あおざくら 一覧

武井からツンデレヒロインの気迫を感じたサンデー3・4号「あおざくら」感想

あおざくら

 武井の遅刻が原因で始まった、全校生徒を巻き込む厳しいヘルウィーク(ただし一週間では終わるとは言っていない)の真っ最中の展開。

 全学年に渡ってハードな指導が飛び交う中、原因となった武井だけは罰則の事故走り等をやらされないという、周囲のヘイトが武井に集まることで彼に反省の念を促して周囲に弁明を言わせる社会的な制裁システムの真っ只中に叩きこまれているにも関わらず、当の武井は未だに弁明を口にしないため、それが更に周囲のヘイトを高める結果になっています。

 これがもしサンデー掲載の「あおざくら」ではなく、ベトナム戦争モノの合衆国海兵隊新兵訓練基地が舞台の物語だったら、多分次回辺りに武井がトイレで同級生からリンチされた挙句殺害されるに違いないフルメタルジャケットな展開になることは必至でしょう。少年誌掲載の「あおざくら」の登場人物で良かったですね武井くん(そういう問題なのか)。

 当の武井は、己のプライドとかまだ明らかになっていない(けど多分客観的に見たらそんなに大した理由ではなさそうな感じの)理由とか何か色々あって未だに反省の弁を述べていないんですが、勿論今の最悪な状況を招いているのは自分が原因であることも判っている訳で、そのアンビバレンツな心理状態に相当心身ともにヤラれている様子です。
 こんな彼の心理状態をあえてラブコメに例えるなら、自分が彼のことが好きだということを自覚していながら、己のプライドや今までの彼に対する高慢な態度が仇になって自分の気持ちに素直になれないツンデレ美少女の心理と一緒であると言えるのではないのでしょうか。ツンデレキャラが素直になれずに思い悩んでいると思えば、武井のワガママも多少は可愛く見えてくること請け合いです。

 まあ、並のラブコメの登場人物はどんなに思い悩んでも胃が食べ物を受け付けなくなるくらいのストレスを感じたり、ましてや仲間にトイレで絡まれてリンチされたりはしないものなんですけど、それだけ今の彼が抱えるツンデレ的な葛藤はハードコアなものだと言える訳ですよ。
 果たして武井は最終的に無事デレることができるのか、それともこのままフルメタルジャケットな世界の狂気に陥って微笑みデブと化すのか。デレオアダイ! デレオアダイなのです!

 ここまで極限状況に追い詰められるツンデレキャラって、なかなか例を見ないのではないのでしょうか(まちがった感想)。

あおざくら 防衛大学校物語 2 (少年サンデーコミックス)
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コミックス2巻は16日発売。2巻は坂木部屋長の巻と言えます


お久しぶりです(´・ω・`) サンデー43〜44号感想

西脇サブ長の人柄が伺える一コマ(サンデー43号より)
あおざくら

 あまり本編とは関係ないのですが、西脇サブ長って何だかんだで面倒見が良いし先輩後輩関係なく慕われているオーラがあるように思えます。前回の「近藤は乙女心というものが、何一つわかっとらーん!」の下りは、西脇サブ長の優しさがにじみ出ていて個人的に感動しましたね。
 そんな面倒見が良く乙女心に通じている彼は、この手の話だと有事の際には何か部下や民間人を庇って撃たれて死ぬタイプのキャラなんじゃないのかなと思ってます(ひどい感想)。このマンガの中では有事にならないといいですね。

 坂木部屋長は、戦場でも弾避けるのが面倒くさくなって匍匐前進とかしないでズンズン歩くけど何故か弾が当たらないタイプ(ひどい感想)。

マギ

 「聖宮」を目指すことを決意してからのシンドバッドは、随分と活き活きしていると感じます。
 アリババが商売人として頭角を現すようになってから、シンドバッドは「新興勢力に既得権益を脅かされる側」を象徴する嫌な感じのボスキャラとしての立ち回りを余儀なくされていたところがあったのですが、これまで築いた全てを捨て、自分の野心のためだけに神の力を得ようとしている今の彼は、自身に満ち溢れていてとても魅力的です。
 死んじゃいそうだけど。

だがしかし

 これも前回の話になりますが、ココノツがコンビニ店長に「店員になればスケベな本を読み放題なのでウチでバイトしろ!」とアルバイトを迫られた際、ほたる(のおっぱい)を脳裏に浮かべ、「欲しいスケベは自分の手で掴み取る!」と宣言してその誘惑に耐えた話が非常に良かったと思います。
 つまりココノツは、既にほたる(のおっぱい)に貞操と純潔を捧げており、いつかほたる(のおっぱい)を自分の手で掴もうと決意している訳ですよ。ココノツの性的な精神的な成長を感じます。

 そして今回は、そんなココノツを眺めてニヘラニヘラしているサヤ師が良かったです。

古見さんは、コミュ症です。

 最近は(何だかんだでクラスの中では一番古見さんのことが判っている)只野くんに対し、古見さんがかなり彼を意識しているような展開になって来ていて大変に只野くんが羨ましいので、これからこのマンガを読む時は「オレが只野だ! 只野がオレだ!」と自意識を高めるマインドセットを仕込んでおきたいと思いました。

競女!!!!!!!!

 今回ののぞみの対戦相手の柏葉さん、敬愛している竜胆様から「ジャブ的な胸技を覚えねーとな」と言われて伝授されたのが、ジャブというよりはむしろ必殺技レベルの大技である百裂系の「乳・爆烈拳」だったというのが面白かったです。
 この「乳・爆烈拳」には、対戦相手との間合いを取って行動を制限するとか、細かいダメージを積み重ねて相手を追い詰めるといった一般的な「ジャブ」の意味合いは全くありませんが、そもそも「競女!」とはそういう世界のマンガであるということを、アニメをきっかけにこの作品を知った読者に知らしめる効果は十分にあると思いました(前向きな感想)。

絶対可憐チルドレン

 個人的に「公式が最大手」と勝手に呼んでいた、真木と兵部の過去話展開が終了。
 何故「公式が最大手」かというと、これまで真木達パンドラ三幹部が幼少期だった頃のエピソードは原作内であまり触れられておらず、それだけに絶チルの二次創作界隈でよく題材にされていた印象があったんですけど、そのネタを公式エピソードで堂々とやってしまったことに由来します。さすが椎名先生です(褒めてます)。
 今回の公式エピソードを燃料に、更にファンの皆様の二次創作意欲(具体的には真木×兵部妄想)が捗ることをお祈りしております。

 話の展開としては、これだけ兵部が真木との過去のエピソードを語って真木のことをどれだけ大切に思っているかを訴えたのにも関わらず結局ギリアムの洗脳は解けず、兵部は不二子に続いて真木までギリアムに奪われることになってしまいました。兵部の最も大切な人間を標的にするギリアムの性格の悪さは、既に兵部のそれを上回っているということでしょうか。

 おそらく今後は、兵部は(不二子を助けるために極秘に行動している)皆本や賢木と協力して事態を打開しようとする行動に出るものと思われます。可憐ガイズ再結成の流れが来てますね!
 更に、最強の独身中年男性である谷崎主任も可憐ガイズに合流すること必至!(必至なのか) 兵部と谷崎のやり取りはちょっと想像できないので、その辺が今から楽しみです。

古見さんは、コミュ症です。(1) (少年サンデーコミックス)
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古見さん1巻は、現在Amazonでは品切れでプレミア価格になってますね


少年サンデー電書版公開記念 過去1年間サンデーを読んでいない人向け・電子書籍版無料サンデー作品ガイド(前半)

論旨

 先週号より、ついに週刊少年サンデーが電子書籍化され、Amazon等の各種電子書籍販売サイトで購入できるようになりました。

 ジャンプ・マガジン・チャンピオンのライバル週刊少年マンガ各誌が先行して電子書籍化されてスマートフォンで読めるようになり、また同じくスマートフォンでマンガを読むことに特化したいわゆるマンガアプリがマンガ業界で存在感を伸ばす中、唯一電書化されないサンデーは「電子書籍化に乗り遅れている小学館」を象徴する存在となっていたと言わざるを得ませんでした。
 が、これでサンデーや小学館もようやく競合他社と同じ土俵に立つことができたと言えましょう。

 そしてサンデーの電子書籍化を記念する形で、8/9までの間、先々週号となるサンデー32号を無料で入手することができるキャンペーンが実施中です。せっかくタダでサンデーが読めるんですから、一応サンデーのファンサイトという形態になっている当サイトとしては、この機会にサンデーを読んで欲しいところではあります。

 サンデーは昨年の夏に編集体制に大鉈を振るう大改革を実施したことはまだ記憶に残っている方も多いとは思いますが、この電子書籍版サンデーは、実際に「大鉈が振るわれた後」の新しいサンデーをじっくり読めるチャンスです。しかもタダで。
 という訳で、昨年夏以降に連載が開始された作品の簡単な紹介記事を作成してみました。ご参考になさって下さい(引用文はサンデーのサイトより)。タイトルの順番は32号の掲載順です。

鬼ヲ辿リテ幾星霜/兎中信志

大昔、大陸には国を殺す妖怪「西神鬼」がいた。最強最悪のその妖怪は、一人の道士に一度殺されかけたが、体を千に散らばせ逃げおおせた。その時の道士は転生の術を使って幾度も生まれ変わり、今でも西神鬼を追っている…それが、少年・アキである。
 時は明治、舞台は横浜。道士・アキは西神鬼の体の一部が取り憑いた化け物を追い、ひたすら倒しまくる!! 宿命の妖鬼殲滅活劇!!

 主人公は太古の昔から転生を繰り返しながら「西神鬼」と戦い続けている道士の魂を持った少年、というタイムスケールの大きさが設定上の特徴ですが、個人的には何よりこのマンガを特徴づけているのは、良くも悪くもこれまでのサンデーっぽくない個性的な絵柄や雰囲気だと思っています。このマンガに出てくるのは基本的に男と妖怪だけです。

 作者の兎中信志先生は、以前は講談社の少年ライバルで「弟キャッチャー俺ピッチャーで!」を連載、その後サンデーSでの読み切り掲載を経てサンデー本誌で連載を開始したという経歴を持ちます。
 「生え抜きの新人作家を育成して輩出する」という現編集部の方針の下で、講談社のマンガ雑誌での連載キャリアを持ちながらも小学館のマンガ雑誌での再スタートを選択した作者が、今後どんな作品を描いていくのか? という意味で興味深い作品です。

天野めぐみはスキだらけ!/ねこぐち

これは、中学校で疎遠になるも同じ高校に進学し再び距離を縮めた、凸凹で真逆な幼なじみの二人──東大を目指すガリ勉スリム・学と、剣道に励む体育会系ぷに子・めぐみ──の、微笑ましくもドキドキな日々の物語である。

 端的に言えば、好意を持っている幼馴染の男子の前で油断してうっかりパンチラとかをしてしまう、いろいろな意味で隙が多い少女・天野めぐみの姿を、「尊い…」と呟きながら眺める作品です。
 いわゆる「ちょっとエッチなラブコメマンガ」として面白いという以上に、天野めぐみの健康的なむちぷにな肢体、そして彼女と学の間の青春時代特有の微妙な距離感が醸し出す初々しい雰囲気に対して「ありがとうございます…本当にありがとうございます…」と感謝の念を込めてしまうこと請け合い。私は毎回拝んでます。

 この作品、おそらくそう遠くないうちにアニメ化されるに違いない! と勝手に信じています。ぜひこの作品の名前を覚えてからお帰り下さい。

あおざくら 防衛大学校物語/二階堂ヒカル

勉強好きの近藤勇美は、食堂を営む実家が再開発で潰れることになり、学費無料で給料をもらえる防衛大学校に進学することを決意し、見事合格する。
 幹部自衛官を養成する機関・防衛大学校を舞台に繰り広げられる、疾風怒濤の青春物語!!

 サンデー往年の名作「め組の大吾」や「モンキーターン」と同系統の、独自性のある職業の世界をマンガ化した作品として分類されるであろうこのマンガですが、作品の舞台として「幹部自衛官を養成する防衛大学校」を選んだところが今っぽいです。
 『極限状態で花開く若者たちによる青春群像』と書けば聞こえは良いのですが、まあ舞台が舞台なだけあって基本的な物語の構成は「先輩が何かと押し付けて来る理不尽な問題に主人公たちが翻弄される」という体育会系(というか文字通りの軍隊系)のノリであり、読者層が非体育会のボンクラに偏っていて体育会系に強い嫌悪感を持っているに違いない少年サンデーのイメージ(あくまでイメージです)とは異なっているのが興味深いです。
 そういった意味では、現在のサンデーの「攻めの姿勢」を象徴している作品の一つと言えるのかも知れません。

魔王城でおやすみ/熊之股鍵次

かつて、人と魔が存在していた時代。その安定を乱す魔王が人間の姫をさらい、自らの城に幽閉した。「返してほしくばこの世の支配を全て魔の物に引き渡せ!」と……
 人々は怒り、勇者は姫を救うために旅立った!! 魔が棲まう城で姫は泣き、絶望し、助けを待つ…はずだった。…が!?
 暇を持て余したスヤリス姫が、安眠を求めて魔王城で好き放題! 新感覚、睡眠ショートコメディ―♥

 古典的なドラクエタイプのコンピュータRPGのパロディ的な雰囲気の世界を舞台にしたファンタジーといった趣きのある作品ですが、本来であれば「勇者に助けられるのを待っている姫君」役であるスヤリス姫が「魔王城で安眠したい」以外のこと(例:魔王の城から脱出する)を全く考えておらず、自分の安眠のためなら魔物相手にあらゆる乱暴狼藉を何も考えずに実行してしまう姫さまのアレな様子を楽しむのがこの作品の基本コンセプトです。姫様に萌えられれば勝ち。

 最近始まったサンデーうぇぶりでも掲載されるなど、着実に人気が出てきているように思われます。本編を読んで面白いと思ったらぜひサンデーうぇぶりでチェックを。多分そのうちアニメ化されます(願望)。

双亡亭壊すべし/藤田和日郎

東京・沼半井町に佇む屋敷「双亡亭」は大正時代より存在し、有名な幽霊屋敷として噂されていた。近隣に住む凧葉 務は、「双亡亭」に引っ越してきた少年・緑朗と仲良くなるが、緑朗はその家で父を亡くしてしまう。そんな時総理が、因縁深い[双亡亭」へ異例の空爆を指示。しかし屋敷は自衛隊の空爆を受けても傷一つ負わなかった… その直後、45年前の行方不明機が突如飛来し、中には一人の生存者・凧葉青一が乗っていた。務の親戚と思われる名の不思議な少年は、緑朗同様に双亡亭を憎んでいるが…
 謎に満ちた奇妙な屋敷「双亡亭」… 叫ぶ声も亡失する、戦慄のスペクタクル・モダン・ホラー!!

 現少年サンデー編集長がサンデー復帰を強く願い出たと言われる、藤田和日郎先生の最新作。コミックス1巻が7/12に発売され、COMIC JINにおける週刊コミックランキングで首位になるなど、既に人気を博している模様です。

 既にメジャーな作品なので特にここで述べる必要もないと思うのですが、連載の方はいよいよ主人公たちを含めた変な能力者達が集まって双亡亭に乗り込む展開になって来ており、かなり盛り上がって来ている感があります。
 能力者達はみんな個性的でキャラが立ってるので彼らが喋るだけで楽しいんですけど、何か最終的には主人公チーム以外みんな死んじゃいそうな予感がヒシヒシとするところが特に良いです(良いのか)。

週刊少年サンデー【期間限定無料配信】 2016年32号(2016年7月6日発売) [雑誌]

この機関限定版、期間が過ぎたら読めなくなっちゃう仕掛けが付いてるのかしら


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