美神 令子・その人生・その愛

美神 令子・その人生・その愛


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96/11/ 6

 やあ! (ときメモ対戦ぱずるだまの清川の起動時ボイスで)
 ファンのみんな、久しぶり!

 早速「GS美神でボケてみよう」を始めるよー!
 今回もネタは一つしかないので、よく見るようにね。



ガス美神


 それじゃ!


96/11/ 6

 深夜のTV番組に、ビデオやコミックの売り上げからよく行くファミレスの種類まで、何でもランク付けして発表する「ランク王国」(確かTBS系)というものがあるが、この前(と言っても、もう2週間くらい前だけど)のこの番組の中で、我らがGS美神の23巻が、週間コミックランキングの3位だか4位だかにランクされていた。

 それはそれでいいことなのだが、23巻のダイジェストをわずかな時間で紹介する必要があったためか、「おキヌちゃんが笛を吹いているシーン」とか「霊が爆発するシーン」とかを断片的にかき集めてTVに写し、その背景に「ドカーン」とか「ボコーン」とかいう炸裂系効果音を演出として挿入する、という事をやっていたため、内容的にまとまりを欠いており、結局これを観ていても「GS美神」がどんなマンガなのか全然把握できず、観ていて結構困った(笑)。
 GS美神というマンガの特性上こうなるのは致し方ないが、もーちょっと何とかならんか>TBS


 あと、ランキングと言えばもう一つ、サンデー本誌の方でGS美神の人気キャラ投票の結果が発表されていた。

 このランキングは、実は去年の冬から今まで計10ヶ月以上も投稿募集をしていた企画だ。投稿を募集し始めた週こそハデに宣伝を入れていたものの、その間はサンデーの読者コーナーの一角で申し訳程度の告知が行われていただけだった。なんか、えらい間延びした企画であったことだけは確かだ。
 ここまで投稿期間を引き延ばした理由は不明だが、おそらくは最初は2〜3ヶ月で結果発表をしたかったものの、実際にやってみたら思ったよりも投票が少なかったので、せめて投票総数が1000票のレベルに達するまでは公表できなかった――とか何とかいった感じの政治的な理由が絡んでいるのではないか、と卑屈な事を考えてしまう。

 結果としてはおキヌちゃんがトップという結果に終わったようだが、これはまぁこのアンケートの期間中に連載された話がおキヌちゃんメインのものが多かった事を考えれば、納得できる結果といえるだろう。
 それよりも予想外だったのが、椎名先生のコメントだろう。「主人公がこれ(美神はランキング3位に終わる)じゃ、このまんがも先が長くないっすねー」って、アンタ美神というキャラが横島やおキヌよりも人気があるキャラだと本気で思っていたのかいな(笑)。


 で、これでめでたくサンデーのGS美神人気投票企画は終わったわけだが、個人的に気になるのが「モテモテ恋愛相談室ーモテモテになりたいそんなキミの恋の悩みにファーザーが一発解答!」だ。あのながいけん氏が、はたして恋愛相談に対していかなる回答をするつもりのか、非常に気になる。

 というわけで、みんな、投稿のきまりを守って即投稿だ!
 採用されれば、大人気サッカーマンガ「俺フィー」のテレカももらえるぞ(多分)!


96/11/ 6

 先週(96年48号)で「私を月まで連れてって!」シリーズが終了した。表題の上では先々週に終了はしているのだが、実質的には先週が最終話と見ていいだろう。

 で、「私を月まで連れてって!」はメドーサ大活躍な話になる、とここで書いたような気がするが、実際問題としてはメドーサよりも横島が大活躍する結果になった。今回の横島の活躍は、まさに横島というキャラクター性の魅力(スケベな所から美神に対する感情まで)を完全に引き出した、素晴らしいものだったと言えよう。

 そして、今回のもう一方の主役であるメドーサは、残念ながらと言うか何というか、最後は横島の見せ場を作った挙げ句に「死んで」しまった。明示的に彼女が死ぬシーンは出てきていないが、最後の方でメドーサが横島に向かって「せめて道連れにー!」と叫んでいるくらいだから、一応死んだと見なして構わないのだろう。
 ただ、この「死んだと見なして構わないのだろう」と読者に思わせるところが、ちょっとクセ者だ。こういう死に方の場合、後日「実はメドーサは衛星軌道上で生き残っていた! ドッギャーン!」とか何とか言って復活させることは非常に容易だ、という事くらいは、容易に想像ができる。
 逆に作者の側から見た場合、いざという時の伏線を「読者から文句を言われない程度」に引くことができた、という事になる。


 これに限らず、中盤以降のGS美神は、こういった「後で必要になった時点で何とでも応用を利かせる事ができる」タイプの話作りをしているのではないか、と思っている。

 これの一番判りやすい例は、横島の新能力・文珠だ。この文珠というシロモノは、読者が「こんな強力な能力を持たせたらストーリーが破綻するんじゃないか」とハラハラするくらい、臨機応変な使い方ができる。
 この文珠使用の顕著な例が「デッド・ゾーン」編で、頸動脈を切られた傷を1コマで回復させたり、美神の時間移動能力を使うためのインスタント雷を発生させたりと、もうやりたい放題って感じ(笑)。また、今回の「私を月まで」編でも、文珠を複数組み合わせて1つの文字を作るという、大層イカした使い方を披露してくれた。
 同様に、美神の時間移動能力や、おキヌのネクロマンサー能力も、ストーリーを作る方からすれば、かなり使い勝手が良い能力と言える。


 こういう便利すぎる能力をキャラクターに持たせることについては「ズルい」と思う人も多いだろう。だが作者の方からしてみれば、こういう能力があれば「イザという時」の助けになり得るのだ。

 現在のGS美神は、コミックス1巻分の量を持つ長編モノを作る方針で話が作られている。このため、1つのエピソードについて最初から最後までストーリーを固めてから実際にマンガを作る、という事をするのは非常に困難だと推測できる。
 私が思うに、現在のGS美神は作者が「明確なオープニングのイメージ」と「ある程度のエンディングのイメージ」を最初に作り、そこに至るまでの過程の話は途中で動的に生成しているのではないのだろうか。端的に言ってしまえば、エンディングに至る過程の話は行き当たりばったりで作っているに違いない(笑)。
 中には、「こりゃー最初から最後まで行き当たりばったりで話作ってるなー」と思い当たるような話もある。あえてどれとは言わないけど。


 とにかく、「ストーリーを動的に生成する」という厳しい状態でマンガを作っている以上、ストーリーが破綻しない程度に強い能力をキャラに伏線として持たせる行為は、長期連載を強いられるマンガ家にとって、ストーリーや展開を臨機応変に作るための防衛策と言えるのではないのだろうか。
 そういう訳で、我々も「やっぱ文珠って強すぎるよなー、これってイカサマ臭いぜー」と言わず、文珠くらいは大きな心で容認する器量の深さを持ってあげても良いのではないのだろうか。これも一つのマンガに対する愛なのだ(大げさ)。

 でも、そろそろ「なぜ横島が文珠なんていう能力を身につけられたのか」という説明をしてくれてもいいのではないのだろうか。ひょっとして、これも何かの伏線?


96/11/17

 この前からサンデーの方で始まった「魔法の鉄人!」編だが、これがまた今のところ結構イケていて面白い。美神と横島のバカっぷりの良さや、おキヌが本来の役割である「適度な突っ込み」役で出している雰囲気など、今回はGS美神の基本に立ち返った面白さを醸し出していると思う。
 最近の、神族や魔族との抗争に巻き込まれてどーだこうだという壮大なスケールでお送りするタイプの話はどうも好きになれないという人も、今回の「魔法の鉄人!」編は心底楽しめているのではないのだろうか。

 今回のシリーズで懸念があるとすれば、来週から始まる「お料理バトル」で作者の集中力が切れ、行き当たりばったりな展開になっちゃってハチャハチャになってしまうことだが、まぁ世の「対戦料理マンガ」は行き当たりばったりな勝負をしているものがほとんどだし(笑)、今回はあまり細かいことは気にしない方がいーかも知れない。


 で、最後に忘れてはいけない今回の主役、「魔鈴めぐみ」について触れておこう。

 彼女は、掃除+料理で除霊するという斬新な除霊方法、黒いローブ+とんがり帽子という魔女の基本を押さえたスタイル、美神にケンカを売り西条を尻に敷く肝の強さ、おまけに長髪+三つ編みというイカしたルックスと、一発キャラとしてはかなり気合いが入っている。
 個人的には、さらに眼鏡をかけていてソバカスがあったらなおグーなのだが、さすがに「三つ編み+眼鏡+ソバカス」の最強装備では「狙いすぎている」と思い、あえて避けたのかも知れない(多分ウソ)。

 そんな彼女の本性は今後ズバズバ明らかになっていくのだろうが――GS美神の世界にマトモな人間が存在するハズはない(笑)――とりあえず、今回は彼女の名前を考察し、その本質にちょっとだけ迫ってみよう。






 以上、ちょっとだけ迫ってみたので、また来週。


96/11/17

 GS美神とは全然関係ないが、かなりユニークな手法でマンガのレビューをやっている Web サイトを見つけたので、紹介する。

 →白旗オンライン:今週の水島慎司先生 (ドロンパ★企画)


 ここは、基本的には週刊少年チャンピオンで水島慎司先生が連載している「ドカベン」のレビューページなのだが、その内容というのが、凄いというか何というか、とにかくかなり強烈だ。ここまで作家をこき下ろしているレビューページは、さすがに初めて見たよーな気がする。

 でも、ただ単にマンガの内容をコキ下ろしているのではなく、「ドカベン・プロ野球編」をちゃんと読み、水島慎司という作家の性質や性格を理解し、また水島氏が好んで題材にするパ・リーグに対する深い知識や情報を把握した上で、ユーモアを交えて毒のあるレビューを展開しているところが素晴らしい。

 このサイトの作者がどのくらいこれらの事に精通しているは、このサイトにある「野球界・噂の真相」というページを見れば判るだろう。私は、ここまで内容が濃く、かつバカバカしくて笑えるプロ野球サイトを見たことはない。
 まぁ、なんだかんだ言いながらも、このページの作者は水島氏と彼が生み出すマンガに対して、愛情を持っているのだろう(多分)。

 同じマンガのレビューだったら、私もこのレベルのものを書いてみたいものだ。
 だがしかし、椎名高志作品に対してここまで書けるようになるには、椎名氏がさらにメジャーになってマスコミに頻繁に登場するようになり、かつ「ドカベン」とか「あぶさん」みたいな一大サーガを何十年も掛けて構築し、さらにそれらすべてについて私が読破し、そのマンガに関する周辺知識を完璧に知っており、かつブラックジョークの才覚がないと、まずできないだろう。
 もちろん、私はそこまでするつもりは毛頭ないよ(笑)。


 あと、リンクついでに、「オタク学入門」などのオタク文化に関する本を出し、東京大学でオタク文化に関する講義もしていてその筋では著名な岡田斗司夫氏が、アニメや声優などに関する情報をてっとり早く収集できる「おたく Weekly」というサイトを解説したので、そこも紹介しておく:

 →おたく Weekly

 アニメ界隈などの情報に興味はあるけど情報誌を買うほどの熱意はない、という私のようなぬるめの方々にお勧め。