『 飢えた狼!』

著者:まきしゃ


     
令子 「おキヌちゃん、なんなの?この食費の増え方はっ!」
キヌ 「あ、あの、お肉食べる機会が増えたんで……」
令子 「シロのせいか…。居候に、いい肉食わす必要なんかないわっ!
  肉屋の裏に行って、捨ててる骨でも拾ってくればいいのにっ。」
   
シロ 「クゥ〜ン、拙者、いい肉が食いたいでござるぅ〜。
  拙者、成長期でござるから、いい肉食わないといい仕事が出来なくなるでござるよ?
  長老からも、『美神さんには十分な報酬を与えているから、お金の心配はしなくていい』って、
  言われているでござる…」
   
令子 「隠し金山のことね?あれは、あんたの村の大切な財産でしょ?
  あんた一人のために、全部もらうわけにはいかないのよっ。」
 

横島「でも、もらうんでしょ?」

シロ 「そ、そうでござるが…、ならば拙者、今まで以上に働くでござるよっ!
  働くから、いい肉が食いたいでござるっ!!」
   
令子 「しょうがないわね…、あんたがそう言うなら、仕事量をふやすわよっ!
  5人で一緒にやってるんじゃ効率悪いから、2チームに分けるわね。
  私は、シロとタマモ。横島クンとおキヌちゃんは、二人で組んでもらうわっ。」
   
シロ 「せっ、拙者、横島先生チームに入りたいでござるっ!」
令子 「ダメッ!あんたは、私が見張ってなきゃ、危なっかしくて使えないのよっ!
  それに、荷物もちも必要だからねっ!」
   
シロ 「拙者、荷物もちでござるか…」
令子 「力だけなら、横島クンより上でしょっ!
  あと、動きの速い連携プレーは、タマモとじゃなきゃ無理だもの。
  タマモも、いいわね?」
タマモ 「私は、別にかまわないわ」
   
令子 「横島クンにおキヌちゃん、二人でやるのは問題ないでしょ?
  で、ノルマは、二人合わせて年60億円にするわ。」
横島・キヌ 「ろ、60億ぅ?!!」
   
令子 「なに驚いてるの? 2千万の仕事を300回でいいのよ?
  ノルマが無いと、稼いだ実感がわかないもんよ。
  もちろん、稼げなきゃ、給料からさっぴくけどねっ!」
横島 「ひぇ〜〜」
   
令子 「おキヌちゃん、あんたには、他にお願いがあるんだけど…」
キヌ 「はい、なんですか?」
令子 「横島クン、GS経験長いのに、ちっとも勉強しないでしょ?
  私と組むと、知識を頼っちゃうのよねぇ〜
  あんたは、高校で専門知識を学んできてるんだから、一緒に組んでるとき、
  いろいろ教えてやってほしいの」
   
キヌ 「はいっ。やっぱり、美神さんってやさしいんですねっ!」
令子 「バカだと、出費がかさむでしょ?」
   
   
  翌日 事務所
タマモ 「ほら、シロッ!はやくしないと、美神さんに怒られるわよっ!」
シロ 「う〜、拙者、横島先生と一緒に仕事がしたいでござる…」
令子 「それ以上ごねると、夕食抜きにするわよっ!!」
シロ 「クゥ〜ン…、先生〜」
キヌ 「いってらっしゃい、シロちゃん」
   
  令子チーム退出後の事務所
横島 「シロのやつ、ずいぶん未練がましかったなぁ。美神さんの言うこと聞かないと、
  ここでは生きていけないのに…」
キヌ 「横島さん、私達もそろそろ出かけないと、仕事に遅れちゃいますよ」
横島 「うん。おキヌちゃんとだと、美神さんとのときみたいに多くの荷物を
  持たなくて済むから、楽でいいなっ!」
キヌ 「そのぶん、シロちゃん苦労しますね…」
   
   
  各チーム除霊終了後の事務所
横島 「ただいま〜、あれっ?」
令子 「……」 ムッス〜〜〜〜〜
キヌ 「ど、どうしたんですか?美神さん?」
令子 「どうしたもこうしたも、あのバカ犬、いったい何考えてんだかっ!」
   
横島 「シロのやつ、なにかやっちゃったんですか?」
令子 「あんバカ、なにかといっちゃあ横島先生、横島先生とうるさいったらありゃしない!」
キヌ 「そ、そりゃあシロちゃん、横島さんと一緒にいたいために居候してるんですから…」
   
令子 「仕事とそれとは別でしょ? うちの仕事は、集中力切らしたら命にかかわるのよ?
  うわの空で仕事されちゃぁ、困るのよっ!」
横島 「まぁまぁ…、あいつ、まだ子供ですから…」
   
令子 「あんたらで、明日までにちゃんと働くよう言い聞かせといてよっ。
  いつまでもあんな調子じゃ、居候させとく価値なんかないんだからっ!
  じゃ、あとは頼んだからねっ!」
   
   
  令子退出後の事務所
横島 「なんか、しょ〜もないモメ事だよな〜。 ほっときゃ、すぐ慣れると思うんだけど…」
キヌ 「慣れるまでシロちゃん慰めてあげなきゃ。
  それを出来るのは横島さんだけなんですから。」
横島 「ま、声かけといてやるか…」
   
  屋根裏部屋
横島 「シロ、いるか〜?」
シロ 「先生ぇ〜〜〜〜! 拙者は、拙者は、ワォ〜〜〜ン!」
  横島に抱きつき!
   
キヌ 「よ、横島さん。私、部屋に戻ってますので、シロちゃんのことお願いしますね。
  タマモちゃん、こっちいらっしゃい。しばらく二人にしてあげて」
タマモ 「うん…」
横島 「あ、ああ。わかった。 こら、シロッ! そんなにくっつくな。
  話聞いてやっから、落ち着けっ」
シロ 「クゥ〜ン、ク〜ン」
   
   
  キヌの部屋
キヌ 「タマモちゃん、美神さんとシロちゃんとの間で、どんなことがあったのか教えてくれる?」
タマモ 「いいけど、ほんとつまんないことよ。」
   
  屋根裏部屋
横島 「おまえ、今日は何があったんだ?始めから話してみな。」
シロ 「美神さんが、ひどいんでござるぅ〜〜〜」
   
   
  令子チームでの出来事…
  魔方陣を描いている令子と、指示を待ってるシロとタマモ
シロ 「この荷物、結構重たいでござるよ。荷造りは先生にやってもらったんで、
  何が入ってるのか知らないでござる」
タマモ 「中身、見てみたい〜」
シロ 「ちょっと開けてみるでござるかっ!」
  寝袋1ヶ・着替え1着・雨具1セットなど、令子だけが快適にすごすための道具類
  除霊用具は全体の1割程度…
シロ・タマ 「………」
   
シロ 「あ、あの〜、美神さん?」
令子 「な、なによっ!私は、あんたらと違って人間なのよっ!
  体調を維持するには、必要な道具なのよっ!」
シロ 「で、でも、今までも横島先生のぶんは、なかったんでござろう?」
令子 「あいつは、妖怪なみの生命力だから必要ないのっ!」
シロ 「それは、美神さんも…」
令子 「あんた、横島クンみたいに殴られたいの?」
シロ 「うっ!い、いえ…」
   
令子 「さっ、除霊を始めるわよっ。 シロ、あんたは囮よ。
  この魔方陣に入っていれば、あんたを狙って弱いザコ霊が集まってくるわ。
  でもボスが現れるまでは、戦っちゃダメだからね。
  タマモは、私の反対側でボスが来るのを見張ってて。」
タマモ 「わかったわ。」
   
シロ 「拙者、戦いたいでござるっ!」
令子 「わたしと?」(ギロッ!)
シロ 「い、いえ…、囮をやるでござる…」
   
  魔方陣の中で、あぐらをかいて腕組みをするシロ
シロ 「う〜、こんなザコ霊簡単に退治できるのに、手を出したらいけないなんて、
  イライラするでござるよっ! ガゥガゥ!」
令子 「こらっ、シロッ!ザコ霊にガン飛ばしてんじゃないのっ! もっと囮らしく、
  弱そうに振るまいなさいっ!ボス霊が警戒して出てこないじゃないのっ!」
シロ 「拙者、武士の子…」
令子 「何度も言わすなっ! 頭かかえて、うずくまってろっ!」
シロ 「うぅ〜〜〜」
   
  うずくまってるシロの周りを飛び回るザコ霊
シロ 「拙者、情けないでござる。 亡き父上にこんな姿、見せられないでござる…
  横島先生、拙者を助けてください〜〜〜 クゥ〜ン、ク〜ン」
令子 「あ〜、うるさいっ! 静かにしてなさいっ!」
   
  魔方陣からはみ出したシロのシッポに噛み付くザコ霊
シロ 「ウギャンッ!! 拙者のシッポになんてことを〜っ!!!」
ザコ霊 『うけけけけ〜〜〜 バカ犬〜〜〜』
   ぷっつん!!
シロ 「ウガガァァァ〜〜〜ッ!!」
令子 「わっ!?バ、バカッ!」
  ザコ霊をやっつけてしまうシロ
シロ 「ガゥガゥッ! どうだ、まいったでござるかっ!……はっ!?」
   
   し 〜〜 ん …
   
令子 「あんた、それで気が済んだ?」
シロ 「せ、拙者……」
令子 「あんたのせいで、霊が逃げちゃったじゃない。
  また始めからやりなおしよ。こんバカがっ!!」
   
令子 「今度はタマモが囮よっ。霊だってバカじゃないんだから、
  あれだけ大騒ぎしたシロのそばには寄り付かないわっ。
  シロッ、あんたはもう、邪魔にならないように隅っこでじっとしてなさいっ!
  この、役立たずがっ!!」
シロ 「拙者、役立たずでござるか……」
   
タマモ 「美神さんっ!!うしろっ!」
  シロを叱ってる最中に、突然うしろから美神に襲いかかるボス霊
令子 「えっ?し、しまっ…」
シロ 「拙者がっ!!」
  シロに攻撃されて令子を離すボス霊
令子 「よしっ! いまだっ!吸印っ!!」
   
シロ 「せ、拙者、役に立ったでござろう…?」
令子 「あんたが私の言うこと聞いていれば、こんなことにはならないわっ!
  次もこんなんだったら、里に帰すからねっ!」
シロ 「えっ?せ、拙者…」
令子 「言い訳なんか聞きたくないっ! 黙ってなさいっ!」
シロ 「うぐっ…、横島先生ぇ〜〜」
   
   
   
  キヌの部屋では…
タマモ 「それから事務所に帰るまでの間、シロのやつ、ずぅ〜〜っと
  『横島先生ぇ〜』って泣きっぱなしだったの。」
キヌ 「そ、そうなの…」
   
  屋根裏部屋では…
横島 「ん〜、シロも美神さんも、性格がそのまんま出ただけだもんな〜
  どうしたもんかなぁ〜?」
シロ 「拙者、里に帰させられるんでござるか?」
横島 「心配ないって。 美神さんも、すぐに帰す気は無いみたいだし。
  おまえが慣れるまで、我慢できるかどうかだけだな…」
シロ 「拙者………、あまり自信ないでござる…」
   
キヌ 「あの〜、横島さん、シロちゃん、ちょっとお話、いいですか?」
横島 「ん?おキヌちゃん?」
キヌ 「タマモちゃんから話を聞いたんですけど、私、まだシロちゃんには、
  美神さんの言動を受け流すのは無理だと思うんです。
  ですから、チーム分けせずに元に戻したほうがいいと思うんですけど…」
   
横島 「チーム分けしたのは、仕事量増やして金儲けできるようにするためだろ?
  元に戻して収入減らすと思う? あの美神さんが……」
キヌ 「うっ…」
   
横島 「シロにとってはキツイかもしんないけど、ここに長く居たいんだったら、
  美神さんとうまくやってくしかないんだよな。
  ま、ストレス溜まったら、俺達が慰めてやればいいから。」
キヌ 「そうですね…」
   
横島 「じゃ、俺、帰るから…」
シロ 「せ、先生っ!ま、まだ拙者、気持ちの整理がっ!
  もう少し、拙者の話を聞いて欲しいでござるっ!」
横島 「う〜ん…」
   
キヌ 「横島さん、シロちゃんのために、もう少し残っててもらえます?
  このままじゃ、シロちゃん、明日の仕事もつらくなっちゃいますし…」
横島 「そうだな…。 でも、俺も疲れてるから、眠くなったら帰るぞ?
  それでいいか、シロ?」
シロ 「わかったでござる。」
   
キヌ 「それじゃあタマモちゃん、今夜は私の部屋で一緒に寝ましょう。
  横島さん、シロちゃんのことお願いしますね。」
横島 「ああ。話が終わったら、俺、直接帰るから。 じゃあ、おやすみなさい。」
キヌ 「おやすみなさい」
   
  キヌ&タマモ退出後の屋根裏部屋で、シロのベッドに腰掛けて話す二人
シロ 「拙者、またおんなじ失敗しそうでござるっ!
  明日失敗しなくても、あさってするでござるっ!
  そしたら、里に帰させられるんでござるっ!
  拙者、里に帰りたくないでござるぅ〜〜〜〜っ!」
   
横島 「だから、心配するなってば。次に失敗したときは、素直に頭下げて謝れば、
  美神さんだって許してくれるさ。」
シロ 「そうでござろうか?」
横島 「ん〜〜〜〜、たぶん…
  それよりシロ、おまえそんなに里に帰りたくないのか?
  里の連中も、大切な仲間なんだろ?」
シロ 「そ、そうでござるが………、でも……」
   
シロ 「拙者……、父上を亡くしているし、母上のことは何も知らないんでござる…
  もちろん、親戚は沢山いるんでござるが、里に帰れば一人暮しでござる…」
横島 「一人暮しか…、そいつはきついな…」
シロ 「それに、友達も…」
横島 「友達いねぇのか?」
シロ 「いるんでござるが…、ただ、その…、拙者が急に大きく強くなったんで、
  なんか、うまく遊べないんでござる……」
横島 「ん〜、傷の手当てとはいえ、シロを大きくしちゃったのは、俺や美神さんの
  責任でもあるんだよなぁ〜」
   
シロ 「それより拙者、先生のそばに居たいんでござるっ!
  先生が、一番大切な仲間なんでござるっ! クゥ〜ン!」
  横島に抱きつき、ベッドの上に倒れる二人
横島 「こ、こらっ、シロッ!はなれろっ!」
   
シロ 「せ、先生っ!ちょっとだけ、こうしていたいでござるっ!
  拙者、夜中に不安になると、いつも父上の布団にもぐり込んでいたんでござる。
  お願いでござる。 少しだけ父上のかわりをっ!」
横島 「…ああ。」
  (こいつ、見かけは大きいけどほんの子供なんだよな…なのに、親と死に別れて…)
シロ 「うれしいでござるっ!」
   
  ベッドの上に寝転がる横島と、ぴったり寄添うシロ
シロ (このまま、ずっとこうしていたい…)
横島 「……」
シロ (先生?)
横島 Zzzzzzzz…
シロ (先生寝ちゃったんだ。一緒に布団の中に入るでござるっ!)
   
   
   
  翌朝 キヌの部屋
キヌ 「ふぁ〜、ん? なんでタマモちゃんが私の部屋に…?
  あっ、そっか。 昨日は、シロちゃんのことで…
  タマモちゃん、起きなさい。シロちゃんの様子見に行くわよっ」
タマモ 「ん〜〜」
   
  屋根裏部屋を覗きにいく二人
キヌ 「シロちゃん?」
  横島にぴとっと添い寝しているシロ
キヌ 「横島さんっ!?」
   
横島 「んっ? あっ、おキヌちゃん? えっ? シロッ!?」
シロ 「先生? 朝でござるか? おはようでござるっ!」
  横島の顔をぺろぺろなめ出すシロ
   
横島 「お、おキヌちゃん?ちがっ、俺、なにもっ!」
キヌ (ぷるぷるぷる怒)タマモちゃん、朝食作るの手伝ってくれるっ?」
タマモ 「えっ、うん」
横島 「あっ、あっ、ご、誤解だぁ〜〜〜〜!!!」
   
   
  事務所 令子の出勤時間
令子 「おはよう…ん?な、なんなのっ?この異様な雰囲気っ!」
   
  不機嫌そうに掃除をしているおキヌちゃん
  困った顔をしておキヌちゃんを見ている横島
  横島の背中に隠れて令子の様子を伺うシロ
  呆れ顔のタマモ
   
令子 「おキヌちゃん、説明してくれる?」
キヌ 「横島さんに、聞いてくださいっ!」
令子 「……と、かなりご機嫌ななめね。
  横島っ!おまえ、またなんかやったな?」
   
横島 「お、俺、おキヌちゃんの誤解で、シロがっ、えっと、
  俺が、えっと、朝起きたら…ぶっ!?」
  令子にはりたおされる横島
令子 「もういいっ!あんたには聞かんっ!
  シロッ!どうやら、あんたに関係有りそうねっ!話してごらんっ!?」
   
シロ 「せっ、拙者、里に帰りたくないでござるっ!」
  たおれている横島を無理やり起こして後ろに隠れて話すシロ
令子 「追い出したりしないから、話してごらん?」
シロ 「そ、そうでござるか…?」
   
  シロの話しを聞き終えて
令子 「ようするに、横島がシロを慰めてるうちに眠っちゃったわけね。
  で、シロが添い寝をして、朝、おキヌちゃんがそれを目撃した。
  わかったわ。ほんとかどうか、確認してあげる。
  人工幽霊一号!昨夜の屋根裏部屋の記憶映像、再現してっ!」
   
シロ (うぐっ!事務所の中じゃ、何やってもバレバレでござるのかっ!)
   
  映像確認後
令子 「ふんっ、どうやらウソじゃなさそうねっ。
  おキヌちゃん、横島のこと信じても良さそうよっ」
キヌ 「そ、そうだったんですか。ごめんなさい、横島さん」
横島 「い、いや、わかってくれればいいんだ。」
   
令子 「さてと、問題はシロのほうね?」
シロ 「せ、拙者…」
令子 「ま、追い出すほどのことではないわね。
  ここで変なことしても、バレることがわかったでしょ?
  これからは、おとなしく私の言うことを聞くのよっ!」
   
シロ 「わかったでござる……
  でも、また失敗したら、横島先生に慰めてもらえるんでござろうか…?
  そうでないと嫌でござる……、クゥ〜ン…」
   
令子 「このバカ犬、横島に慰めてもらうために、わざと失敗しかねないわね…
  ふぅ…、しょうがない、チーム分けはやめだわっ!
  トラブルが増えるばかりで、ストレス溜まっちゃうものっ!」
   
シロ 「元にもどるんでござるなっ? 横島先生とまた一緒に仕事が出来て、
  拙者、嬉しいでござるよっ!」
令子 「ま、シロのおもりは横島クンにまかせたほうがよさそうね……」
   
   
  その日の夕方 事務所
シロ 「お、おキヌちゃん、これはっ?」
キヌ 「シロちゃんの夕食よっ。お肉屋さんにお願いしたら、こんなに沢山
  いただいちゃったの。シロちゃん、骨、好きでしょ?」
シロ 「うぐっ、好きではござるが……
  いい肉食うためにチーム分けされてたのを、忘れてたでござる…」
   
横島 「ま、いいんじゃないの?追い出されるのをおびえてるよりは。」
シロ 「そ、そうではござるが…。でも、いい肉も食いたいでござるぅ〜、クゥ〜ン…」
横島 「え〜い、贅沢なやつだなっ!
  居候のくせに、俺よりいいもの食おうと思うんじゃね〜
  ほら、シロッ! おあずけっ!」
  骨をシロの鼻先に持って行く横島
シロ 「うぅっ、拙者、犬ではないでござるっ! 先生、ひどいでござるよ〜〜〜〜!!」
   
END  

※この作品は、まきしゃさんによる C-WWW への投稿作品です。
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