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美神事務所 |
横島 |
「ち〜っす! あれっ? お客様?」 |
令子 |
「…………」 ムッス〜〜〜 |
小早川 |
「君が横島さんですかっ! 初めまして、小早川ですっ!」 |
横島 |
「えっ? もしかして、宇宙飛行士の小早川さんっ!?」 |
小早川 |
「ええ、そうです。 今日は横島さんにお願いがあってお伺いしました。」 |
横島 |
「えっ? 俺にっ!?」 |
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小早川 |
「はい。 NASAを代表してお願いにまいりました。 |
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まずは、こちらをご覧下さい。 月から届いた地球へのメッセージです。」 |
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パソコンの画面にメッセージを再生する小早川 |
横島 |
「あっ! 迦具夜姫っ!」 |
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迦具夜姫からのメッセージ… |
迦具夜姫 |
『私は… 月世界の女王 迦具夜―― |
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以前、月が地球の魔族に侵略されたとき、横島どのたちの救援により |
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無事、撃退することができました。 |
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ところが、最近、魔族の眷属の一部が生き残っていることが判明しました。 |
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その退治のために、再度、横島どのの救援を要請します。』 |
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横島 |
「えっ? 眷属の一部って、メドーサの…?」 |
令子 |
「そっ。 ビッグイーターのことらしいわねっ。」 |
横島 |
「メドーサが消滅してるのに、なんで生き残ってるんですか?」 |
令子 |
「さあね。 でも、月の魔力は地球の比じゃないわ。 |
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退治しそびれた個体が生き残ってたとしても不思議じゃないわ。」 |
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横島 |
「あの、それで、俺、どうすればいいんですか…?」 |
令子 |
「ん? 月に行くに決まってるでしょ? NASAとも、契約しちゃったしね。」 |
横島 |
「NASAと?」 |
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小早川 |
「NASAの月にある観測機器の保守点検は、月神族に委託しているのです。 |
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今回、横島さんに行って頂かないと、契約を破棄すると言われまして…」 |
横島 |
「外部委託っていうやつですか…」 |
令子 |
「10億の仕事だから、断る理由は何も無いわっ!」 |
小早川 |
「横島さん、よろしくお願いしますっ!」 |
横島 |
「は、はい……」 |
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小早川が退出した後… |
横島 |
「おキヌちゃん、10億の仕事なのに、なんで美神さん機嫌悪いのかな?」 |
キヌ |
「迦具夜姫さまのメッセージの中に、美神さんのことが一言も語られてなくて…」 |
横島 |
「あっ…」 |
令子 |
「ふんっ! 月の連中めっ! よくも、私をコケにしてくれたわねっ!? |
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あんたらの思い通りには、させないんだからっ!」 |
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その頃、月では… |
朧(おぼろ) |
『神無、へび退治の方は、うまくいってる?』 |
神無 |
『朧か…。 まあ…な…。』 |
朧 |
『これで…?』 |
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朧の指差す方にいるのは、ビッグイーターに噛まれたために、 |
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身体の一部が石になってしまっている20人ほどの月警官… |
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神無 |
『そう言ってくれるな…。 前回と違い、相手が小さすぎて捕捉するのが大変なのだ…。』 |
朧 |
『でもね〜、こんなに被害者が出ると、私のヒーリングだけじゃ、追いつかないのよ。』 |
神無 |
『わかっているっ!』 |
朧 |
『で、血清用のビッグイーターは、生け捕っておいてくれた?』 |
神無 |
『ああ。 その箱の中だ。』 |
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箱の中には、ビッグとは名ばかりでハムスターぐらいの大きさしかない |
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ビッグイーターが数匹入れられている |
朧 |
『これだけいれば、足りそうね。 被害者がこれ以上増えなければだけど…。 |
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まあ、あと何日かすれば、地球からの救援者も到着するはずだから、 |
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そうなれば、きっと解決してるわねっ!』 |
神無 |
『なにっ!? 地球の連中を呼んだのかっ!?』 |
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朧 |
『ええ。 あなたも、さんざんぼやいてたじゃない。 |
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「こんなことになるんだったら、横島の奴にお礼なんか言うんじゃなかったっ!」って。』 |
神無 |
『うっ! 独り言を聞かれていたのかっ… |
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でも、今度ばかりは、月神族の戦士だけで、かたをつけてみせるっ!』 |
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朧 |
『そうしてもらうつもりよっ!』 |
神無 |
『えっ? そう思ってるなら、なぜ地球の連中を呼んだのだっ?』 |
朧 |
『今回、呼んだのは、横島さんだけなの。』 |
神無 |
『横島…どの…だけ?』 |
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朧 |
『ええ、そうよ。 会うのが楽しみでしょ?』 |
神無 |
『楽しみって… それだけのために呼んだのかっ?』 |
朧 |
『それだけのためだけど、効果はそれだけじゃないわっ! 周りを見てごらんなさいよっ!』 |
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横島が来るという朧の言葉に反応して、ざわつきだした月警官たち… |
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先ほどまで暗かった場の雰囲気が、一転して明るくなっていく… |
朧 |
『ほらっ、みんな、横島さんに会えると知って、士気が高まって来てるわっ! |
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神無、あなたも知ってるでしょ? 横島さんは、ここでは、月を救ったヒーローなのよっ?』 |
神無 |
『そうだったな…』 |
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朧 |
『だから、早く退治しちゃってねっ! 私、横島さんと、ゆっくりおしゃべりしたいしぃ〜』 |
神無 |
『お、朧っ! それが本音かっ!! (でも…、私もお話してみたいな……)』 |
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翌日 アメリカ行きの飛行機の中… |
タマモ |
「シロ、見て! シロ、見て! アメリカが見えてきたわよっ!」 |
シロ |
「わ〜い、外国でござる〜! めきしこ湾でござる〜〜!」 |
キヌ |
「シロちゃん、意味わかって言ってるのかな?」 |
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横島 |
「うう… こんなにつまらんフライトは初めてだ…。 |
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スッチャデスさんが、なんで乗ってないんだぁ〜〜〜〜っ!?」 |
令子 |
「あんたねぇ、米軍機での移動に、何を求めてるのよっ! |
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それに、アメリカ人女性も同乗してるじゃないっ。」 |
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ず〜〜ん! 女華姫級の女性軍人が一人… ふしゅるるぅ〜〜 |
横島 |
「あああ、俺、VIPなのに、VIPのはずなのにぃ〜〜〜」 |
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NASAで月に行く準備をしている令子たち… |
横島 |
「あれ? 美神さん、ずいぶん沢山の装備を持って行くんですね? |
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眷属だけなら、そんなにいらないんじゃないっスか?」 |
令子 |
「あんた、気楽に言うけどね〜、今回も結構危険なのよっ!? |
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小竜姫が、竜神の装具を貸してくれなかったしね〜〜〜。」 |
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横島 |
「えっ!? マジ? それって、美神さんが悪いんですよっ!? |
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美神さんに装具を取られるのが心配で、貸してくれなかったに違いないんだっ! |
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あああ〜〜、俺たち、小竜姫さまに見捨てられちゃったんだぁ〜〜〜!」 |
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令子 |
「うっさいわねっ! だから、こうして準備してるんじゃないのっ!」 |
横島 |
「でも、宇宙服を着て戦うんでしょ? 少しでも穴が開いたらおしまいじゃないっスか〜! |
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そんな危険なとこ、俺、行きたくないっスよ〜〜っ!!」 |
令子 |
「あんた、さっきまでさんざん朧ちゃんたちに会える〜って喜んでたじゃないのっ! |
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もう契約しちゃったから、行くしかないのよっ!」 |
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準備も整い、スペースシャトルが打ち上げられて… |
タマモ |
「美神さんたちがあれに乗ってるなんて、なんか、すごいわね…。」 |
シロ |
「先生たち、大丈夫なんでござるのか…?」 |
キヌ |
「ええ、特に強い魔族がいるわけじゃないし、美神さんと横島さんなら、 |
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心配いらないわっ。 横島さんだけだったら、別の意味で心配だったけど…」 |
シロ |
「そうでござるな…。」 |
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シャトルの中では… |
横島 |
「うう…、狭いっスね…」 |
令子 |
「しょうがないじゃないのっ! 計画外の搭乗だから、元々私たち用のスペースなんて、 |
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存在しないんだものっ!」 |
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シャトルの格納庫に、月着陸船ごと積み込まれていて、 |
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中は令子が積めるだけ積め込んだ武器のせいで、身動きがとれない二人… |
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小早川 |
「そろそろ、切り離しますが、準備はよろしいですか?」 |
令子 |
「ええ、お願いしますわ。」 |
小早川 |
「では、お気をつけてっ!」 |
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シャトルから切り離されて月に向かう二人… |
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横島 |
「ああ、でも考えてみれば、今、俺たちって、宇宙でたった二人なわけですねっ! |
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これって、新婚旅行みたい… ぶっ!?」 |
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電気ショックを受けてしまった横島… |
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横島 |
「な、なんなんスか? いまのはっ!?」 |
令子 |
「さすがにこの状態じゃあ、あんたを殴るわけにはいかないからね。 |
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かわりに、服の中に電極をし込んでおいたの。 |
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変なこと言ったりしたら、今の攻撃を受けることになるからねっ!」 |
横島 |
「ひ、ひえ〜〜〜」 |
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やがて、月からの通信が着陸船に届く… |
朧 |
『横島さん〜 元気ですか〜?』 |
横島 |
「あっ! 朧ちゃんっ! 横島、元気ですっ!」 |
令子 |
「お久しぶりねっ!」 |
朧 |
『えっ!? 美神…どの?』 |
令子 |
「また来たわ。 よろしくねっ!」 |
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神無に向かってひそひそ話す朧… |
朧 |
『神無、どうしよう? 美神どのがついて来ちゃったわよ?』 |
神無 |
『どうって、いまさら追い返すわけにもいくまい。 |
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横島どのの上司なわけだし、丁重にお迎えすればよかろう?』 |
朧 |
『そうね、横島さんの彼女は、今回も来てないみたいだし。』 |
令子 |
「あんたたち、聞こえてるわよっ!?」 (ピキピキ) |
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朧 |
『それでは、横島どの、美神どの。 お二人の到着をお待ちしております。 |
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眷属の退治方法については、到着後に打ち合せしたいと思います。』 |
令子 |
「わかったわ。 楽しみにしてるわよっ!」 |
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通信終了後… |
令子 |
「なんか、危機感の無い通信だったわね〜 ほんとに救援が必要だったのかしら? |
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横島クン、もしかしたら、あんたを月に閉じ込めるためのワナだったのかもよ?」 |
横島 |
「えっ!? それって、俺は一生、月から帰れないってことですかっ!? |
|
そんなひどいことを、彼女たちがするわけが…… |
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いや、待てよ…? それはそれで、いい人生を送れる… ぶっ!?」 |
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電気ショックを受けてしまった横島… |
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月に到着した令子と横島 |
朧 |
『長旅、お疲れ様でした。 こちらの地球環境の部屋へどうぞ。』 |
令子 |
「ん、ありがと。」 |
朧 |
『あら、今回は竜神の装具をお持ちではないのですね?』 |
令子 |
「眷属レベルの退治では、貸してくれなくてね。」 |
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朧 |
『それでしたら、月神の装具をお使い下さい。 竜神の装具ほどの力は有りませんが |
|
防護服を着用しなくても、月での生命維持は可能です。』 |
令子 |
「そいつは助かるわっ! あら、竜神の装具にそっくりね?」 |
朧 |
『ええ。 それを真似て製作しましたから。』 |
令子 |
「小竜姫に、パテント代請求させようかしら。」 |
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眷属退治の打ち合せを始める令子たち |
迦具夜姫 |
『お待ちしておりました。 では、早速現状を説明させていただきます。 神無!』 |
神無 |
『は…! これが現在問題になっているメドーサの眷属です。』 |
令子 |
「あら、またずいぶん小さいのね〜」 |
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神無 |
『これが10日ほど前から急に発生し、多くの月神族が噛まれてしまいました。 |
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ただ、幸い小さいために毒も弱く、噛まれた部分が石になるだけで済んでいます。 |
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また、血清によって、約1週間で元に戻ることがわかっています。』 |
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令子 |
「ふ〜ん、で、どのぐらいの数がいて、どのぐらい退治したの?」 |
神無 |
『正確な数はわかりませんが、40〜50匹ほど発生した模様で、 |
|
すでに30匹ほど退治しております。』 |
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|
令子 |
「6割がた終わってるのね。 それなら、あんたたちだけで退治できるんじゃないの?」 |
神無 |
『私も、そう考えていますが…』 |
令子 |
「じゃあ、なんで横島クンだけをわざわざ呼んだのよっ!? |
|
あんたたち、なんか別の悪巧みを隠してるんじゃないでしょ〜ねっ!?」 |
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朧があわてて口を挟む |
朧 |
『そんなこと有りませんっ! 横島どのが月警官のヒーローだから呼んだのですっ!』 |
令子 |
「えっ?」 |
横島 |
「お、俺が、ヒーロー…?」 |
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|
朧 |
『はい。 私たちも横島どのが直接、眷族退治に役立つとは思っておりません。 |
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ですが、月警官たちのヒーローである横島どのが来られることで、月警官の士気が |
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高まるのです。 ですから、横島どのに居ていただくことに価値があるのですっ! |
|
それだけ、月警官の被害は深刻なのですっ!』 |
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横島 |
「俺、喜んでいいのかな…?」 |
令子 |
「そうなの…。 疑って悪かったわ。 でも、私も月を救ったヒロインよっ!? |
|
なんで、私を呼ばなかったのよっ!?」 |
朧 |
『え〜っと、その〜〜〜、月警官に人気が無いから……』 |
令子 |
「うっ!」 |
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朧 |
『月警官から見た美神どのは、魔族と戦ったけれど負けてしまい、 |
|
殺されかけたところを、かろうじて横島どのに助けられた人…と思われてますので…』 |
令子 |
「ううう…っ!」 |
迦具夜姫 |
『朧っ! 口を慎みなさいっ! 聞きたくない事実を伝える必要は有りませんっ!』 |
朧 |
『はっ…!』 |
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令子 |
「ぜぇ〜、ぜぇ〜、ぜぇ〜 (私は横島より評価が下なわけっ!?)」 |
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横島 |
「結局、俺はどうすればいいわけ…?」 |
朧 |
『これから城内を巡回しますので、各部署で警戒にあたっている月警官たちに |
|
声をかけて、励ましてあげてください。』 |
横島 |
「それだけでいいの? 楽でいいなっ!」 |
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城内を巡回しに行く横島たち… まずは、病院から… |
横島 |
「えっ? こんなに大勢の人がっ!?」 |
神無 |
『相手が小さいだけに、噛まれずに退治するのが難しいのだ…』 |
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|
腕が石化している月警官に、話しかける横島 |
横島 |
「ねえ、仮面とってよ。 あっ! かわいいっ! |
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かわいそうに… こんなになっちゃて… どんな感じかな…?」 |
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石化した腕に触ってみる横島 ついでに胸もっ… むにゅっ! |
月警官 |
『きゃぁっ!?』 |
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神無 |
『横島どのっ! 部下にセクハラせんでくれっ!』 |
横島 |
「い、いや、胸も石化してたら可哀想だな〜って思って…」 |
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|
令子 |
「あれが、あんたたちのヒーローの実態よ…っ?」 |
朧 |
「…………」 |
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令子に殴られ、大人しく巡回することにした横島… |
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突然、警報が鳴り出す! ヴーー! ヴーー! |
場内放送 |
『A−4地区にてビッグイーター多数確認っ! 至急応援をっ!』 |
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神無 |
『なにっ! わかった、すぐ行くっ!』 |
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神無に続いてA−4地区に向かう横島たち |
|
たどりついてみると、すでに生きているビッグイーターは逃げ去ったあとで、 |
|
退治したビッグイーターの死骸が数匹と、噛まれて傷ついた月警官が数人いるのみ… |
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神無 |
『くっ! 逃げられたかっ! いったい何匹ぐらいいたのだっ!?』 |
月警官 |
『おそらく、40匹以上です…』 |
神無 |
『なんだと? まだ、そんなに生き残っていたのかっ!』 |
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|
令子 |
「なるほど… どうやら、そう簡単にかたのつく話じゃなさそうね…」 |
朧 |
『えっ? どういうことですかっ?』 |
令子 |
「この死骸を見て気付かない? 最初に見せてもらったやつより一回り小さいわっ! |
|
おそらく、ここに現れたのは生まれたてのビッグイーターよっ!」 |
|
|
朧 |
『生まれたてですってっ!?』 |
令子 |
「たぶんねっ。 メドーサを退治してからずいぶんたつのに、今ごろなんでこれだけ |
|
大量発生してると思う? 当時逃げたビッグイーターが、いろんなところに卵を |
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産み付けて、それがちょうど孵化する時期にあたってるんだわっ!」 |
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朧 |
『そうだとすると、まだどこかに卵があるかもしれないのですかっ?』 |
令子 |
「かもね。 それはわかんないけど、とにかく場当たり的に退治してもきりがないわ。 |
|
今回発生したビッグイーターが、また生き残って卵を産んだら、城中 |
|
ビッグイーターだらけになっちゃうわよっ!」 |
|
|
朧 |
『そんなっ! では、どうすればっ!?』 |
令子 |
「私にいい考えがあるわっ! 横島クン、持ってきた装備のところに戻るわよっ!」 |
横島 |
「え〜? 巡回だけじゃ、ダメなんスかぁ〜?」 |
令子 |
「あんた、ヒーローならヒーローらしい働きしなさいよっ!」 |
|
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|
月着陸船から、装備を取り出す令子たち |
令子 |
「たしか、持ってきたはず… ん、あったわ。 これを使うわよっ!」 |
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令子が指差したのは、ダンボール箱に入った御札の束 |
横島 |
「これで結界を張るわけですね?」 |
令子 |
「そうよっ! そうすれば、隠れているビッグイーターも退治できるし、なにより |
|
どこにあるのかわからない卵だって、退治できるわよっ!」 |
|
|
横島 |
「でも、どこに貼りますか? この広いお城の中…」 |
令子 |
「城中に決まってるじゃないの。 どこにいるのかわかんないんだから。」 |
横島 |
「ひえ〜〜」 |
|
|
令子 |
「ま、相手は小物で1枚で効く範囲も広いから、なんとかなるわよ。 |
|
じゃあ、横島クンは城の最下部から頼むわよ。 |
|
私は最上部から、貼っていくからっ!」 |
横島 |
「それって、美神さんの方が楽ですよね……」 |
|
|
朧 |
『それでは私たちも二手に別れてお二人をご案内いたしますわっ! |
|
神無は、美神どのを案内してくれる? 私は、横島どのを案内しますから。』 |
令子 |
「ダメっ!」 |
朧 |
『えっ?』 |
令子 |
「横島クンの道案内をするのは神無よっ! あんたと横島クンを二人にすると、 |
|
雑談ばかりして、仕事になりそうもないからねっ!」 |
朧 |
『うっ…! (くそ〜、読まれている…)』 |
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|
|
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|
二手に分れて、御札を貼りつけて行くことにした両チーム |
|
令子チームでは… |
令子 |
「それじゃあ始めるわよっ!」 |
朧 |
『お願いしますっ!』 |
|
呪文を唱えて御札を貼りつける令子 |
令子 |
「よしっ! 次のところに行くわよっ! 急がないと被害者が増える一方だからねっ!」 |
朧 |
『そうですねっ! では、こちらへどうぞっ!』 |
|
|
令子 |
(素早く動いて、すごいところを見せつければ、私の評価も高くなるはずよっ!) |
朧 |
(早く終わらせて、横島さんとおしゃべりしたいわっ!) |
|
それぞれの思惑はともかく、手際良く処理して行く二人… |
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|
|
一方、横島チームでは… |
横島 |
「これでよしっと。 じゃあ、次のところに行こう。 あれ? 神無さん?」 |
神無 |
『え? あ、はい。 こちらへ…』 |
|
気落ち気味で寡黙になってしまっている神無… |
|
|
横島 |
「ねっ!ねっ!? 神無さんっ! もっと元気だしてさっ!? |
|
これが終わったら、二人でお茶にしようよっ! |
|
悩みがあるなら、僕が相談にのるからさぁっ!?」 |
神無 |
『ん…、ありがとう、横島どの… でも、大丈夫だ…』 |
横島 |
「そ、そう?」 |
|
|
|
シャーーッ! 突然二人に襲いかかる数十匹のビッグイーター! |
神無 |
『なにっ!?』 |
横島 |
「御札の結界に追い出されるかたちで、ここに出てきたんだっ! |
|
気をつけろっ! こいつら、気がたっているはずだっ!」 |
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|
|
テニスのラケットのような武器で応戦する二人 パコーン! パシッ! |
|
カプッ! |
神無 |
『うっ!』 |
|
噛まれてしまった神無 横島は気付いていない… |
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|
横島 |
「相手が多すぎて、対応しきれないっ! ここは文珠でっ!」 |
|
キーン (浄) バシュッ!! |
|
襲ってきたビッグイーターは全滅… |
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|
|
横島 |
「よしっ、うまくいった。 急ごう、神無さんっ!」 |
神無 |
『あ、ああ…』 |
|
次の場所へ、急ぎ足で向かう横島 |
|
噛まれた場所が石化して、横島に追いつけない神無… |
|
|
横島 |
「ここらへんでいいかな? えっ? 神無さんっ!?」 |
|
少し遅れて横島のところにたどり着いた神無… |
神無 |
『だ、大丈夫だっ! 作業を進めてくれっ!』 |
横島 |
「大丈夫って… さっきの襲撃で、どこか噛まれたのかっ!? |
|
俺の文珠で治してあげるからっ!」 |
|
|
神無 |
『たいしたことはないっ! 早く、作業をっ!』 |
横島 |
「やっぱり、噛まれてたんだなっ!? 神無さんっ、無理しないでくれよっ! |
|
俺の大切な相棒が怪我してるのに、ほっとけないよっ!」 |
神無 |
『うっ…』 |
|
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|
横島の言葉に押されて、おとなしくうなずく神無… |
横島 |
「どこを噛まれたの? 走れないところを見ると足だと思うけど…」 |
|
恥ずかしそうに横島に背を向け、噛まれたところを指差す神無… |
横島 |
「えっ? あっ? オシリ…?(汗)」 |
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|
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キーン (治) バシュッ!! 神無のオシリに文珠を投げつける横島 |
|
ついでに、触ったりして… むにゅっ! |
神無 |
『きゃっ!』 |
横島 |
「あ、ご、ごめんなさいっ! お、俺の文珠が効果あったのか確かめたくって、つい… |
|
えっ…?」 |
|
|
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いらぬ言い訳をしていた横島が見たものは、神無の目にたまった涙… |
神無 |
『横島どのっ!』 |
|
両手で横島の胸をつかみ額を押し付ける神無… その肩は小刻みに震えている… |
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神無 |
『前回あれほど反省したというのに、今回も何も出来なかった… |
|
結局、私は横島どのの足手まといでしかなかった… |
|
プライドばかりが高くて、それが邪魔をして… |
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そんな私には…、月警官の長を勤める資格がないっ!』 |
|
|
横島 |
「そ、そんなことないよっ! 神無さん…」 |
|
やさしく話しかける横島… |
横島 |
「だってさ、月警官の長って、みんなから信頼されてるから成れたんだろっ? |
|
迦具夜姫さまだって、神無さんを信頼してるから任せてるんだろっ? |
|
それに、俺が月に来たのも、神無さんを信頼してるからだし。 |
|
1度や2度、思い通りにいかなくたって、めげないでっ。 |
|
俺なんか、思い通りにいくことのほうが少ないぐらいだし。」 |
|
|
神無 |
『ありが…とう…、横島…どの… でも… いまは… 泣か…せ…て…』 |
|
横島の胸で、声もたてずに涙を流し続ける神無 |
|
神無の背中に手をまわし、軽く抱き寄せる横島 |
|
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|
そんな状態のまま、どのぐらいの時間が過ぎたのであろうか…? |
|
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令子 |
「そろそろ、いいかな〜? お二人さんっ! (ピキピキ)」 |
朧 |
『たまには誰かに甘えたいわよね〜? 神無っ! (ピキピキ)』 |
|
びくぅ〜〜っ!! あわてて離れる二人っ! |
|
|
横島 |
「あ、あの… なぜ、ここに…?」 |
令子 |
「手元にあった御札を使いきっちゃってね〜 |
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あんたに渡した分を、少し分けてもらいに来たんだけどね〜〜 |
|
もっと、上の階まで来てると思ってたんだけど、なかなかいなくてね〜 |
|
そおか〜、こういうことだったのね〜〜〜?」 |
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横島 |
「あわわわ…… ぶっ!?」 |
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令子に殴られ横島ダウン… |
神無 |
『横島どのっ!?』 |
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令子 |
「朧っ! 神無の処置は、あんたに任せるわっ! |
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横島っ! まだ、私たちは仕事の途中よっ! のんびりしてる暇は無いわっ! |
|
残りの御札、全部貼りつけに行くわよっ!」 |
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横島を引きつれて、御札を貼り付けに戻って行く令子 |
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あとに残された朧と神無… |
神無 |
『朧…、私は……』 |
朧 |
『ん? 何も言わなくてもいいわよ、神無。 |
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あなたのことは、私が一番よく知ってるんだから。 |
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ま、さっきはさすがに、ちょっと妬けちゃったけどねっ! (クスっ)』 |
神無 |
『…すまん』 |
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朧 |
『もう大丈夫? 大丈夫なら、二人のあとを追いかけるわよ?』 |
神無 |
『ああ。 任せっきりでは申し訳無いからなっ!』 |
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令子たちのあとを追いかけて行く二人… |
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無事(?)眷属退治を終えて、迦具夜姫のところに戻ってきた4人… |
迦具夜姫 |
『ありがとうございます。 来ていただいて、ほんとうに助かりました。』 |
令子 |
「いえいえ、私も十分な報酬をいただいてますし… |
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そうですね…、あとは私の偉大さを、月警官に語りついでいただければいいですわっ!」 |
迦具夜姫 |
『おほほほっ! わかりましたわっ!』 |
横島 |
「ずいぶん、ずうずうしい要求っスね…」 |
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迦具夜姫 |
『ところで、地球にはいつお戻りになられるのですか? |
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できれば、いろいろおもてなしをさせていただきたいのですが…』 |
令子 |
「それは、ありがたいですわっ! |
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シャトルに戻るまで、まだ丸1日余裕がありますから。」 |
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もてなしの準備をする月神族たち |
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そんな中、横島のところに寄ってくる朧と神無… |
朧 |
『横島さん、私に地球のお話聞かせてほしいんですけどっ!』 |
神無 |
『横島どの……』 |
横島 |
「ちょ、ちょっと待ってね? 美神さんに確認しないと、俺、殺されちゃうから…」 |
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横島たちの様子を見ていた令子が声をかける |
令子 |
「横島クン、いいわよ? みなさんとお話ししてきても。 |
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あんたは、ここではヒーローなんだから。 |
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でも、地球の恥になるようなことだけは、してほしくないの。 |
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だから、こっちに来て、手を出してくれる?」 |
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横島 |
「えっ? なんですか?」 |
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令子に言われるままに、手を出す横島 |
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カプ、カプッ! |
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令子 |
「これで、悪さは出来ないわねっ!」 |
横島 |
「ひ、ひえ〜〜〜〜?」 |
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令子の持ってきた血清用のビッグイーターに噛まれて、両手が石化してしまった横島… |
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神無 |
『横島どの、私が薬を塗りますっ!』 |
朧 |
『神無っ! 今度は私に譲りなさいよっ! 私ならヒーリングが出来るんだからっ!』 |
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令子 |
「さてと、前回は気を失ってたから何も持って帰れなかったけど、 |
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今回はいろいろ持って帰るわよ〜〜〜っ! まずは、月の石を1トンねっ!」 |
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END |
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