NexStage:family-prot [in the positive-side]
great mothers strike-back ,another storys
middle-part
literary-work:iky


[recollection scene]

 何か思慮を、母の思惑のままに巡らし始めた娘に話す。
  『試練があれば人は変わるわ、特に男の子はね。いつまでも主役は馬鹿でいなければ話が始められないギャグ漫画じゃないんだから。美人の依頼人が現れたら一も二も無く本能のままに飛び掛って、あんたかオキヌちゃんが〆て、ひと笑いのクスグリを入れるなんて言うマンネリのワンパターンばっかじゃ無いのよ』
 原作では決して描かれなかった"成長"と言う名のタブーをサラっと口にする美知恵。
  『ああああああああ あのね・・・・・ママ。その言動はチョット問題あるような・・・・・』
 汗がチーと垂れ、その台詞は危ないと娘は母を思わず止める。

  『あら!不味かったかしら。でも試練があったら成長するのが普通なのに、ギャグベースのお話に登場するキャラクターは絶対成長しないのは現実に側し照らしたら不思議な事でしょう。例えば劇場版ドラ○もんでは、ED前にはあんなに逞しくなったノビ○も、好い奴になったジャイア○やスネ○なのに、次の映画が始まるとスッカリ元に戻ってしまうのはどう考えてもオカシイと思った事無かったかしらね。あれが商業主義の上に成り立つギャグの限界なのよね〜。その辺りトキワ荘時代から全然変わっていないわね。何が漫画界のニューエイジなのかしらね。少しは先人と違った事できないのかしらね〜』
  『・・・・・・・・・・・・・・・・・』
   ダラダラだらだら
 美神の頬を垂れる汗は滝になった。
  『あの〜〜〜ママ。それは逆に本当の事だから不味いんじゃないのかしら』
 殆ど誰も読まない馬鹿猫の作品で良かったと娘は思った。メジャーな雑誌でこんな言動真顔で吐けば、下手すると漫画組合から訴えられる。

 確かに美智恵の言う通りで、ドラ○もんに頼らない独り立ちしたノビ○や、金に執着しないこ○亀の両○では話が始まらないのと同じように、人間的に成長した横島では原作者も話は作れない。だから何時までも"原作"では横島の役どころはお調子者の情けないお馬鹿でいなければ成らないのだ。
 しかし・・・・・・・そんな事言っては全巻ほぼそのパターンで話を、特にオチはほぼ全てをそのパターンで落としてきた原作者は立場が無い。だいたい所謂長期連載のギャグ漫画でその批評は『あんさん。ギャグ漫画でそれを言っちゃあ、おしめえよ』な実も蓋も無い言動だ・・・・・・・・。
 同じタブーを原作者自身『少年漫画の強さのインフレって嫌い』と"格闘とは名ばかりで、ワケの分からない必殺技の名前だけ乱舞の御託宣喧嘩漫画"(原作者は幽○白書あたりを標していたのかな?まあ今なら代表はハン○ー×ハ○ターかな?)を評していたのと同じであったろう。
 皆分かっていても、気ずかないフリをしてやる優しさが必要である事もあるように・・・・・・・・・・。

  『え〜〜〜〜。コホン』
 流石に危ない発言であったと反省して今の発言無しよ! と話を進める。読者の方も忘れてください。なら書くなという突っ込みは無効です。

  『そして変わった彼に合わせて周りも変わったんでしょう。この頃シロちゃん達の機嫌が悪い事も多いようだけどさあ。評判いいんでしょう。横島君、女性にね?』
 意味深にオキヌらをクッション(対象のすげ替え)で娘に言葉の矛先を向ける。無論直接"あんた"と言って認める娘では無いからだ。
  『うう。そうなのよ。始め横島の奴に熱があるとオキヌちゃん達と思ったんだけど・・・・それどころか逆に女性のクライアントの方が・・・・・・・・・』
 思い返して苦々しく唇を噛む。思い出して得も言えぬ感情が噴出したのが母ならでなくても分かる。


 この頃何時もならば、先に母が言ったギャグパターンで、見たと同時に堰を切った様に女のクライアントにモーションを掛けるという原作お約束な展開が・・・・・・・・・・スッカリと無くなったのだ。
 始めはそれは事務所の女にとっては目尻に皺を刻まなくて好い傾向だと思っていた。しかし、それはモットややこしい事態の前哨戦であった。
 何故か美女に美少女の多い美神事務所のクライアント(色んな事情で)。当然日頃からナンパや邪な気持ちで自分に接する男達を見てきた女性が多かった。しかし以前からすれば信じられないが、今の横島にはそんな感情は全く欠落していて、そんな感情やモーションにヘキヘキしていた女性から見れば、イヤラシイ感情を持たない"紳士的"であって、真摯に仕事を優先する態度が"頼り甲斐"のある男性にその潤む瞳には写った。

 実は横島が今まで女性に持てなかった要因の多くは、初対面においてサカリのついた状態を前面に押し出していたのが原因の多くであった。正直と言えば言えるが、女性は異性の評価を8割方第一印象で決める生き物であるのでこれは不味かった。だから今まで女達に相手にされていなかったのが本当の所であった。
 しかし今の横島は自分を女性として見ること無い仕事に熱心な男性と映り、その後女性らは普通に接する内に単なる頼り甲斐のある男として見て取れ、その魅力に気がついていく。

 長年生きていたオキヌや苦労人であるがゆえの小鳩の隻眼(すぐれた見識を持った目)の女性だけが気がついた魅力であっても、色眼鏡無く接すれば普通の女性にも横島の内面に光るモノはチャント伝わるようになっていた。
 オキヌが小鳩との結婚式の時に言った台詞『初めてなのに、横島さんの長所を見抜くなんて。なんか悔しいな〜』と言っていたのは、自分達だけが横島の魅力を理解出来たのにと、連載開始から主役クラスだと自認しているのであろう選民意識を覗かせたオキヌらであった。が、主役クラス以外の他の女性らだって、いつまでも上っ面だけに囚われる"馬鹿"では無い(馬鹿でいてくれた方が登場人物を差別化出来るので原作はそうしたようだが)。

 霊障に困って所在無くしている女性に男ならではの力強い調子で励まし勇気を与える横島。女は生物的に強い男の力の加護を求めるモノなので、女性も横島に頼りの瞳を向け商談と除霊の合間に歓談する光景が多々見られるようになった。
 この間もバレンタインでも学校の女子に本命らしいいチョコを多数貰って、娘談では"晴天のヘキレキ"とか"この世の終わり"とか"二年遅れのノストラダムス"な珍事だと思いたかったようでもあった。
 お陰で暫く事務所が塩素を入れすぎたプールか、沸かしすぎた一番風呂のようにピリピリした空気に包まれていた。次女の教育環境に悪いと美知恵も近づかなかった事情はあったが、まあ、やっと普通の女性にも彼の魅力が伝わったと云う事だし、それは娘らがいうように珍事では無い。ただ単に、まあ前述の食べ物ウンヌンではないが、良く噛まないと味が分からないスルメのようなモノであるのだ。横島と云う人間は。それが団々と周りにも伝わり始めただけ。今までは選ぶ選択肢が事務所に限定されたフシがあるが、世の中は広いのだから相手が自分の見知った女性とは限らないのは当たり前。
 それを認めない見識の浅い輩もいるだろうが・・・・・・・・・。その光景に苦虫を噛み潰す"事務所"の女達。

 しかしそれだけで以前を知る者には信じられないのに、更に信じられないのは横島の方でもあった。そんな濡れて熱い瞳を知ってか知らずかまるで異性として接する態度、まあ所謂モノにしようなどとの感情が希薄であった。まるで、そんな感情が欠落したような塩梅であった。 


 何かに憑かれたのかと不思議がる美神らであったが、美知恵はその理由に思い当たる事があった。
 例え"恋"は終わったかも知れないけれども"思い"は残った。そして今も彼の心には連綿と続いているし、どんな事があっても彼の心からは消えたりしない。
 忍ぶ恋こそ誠なりとは言わないが、横島には今でも答えてこそはくれないが、思う相手がいる以上は今他の女性に振り当てる"思い"は無い。例え以前は命賭して守ろうとした彼女の娘であっても、今の彼にとっては単なる"綺麗な上司"に過ぎない。もっとも大事な"惚れた女"では無い。
  (辛いわね・・・・・・・・・・お互いに)
 それが一体どんな未来を指し示しているのかは判らない。きっと人生を歩いて行く上で、決して楽観を許さない負債でありつづけるであろう。それに、望む望まずにも関わらずにもその立場にいたので胸も痛む。

 しかし冷たいようだが、それはいずれ少しずつ時が解決してくれると思う事にしている。自身はただ見守るだけ。背負った十字架を他人が肩代わりも、当人意外が感じる事が出来ない感情が存在している以上は半端な気持ちで同情も哀れみも無粋な偽善者のボランティアに過ぎないのだ。

 目の前の娘らはそれを勘で分かっているだ。だから何も出来ない己に歯噛みして悔しい。そして心配なのだ。自覚はしているかは不明だが、彼の目に"女性"としての自身が写っていない事が何時まで続くのか分からなくて。
 それは結構長く続くと美知恵は思っている。いつかの台詞では無いが、横島は"優しい"。決して忘れたりはしないで、ずっと、ずっと続くのであるのを知っている筈。

 女は非常に正直に身勝手な生き物。好きな男が他の女に恋愛感情があるなしに関わらずに優しくするのを最も毛嫌いする。自分だけに優しい男が好き。
 しかし彼の心からは絶対にそれは無くならない筈だ。例え娘が何と言おうと彼はずっと他の女性には"優しく"接していくであろう。だからこそ彼は魅力的である。誰に対しても優しいから魅力的。でも女は自分にだけ優しくして欲しい。でも自分にだけ優しいならば魅力は無い、魅力的でなければ自分も嫌。魅力的である為には誰にでも・・・・・・と永遠のパラドックスがそこに存在していた。


 だから、これからも娘は彼が他の女性と優しく接する事に対しての、苛立ちやジェラシーの感情が消える事は無いであろう・・・・・・・。
 それを思うと、母は思わず
   ニヤッ
 と不気味に笑った。
   (う〜ん・・・・・・嬉しい)
 呟き 悪魔の笑みを浮かべる。

 普通の生活なら絶対にへそ曲がりに強がりに意地っ張りを止めない癖に、このネタだけは娘にはアキレス腱だ。このネタを盾にすれば"可愛い可愛い"長女を思うが侭にイジメル事が出来ると、少し心配だけどとっても意地めがいのある玩具であるので嬉しい母であった。
 その笑みは・・・・・・横島をイジメル時の娘にソックリ。さも横島が泣き叫ぶ時に浮かべる至福の表情に・・・。
 どうやら好きな対象をイジメル趣味は母娘伝来らしい。趣味に付き合わされる他人(横島)にはただ迷惑なだけであったが・・・・。

  『うっ・・・・・確かに以前の発情期の狼みたいなのが嘘だったように、この頃のアイツすっかり落ち着いているみたいだけど・・・・・そ それが何だっていうのよ』
 まだ己がプライドに縋る娘に表面だけ嘆息しながらも、内心"よしよし。じゃあトドメを刺してあげようかしら"とニヤリを笑う。

  『成長したのよ彼も。目を奪われがちな目先に振りまわされずに・・・・・・あんたがまだまだ目先の利益に振りまわされている間にね。先程も言ったように男の子の成長は早いのよ。"男子三日遭わざるは剋目して見よ"っていうじゃない。それに引き換え、あんた連載開始から格好も中身の変わってないわね。相変わらずお金に現世利益なんて愚者の戯言しか口にしないんだから。だいたいあんた(原作者)は現世利益って言葉を本来の意味から外れて、まるで生きている内に楽しむって額面通りに解釈して使ってるけど、現世利益の現代での意味は他人を押しのけても自分だけ幸せになるって意味だって事なのよ。何しろ他人と対比した上で自分が幸せでありたいって観念論なんだから。他人が不幸になるだけで自分は幸せになるって狭い了見を最も表した言葉なんだからね。そう考えると数ドルの為に強盗やって、平気で相手撃ち殺す刑務所の犯罪者があんたの仲間かもしれないわね。愛するヒトの為だけに純粋に戦った横島君とは志しが随分違うわね〜』
 言葉を切って、冷たい視線で娘を見る。
  『相変わらず報酬の事ばかり口酸っぱくしてるアンタとじゃ・・・・・同じ場所、同じ時間、同じ場面に居合わせてもダイブン得る物が違うのね』
  グッサ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!! 
 今度の空から降ってきた杭はでかかった。机に展翅板に止められた蝶のように貼り付けられる。
  『うぐぐぐぐぐ』
 心に突き刺さった杭にモガキ苦しみながら、心の中にちょっと思い当たる事がある。


 あの事件の後美神は難癖を付けてチャッカリ&たんまり報酬はモギ取った。まあ世界を救ったし、危険手当としては当然の待遇であったので、美神だけでは不公平だと他のメンバーにも美神ほどでは無いが美智恵らから恩賞が与えられた。
 横島だけは別にして・・・・・・・・。

 彼は報酬を断った。
 自分は仕事などしてはいないからだと。そして美神が好く言うように"プロ"でも無いから見知らぬモノを受け取るワケにはいかないと報酬に見向きもしなかった。戦ったのは"仕事でも、知らぬ世界の為でもない"のだから。
 あの一件での報酬など、美智恵も始めから受け取る筈も無いと分かっていたので、横島の母百合子に預けようとしたが彼女もキッパリ断った。息子が断った物を受け取るのは息子に対して失礼だと言う。百合子は自分の息子を男として扱っているのだと、我が娘と比べてチョット いやかなり羨ましかった。確かに悪意を持って他人に迷惑を掛ける事は(あまり)無いが、娘が持っていない真っ直ぐな瞳を持った子供を持てた親である。

 娘もそれを知っていたので・・・・・・・それだけでも自分は明かに志しが劣っているように思えたが、それを素直に認める健気さも持ち合わせていなかった。悔し紛れに、いつものパターンで従業員なのだからとその額を寄越せと言う。想いを、駆けがえの無い思い故に受け取る事を拒否したモノを。
 すると、・・・・・・汚い虫けらを見るような哀れみを込めた目があった。
  『ヒノメには令子お姉ちゃんは死んだって事にするわ。私もそう思うから、あんたも母親はやっぱり死んだって思ってね。もう会う事もないでしょうからね・・・・・・・今日が今生の別れね』
 冷たく勘当の最後通告をする母の視線はズッシリと重かった。ギャグで逃げる事が出来る空気では無く、思わず破顔して冗談を連呼して取り敢えず場を取り直す事に成功はしたぐらいが関の山であった。

 顔にチビ○こちゃん斜線で落ち込む娘に追い込みを懸ける。
  『それにあんた四六時中どんな所でも恥ずかしげもなく半チチと半ケツ出してるんで、もしかして横島君も見慣れた以上に"他の男に色目を使う尻軽女"ってんで興味無くなったんじゃないの?。もう少しおとなしめな服装にしたら。連載開始の時ならまだしも、その格好の流行なんかとうに終わってんだから。大体その格好の元ネタだった、お立ち台で有名だったジュリア○東京だって当の昔に潰れてるし誰も覚えていないのに、あんただけがそんな格好でいるのはおかしいと思わない。渋谷で今時ガン黒でいるのより下手すると「チョ〜ださ〜い」ってとこじゃないかしら』 ←その表現も古いと思うぞ美知恵さん。
  グサグサグサ
 いつか横島母 百合子に愛の?真実を諭された横島のパロデイのように床でもんどり打つ娘。
 実は美神も連載後期からもこの格好でいるのが時代後れだとは分かっていたので、出来れば変えて欲しかった・・・・・・・・・・・・。始まるかどうかは知らないが新連載では変わって欲しいと思っていた?。近頃の流行だそうだから、連載再開と人気回復の為ならメイド服で猫耳を付けてもいいと思った(笑)。

  『あんたももう二十歳超えてるんだからどう頑張って厚化粧で誤魔化しても後2〜3年が良いところでしょう。幾ら今はまだ顔の皮膚呼吸の欠乏分を他の皮膚呼吸で肩代わりせても厚化粧による顔の皮膚は酸素欠乏と合わせて、肌の油分は25から急激に落ち込むんだから(25歳)超えたらカサカサ肌が来るわよ〜。歌舞伎のように白塗りで誤魔化すと、将来はGS界の故鈴木そ○子って言われるかもね』
  グサグサグサグサグサ

  『大酒のみで肉食ばかりだから当然お肌は毛唐並みに強酸性でしょう。健康食とも雑食とも少食とも無縁。怒りっぽいから目尻にシワは出来るだろうし、多分30歳からって言われてるドモホル○リンクルだって、モット早くお世話になりそうね』
  グサグサグサグサグサグサグサ

  『季節を問わずに馬鹿みたいに顔も肌を出しているんで、UV(紫外線)による肌の角質老化もあるだろうし、それならまだしもあんた連載時から夏はビキニで一日中用の無いのに炎天下にうろついていたから皮膚ガンなんかになったら大変よ。皮膚ガンでは死なないけど、例えブラッ○ジャック先生だった跡を残さずに手術は出来ないんだからシミソバカスに手術跡が浮き出た肌でボディコンなんか着てたら幾ら優しいオキヌちゃんでも「もう止めた方がいいですよ」と優しく諭されたら厚顔無恥なあんたでも立ち直れないでしょうから、言われる前に止めたほうがいいわよ。それに、も〜〜少しTPOをわきまえた格好している方が男だって萌えるのわよ。古い言いまわしだけど、昼は女教師。でも夜は娼婦なのが男の理想っても言うしね。それに引き換え、あんたの衣装は一昔前なら完全に朝から晩までエブリシング娼婦だもんね〜〜』
  グサグサグサグサグサグサグサグサグサグサグサグサ
 神社の石段を布団を抱えて転げ落ちるような調子で、床をゴロゴロと転げマクル娘であった。


  (じゃあ、コレ以上生殺しも可愛そうだから・・・・・・・・・・極楽にいかせてあげようかしらね)
 キット娘は地獄車返しを出来ると思いつつ・・・・・・・・・・・・最後のトドメは強烈であった。
  『大体外見がどうとか言うよりも、あんたアシュ編が終わった以上は昔の恩讐も縁もなくなったんで、後に残されたのは単なる金儲けに奔走する意地っ張りの女って以外に原作者だって使い道が無いって事でスッカリ捨てられていたじゃないの。つまりもうあんたの存在意義はギャグ以外には毛ほども無いのよ。原作者だって承知してるでしょう。それが証拠にあれからあんたに人気を託せないからって、随分新キャラクターを出てたでしょう。タマモに銀一に公彦さんとか他にも沢山ね。まあ、それでも連載の延命を出来なかったのは一応はタイトルに名前がある、あんたに深く掘り下げるだけの重みがもう無かったからでしょう。もう再連載とかは絶対なさそうね。まあ、あるとしても他のキャラの添え物ね。最終巻のエミさんの話のようなモノかしら。その時の主役は横島君かしら、それともオキヌちゃんとかシロタマの二人。いや案外美神事務所を離れて伊達君とかタイガー君ってパターンもあるわね。そうなるともうあんたに出番は無いわね。まあ、事務所の他のメンバーはそんなに立場は変わらないからいいけど、一時は主役を張っていたのにお情けのような役どころでしかなくなるって・・・・・。嗚呼 可愛そうな令子』

    ぐっさ〜

  『・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・』
 なんたらかんたら うんたらかんたら、と床で七転八倒してモンドリ打つ娘に更に追い討ちをかけ、氷の微笑を浮かべる阿修羅のごとく非情なライセンスの母であった。
   ぜ〜ぜ〜ぜ〜ぜ〜ぜ〜ぜ〜ぜ〜ぜ〜ぜ〜ぜ〜ぜ〜ぜ〜
 床でプライドを、象とカバとゴジラにこれでもかと蹴倒されて言葉も無く倒れたままの娘に母は・・・・・・・・・。

  (う〜ん・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・楽しい!!)
 娘を自らなぶり者して心中悪魔の笑みを浮かべた。
 好きな相手を困らせて楽しむ癖があったが(回想編参照)アシュタロスと戦う未来が判っていたので、本来の性格である心の弱さのままでいてもらっては困る。当然強くなってもくれないと困る。お陰で、本来の中身は無理であったが"表面上"は強がりに空元気に負け惜しみを欠かさないと言う、フェイクの意味合いが濃いくても、一応は強くすることには成功した。お陰で結果的には功をそうし世界は救われた。
 しかしもう宿敵がいない以上は、そんな性格は母には不用だ。出来れば今度は愛する"イジメ甲斐"のある対象としていて欲しいのだ。が前述のように表面上だけの強がりは筋金入りで母と云えども中々と相好を崩すのは難しい。しかし、横島に対する感情だけは別物であるのが分かっているので、このネタで"愛する"娘を思う存分イタブル事が出来る。だから、絶対このネタを手放さないでいいようにと画策する母だった。

   は〜は〜は〜は〜は〜は〜は〜は〜は〜は〜は〜は〜は〜は〜は〜は〜は〜は〜は〜は〜
 地面にはいつくばり打ちのめされた体を何とか両手で支える。
   (ま まけてなるもんですかああああああ)
 肩で息をしながら、何とか自我の崩壊を踏みとどまる。
 実は母の言った後編の話題は・・・・・・・自分でも気がついていた話題だけにとても傷つく事柄・・・・・・・・・。

 ボディコンシャス、略してボデコン。
 これは連載始まったバブル時代には流行の最先端であったし、当時は格好の好い物の象徴であった。おまけにサ○デーの読者対象は高校生あたりが対象(多分?)であるので、見かけに騙され易い年頃だから見事に功を奏し人気を博した。出会った時の横島のように・・・・・・・・。多分内容がツマラナイ誹りを受けた時に保険の意味からも(?)原作者も選択したと思われが、目論見は功を制して、中身との兼ね合いとギャップから多くの読者を惹き付ける事に成功して、あらんや小学○なんとか賞まで受けるに到ったのだが・・・・・・・。

 だが、現代においては馬鹿ゴージャス姉妹が着ていて、一種侮蔑の象徴だと思われている節のある最たる物。馬鹿姉妹が単なる色物扱いからも分かるように、21世紀も始まった今に到っては単なる流行遅れの格好だ。出来れば同じに見られたく無いので、多分絶対始まらないであろうが、再連載開始には絶対止めて欲しいと思っていた。
 しかし、しかし しかし 美神は他の服などロクに着たことも無いこともあって、もし他の服に着替えたら一体全体誰だか分からない危惧がヒシヒシとする。何しろ原作者にはキャラクターの書き分けのレパートリーが・・・・・・・・・・・。未だに某サイトトップの真中の娘が冥子だと思っている人が多いように・・・・・・・・・・。

 しかも連載再開で時代に合わせたコスチューム変更ならまだ承伏してもいいが(時代遅れ故)、今母に言われた理由の為に自分の存在を誇示する最たる服装を変えると言うことは・・・・・・・・・・取りも直さず自分を気にかけてくれる為に止める事にである。
 母が死んだと聞かされた時から「一人で生きて行くのよ」とか「自立した女として毅然と・・・・」と心に決めていた自分が、男の視線や、あらんや横島の為に迎合し気に入られるために合わせるなんて。
  認められか〜!!!!
 思いの丈を叫ぶ娘であった。

to be continud


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