Archive for 2010/01

[サンデー新連載「國崎出雲の事情」第二話までの感想

2010/01/27 00:45
國崎出雲の事情

 女形が登場するマンガといって真っ先に連想されるのは勿論「オヤマ!菊之助」ですが(いきなり)、「菊之助」が女形を学ぶという名目で女の子にエッチな事をするという、「ラブひな」とかそういうものが流行っていた90年代後半的なノリの判りやすいエロコメだったのに対し、この「國崎出雲の事情」の場合は『女形で女の格好をするなんて恥ずかしい』『でも女形として注目を浴びるのは気持ちいい』という相反する感情が主人公の中で交錯しつつドラマが進行して行く、一種のトランスジェンダーものとして描かれているところが、なんというかこう時代だよなあと思いました。
 ただ、主人公の出雲は既に女形として舞台に立つ快感を知ってしまっているため、今は「女形なんて」とツンツンしていても、話の展開的にはいずれデレて来ることは必至。主人公がツンデレなのもやっぱり時代ですね(決めつけ)。

 まあ個人的には「男らしさ」と「女形を演じること」は全く矛盾しないというか、むしろ女形とは「男」たるものを知り抜いた上で「女形」という名のアニマを演じるという意味においては男の中の男でなければできない仕事であると思っているので、最終的には出雲がその辺の感情的な折り合いをどう付けていくか? という形で話が進んでいくのではないかと思われます。

 あと第一話では加賀斗という女形が登場しますが、このキャラは立ち位置的に面白いです。出雲を女形の世界へと牽引する先輩キャラであると同時に、掛け算妄想要員としても機能するという抜かりなさが素敵。病弱気味なのも何かちょっとソソられます。この辺も時代という奴なのでしょうか。
 勝手に時代のせいにしつつおわり。

[crossreview]ある日、爆弾がおちてきて (電撃文庫)

2010/01/26 00:13
ある日、爆弾がおちてきて (電撃文庫)
古橋 秀之 (メディアワークス) / ¥ 578
[☆8] 時間SFかつボーイズミーツガールな短編集。個々のエピソードが一つのSF的な仮定を基にアイデアを膨らませる形で作られており、これぞSF短編集という印象。あと出てくる女の子がカワイイ。トトカミ様かわいい 
2010-01-26 00:13 | Permalink | Other Review

[crossreview]紫色のクオリア (電撃文庫)

2010/01/24 21:33
紫色のクオリア (電撃文庫)
うえお 久光 (アスキーメディアワークス) / ¥ 641
[☆10] 「人間がロボットに見える女の子」を題材にしたラノベと思わせておいて、その実体は量子論に基づいた壮大なスケールの思考実験SF。それでいてちゃんと百合小説としても成立している、奇跡の様な作品。面白かった! 
2010-01-24 21:33 | Permalink | Other Review

[サンデー8号絶チル感想

2010/01/23 22:43
絶対可憐チルドレン

 精神的な余裕が戻って来たので、遅ればせながら先週と今週の「絶チル」の感想を書きました。
 マンガの感想書いてると心が癒されますね。感想ヒーリング。

 キャットウォーカー(1) あらすじ:そんなアレで、チルドレンのトリプルブーストを受けて洗脳の解けたパティ達があまりに残念なことになっていることを危惧した「黒い幽霊」は、トリプルブーストを解析するための餌となるナイに対しては「洗脳が解けて残念なことになる前に自爆する」仕掛けを施していたのであった。なんてひどいことを。そんなオタクが嫌いなのか。

 今回の「黒い幽霊」の行動は、ユーリがナイに対して情が移っていることを見越した上での自爆処置っぽさを臭わせてますね。ナイを使ってユーリの「忠誠」を試す意図を感じます。ブースト解析用レアメタルのペンダントも脚が生えて自走して勝手に薫にとりつくという地味に気味の悪い仕様と併せ、ここまでわかりやすく邪悪なことをされるとグッと来ます(マゾ)。
 ユーリとナイの関係の深化の描写は、本編よりはむしろ「サプリメント」の方で取り上げられていた印象が強いです。悠理が用意した猫用の小窓を通り抜けようとしてパンツ見せながらもんどり打つナイとか可愛かったですよね。そりゃユーリも情が移るというものですよ。オレがユーリなら萌えてる。

 ただ個人的には、ナイはもし仮に無事洗脳が解けたとしても、いわゆるパティみたいに残念なことにはならず、なんか普通に異性同性動物に関わらずモテて社会性を回復できそうなポテンシャルを持ってる感じがします。いやまあ、「黒い幽霊」にとっての残念なこととは、決してオタク趣味に目覚めることではなくて、超能力者が道具ではなく人間として生きる気力を得ることであることは把握していますが。
 むしろ、ユーリがナイに対して百合姫ワイルドローズ的な感情を抱いてドギマギしてしまう方のが個人的には萌えるので、ぜひその方向性を検討して頂きたい所存です。誰かに。

 そういやユーリに対してトリブルブーストをしかけたら、何が起こるんでしょうか。分裂していた人格が融合するとか、逆にフェザーが顕在化するとかあるんでしょうか。

[サンデー7号絶チル感想

2010/01/23 22:20
絶対可憐チルドレン

 謎の転校生(8) あらすじ:フェザーの「事前介入」によって、カガリが超能力を使ったことでトラブルが発生して色々禍根が巻き起こるという「未来」を回避。パティはカガリ×東野を妄想して鼻血を垂らすが、個人的にはむしろ警官のコスプレをしつつ皆本の頭を嬉しそうに小突いている賢木の姿を観て鼻血を垂らして欲しかったところ。

 炎を操る超能力者は超能力バトルマンガとかゲームとかだと大抵主役級なので、カガリも出るマンガを間違えさえしなければ序盤の妄想バトル的な大活躍をして女の子(ただし趣味はパティと一緒)からモテモテになったりすることもあったのかも知れませんが、既に出るマンガを間違えているのでその辺はご愁傷さまです。

 ストーリーとしては、無頼を気取っていたカガリが「超能力を持っておらずケンカも強くないのにも関わらず、友達を守るために不良に立ち向かう」東野の姿を見て、本当の強さとは何たるかを知る――という形。これはかつての「ガール・フレンズ」編で、葵や紫穂のボーイフレンドがバベルの武装チーム相手に果敢に立ち向かった姿を見た薫が感銘を受けたエピソードと、基本的な構造は一緒ですね。
 薫にとっては、かつて自分が知った「本当の強さ」を、同じようなプロセスを経てカガリが知ることに至ったこと、そして東野が「本当の強さ」を持ち合わせる男の子だったことが嬉しかったんでしょう。「あんたたち…大好き!!」のコマを見て、そんなことを感じました。いい話だ。

 そして、そんなカガリと東野の綺麗な関係も、パティのフィルタを通して見るとカガリ×東野になってしまう訳ですよ。まあ自分も「この二人の関係は東野×カガリではなくカガリ×東野だよな」とか瞬間的に思ってしまったのでアレなのですが。仮にもチームメイトであるカガリをも掛け算の対象にしてしまうパティは、「残念」呼ばわりされるのも致し方ないのかも知れません。

 最期のヤクザ映画のパロディみたいな兵部の落とし前シーンは、「そういや椎名先生はヤクザ映画も好きだったんだっけ」とか思いました。兵部はこういう悪戯させるとホントに伸び伸びしているように見えます。冒頭のサプリメントの連絡網で長電話しかり。