ホカホカと立ち上る湯気。

 それは鼻腔に達し食欲を増進させ、見る者の期待感を煽る。

 ボロアパートの一室。

 四畳半一間のちゃぶ台の上。

 茶碗に盛られた、白飯。

「おおおおお! 白いご飯じゃ、お米じゃ、銀しゃりじゃ!」

 それを見て感動するのは、ドクターカオスその人であった。

「うう。Gメンの報酬のおかげでご飯が食える。米などどれくらいぶりじゃろうか」

「247日ぶりです、ドクター・カオス」

「マリアの修理代も別途で支払ってもらったし、やはりGメン。美神の小娘とは違うわい」

 感激のあまりむせび泣くカオス。

「マリア、お代わりはちゃんとあるな?」

「イエス。ドクター・カオス」

「しからば!」

 両手を胸の前で合わせ、目を閉じるカオス。

「いただきます!!」

 すばらしい速度で、箸と口を動かす。

「ふまい! ふまひぞおおおおおおおおおおおお!!!」

 口から怪光線を発射しながら、泣き叫ぶ老人の姿がそこにはあった。


※この作品は、桜華さんによる C-WWW への投稿作品です。
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