gs mikami gaiden:dead or alive
著者:西表炬燵山猫
「おうい、横島あ、終わったか?きたぞ〜」
普段は見慣れぬ客が事務所に顔を出した。
「な〜によ。雪之丞じゃないの。なにしにきたの?」
相変わらず自分は棚に上げて、慇懃無礼な態度で現れた彼の突然の来訪は事務所の長の彼女の神経を多少逆なでしたようだ。三拍眼で蠅を払うような仕種をしてみせる。不機嫌なのは彼の登場だけでは無い。
この所仕事の依頼が滞っていて暇なのだ。
今日も向かう予定であった依頼がキャンセルされて午後から暇を持て余せていた。働かないと彼女の生き甲斐の金が入ってこないと云う事なので当然不機嫌なので、鴨ネギな依頼人以外歓迎出来る状況では無い。
「ご挨拶だな、旦那。えらくご機嫌なようだな〜。仕事忙しいみたいで。忙がしいって言うのは心を亡くし殺すって書くんだから、これ以上人間らしい部分を無くすと大変だからたまには休んだ方がいいぜ。いくらアイツが物好きでもその内愛想つかされるぞ」
無論皮肉。アイツって誰よ?と聞いても空を使われるだけで、これ以上の詰問は部が悪いと分かり、グヌヌと唇を噛む。
「うるさいわね。で、なんの用」
再び帳簿に目線を落として一歩引く事にした。直情であっても、曲がり玉も持っている雪之丞なので感情露にしても分が悪いと緩急をつける。
「ん。旦那じゃない。アイツだ。もう今日は上がりなんだろう?借りるぜ」
ピクリと眉が跳ね上がり、不機嫌の度合いが増す。事務所のオーナーである自分が無視されたようで心中荒れる。
「そうよ。こう暇なら時給無駄だものね。無能な助手に払うのはね。暇はあんたもみたいね。本当にあんたら仲が良いわね。まあ、類は友ってとこかもね。ほほほ」
この時とばかりに長崎で討つ。
「ふ〜ん。キヌらに払う月給よりもか?」
時給の横島に、固定給の女三人。かといってフル出場でも横島の方が安いのが普通に考えてもおかしいが、何故かそうなっている。彼女の母によればだが、小学生の男の子が好きな女の子を苛めるのと同じ理由らしい。それを聞いているのでからかう。
「そうよ!!あんたと同じよ」
「免許もあるし、下手すると旦那より強いのの待遇とは思えないな」
「うぐっ・・・・・・ママね」
「ピンポーン!!御名答。椅子が一つ上がって、ハンターチャンスで鬼怒川温泉が美神さんの物になりました」
ニヤニヤと意味深ににやつく。
この頃本来常勤のオカルトGメンに欠員が出ているので、美智江のたっての希望で非常勤で雇われている。無免許とはいえども、西条に類する力があるので忙しい昨今は重宝されているのだ。無器用な横島と美神に近しいので、えらく年下でありながらも雪之丞に頼っている素振りしら見え隠れしている。
「で!何の用よ、横島くんに?又なんか悪巧みしてるのなら、かおりちゃんにチクルわよ」
気のなさそうな素振りで、帳簿から目を離さないままプレッシャーをかける。言わなければオーナーの特権で追い出すと思いながら・・・・。
ハイハイとオドケる。
流石に霊能者同士なのでプレッシャーは伝わったようだ。オッカナイトとばかりに肩をすくめる。彼女に卑語流言を吹聴されては何より事らしい。未だに心酔している美神の言葉は彼にとっては何よりタチが悪いのだ。
「ああ、弓の親父さんの所の事務所が事業拡張するってんで、ライセンス持っているやつ探してんだって。紹介してくれって言われてるんだ。引き合わせようと思ってな、なもんでアイツ連れに来たんだ」
「え?ど どうゆうことよ」
思わず目を向く。そんな話は今の今まで聞いていない。自分の所から、自分の元を離れようなんて話を・・・。
「だから、実入りのいい転職先が見つかったって事。どうせ、先刻の話だと、旦那にとっては無能で時給払うのすら躊躇う奴でも高く評価している物好きもいるってことさ」
「ちょ ちょっと待ってよ。よ 横島くんが?・・」
そんな事があってたまるかと言葉が震える。
「おお、給料いいぞ。俺も早く免許取りたくなったぜ。このごろは以前のようにモグリの締め付けもキツクなってきたからな〜。俺も来年は頑張らないと弓の野郎の手前バツ悪いからな」
しかし、美神は雪之丞の事情など聞いていなかった。ただ痴呆のように『横島君が・・』と名前を呼んでいた。しかし相手に構わないのは雪之丞も負けていない。
「何しろ無免許じゃあ所持者が立ち会っていないと除霊出来ないしな。面倒だと立ち会っていないのがバレたら管理者は罰則規定もありだろう。免許を取る前から免停じゃたまらんからだろうからな」
いつぞやオキヌが単独で事に当たっていたが、あれは完全に規約違反である。危険物取り扱いと同じく、可燃物取り扱い時には免許取得者がいなければ行なってはいけないとなっている。無論多くは名義人だけの存在で立ち会う事は少ないが、もし立ち会っていない場合に何か事故があれば管理者不行き届きで免許の失効と共に責任は全て管理者が受け持たねばならない。GSでもそれは同じ。
だからこそ歯を食いしばっても皆が免許に躍起になるのだ。単なる除霊能力があっても、助手で事に当たれるならばいつぞやの大会のように物は必要なくなる。
「大体免許所持者の初任給は80万ぐらいだとさ。羨ましいなあ」
「は 80万?」
「驚かないで欲しいな、旦那の基準は世間の非常識だぜ。まあ世間的には妥当だろう。危険な仕事だから」
怪我や廃業、殉職は珍しい職種では無い。下手しなくともマフィアに潜入するアンダーカバーや麻薬Gメン、北海のトロール船の乗り組み員や地雷処理隊員よりもズット危ないのが本当の所だ。だからこそ高給であっても世間は許してくれている節もあるぐらいだ。
「そんだけあれば、あいつも貧乏生活に終止符を打てるし、デート代にも事欠かないだろう。子鳩とのデートの時は男として情けなかったって言ってたし、他の女とのデート代の折半は辛いっていってたからな。少しは貧乏臭くなければ、もう少し、そうね俺ぐらいには女に持てるようになるかもしれんな」
さらに唖然とする。お札や道具や諸経費を差っ引いても、今でもそれの数十倍以上は軽く儲けている。彼がいなければ、下手すると二班体制の今の美神の収入は激減するであろう。いや、収入もだが、それより・・・・。
「大体免許持ってる奴の第一の任務が荷物持ちさせるなんて贅沢すぎるぜ。ダイヤモンドを漬物石にするようなもんだろうぜ。まあ、側に置いときたいからって塩漬けは勿体無いだろう。このあたりで、まあ可愛いくはねえけど、好きな男にも旅をさせろってね」
「・・・」
「まあ、旦那の所の丁稚奉公もそろそろは年期明けって所だろう。笑って見送って・・・・・・・て、聞いてる?」
聞いていなかった。あまりの衝撃に、両手をムンクの叫びのようにしながら、表情は能面のように固まっていた。
「う〜ん。ちょっと調子に乗り過ぎたかな?でも一応美智江の旦那のシナリオだし・・」
「お姉様どうしたの?」
遅れてやってきた弓が、固まったままの美神の目の前で手をヒラヒラさせている。
「話せば長い事ながら・・」
「簡潔に話しなさい、雪之丞」
「実は・・・」
話し始めると、行き成りぶん殴られる雪之丞。
「何、嘘八百ついてるのよ!!なんで横島さんをウチで雇うことにしたのよ」
美神に『お古でよかったら』と貰った大事な神通棍を更に構える。倒れつつワタワタと両手で受ける素振りをして許しを請う。
「だってよ〜、不機嫌そうに突っかかってくるから、ちょっとからかおうと思ってな。美智江の旦那との約束もあるからな。取り敢えず旦那にとっては、やっぱ横島が自分の前からいなくなることが応えるに決まってるだろう」
「だからって、これはやり過ぎよ」
嘆息して、壊れた美神に視線を走らせる。
「しょうがねえだろう。美智江の旦那も気にしてるんだよな、横島の待遇の事。だもんでちょこっと危機感を募らせてやろうかと思ったんだけど・・・・・・まさかここまでとはな。これで少しは因業が治るといいけど・・・」
今の雪之丞の話しは全て作り話し。
今日は皆で遊びに行こうとなったが、弓の希望で待合い場所をここにしただけであった。
確かに弓の親父さんの所で人員募集はしているが、それは来年免許を取る予定のかおりと雪之丞で間に合う事になっている。
流石にかおりの親父は大立て者なので、胡散くさい筈の雪之丞も気に入られていた。
しかし、横島にも他の事務所から誘いが来ているのは事実だ。ハッキリいって未熟な所はあるが、有事に際しては事を成功に導くファクターとしてはオカルトGメンの秘密文書でも記載されている。美智江の元で働く雪之丞はそれを見せて貰った事もあった。
それを目を光らせて差し止めているのは、事情を知っていただれあろう美神だ。流石に業界屈指の実力者なので、そこんところは神通力は通用し、コンタクトを取るものはいなかったので、求人の事を知らぬは本人ばかりなりだった。
「じゃあ、やっぱりお姉様は・・・」
「まあいいじゃねえか。どう考えても美神の旦那の面倒なんて他の誰も見てはくれないからよ。美智江の旦那ももう決めているような・・・・諦めているような」
「でも。横島さんよ」
まだ諦め切れないらしい。見かけとスマートさを兼ね備えている西条ならば、まだ幾らか納得出来る・・・・が、横島では。
憧れの美神が、彼女によれば『アホで馬鹿でスケベで節操なくて、女好きでエゴイストで浮気者 エトセトラ エトセトラ うんぬん かんぬん』な横島に惚れているなんて認めがたい事実だ。
「きっとお姉様は召使として重宝しているのよ、きっと」
自立した女性の象徴であるとされている美神。それが、実は男に頼って生きているなどとは認めたくない。彼女にとっては人生の規範なのだから。
「でも召使が誰もいないと、本当の所は一番困るのは主人だぜ。特に代わりがいないんだから、アイツの代わりなんてよ。美智江の旦那もいってたけどよ、仕事的以上に心のよりどころとしては。西条の旦那じゃアイツの代わりなんぞ出来んだろう。あくまでフォーマット決まっている範ちゅうでしか事には当たれないだろうな。頭固いから西条の旦那は。普通の女ならそれでいいかも知れんが、相手はこの旦那だからな〜」
流石に第三者の強みでその指摘は少なくとも話の当事者よりは的確についていた。
「そ それは そうだけど」
「まあ、諦めろって」
まだ踏ん切りがつかないようなかおりの肩を抱いてやる。
「あんっ、雪之丞・・」
少し頬に朱がさす。抵抗はせずに肩の力を抜くかおり。
「家でやれよ」
その二人の背後から突然声が・・・。
「どわ!!」
「きゃー」
行き成り背後から声をかけられて飛び上がり、思い切り叫び声を上げる二人。
「なななななななあん なんだ、お前いたのか」
三拍眼で二人を睨む不機嫌そうな当事者の一人がいた。
「それは俺のセリフだ。ここは一応俺の職場だからな。やるなら家でやれ」
この二人に関してはあらかた諦めてはいるが、やはり美少女が他人の物になるのは捨て難い。特に目の前で見せつけられてはたまらない。出会いからの期間を考えると『この野郎上手くやりやがって』と思っても仕方あるまい。
「おおお おじゃましてます」
汗を垂らし、服装を正すかおりの顔は真っ赤で視線は泳いでいる。
「まだコイツ捨ててないの?早く止めたほうがいいよ。間違いは早いウチに訂正しよう。若いウチはやり直しも出来るからさ。俺と一緒に輝かしい人生を進もうではないか、かおりちゃん」
横島は何とかかおりの手を握ろうとしているが、巧みに手を泳がして逃げている。
「お前がいうんじゃないよ」
文字通りに「俺の女に手を出すな」状態であるが、濡れ場を見られて強く言えない雪之丞であった。
「知ってる?こいつこの前浅草のフランス座に年を誤魔化してジプシーローズのショー見にいってたんだよ。ジプシーローズ知ってる?フランス座のナンバーワンの踊り子ストリッパーの・・・」
バキッ
行き成り横島を殴る。
「ててて てめえ、それでも友達か!!大体誘ったのはお前とタイガーだろうが。人を陥れるよな事を喋るんじゃないよ」
「ええい!美少女の前に友達もへったくれもなかろうが。愛の前には友情なぞ、吹けば飛ぶような将棋の駒より軽いのだ」
人の手に渡すならひとおもいにいっその事!な、理論で雪之丞を貶めることにする、鳴々麗しき友情なり・・。
「きききききい 貴様って奴はあ〜!!」
掴みかかろうとする雪之丞であった、が
「雪之丞・・・」
地獄の底から響いてきそうな声が背後から
「は はい!!」
「本当なの・・・・今のお話は?」
非常に落ち着いた口調だ。しかし呼ばれた方には、その奥に潜む感情に慄然とした。
「ちょっと、コッチにいらっしゃい」
「あ あの その」
「いいから・・・・ここではお姉様のご迷惑でしょう」
「う・・」
ズルズルズル
首根っ子を掴まれて引き摺られていく雪之丞。殆どアウシュビッツのユダヤ人を見るような風景だ。雪之丞のバックには「シンドラーのリスト」のBGMが流れていた。
「じゃあな〜、特別待遇のシャワー室楽しんでこいよ〜」
横島が黄色いハンケチをわざとらしく振る。特別待遇のシャワー室とはガス室の別名・・・・・・。
「ん?」
ドアの外に引き摺られていく雪之丞の隣に、いつのまにか現れた人影を見つけた。
「ようタイガー、魔理ちゃん・・・・・・・」
しかし二人の様子に言葉は途切れた。タイガーはガチガチに硬化していたし、魔理は俯いて震えていた。
「タ〜イ〜ガ〜ア〜〜〜〜」
幼子をあやすように優しい声。
「は はいー!!」
呼ばれたほうはその場合にあらず。
「本当なのか?」
どうやら聞こえていたようだ。
「いや、それがですな・・・・その・・・・いや・・・・あの・・・・・そのー・・よこしまさんがですな・・・・」
噴き出す汗が全てをかたっていた。
ズルズルズル
「ドナ ドナ ド〜ナ ド〜ナ 売られてゆ〜く〜の〜・・・・。あばよ雪之丞にタイガー。残された二人は俺に任せろ。安心して成仏しろ〜」
太り具合からすれば、痩せ気味の雪之丞は強制収容所のユダヤだが、タイガーは牛か馬か豚系統なのでドナドナを満面の笑顔で合掌する横島だった。
「ん?」
雪之丞とタイガーが連れ去られた方に合掌していた横島の背中から鼻歌が聞こえたので振り替える。
振り向くと、そこには男二人を連れ去った女二人と同じような表情の美神がガットギターを爪弾いている。
「こ、これは『死刑台のメロディ』のテーマ曲」
名作なので、知らない人は見て確認するように。
「よ〜こ〜し〜ま〜く〜ん〜」
笑顔が眩しい美神。何を意味しているのか痛い程、死ぬほど痛い程分かっていた。
「な なんすか お おれは別に美神さんと付き合ってるわけじゃないすから いいじゃないですか 俺がストリッパーに行こうと もし、どうしても殴ろうってゆうなら そのまえに何か とりあえずさせてくれないと」
そんな事情など鑑みた事が、まるで戦中の特高のようなこの女にあるはずは無いとは分かっていたが、取り敢えず再審を請求する。頭の中には『無罪』とかかれた旗を掲げて裁判所から駆け出してくる自分がいた・・・・・いて欲しかった。
「何の話よ」
「へ?」
どうやら今の今までトリップしていたようで、ストリップの下りはスッポリ抜け落ちているようだ。
「あたしに隠れて何をしようとしていたのかな〜。さあ、きちんと論理だてて話してくれないかしらね」
言葉は丁寧だが、前述の二人と同じく微笑みの奥の真意が恐いのは付き合い長くなくても分かる程。
「え?何の事すか?。確かに今日はみんなでカラオケに行こうって事になってますけど。美神さんカラオケ行きたかったんですか?」
「カラオケ!?」
「ええ、弓の親父さんの経営しているカラオケ屋が新装開店するってんで、まあ雪之丞だけだと不純異性交友も心配だってんで、タイガ−や魔理さんらもついでにって言われてたんすけど・・・・・」
二人の間には夜明けの湖の湖面のように静かな雰囲気が・・・。
「・・・・・・そう。あくまで惚ける気ね」
本当に事情が分からないので頭?だが、美神にはいつものお惚けと映ったようだ。
「じゃあ、あんたの体に聞いてみようかしらね。あんたがあたし達を捨てようと、他の事務所に移ろうって、たわけた考えに至った経由をね」
「え????」
ズモモモモモモと言う擬音をしょった美神のスタンド(影法師)が現れる。
「あのう あの その 一体なんの話でしょうか・・・・・・・・」
迫り来る影が横島の姿を真っ黒に包んだいった。
「なあんだ、そうだったの。ごめんね〜、みっともない所みせちゃって」
テーブルで紅茶を飲みながら、白々しい歓談を行なう女ら。
「いえ、そ それはこちらもですわお姉様。お気になさらずに、全部雪之丞が悪いんだから。私の監督不行き届きでもありますし」
「そ そうだよな。俺達もちょっと・・・・な。かおり、お前に入れてくれた紅茶上手いな」
出来ればコーヒー派の魔理だが、いまではその口は麦茶と蕎麦汁の区別も出来ないほどに麻痺している。
「そ そう ティーバッグだけど、流石にお姉様の所のティーバッグは違いますわね、お姉様。おほほほほほほ」
「そうかしら、あははははははは」
「そうですよ。うふふふふふふ」
三人の笑い声は、分かれる前の夫婦の会話のように渇いていた。
その向こうから慌てた声が聞こえていた。
「横島さん タイガーさん 雪之丞さん 死んじゃ駄目です〜。ああ!あたしのヒーリングだけじゃ三人は無理〜。横島さ〜ん。文殊出してください。このままじゃ多分横島さんは慣れてるからまだしも、タイガーさんと雪之丞さんは死んじゃう」
ポリポリポリ
その後ろ、ポチチを食べていたタマモがボソリと漏らす。
「死なせてあげなよ。あんなのいつまでも相手にしてるつもりなら、いつかはこうなる運命だからさ」
「そ そんな」
言葉に詰まる。その言動に頷く理由にも、かといって無下に反論も出来なくて・・・・。
「まあ、早いうちに楽にしてやったほうがきっと幸せかもよ・・・・まあ、もし助かったらきっともう付き合いは止めるだろうけどさ」
タマモの無責任な言葉に乾いた笑いも絶え、座っていた三人の背もたれが冷たい物が走る午後であった。
めでたし めでたし
※この作品は、西表炬燵山猫さんによる C-WWW への投稿作品です。
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