『 リベンジ! byエミ 』

著者:まきしゃ


    某日街中での出来事…
少年A 「わっ、ゾンビだっ!」
少年B 「えっ?どこどこ?」
エミ (ゾンビッ!? そんな波動は感じられないわ。子供の勘違いなワケ?)
   
少年A 「ほらっ、それ! この本の写真にそっくりっ!」
少年B 「わっ! ほんとだっ!」
エミ (本の写真に載ってるゾンビ? どういうこと?)
  少年たちの方に振り向くエミ
   
少年A 「わっ!ゾンビがこっち向いたぞっ!」
少年B 「お、おい、逃げようぜ…?」
エミ 「んっ? ゾンビって私のことなワケ? おたくら、その本、見せなさいっ!(怒)
   
  エミに殴られ、本を取り上げられた少年たち…
エミ 「いったい何が載ってるワケ?」
   
問題の本 『デジャヴーランド非公式ガイドブック』
  マジカル・ミステリーツアー(GS美神令子監修)の紹介ページに
  エミの骸骨な写真と、その説明文「客に襲いかかるゾンビ!」
   
エミ 「なにこれっ!令子が私を勝手にゾンビに仕立て上げたっていうワケ?
  令子ぉぉぉ〜〜〜!! この仕返しは、必ずするからねっ!!」 ズゴゴゴォ〜〜〜
  エミに本まで破られて、泣き叫ぶ少年たち…
   
  小笠原エミGSオフィスで電話をかけているエミ
エミ 「どお?おたくも不況なんでしょ?この企画、ウケると思うワケ。
  早く決めないと、よそに話をもってくわよ?
  そう、OKね? それじゃあ、詳細はまた後日…」
   
エミ 「ほっほっほっほ。 令子ぉ〜、おたくのヒステリックなわめき声、
  ゆっくり聞かせてもらうわよっ!覚悟しなさいっ!」
   
   
  1ヶ月後の美神事務所
キヌ 「あら? 美神さん、エミさんからお手紙が届いてますけど…」
令子 「エミから? そんな物送ってくる話なんて、聞いてないわ。
  なんか呪いがかかってるかもしれないから、横島クン、あんたが開封しなさい。」
   
横島 「汚れ役は俺ッスかぁ? ま、そこまで気にする必要、無いと思うんですけど…
  あれ? これって、おキヌちゃん宛てになってるよ?
  それなら呪いなんて関係無いな。 私信だから部屋で読んでくれば?」
   
キヌ 「い、いえ、ここで開けますっ!」
横島 「え? ここだと美神さんが…」
キヌ 「横島さんっ!!」
横島 「うっ!」
  「どんな内容か教えなさい!」といわんばかりに無言の圧力をかける令子…
横島 「そ、そうだな。もしよかったら、俺にも内容聞かせてもらえる?」
キヌ 「そ、そうですね。」
   
キヌ 「あら、なにかのチケットも入ってる…。 じゃあ、読みますね。
エミの手紙 おキヌちゃんへ
  今度、私の企画した《世界の呪い展》が、越後屋デパートで開催されるワケ。
  おたくもGS目指してるんなら、呪いの勉強になるから見といた方がいいわよ。
  一応、招待券、アホの横島と2匹のぶんも含めて4枚入れといたから。
  じゃあね  エミより
  ps.令子…       うっ!横島さんっ!」
  あわてて横島に手紙を手渡すキヌ
   
横島 「えっ? 俺が続きを読むの?
  ps.令子へ  あんたにあげる券なんか無いワケ〜! ぺぺぺのぺ〜〜 ぶっ!?」
   
令子 「ふん、エミのやつ、そういうことね?」
キヌ 「ああぁ、横島さん…」
横島 横島血まみれでダウン… 「この手紙、やっぱり呪われてる…」
   
キヌ 「エミさんも、5枚いれといてくれればいいのに…」
令子 「あんたら招待したのは、客が来なくてガラガラじゃみっともないからよ。
  でも、ほら、これってデパートの特設会場でしょ?
  私の場合は、デジャヴーランドの常設展よっ!?
  私を招待しないのは、ちゃちな展示を見られてバカにされるのが嫌だからよ。
  ほ〜ほっほ。 卑屈ね〜、二流の人間って!」
横島 「単に、美神さんが嫌いなだけだろ?」(ぼそっ)
   
キヌ 「あの〜、美神さん、見に行ってもいいんでしょうか?」
令子 「そうね、タダ券あるんだから行かなきゃ損だしね。
  私も、エミをからかうネタ探しに、見に行くわっ!」
   
  その頃の小笠原エミGSオフィス
エミ 「ふふん、餌は撒いたわ。あとは、おバカさんが食いつくだけね。
  あのクソ女、普通に招待したら、警戒して行かないからね〜。
  さっ、タイガー、準備しといてよっ!」
   
   
  数日後、越後屋デパート《世界の呪い展》会場にて…
令子 「さっ、入るわよっ!」
横島 「結局、自腹は俺ッスか…」
シロ 「先生、一緒にまわろっ!」
タマモ 「結構、人が多いわね。」
キヌ 「呪いや占いって人気が有るのよ。」
   
越後屋店員 「エミさん、商品MRただいま入荷しました。」
エミ 「了解。連絡、ありがとう!」
   
  小笠原エミGSオフィス
エミ 「タイガー、これから楽しいショーが始まるわよっ!
  モニターに電源入れて、ワインとオツマミ用意してっ!」
タイガー 「こんなことして、ええんカイノ〜」
   
エミ 「あら、全然問題無いワケね。展示品の中には、私の個人所有物が沢山あるわ。
  防犯のためにマイク付カメラで監視するのは、当然のことよ。
  それが、たまたま令子が来てるときってだけなワケ!」
   
  越後屋デパート《世界の呪い展》会場内
令子 「なにこれ、ちゃちな道具を並べてるだけじゃない。
  こんなんで、お客が喜ぶと思ってるのかしら。甘いわね、エミ!」
キヌ 「私は、結構面白いんですけど…」
   
   
シロ 「先生〜、この鬼たち、臨海実習で見たでござるよ?」
横島 「あっ、これ冥子ちゃんの式神と、冥子ちゃんのご先祖さん…の人形か。
  でも、呪いと関係ないんじゃねぇのかな〜?」
   
見出し 『日本の呪われた家系』
横島 「……、まぁ半分あたってるかも。」
   
シロ 「先生、説明文、読んで欲しいでござるっ。漢字が多くてわかんないでござるっ。」
横島 「うん、ええっと、
説明文 先祖代々、12匹の鬼を式神として操っている。
  鬼をペットと勘違いしてるため、他人に迷惑かけてることに気付いてないワケ。
  普通の人が迂闊に近づくと、命を落としかねない呪われた家系。
  ……、エミさん言いたい放題だな〜。」
   
   
タマモ 「おキヌちゃん、あれ面白そう!」
キヌ 「え? 呪いの疑似体験コーナー?」
説明文 このわら人形に髪の毛を巻きつければ、呪いがかかるワケ。
  半径5m以内、5分間だけ有効。
   
令子 「一般人には面白いかもね。私に言わせれば、子供だましだけど… えっ?」
  令子の意思とは無関係に上下に動き出す令子の左手
   
キヌ 「えっ?あっ? タマモちゃん? 美神さんの髪の毛を巻いたの?」
タマモ 「ううん、私、まだ誰の髪の毛も巻いてないわ。」
  と言いながら、わら人形を動かすタマモ
   
令子 「くっ、エミのしわざねっ!? はじめっから私の髪の毛仕込んでたのね?
  あのやろ〜、今度会ったら、ただじゃ済まさないんだからっ!!」
  とわめきながら、タマモの操るとおりに踊らされる令子
   
  小笠原エミGSオフィス:モニターを見ながら…
エミ 「ほ〜ほっほほ。これよっ!これが見たかったのよっ!」
   
令子 「タマモッ!いい加減にしないと、あぶらあげ抜きよっ!」
タマモ 「は〜い」
横島 シュタッ! 「こんな楽しいこと、終わりにするにはまだ早いっスよっ!」
令子 「うっ、横島っ!」
キヌ 「横島さん、いつのまに……」
   
  小笠原エミGSオフィス:モニターを見ながら…
エミ 「そうそう、まだ終わりにするには早いワケっ!
  横島っ!おたく、日ごろ受けてる仕打ちの仕返しをするのよっ!」
タイガー 「ひ、ひどい… (でも面白い…)
   
   
横島 「横島クン、いつも酷い扱いしてごめんなさい。はい、ごめんなさいですよ〜」
  わら人形におじぎをさせる横島
令子 「横島ぁ〜〜〜、てめ〜〜〜!!」
  それでも意に反しておじぎをしてしまう令子
   
横島 「ああぁぁ…、快感…!」
キヌ 「横島さん、あんまりやると、後のことが……」
横島 「いいんだ、おキヌちゃん。後のことより、目の前の欲求の方が…
  欲求! そうだっ!
  横島クン、好きよ。そうかい?僕もさ、僕の胸に飛びこんでおいでっ!」
  わら人形を勢いよく自分の胸におしつける横島
   
キヌ 「あぁぁ…」
令子 「シロッ!横島の身体を右にずらしてっ!今すぐっ!」
シロ 「こ、こうでござるか?」
横島 「えっ?」
  横島の胸に勢いよく飛び込みかけた令子、だが横島の位置をずらしたせいで
  令子の右手が横島の顔面をハードヒット!
  横島あえなくダウン…
   
令子 「エミのやつ、許さないんだからっ!」
  わら人形に髪の毛を入れられ、逆さ磔の刑にされた横島…
シロ 「せ、先生…」
   
  小笠原エミGSオフィス:モニターを見ながら…
エミ 「ふふん、そこそこ楽しめたわね。でも、まだまだこれからよっ!」
   
  次のコーナー
タマモ 「あれ? 美神さんの写真があるわ。」
キヌ 「あぁぁ、エミさん、やりすぎ……」
令子 「なに? エミがまたなんかやったわけ?」
   
  いやらしく笑みをたたえる令子の特大写真(目線入り)と、
  説明文「呪われたクソ女」
   
キヌ 「これって…Gの恐怖(27巻リポート1-2参照)
見出し 『古代の呪い:悪魔グラヴィトン』
説明文 クソ女は、古代悪魔の像を罵ったために、デブになる呪いを受けた
写真1 呪いを受けたクソ女が呪術マスターエミに相談しに来て、部屋に穴を開けた
写真2 デブり過ぎて高速道路に穴を開けてしまったクソ女
写真3 自衛隊ヘリで移動中、重すぎてたんぼに落ちたときに出来た穴
   
令子 「お、おキヌちゃん…? (ぷるぷるぷる)
キヌ 「は、はい?」
令子 「いくわよ…? (ぷるぷるぷる)
キヌ 「ど、どこへですか?」
令子 「決まってるわ! エミを殺しによっ!!!
キヌ 「だ、だめです美神さん! 横島さん、みんなっ、美神さんを止めて〜〜!」
   
   
  小笠原エミGSオフィス:モニターを見ながら…
エミ 「あらあら、思ったより早くキレたわね〜。まだ続きがあったのに…」
タイガー 「エミさん、美神さんがくるとまずいんじゃないんですカイノー?」
エミ 「心配いらないワケ。令子用の結界、用意してるから。」
   
   
  猛スピードで車を飛ばす令子
キヌ 「美神さん、帰りましょう、ね、事務所に帰りましょう!」
令子 「殺スッ! エミをコロスッ!」
横島 「おキヌちゃん、もうダメッ! こうなったら、誰にも止められない!」
キヌ 「そんなぁぁ〜〜〜〜!」
   
  小笠原エミGSオフィス
エミ 「そろそろね。」
タイガー 「エミさん、来ました!」
   
  ブロロロロロロ  キキィーー バンッ!
令子 「エミぃーーーー!! 覚悟はいいわねっ!!」
エミ 「あら、いらっしゃい。なんか用?」
令子 「問答無用! うっ!?」
  令子用結界に足を踏み入れ動けなくなる令子
   
エミ 「あらあら、おたくらしくもないわね。結界に気付かないなんてっ!
   ほ〜っほっほっほ!」
令子 「き、貴様、はかったな〜〜〜!?」
エミ 「なんのことかしら〜?」
令子 「ゆ、ゆるさん〜〜〜!!」
  全霊力を込めて結界から抜け出そうとする令子 バチバチバチッ!!
   
エミ 「さすがに、結界から出られたらまずいわね。とどめを刺すか。」
   
  エミの合図でやってきた小学生たち
ガキ1 「あ〜、このおね〜ちゃん、知ってる! クソ女だぁ〜!!」
ガキ2 「あっ、それって、あの呪われたクソ女?」
ガキ3 「そうそう、デブですっげ〜重いんだよね?」
   
令子 「な、なんなの? このガキどもは…(ぷるぷるぷる)
   
ガキ4 「わ〜、クソ女に近寄るな〜。デブがうつるぞ〜!」
ガキ5 「きゃ〜やだ〜、デブになりたくない〜!」
ガキ6 「あっち行け〜、クソ女〜!」
   
令子 「あっあっあぁ? ガキのくせに私をバカにしてるっ?! 
  この美神令子をっ?! ガキはイヤ〜〜〜!! キィィィィ〜〜!!」
   ふっ… パタン   ヒステリーを起こして失神する令子
キヌ 「あぁ、美神さんっ!」
   
エミ 「やったわっ! 令子に勝ったのよっ! おもいしったか、令子!
  完勝よ、完勝っ! ほ〜っほっほっほっほ!」
横島 「あんたなぁ〜〜」
   
タイガー 「横島サン、これからどうなるんですカイノ〜?」
横島 「どうなるかって… どっちかが死ぬまで、こんなんが続くんだろうな…」
   
END  

※この作品は、まきしゃさんによる C-WWW への投稿作品です。
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