投稿者 |
鱸UKT |
タイトル |
おキヌちゃんの子守歌 |
元ネタ |
おキヌちゃんが歌っている子守歌について、出典と思われる童歌を挙げてみます。(CnaBBS投稿記事からの転載) この子のかわいさ、限りない[し] 山では木の数、萱の数 天へのぼって、星の数 沼津にくだれば、千本松 千本松原、小松原 松葉の数より、なおかわい[小砂の数より、まだ可愛い] ねんねやねんねや、おねんねや (静岡県沼津市) ころりやころりや、ちんころり ころりと鳴くのは庭の虫 虫のお宿は、おみなえし 尾花、かるかや、萩、桔梗 七草千草の数よりも 数ある虫の数よりも だいじなこの子がねんねする だいじなこの子がねんねする (香川) 以下、説明文より抜粋 あふれるばかりの母親の愛情が、身近な自然を引き合いに出しながら、美しく描かれ、しつこい甘さではなく、可憐なすがすがしさをただよわせている。 ほとんど全国的に流布する系統で、各地、「浜の真砂」「山の木」「松葉」「星」「けし」「草」「稲株」「呉服の糸」「波」など異なるが、いずれも到底数え切れない、量的に無限の物を持ち出して、心情の深さを表現しようとする発想の型への注目は、日本歌謡史の上でも重要。 また、これは古く「恋の歌」の手法でもあり、万葉集にまで遡ることが出来る。以下はその例 わたしゃあなたに山々ほれた 其の数は山で木の数かやの数(広島・田植え歌) 相模路の 淘綾(よろき)の「浜の 真砂」なす 児らは愛しく 思はるるかも(『万葉集』巻14・東歌の一つ) 参考文献 『子守と子守歌 −その民俗・音楽−』(静岡県沼津市版はこれから) 右田 伊佐雄(みぎた いさお)著/東方出版 『わらべうた』(「説明文」はこれから) 吾郷 寅之進(あごう とらのしん)・真鍋 昌弘(まなべ まさひろ)共著/桜楓社 『日本伝承童謡集成 第一巻−子守唄篇−』(香川版はこれから) 北原 白秋(きたはら はくしゅう)編纂 藪田 義雄(やぶた よしお)編纂校訂責任/三省堂 *初版は昭和22年、改訂新版初版は昭和49年 |