No.1 | 2000/04/04 02:14 | 中村 守博(task17@mb.neweb.ne.jp) |
No.2 | 2000/04/05 01:59 | 笹蒲鉾(cby82650@pop01.odn.ne.jp) |
〉
〉 「今のうちにブッ殺すか!?」
〉
〉 いや、殿!利用しましょうよ。(進言)
でも貴方は天下取りの踏み台にされるのよ(結局)
という訳でご無沙汰しております。ちょっと興味をそそられたのでレスを。
何か作品感想とは程遠くなってるけど(汗)。
〉 私感では・・・「つーか、こんな信長!オレが惚れた信長様じゃねー。」
実際信長ファンはあまり聞かれないのでその心中は察しかねますが(笑)。
まあ彼の魅力は常軌を逸した振る舞いと彼個人の威圧によって築かれた
君臣関係にあると思います。作中のように不良仲間を引き連れて遊ぶ姿
もそうですし、浅井長政の頭を杯にして祝杯をあげる行為もそうです。
〉 ただ、空回りしてるだけですね。
そこで日吉に良い所を持ってかれてしまってあまりにも不甲斐無い彼ですが、
これは最初の彼が思い描いていただろう作戦が日吉の予期せぬ行動で
路線変更せざる終えなかったからでしょうなあ。今川義元を討ち取った
時は奇襲戦術を用いましたがこれは例外で、基本的に信長は常に自分が優勢
の時に攻勢に出ていており、姉川でも設楽ヶ原でもその方針が表れています。
もし作戦が失敗に帰したときは素早く矛を収めており、まさしく三十六計逃げるに如かず。
小手先の戦術は秀吉や松永弾正ら家臣に任せとけば良いのです。
〉 「短気で執念深い」ってどっかで聞いたような性格が証明されちゃいました。
執念深いのは構わないけど、短気がいただけないですね。そんな癇癪起こしが
天下に届くはずは無い、まあこれからの人生の中で理性を養っていくのでしょうね。
〉 荒廃の極みであった、皇室に千貫文の寄付を行ったり、寺社宮城関係の修復工事を大規模に
〉 率先してやってるんですよ、特に千貫文の寄付を行った後、各地の諸大名が続けて寄付を
〉 行っています。
そうや、貧乏なのは朝廷・幕府。でもいくら貢献しても朝廷ではネギかも扱いされてたんだろうなあ。
〉 つまり、信長が「オレ様の身分は!」と、繰り出してきたのは
〉 それなりに当時の彼の立場からではある程度説得力があったのです。
いくら家名の力を借りても、将来家督を継ぐ可能性が磐石で無いなら説得力はどうか。
最も敵方も事情を知っていた上で腹を決めていたから、信長の悪あがきが浮き立つだけですが。
〉 「忍術の極意です。」 と、空恐ろしい顔している様な一益は、日吉に何を見たのか
彼は運が無いのでどうでもいいよ(笑)。
〉 ただ感じたのは、日吉には
〉 私心若しくは・・・自己主張?が極めて希薄であることです。
どうも平和論者の理想主義家の気があるようですね、日吉は。
〉 しかし、当の日吉はそれ自体自覚していないのは明らかであり
〉 なるほど現在のジパングは、後に発動するであろう伏線を構築しているのだろう
〉 と思います、スゴイのな椎名先生。
彼はザ・ベスト・オブ下克上なのでこれからおお化けする可能性大ですな。
〉 しかし、今回は「みんなで幸せになろう戦略」が生きているので
〉 ヒナタの首級の代わりに、髪の毛を持っていったとしても決して
〉 不自然では無いと思います。
それであの晴信が納得するかどうかは判然としませんが、ただ五右衛門はこの後
確実に逃亡したでしょうから主要登場人物に損害は無いようですね。しかし哀しいかな
戦乱の世は誰かがいつかは脱落するもの、果たしてみんな幸せになれるのか・・・。
〉 出典は「孫子兵法」なのですが、今回の日吉が考えた?
〉 「敵味方両方勝利戦術」は、孫子兵法「戦わずして人の兵を屈するものが善の善なるものなり」
〉 の応用編と感じました。
孫子は信玄のバイブル、それを用いて武田に一泡吹かすとはさすがは後の天下人といった
所でしょうか。でもこれって秀吉の(城攻め)基本戦術なんですよね。その好例が小田原攻め
ですか。こういう根本的な部分を正確に押さえている辺り椎名先生はそれほど歴史を
荒らしてはいないなあと思いました。もう一つ孫子には用間編がありますが今回のように
武田の忍者組織の乱れを察するに、未だ兵法の定石としてのスパイを巧妙に使いこなせて
いないようで(スパイは信頼が命)、晴信もまだまだ未熟だと感じますね(村上義清)。
〉 それと、一応身の安全が保障された、ヒナタがどう身を振るのかも興味があります。
とりあえずは主役を確定してもらいたいですね。まあ日吉が有力でしょうが。
「今のうちにブッ殺すか!?」
いや、殿!利用しましょうよ。(進言)
と、「眠る忍者」編で、物騒な物言いをしている信長さんですが
「稲葉山城殴り込み事件」時と同じくまたもや「日吉」に、
間接的とはいえ命を助けられてしまいました。
私感では・・・「つーか、こんな信長!オレが惚れた信長様じゃねー。」
・・・とは言え、信長は要所要所は確実に手を打っています。
ただ、空回りしてるだけですね。
石川五右衛門への買収作戦も、金銭で初めて、情で攻め、最後は
彼らしくもない、自家「織田家」を出して「権威」で攻める。
そしてそれらをアッサリ五右衛門にかわされると、犬千代のコメント通り
「そのまんまじゃないですか、殿!」
と、「短気で執念深い」ってどっかで聞いたような性格が証明されちゃいました。
ただ、五右衛門が言った「織田家は貧乏大名・・・」ってのは、何かの間違いです。(史実では)
信長の父であることの信秀さんは、大変なお金持ちだったらしいです。
荒廃の極みであった、皇室に千貫文の寄付を行ったり、寺社宮城関係の修復工事を大規模に
率先してやってるんですよ、特に千貫文の寄付を行った後、各地の諸大名が続けて寄付を
行っています。
まあ、信秀の影響力はその当時は相当なものだったそうで、ただ単に「鬼才・信長」を
如何に強烈に演出する為に、「親の七光り」を、極度に嫌ったと思われる史家によって
歪められた可能性があります。
つまり、信長が「オレ様の身分は!」と、繰り出してきたのは
それなりに当時の彼の立場からではある程度説得力があったのです。
さて、日吉の「みんなで幸せになりましょう戦略」で、ヒナタさんが
自害を装って谷底に転落し同時に日吉も落ちて五右衛門が追っていったあと
その絶壁上で全て丸く収まった様な状況になり多少、御不興気味の信長ですが
一益(いちます)は極めてクールな分析力を発揮しています。
「忍術の極意です。」 と、空恐ろしい顔している様な一益は、日吉に何を見たのか
かなり私としては興味がありますが、現在までの展開では、ヒカゲが言った
「あなたの生き方は間違ってないわ・・・だから強くなれる。」
と言う、キーワードでしか伺い知ることが出来ません。
『強さ』と言う、同じく「正義」と同じくらい『曖昧な』パラメータは
定義が難しいってのが私の持論ですが、ただ感じたのは、日吉には
私心若しくは・・・自己主張?が極めて希薄であることです。それゆえ
彼の『強さ』とは無為に成り得るので、状況を客観的に見ることが出来るに
尽きると考えています。
しかし、当の日吉はそれ自体自覚していないのは明らかであり
なるほど現在のジパングは、後に発動するであろう伏線を構築しているのだろう
と思います、スゴイのな椎名先生。
さて、犬千代が不思議そうに「ケンカと戦争の違いって?」頭を捻っている
場面で、信長は、「ケンカで勝ったのは、尾張領国内でのゴタゴタで勝ったオレ」
「戦争に勝ったヤツは、オレ(織田方)忍者(武田忍軍)を煙に巻いた、あいつ」
と解釈した回答を発言をしています。
「全てを、手に入れる」と言う「全て」とは、この段階では「日本の王」
と言うまだ闇の部分が多い認識と、「天下一統」と言う分かりやすい解釈が
あると考えています。
はてさて、どちらを絡ませてこの戦国ファンタジー「ジパング」は
進んでいくのか楽しみではあります。
さて、下流の河原で、ヘタった「ヒナタうつ伏せ」&「日吉仰向け」を
あぐら組んで眺めている五右衛門のカットは、素晴らしいと思います。
これを見て思い出したのは「極楽大作戦・Gの恐怖」で、どんどん体重(質量)が
増えて焦る美神がダイエット作戦でおキヌちゃんとご一緒にヘタって横島が傍観する
場面です。 いや、見た瞬間オーバーラップしましたよ。(笑)
まざまざと、椎名先生のストーリーテンポとカットの配置の絶妙さを感じた次第です。
あと五右衛門が、ヒナタを「確実に仕留めた」って証拠に
彼女のテール・・・?を切っている描写がありますが、
確かに、首桶を抱えて甲斐まで戻るのはシンドイでしょう。
この当時では、ターゲットの死を確認する手段としては
首級が一般的でしたが、武田方では「鼻」を削ぎ落として
その数で恩賞を決めていたようです。
ただし、これはあくまでも「合戦時」の場合であって
闘っている最中に取った首級を何個も担いで闘うのは不利なので
敢えて、持ち運びがしやすい「鼻」・・・厳密には唇まで切り取るのですが・・・。
になったと、「雑兵物語」では記しています。
しかし、今回は「みんなで幸せになろう戦略」が生きているので
ヒナタの首級の代わりに、髪の毛を持っていったとしても決して
不自然では無いと思います。
と言う事で、首実検分析終わり。(笑)
最後に、この「眠る忍者編」で感じられたことは、列に並べるとこうなります。
知=滝川 一益 (個人の資質)
仁=ヒナタ&ヒカゲ (他人に及ぼす力)
厳=信長 (他人に及ぼす力)
勇=犬千代 (個人の資質)
信=日吉 (他人に及ぼす力)
出典は「孫子兵法」なのですが、今回の日吉が考えた?
「敵味方両方勝利戦術」は、孫子兵法「戦わずして人の兵を屈するものが善の善なるものなり」
の応用編と感じました。 実際、武田忍軍は裏のある任務で統率を失い
信長達はそれに助けられ、更にヒナタと言う問題の核心の消滅を謀って危機を脱しました。
更に深読みすれば、「上計は謀を撃つ」・・・つまり、武田信玄の
ヒカゲ(ヒナタ)暗殺を防いだ点も見逃せません。
この点から見て、日吉は五右衛門が指摘したように「敵に頼りすぎだ!50点」
を割り引いても、十分な策士といえます。
けれども、この編のストーリーのテーマは、『強さ』であると思うので
この解釈は、私感としての兵法的解釈です。
ところで、颯爽と去っていく五右衛門を、河原で見送っている
ヒナタ&日吉はこれからどーすんでしょうか?(笑)
とりあえず、「今のうち・・」と物騒な物言いしている信長からエスケープして
ヒナタが提案した「針の行商」でもやるのでしょうか?
それと、一応身の安全が保障された、ヒナタがどう身を振るのかも興味があります。
・・・すったもんだのドタバタの最後では、信長のオヤジこと、信秀が
何故か「日吉の運命を変える決断」を下そうとしていたって引っ張ってますが
何でしょうね?・・・うーん良く解らん、次に来るのは「帰蝶姫」の輿入れ
だと思ったのですが、そー安々とは見せてくれ無さそうですねー椎名先生は。(笑)
次週はどっちだ?
先々週最後のコマでの「帰蝶姫&マムシ親父」の歴史ツッコミ漫才がスキな、中村でした。