Archive for the 'コミック' Category

腐ることで輝ける青春も確かに存在する。サンデー29号絶チル感想

2011/06/22 00:16
絶対可憐チルドレン

 コミックス26巻限定版に付属の、パティの夢と妄想が詰まったドラマCDを聴きました。可憐GUY’Sが腐っているのは期待した通りでしたが、悠理×パティな妄想も決して不可能ではない作りになっているので、そういう趣味をお持ちの方も楽しめるかと思いました。
 相対的にチルドレンの扱いが小さくなっていますが、まあ彼女たちは本編で活躍しているのでいいですよね(いいのか)。

 そのコミックス本編の方は、改めて読みなおして見ると、皆本と薫の大人のキスがよりエロく感じてしまってビビりました。こんなのをあの年齢で経験してしまったら、そりゃー薫も必要以上にドギマギしてしまうというもの。彼女は健気にもこの不慮の事故を「がんばってあのキスに追いつくから!」と自身の成長への糧とすることを決意するんですけど、本気を出した皆本のエロスっぷりに追いつくのは、さすがの薫も相当大変だと思います。頑張れ薫。
 あと、おまけマンガでこのエピソードのその後がフォローされていたのも嬉しかったですね。そして皆本と薫がエロかっただけに、バランスを取る意味でも紅葉姉さんの残念さもまた際立ってました。この人はパンドラの中でも一番の常識人だと思っていたのですが、実際は真木の頭痛の種を増やす存在だった模様。
 というか、パンドラはボスも大幹部も全て真木の頭痛の種だったりするんでしょうか。真木さんはホント大変だなあ(結論)。

絶対可憐チルドレン 26 特別版
椎名 高志
小学館

 そしてサンデー29号の感想ですが、こちらは廃墟に残された薫の幼少期の怨霊(GS美神的表現)が紫穂と皆本の窮地を救う形になったという物語でした。薫はかつて、須磨指揮官によって首に電撃付きの首輪を付けられ、結果的に紫穂と葵の身を危険に晒してしまったことに対して激しい自責に囚われており、その時の無念さがあの怨霊を生み出した、ということのようです。
 紫穂はその薫の怨霊を、薫がかつて自分にしてくれたように慰めて鎮めようとしていた様ですが、結果的には紫穂のピンチを怨霊が自ら救うことで、怨霊の無念を晴らして成仏させるという結末になりました。紫穂は結局また薫に護られることになり、自分の心を直接あの時の薫に伝えることは叶いませんでしたが、自分が改めて薫に愛されており、また自分も彼女を愛していることを改めて自覚することになった訳なので、これはこれで良かったのではないのでしょうか。
 こういう話を見る限りでは、紫穂も根はやっぱりいい子なんですよねー。でも、これまでのサプリメントで賢木に色々といらんことをして歪んでいる今の彼女はとても輝いているので、やっぱり彼女にはこのままの腹黒キャラでいて欲しいなと思う次第です(ひどい感想)。

 あと今回のエピソードで留意しておいた方がいいのは「高レベルエスパーが発した怨念は、強い力を持ったままそこに残り続ける」という点です。フェザーの超常的な力の源は、もしかしたら過去の薫を初めとした過去のエスパー達の残した、「未来を変えたい」という強い願いなのかも知れないな、とか思いました。

 「足りない…なにか足りない…
 葵のおっぱいが足りないのは仕様です(おわり)。

[つぼみ VOL.9 (まんがタイムKRコミックス GLシリーズ)

2011/01/04 05:13
 この巻では「花と星」第二話がお気に入り。花井が星野を嫌いたがっているのに、彼女の天然っぷりに絆されて結局気を許してしまうまでのシークエンスがコメディとして非常に面白い。最後の星野の過去を知っていると思しき女性の登場による次回への引きも上手い。
 そして「しまいずむ」のラップ越しのキスはギャグとエロスが並立している奇跡の作品(多分言い過ぎ)。「エンドレスルーム」のセクシャルな表現にはドキリとさせられた。「レンアイマンガ」や「ロンリーウルフ・ロンリーシープ」の続きも気になるし、ホント毎回読んでて楽しみなコミックです。
2011-01-03 20:13 | Permalink | Other Review

[booklog]つぼみ VOL.8 (まんがタイムKRコミックス GLシリーズ)

2011/01/03 08:14
疲れた営業のお姉さんが女子高生をストーキングしつつあれこれ妄想していくうちに元気を取り戻して行くというストーリーの「ゆめよりすてきな」が秀逸。こういうマンガを読めるのが、この「つぼみ」の懐の広さだと思った。
他の読み切りでは、「夏の思い出」の切なさが印象深い。
2011-01-02 23:14 | Permalink | Other Review

[Jコミは「こういうことを本当にやっていいんだ」という驚きに満ちたサイトだと思った日記

2010/12/01 02:02

 ラブひな!(挨拶)

 現在絶賛ベータテスト中のJコミで公開されている「ラブひな」を読みました。

 今読み返してみると、「ラブひな」って本当にハチャメチャなマンガですね。おっぱいムギュとか裸見られてキャーとかしししししのぶちゃんのパパパパパンツとかのエロ要素の表現は、執拗に繰り返されるうちに次第に記号化してだんだん本来のエロの意味をなさなくなってますし、連載が続くにつれて唐突で無茶な設定が続出するようになってますし、何より物語の最終目的地である「東大」ですら、現実社会における権威の象徴というよりはむしろ呪術的なパワースポットへと変化してしまっているように思えます。
 「ラブひな」という作品は、『美少女わんさかコメディー』というお題目以上に、極めてアナーキーかつスラップスティックなコメディマンガだったんだなーと思うことしきりでした。

 それでも、そういうギャグマンガ的なハチャメチャさをやらかした上で、「主人公の成長」や「ヒロインが主人公を好きになっていく過程」といったラブコメマンガの本題もちゃんと描かれているのが、このマンガの凄いところです。勿論、今読んでもものすごく面白かったです。
 こんなに楽しい作品を、「実験」の名目で無料で公開に踏み切ってくださった赤松健先生に、改めて感謝の意を表したいと思います。ありがとうございました。

 それで話は変わりますが、個人的に「ラブひな」が当時の少年マンガ業界に与えたもので一番大きかったのは、「少年誌でもこういうことを本当にやっていいんだ」ということを、漫画家や読者に認知させたことなのではないかと思っています。
 古典的な「ちょっとエッチなラブコメマンガ」の要素に、当時隆盛を極めていた「ときめきメモリアル」型のギャルゲー(特徴:プレイヤーが女の子たちからモテてモテて困る)の要素を組み合わせ、露骨な形で女の子をバンバン脱がせて主人公の男子にぶつけていくだけのマンガを、メジャー誌である週刊少年マガジンで堂々と連載する。今になって思えば「ラブひな」型の作品が少年誌に掲載されるのは割と当たり前のことなんですけど、当時は「ギャルゲーみたいなマンガが週刊誌にあったら面白いかも」と思うことはあっても、それをここまで大胆な形で本当に実行に移してしまう漫画家が出て来るとは思っていませんでした。
 それだけに、少年誌でここまでやってかつ人気の面で大成功した作品の登場は、当時のマンガ業界に対して相当のインパクトを与えたことは間違いないでしょう。「エイケン」とかは正にそうですよね(笑)。

 そして現在、赤松健先生が立ち上げているJコミですが、これもまた「こういうことを本当にやっていいんだ」という驚きに満ちたサイトです。

「Jコミ」は、「広告入り漫画ファイル(pdf)」によって構成される、全く新しい漫画共有システムを提案します。

すなわち、
ユーザーよってアップロードされた絶版漫画マンガ作品に対して、著作者の先生方の了解を得て何枚かの広告ページを挿入し、インターネット上で共有する。 それによって、
・ユーザーの皆様には、無料で過去の名作・幻の漫画・埋もれた傑作を楽しんでいただく。
・そして作者の漫画家先生には、その漫画史に残した足跡の対価を受け取っていただく。

「Jコミ」はそういうシステムの構築を目指しています。

Jコミ サイトコンセプトより抜粋)

 「絶版マンガを電子化する」というアイデアは既に存在していましたし、またユーザーがマンガをスキャンして電子化するムーブメント(専門用語で言うところの「自炊」)も存在しているのですが、これを組み合わせる形で合法的なネットサービスを立ち上げ、公開される作品にはいわゆるDRMをかけずに複製も流通も自由に行えるようにし、かつ漫画家に対しても対価を支払うことを可能にする──というのは、正直今のデジタル書籍の常識からはちょっとできない発想です。
 ネットからマンガを合法的にダウンロードして自分が都合の良いデバイス(PC/タブレット/スマートフォン/携帯など)で閲覧でき、かつ作者にも利益を与えるシステムというのは、「そういうのがあったら面白いかも」と思うことはあったのですが、やはりそれをここまで大胆な形で実行に移す人が出て来るとは思っていませんでした。
 しかも、それを立ち上げたのは、よりによってあの赤松健先生ですよ。本当に驚きを隠せません。

 このサイトが成功し、赤松健先生の目論見通りに「Jコミ」を中心としたマンガ流通のエコシステムが生成されれば、おそらくデジタル書籍業界に相当のインパクトを与えることは間違いないでしょう。やってることはちょっとハチャメチャなのかも知れませんが、そのハチャメチャさこそが今の業界には必要なのでしょう。
 もしかしたら、我々は当時の「ラブひな」に匹敵する、何かとんでもないモノが生まれる瞬間に立ち会っているのではないのだろうか。「Jコミ」は、そんな興奮を感じさせる存在であると思いました。