが大活躍するぞ!! 11月19日ごろ発売の単行本もヨロシク!!

posted with EmbedSunday on 2009-11-28

 「釣りチチ・渚」とは、端的に言えばすごい巨乳でカッコイイお姉さんが釣り竿振って大活躍するマンガなのですが、『「釣りキチ」を「釣りチチ」にしたら面白いんじゃね?』的な発想から作られたことが明白なわかりやす過ぎるそのタイトルとは裏腹に、釣りマンガとしての基礎は思っていた以上にしっかりしている、という特徴を受けました。

 このマンガは基本的に釣りマンガなので、作中で現れるあらゆる問題は全て「釣り」で解決することになるのですが、そこで登場する魚の挙動や釣りのテクニックは、釣りが趣味であることを公言している作者の佐藤まさき先生、および「編集者、監修者など関わる人間が全員釣り好き」を宣伝文句にしてしまう程の釣りマニアなスタッフ陣の力により、マンガ的な誇張に溢れつつもリアリティを保った釣り描写を実現しているように思えます。
 個人的には、(クラブサンデーにも掲載されている)第二話の、「下着泥棒をおびき寄せるため、ルアーフィッシングのテクニックを使って釣り針に付けたパンツを動かし、パンツが自然に風に舞っている様に見せて泥棒を釣り上げようとする」エピソードに感心しました。「釣り」という題材の持つアドバンテージと、主役である渚の釣りテクニックの高さを、このような形で表現するこの発想はすごいです。というかおかしいです。色々な意味で。

 「釣りチチ・渚」はサンデーGX的にかなりプッシュしている作品らしく、とらのあな等で先日発売されたコミックスに購入特典のペーパーを付けるなどは勿論のこと、「地域密着型営業」を謳って作品の舞台となっている神奈川のスリーエフでポスターを配布するなど、かなり積極的な展開を行っている様です(コミックナタリーMOON PHASEに掲載されたプレスリリースを参照)。
 クラブサンデーに作品を掲載しているのも、そのキャンペーンの一環でしょうね。

 しかし、ソク読みシステムで宣伝するにしても、何故(GXのサイトや「ソク読み」ではなく)週刊少年サンデーの拡張サイトであるクラブサンデーで? という点がちょっと不思議だったのですが、この「釣りチチ・渚」の現担当編集者が、当サイト的には椎名高志先生の元担当編集者として有名な有井さんであることが判り、もの凄い勢いで納得しました。

 有井さんならやります(断定)。

 ※今回はその有井さんから、「釣りチチ・渚」のプレスリリース記事とイラスト素材を頂いたので、その一部を使わせて頂きました。ありがとうございます!

[漫画ナツ100に参加します日記

2009/08/12 00:32

 「酔拳の王 だんげの方」のだんげろうずさんが毎年行っている「漫画ナツ100」に参加したいと思います。

 今回のレギュレーションは「漫画ならなんでもあり」というバーリ・トゥードなものなため、選択肢が多すぎて悩ましいところではあるのですが、とりあえず以前書いた引っ越し後の本棚リスト(=当時の自己ベストマンガ履歴)をベースに、当時はリストから除外していた連載中の作品、物理的な理由で引っ越し時に手放した作品、および18禁コミックを含めた最新ベスト版を作ることを目標にしました。
 選考の基準は、今回も『「このマンガの存在は、今の自分の人格を構成する要素になっているか?」と自分に問いかけ、「Yes」と応えられるもの』です。

※既にコミックス化されている作品は作品名+作者名のみ、コミックスに収録されているけどコミックスのタイトルが別なものについては更に出版社名+コミック名を記入してあります。

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[エル・パラシオ補足

2009/05/19 01:52

 「こいつは…見てはいけないものをみてしまった

 土曜日に書いた月刊少年サンデー感想記事の「エル・パラシオ」について、一つ大切なことを書き忘れていたので補足。

 今回話題になった「主人公に局部を見せながらドロップキック」を繰り出したキャラは、「B(バニー)・キサラギ」のリングネームで活躍中のマスクマンです。
 マスクマン故に彼女は普段からマスクを被って生活しており、そんなマスクを被る生活があまりに性に合っているためか、彼女は例え普段リングの上で被っているマスク以外のマスクを着用していても、ファンからは「あれはキサラギだ」と認識されてしまう始末。マスクを被っていても正体を隠せないことが、彼女にとっては少し悩みの種になっています。
 また、マスクマンの習性なのか元々の性格からなのかは不明ですが、彼女は素顔を晒すことを極度に恐れています。しかし、上記の「どんなマスクをしていても正体を知られてしまう」悩みを解決するためにはそれを克服しなければいけない(=マスクを被っていなければ自分がB・キサラギだとは気付かれない)のではないか? と葛藤しています。

 以上の情報は、創刊号のオマケに付いてくる別冊に収録されているマンガ(「キューティーB」)で語られていることです。そして、本編におけるキサラギの「主人公に局部を見せながらドロップキック」は、この文脈を理解した上で、初めてその真価を発揮するのです。

 彼女はドロップキックで主人公を蹴り倒す直前、素顔でシャワーを浴びて風呂場から出たところを、主人公にあますところなく観られています。なので、一般的な美少女わんさかコメディーのロジックからすれば「キサラギは裸を見られて怒り、我を忘れて蹴っ飛ばした」という解釈が成り立ちますし、蹴られた主人公もそう解釈します。
 しかし彼女は「素顔を晒すことを極度に恐れて」おり、かつ「それを克服しなければいけないのではないかと葛藤」している最中であるという(読者のみしか知らない)情報が追加されることで、キサラギにとっては不意に(裸ではなく)素顔を見られてしまったことが怒りの源となっていることが理解できる構成になっているのです。

 この誤解は今回のエピソードではまだ解かれておらず、今後主人公とキサラギのエピソードでは、この双方の解釈の違いによる誤解によるすれ違いが主眼となることは間違いないでしょう。また、このマンガは美少女わんさかコメディーなので、主人公がキサラギのマスクマンとしての悩みを克服する力となることが彼女を攻略するきっかけとなることも、暗に提示されていると言えます。
 更に言えば、今回このような形で「弱み」を見せたキャラは、彼女と(主人公を見るなりいきなり悲鳴を上げた、「ラブひな」で言うところの前原しのぶに相当しそうな)女学生キャラのみであり、その点でもキサラギはこのマンガの中でもかなり(ラブコメ要員としての)扱いが強くなることを予感させるキャラである――と言えるのではないのでしょうか。

 単に「主人公に局部を見せながらドロップキック」のコマだけ見ると『エロだけで売るマンガ』と解釈されてしまうかも知れませんが、このコマは以上の文脈の上に沿った形で提示されているものであり、実に深い意味を持っているコマなのです。判って頂けたでしょうか

 まあ、単に今回のようにネットで話題になるために仕組んだだけという可能性もあるんですけどね(だいなし)。

[ゲッサン読んだ日記

2009/05/17 02:16

 今ブログに「エル・パラシオ」って書くと検索ヒット数が上がると聞いて(挨拶)。

 「ゲッサン」こと月刊少年サンデー創刊号を購入しました。「あずまんが大王補習編」の掲載が大きな売りになっている創刊号ではありますが、作家陣は週刊少年サンデーやサンデー超増刊で活躍していて目に馴染みのある方の比率が多かったこともあり、個人的にはいつもサンデー読んでる時と同じ気分で読むことができました。
 ただ、ながいけん先生のマンガだけは、「モテモテ王国」と同じマインドセットで読むとあまりに違うので面食らいますが。

 今回、個人的に好きだったマンガとして、以下を挙げておきたいと思います。

「アサギロ」(ヒラマツ・ミノル)

 才能溢れる怖い者知らずな少年剣士の沖田と、「武士」という理不尽でシグルイな職業の悲哀を感じさせる村上の対比が非常に印象的。
 次回への引きも完璧で、ぜひ続きが読みたい気分になりました。

「忍びの国」(和田竜/板ノ睦)

 「主人公以外はみんな色々な意味で頭がおかしい」狂気溢れる世界観を、説得力を持って描けていると思いました。
 そういう意味において、非常に漫画らしい漫画。

「まねこい」(モリタイシ)

 恋愛に悩むうじうじしたダメな少年を描かせたら、モリタイシ先生はホントに上手いな! と再認識。
 次回以降、あのまねき猫をどう動かすのかが楽しみです。

「マコトの王者」(福井あしび)

 気鋭のルーキー対盤石のチャンピオン、というよくある構図かと思わせておいての番狂わせな演出が意表を突かれた。
 でも話の筋は極めて明確で絵にも迫力があり、わかりやすくて面白い漫画という印象。

「リンドバーグ」(アントシンク)

 「空への憧れ」とか「人間と非人間の心の交流」とか「異世界冒険アドベンチャー」とか、自分の心の琴線に触れるキーワードがふんだんに盛り込まれているので夢中にならざるを得ません。

「信長狂奏曲」(石井あゆみ)

 この漫画に漂っている、どことなく(良い意味で)すっとぼけた雰囲気が好きです。

 あとは、あだち充先生をここまでネタに出来るのはこの人と高橋留美子先生しかいないんじゃないかと思った島本和彦先生の「アオイホノオ」、でも『いつものような話です!』と言われると「確かにそうかも」と納得せざるを得ないあだち充先生の「QあんどA」、絵柄の変化以上に大阪のボケっぷりが往年の頃と比べて進化しててビビった「あずまんが大王補習編」は、期待通りの鉄壁な面白さでした。
 そしてながいけん先生の問題作「第三世界の長井」は、ながいけん先生はファーザーみたいなキャラだけではなく、スタイリッシュなキャラも描けるんだよ! というアピールには成功したと思います。最後のページで全てが台無しになってますが。

 そしてエロい意味で話題になっている「ここが噂のエル・パラシオ」ですが、基本的にはスタンダードな美少女わんさかコメディーですね。唯一特異なのは舞台が女子プロレスのジムであるということであり、それ故今後もプロレスチックな様々なアクロバティックな体位でのパンチラとか、「ランブルローズ」のHムーブ的なお色気アクションも期待していいんじゃないんでしょうか。
 かつて「ふぁいとの暁」で我々サンデー読者を(ショタ方面)でメロメロにしたあおやぎ孝夫先生の作品なので、期待してます。

最近の椎名先生関連のネットの話題を今更拾うテスト

2009/02/21 02:09

 ネットというか、「ゴルゴ31」さんで紹介されていた記事に対してなのですが。
 ゴルゴさん「ハヤテ」デビューおめでとうございます(遅い)。

椎名先生は本当に久米田先生が大好きだな – 明日はきっと。

 椎名先生がサンデーの目次で「漫画・映画・アニメの中で『これは格好いい!』と思った決めゼリフがあれば教えてください」という質問に対して、「絶望した!!」と答えたという件。
 個人的には、椎名先生と久米田先生の関係は、好きとか嫌いとかというより、むしろ盟友関係と言っても良いくらいの深い絆があるのではないかと思ってます。久米田先生の生前葬にも列席してましたしね。きっとプライベートでは、久米田先生は椎名先生のことをメープルピンピンと呼んで愛しんでいるのではないかと妄想してます。久米田絶望攻め(嫌)。

 あとこの記事と直接は関係ないのですが、今の小中学生くらいの若い久米田先生ファンになると、『昔久米田先生は週刊少年サンデーで連載をしていた』こと自体を知らない子がそろそろ出てきているんじゃないかと危惧してます。久米田先生は今ではもうすっかりマガジンの顔ですし。『絶望先生』の載ってないマガジンに絶望した! とかみんな絶対言ってますよね今週。

椎名高志『絶対可憐チルドレン』と『エスパー魔美』 – 藤子不二雄ファンはここにいる/koikesanの日記

 藤子不二雄ファンのkoikesanさんが、「絶チル」が如何に「エスパー魔美」をはじめとした藤子不二雄作品の影響を受けている作品であるのかを、とても丁寧に説明しているエントリ。コメントも含めてとても参考になります。
 椎名先生にとって藤子不二雄先生の作品はもはや「血肉」と言っても良いレベルにまでテイストが染み渡っており、椎名作品における藤子不二雄作品ネタを上げていくと、本気で暇(いとま)がなくなる程だと思ってます。また、「『絶対可憐チルドレン』は、そうした古典的とも言えるSF設定をベースにしながら、そのうえで21世紀を迎えた現在の少年マンガとして活きのよさや面白さを備えた作品です。」という記述には、とても共感させられました。

 なお、個人的に「椎名先生の藤子不二雄マンガの好きっぷり」の例で真っ先に浮かぶのは、リメイク版「のび太の恐竜」でタイムパトロールのリーム姐さんが出てこないと大人げない不満を漏らす、この椎名先生の姿です。
 「TPぼん」好きなオッサンはホントやっかいですね(他人事のように)。

2/18のGX編集者日記の有井氏のコメント

 サンデーで「絶対可憐チルドレン」の担当編集をされていた有井大志氏がサンデーGXに異動となり、その際にサンデーGXの編集者日記で以下のコメントを書かれていました:

GX日記

少年サンデーに異動した直後、『一番湯のカナタ』の連載を終えられた椎名先生の担当につき、短期集中、連載立ち上げ、アニメ化と色々な経験をさせていただきました。
短期連載を載せた直後、GXのK前編集長が「作品ごとGXに引き抜く」と仰られ、勧誘合戦になったのも今ではいい思い出です。
そして、異動を前にした最後の校了が表紙&巻頭カラー…… これ以上ない最高の形でサンデーとお別れできました。
椎名先生、ありがとうございます。

 「絶チル」の短期連載開始時、椎名先生は「少なくともワタシと担当はいい作品だと思ってます」と述べています。この「担当」が有井氏ですね。
 「絶チル」は(少なくとも当時の)少年マンガとしては異常な部類に入る作品だったのは間違いないところなのですが、それでもあえて「絶チル」を少年サンデー誌上で連載させるため、有井氏も当時は相当尽力なされたのではないかと想像します。それだけに、今の「絶チル」が連載作品として成功した姿に対して、深い感慨を抱いているのでしょう。
 これまでありがとうございました。新天地でのご活躍を期待します。

 そういえば「絶チル」の短期連載版が掲載されていた頃の2004年のサンデーって、

  • かってに改蔵」と「美鳥の日々」の二本柱が同時に連載終了
  • 改蔵」終了の際に、久米田先生が当時の編集長との確執を臭わせて話題に
  • その編集長が同じ年に現編集長と交代
  • この年に連載が始まった「東遊記」は、後に雷句先生の原稿紛失裁判での陳述書に「編集の過度の介入」の例として名前が挙がる運命に
  • 怪奇千万!十五郎

 とか、何かもう色々と大変だった記憶があります。
 そんな大変な年にサンデーで連載を始めた「ハヤテのごとく!」の畑先生とか超偉い。もっとがんばれ。超がんばれ。

 おわります。