鏡返しを物理的に考察する


Name=kata Address=
Q(質問)
対テレサ戦で、美神が使った「鏡返し」という技、反射率100%の鏡があれば可能だと言う人がいます。
えー、物理に詳しい方、というか反射率という言葉の定義を御存知の方にお聞きしたいんですが、もし反射率100%の鏡が作れたとしたら、「鏡返し」は実現できるんでしょうか?



Name=井汲 景太 Address=ss79303@hongo.ecc.u-tokyo.ac.jp
A(答)
うーん、その人が何を言いたいのか、いまいちよくわかりませんね。別に反射率が100%でなければならない理由は思い当たりません。
「鏡返し」をするだけなら、要はテレサのビームの大半を反射できさえすればそれでいい訳で、十分反射率がよければその値が80%だろうが90%だろうが構わないと思います。

「反射率」という言葉の厳密な定義にも別にこだわる必要はなくて、今の文脈なら「反射のしやすさ」とか「反射効率」といった理解で十分話が通じますよね。
反射率というのは、光の波長と鏡の素材で決まります。普通の鏡は、可視光帯域の波長の光の反射率が十分良いように作ってあります。一方、X線やγ線はかなりスケスケでしょうし、可視光であってもその強度がけた外れだったら融けちゃって反射率は悪くなるかもしれません。
テレサのビームの波長や強度はよくわかりませんが、そんなに極端でもないようなので、普通の鏡で十分鏡返しできるんじゃないでしょうか―――ビームが美神の構えた鏡の所にちょうど運よく命中してくれれば、という条件が付きますが(笑)。

そもそも、反射率が真に100%であるような鏡は現実には作れません。光の反射というのは、原子レベルで見ると、光子と金属中の電子との複雑なプロセスなので、どうしても入射光の持っていたエネルギーのうちの一部は熱として失われます。ですから、「100%か否か」というような議論をしても意味がないですね。
こんなんでいいでしょーか。


それよりも、私としては、この回で科学的考察にこだわるなら、「あんてなが壊れたから、もう爆破はできませんよ!」の方だと思います(笑)。
アンテナが折れる際、応力と衝撃で内部に瞬間的な電圧が生じるはずですが、その結果発生するであろうパルス状の電波が起爆装置を誤動作させる危険性が怖いです。

相当いろんな偶然が重ならないとそんなに強力な電波は出ないと思うので、まず大丈夫だとは思いますが、それにしてもおキヌちゃんはひとつ間違えると横島たちをあの世送りしかねないことをしてた訳で(笑)。あっ、「幽霊になるなら別にいいけどっ!」だったのかもしれない(笑)。
まあ、起爆装置が、単なるパルスでは動作せず、きちんと意味のある信号でないと反応しないようにプログラムされていればどちらにしろ大丈夫だった訳ですが。