先週の週刊少年チャンピオンを読んだ友人の一言:
「高橋陽一って、『キャプテン翼』が終わってから今までの間、コールドスリープでもされていたのか?」
 
 という訳で、皆様こんにちは。
 ようやく、更新情報に名を借りたバカ日記が書けるくらいまでに、仕事その他のスケジュールが回復しました。年初の月から仕事のデフレスパイラル(=給料が変わらないのに仕事量が増え、単価が下がる)に巻き込まれないで良かったデス。
 冬休みからやっていた初代「グランディア」も何とか終わりましたし、これでようやく冬休みにやる予定だった積み残しの作業にも手を着けることができそうです。桜の咲く頃までには何とか(シベリアで)。
 
ハングリーハート
 で(いきなり)、ここ最近の週刊少年マンガ誌のネタとしては、普通のマンガ好きな方にとっての一番大きな話題は何と言っても週刊少年ジャンプ連載の「ヒカルの碁」がついに第一部完結! ということになるのでしょうが、でもちょっと普通じゃないマンガの方が好きな方にとっての一番大きな話題は、何と言っても週刊少年チャンピオンで連載を開始した高橋陽一先生の「ハングリーハート」だったのではないのでしょうか。
 高橋陽一氏と言えば、81年からジャンプで連載されて大ヒットとなり、現在活躍中のJリーガー達をサッカーの世界に引き込んだきっかけを作ったとも言われる伝説的名作「キャプテン翼」だけで有名です(氏の経歴については、ちゆ12歳の「ちゆニュース」6/21が詳しい)。
 この、「高橋陽一=サッカーマンガ(というかキャプテン翼)」という世間的な認識は高橋氏本人、および高橋氏を起用する雑誌の側も十分認識している様であり、現在でもヤングジャンプで「キャプテン翼」の世界設定を活用したマンガを連載するなど、「高橋陽一」という漫画家のキャラクターの強みを活かした活躍をなさっています。今回のチャンピオンの新連載のサッカーマンガも、そういう氏の特性を踏まえて企画されたものに違いありません。
 そういう意味において、高橋陽一氏は、「いつまでもそればっかりをやっている訳にはいかない
」と言って8年間も続いた「GS美神・極楽大作戦!!」の続編を作ることを今も暗に否定している椎名高志氏とは、まったく違ったキャリアを選択した漫画家であると言えます(その是非はここでは問いませんが)。
 
 しかし現在、チャンピオン誌上においては、能田達規氏が「ORANGE」というJ2リーグを題材にしたサッカーマンガを連載しており、既にそれなり以上の人気と実績を獲得しています。そこに、更に「ハングリーハート」が連載されるということになると、サッカーマンガが同じ雑誌に二つ掲載されることになります。
 普通に考えれば、同じ雑誌に同一ジャンルの作品が掲載されるのはマネージメント的にあまり上手くないと思われるのですが、しかしそれはそれ。高橋陽一氏の作品があまりに個性的であるが故に、例え他にサッカーマンガが連載されていようと、「テーマが競合する」なんてことは、もはやまったく問題にならないのです。
 まず「ORANGE」は、「天才的なセンスを持つサッカー少年がF2(J2)リーグに所属する弱小チームに加入する」という導入部は漫画的であるものの、下位リーグに属するが故のチームの貧乏ぶりや、地元での不人気(というか無関心)っぷり、またそんなチームでサッカーを続ける選手達が胸の内に抱えている事情の数々、何とか貧乏チームの運営を支えようとする高校生女子オーナーの苦労といった、貧乏球団特有の部分の描写に物語の重点が置かれており、その辺が「作者はJ2リーグの事情ってのがよく判ってるよ!
」とサッカーファンから評価されている模様です。
 また、そういう特殊性を持ちながらも、作品そのものは「弱小チームが主人公の活躍によって強くなって行く」という筋書きの、努力・友情・勝利を柱とした少年マンガとしての基礎を踏まえたものになっているのも特徴です。総じて「ORANGE」は、Jリーグの現状を踏まえた現代的な要素を踏まえていると同時に、少年マンガとして高い普遍性も持っている、極めて正統派のサッカーマンガであると言えましょう。
 また、前作「おまかせ!ピース家電店」で培った作者の長期連載の実績から来る安定感も、読者に安心材料を与えてくれます。
 それに対する「ハングリーハート」も、確かにジャンルとしてはサッカーマンガの枠に入る作品ではありますが、その内容というのが:
- 木製バットや鉄パイプで殴られてもビクともしない、サッカーで鍛えた鋼鉄の肉体を持つ主人公が登場!
 - サッカー経験者だから、ケンカ番長も蹴り一発でKO! 街のチンピラ相手に放ったシュート1発で、信号機だって壊れるさ!
 - しかし、セリエAのチームに入団したサッカーエリートな兄へのコンプレックスを持つ彼は、「サッカーはもうやらねぇ!」と心に決めていたのであった!
 - 彼の心は、そんなサッカーに対するアンビバレントな感情でむなしさ一杯! 路上で歌うぜ「ハングリーハート」!
オレの心はハングリーハート! 飢えた心さハングリーハート!
 - そんな彼も、『逃げる途中に生徒手帳を落として同じ学校の生徒にバレる』という学園ドラマのお約束はキッチリ守るのさ!
 
 ……という、第一話からして何というかこう「これって本当に21世紀のサッカーマンガ?」と思ってしまうくらいにベタな展開の連続。マンガにあまり詳しくない私の友人は、このマンガを読んだ後に「高橋陽一って、『キャプテン翼』が終わってから今までコールドスリープされていたのか?
」とか相当ヒドイことを言ってましたが、実際話のセンスといい、キャラの頭身デザインといい、「キャプ翼」時代に築かれた氏独特のセンスを踏襲しており、そのアナクロ感覚を更に増大させています。
 更に第二話では、「自分のマンガの中に『キャプ翼』ファンの女子を登場させる」という、並のマンガ家じゃ絶対できないような大物っぷりまで披露。もう誰にも止められません。
 
 しかし、だからと言ってこのマンガがダメなのかと言えば決してそんなことはなく、「作者が高橋陽一だからこそ許される、色々な意味で個性溢れるマンガ」と開き直って前向きに読むことさえできれば、このマンガに対する評価はまったく変わります。
 そう――この『ハングリーハート』は、マンガそのものよりも、むしろ「これまでの高橋陽一氏のマンガの傾向を把握した上で、作品内に出てくる『これでこそ高橋陽一!』な演出の数々にツッコミを入れる」「ネット上で『ハングリーハート』について熱く語り合う」といった行為に面白さを見つけだすことができる人なら、十分に楽しめるマンガなのです。
 幸いにして、週刊少年チャンピオンには、既に同じような路線で面白がられて大人気を獲得している「エイケン」が存在していますので、この「ハングリーハート」も概ね好評をもって受け入れられている様です。もしこのマンガがジャンプやサンデーに掲載されていたらきっととんでもないことになっていたのは想像に難くないことを考えると、こういうマンガの存在を許容できるチャンピオンという雑誌の特異性というか、懐の深さには感服しきりです。
 「ハングリーハート」の次回掲載は4月頃になるらしいのですが、これからもぜひこの調子で! 2話を読む限りでは、マンガとしても普通に面白そうな話になりそうですしね! 楽しみにしてますよ!(マジで)
 
 ……それにしても、キャリアが20年を越える高橋陽一先生のようなベテラン少年漫画家の多くが、多かれ少なかれ「過去の名作」を背負っているのを見ると、同じく20年以上のキャリアを持ちながらも『うる星やつら』や『らんま1/2』とはまったく違う路線のマンガである「犬夜叉」を大ヒットさせて今も第一線でブイブイ言わせている高橋留美子先生が、如何に化け物めいた存在であるか(←注:誉め言葉です)を、改めて認識させられる今日この頃。「犬夜叉」で小学館漫画賞も取っちゃったみたいだし、やっぱスゲエわこの人。
 そんな高橋先生の元アシスタントを嫁にもらった椎名先生は、高橋先生に一生頭が上がらないと思いました。
 
 
今週の発見:今年度の小学館漫画賞情報(参照元:サンデーGX編集者日記 1/21)
- 少年部門:
 - 犬夜叉(高橋留美子/週刊少年サンデー連載)
 - 一般部門:
 - HEAT(原作武論尊・作画池上遼一/ビッグコミックスペリオール連載)
 - (特別賞)
 - 赤兵衛(黒鉄ヒロシ/ビッグコミック&ビッグコミックオリジナル連載)
 - 少女部門:
 - YASHA-夜叉-(吉田秋生/別冊少女コミック連載)
- 輝夜姫(清水玲子/LaLa連載)
  - 児童部門:
 - ぷくぷく天然かいらんばん(竜山さゆり/ちゃお連載)
 
 まず、サンデー読者、および一ファンの立場として、「犬夜叉」の漫画賞の受賞にお祝いを申し上げます。
 それにしても、高橋留美子先生が小学館漫画賞を受賞するのは、何と81年の『うる星やつら』の時以来21年ぶりだということを知ってビックリ。21年前って、いったい何年前の話ですか!(21年前です)
 
更新遅延のお知らせ
 というか、皆様こんにちは。
 こちらは、私こと深沢が管理運営を行っている、椎名高志ファンホームページ C-WWW です。
 今週は都合により更新が遅れており、作業が終了するまでもうしばらく時間がかかりそうです。
 申し訳ありませんが、もうしばらくお待ち下さるようお願い致します。
 
 
最終巻発売記念
MISTERジパング性格占い
質問:
 「MISTERジパング」には『日吉』と呼ばれる人物が二人登場しましたが、
 あなたならどちらの『日吉』になりたいですか?
- 織田信長亡き後の乱世を卓越した知謀で統一し天下人となり、美女のハーレムを築いてウハウハな老後を送った日吉こと日野秀吉(後の豊臣秀吉)
 - 本能寺における織田信長の窮地を救い出してモンゴルに脱出、何もかもを捨てて全く新しい世界で最愛の主君と生きることを選んだ日吉こと木下藤吉郎(後のチンギス・ハーン?)
 
回答:
 1.と答えた人:好きモノですね。
 2.と答えた人:モノ好きですね。
 
 というか、先週は、昨年個人的にチェックしていたマンガであるところの「MISTERジパング」と「ラブひな」の最終巻が相次いで発売されたことによって、何と言うかこうようやく2001年の負債を払い終わったゼ! と清々しい気持ちになれましたが(負債だったのか?)、皆様方は如何お過ごしでしたでしょうか?
 こちらは、椎名高志ファンサイトを標榜する C-WWW の更新情報ページです。
 
ミスジパで Web 賛歌
 「MISTERジパング」の終了に対する私の個人的な感想は、以前ここで書いた通りなのですが、この他にも Web を活動の軸にしたファンサイトの管理者的な立場からすると、
- 椎名高志氏自身のサイト立ち上げ
最初にメールで連絡を頂いた時はとてもご本人だとは信じられませんでしたが(失礼)、サイトを一目見て納得
 
 
- 連載開始当時はおそらく作者はそんな事は全く考えていなかったに違いない、「女性読者」という(作者にとって)宝の山の獲得
および、それに伴う「MISTERジパング」を扱う女性向けサイトの急増
 
 
- 今や日本を代表するネットの代名詞となった巨大匿名掲示板サイト「2ちゃんねる」の台頭
「MISTERジパングスレッド」と銘打たれたスレッドなのに執拗な「GS美神」のアシュ編談義が繰り返された少年漫画板、「やおい」という視点を軸にした作品感想が見られた同人コミケ板、時折ジパングキャラにハァハァ(専門用語)している書き込みが散在される801板などで話題が自然発生
 
 
 
 など、2年足らずの間に色々な変化が起こっており、そういう意味では連載中まったく飽きることなく楽しむことができました。
 確かに「MISTERジパング」というマンガは、今の少年マンガ界の中では傍流に位置するマンガに過ぎなかったかも知れませんが、それでも(あるいは、それだからこそ?)Web を媒体にした情報のやり取りは「GS美神」の時代に比べて飛躍的に拡大しており、またその情報を必要としていた人達が集まって作られた新しいコミュニティの量や質も、また「GS美神」に比べて格段に上昇したのではないか? と思っています。
 何というか、ネットの持つ力を改めて認識した今日この頃。
 
 そして個人的には、いわゆる「やおい」的な視点からこのマンガを見た感想に(色々な意味で)面白いものが多かったのが最大の収穫だったのかも、とか思っています。
 殿の着物がはだけて太股がチラリと見えているシーンで萌えたり、本能寺編で五右衛門に襲いかかる服部半蔵のシーンから「半蔵×五右衛門でどうよ?」という発想が出てくる辺りは、ンもうセンスオブワンダーというかパラダイムシフトというか、とにかく「ダメだ! オレじゃこんな発想をする人達には絶対勝てねぇ!」と思わせるに十分なものでした。
 「人生の真実とは、猥雑と喧噪と混沌の中にこそある
」と申しますが(「ARMS」のティリングハースト博士の名台詞。私の座右の銘の一つ)、こういう猥雑でアレでナニなトークがバリバリ出てくるからこそ、ネットは面白いのです! ハァハァ(´Д`;)上等! もっとやれ! もっと!
 しかし、マンガのキャラを常に性対象として見るのはどうよ?(台無し)
 
ラブひなとセンター試験とドラえもん
 あと、みんな大好き「ラブひな」の最終巻も発売になりました。
 この巻の見所は、何と言っても118話で景太郎と成瀬川が「ぶんなぐられたってうれしいよー!
」「おフロのぞかれて楽しかったー!
」と、自らのマゾヒスト的な性的嗜好をカミングアウトして景太郎の祖母(=このマンガ内世界における神)から交際の許しを得るシーンに尽きます。
 このエピソードは、主人公カップルが不条理なまでの不幸に見舞われてストレスが溜まる一方だったこれまでの展開を一気に打開し、読者(とキャラ)に爽快感と達成感を同時に与えることに成功した名シーンとして評価するべきでしょう。
 それにしても、カミングアウトして神に祝福されるだなんて、こんなラブコメ見たことないよ!
 やっぱ「ラブひな」って変なマンガだったのな!(今更)
 
 そして「ラブひな」といえば物語の最大のテーマは大学受験なのですが、今年のセンター試験に「ドラえもん」をネタにした問題が出題されたことが話題になっているそうです(参照:slashdot)。
 問題の内容は、まぁ「ドラえもん」の有名な秘密道具の一つ「スモールライト」を題材にして理科の基礎的な知識を問うものであり、特にどうという程のモノではないのですが、個人的に問題としたいのは、むしろこの問題の会話文に出てくる、さとし君とめぐみさんのトークの内容にあります。
 この問題文の会話は、「さとし君が『スモールライト』の話題をめぐみさんに振ったところ、めぐみさんは『スモールライトの能力は科学的におかしい』と難癖を付け、さとし君がムッとして終わり
」という、とても救いのない内容なのです。
 
 この問題に出てくるめぐみさんのように、フィクションの中の現象を「物理的に無理だ」と看過して悦に浸るタイプの人は実在しますし、皆さんの周りにもこういう人はいるんじゃないかと思いますが、この問題の会話を見ると、その行為が如何に人を不機嫌にさせるものなのか? というのが、よく判るのではないのでしょうか。
 「ドラえもん」には数々の秘密道具が登場しますが、ドラえもんというマンガのストーリーは、「それがどんな理論で動いているか」よりも、むしろ「それが持っている機能でどんなことができるのか」という点の方に比重を置いています。そして、普通の読者の期待も、また「その秘密道具をドジでお調子者ののび太が使うことによって、どんな事件が起こるのか?」ということに向くのが普通です。
 この問題だと、さとしくんのスタンスがそれに当たります。さとし君は、きっと「スモールライトがあったら何をしたいか」というドラえもん世代にありがちなトークをユーモアを交えながらめぐみさんと交わし、彼女との親交を深めたかったに違いありません。
 しかし、めぐみさんは、そんな彼の意図を知ってか知らぬかは判りませんが、ドラえもんを語る上ではやってはいけない「秘密道具の動作理論は科学的におかしい」という方向に話を持っていってしまいました。そして、そんな方向に話を振られたさとし君は狼狽し、本来の意図とは反して『「スモールライト」の動作は科学的にも正しいんだ!』と言い訳を開始してしまったのです。
 この時点で、この会話のイニシアチブはめぐみさんの方に移ってしまいました。心理的に有利な立場に立った彼女は、その後のさとし君の言い訳を「そんなことは科学的にありえない」と完全否定することによって、このディベートに絶対勝てる状況を作り出してしまったのです。
 そして、本当ならドラえもんトークで彼女と親交を深めたかったさとし君は、「君には夢がないな
」という、これまたありがちな捨て台詞を口に出してしまってジ・エンド(二人の関係が)。
 ああ、もしもめぐみさんが「ドラえもん」の秘密道具の科学的矛盾を「これはそういうマンガだから、そんなの考えるのは野暮ってものよね!」と笑って済ませるくらいの心の余裕があれば、またさとし君にも「ドラえもんって、そういう細かいところを気にするマンガじゃないじゃん?」とめぐみさんを優しく諭せるだけの心の余裕があれば、これからの二人の関係も良好なものになったに違いありません。
 ひょっとしたら、ドラトークから新しい恋が芽生えたかも知れないのに――と思うと、藤子F不二雄マンガ世代の私としては、とても残念です。
 
 「ドラえもん」のようなSF作品を科学的に検証する行為が、ある種の知的な楽しさを生み出すことは私も(オタクの端くれですので)理解しておりますが、しかし一歩間違えると、単に「SF作品を科学的に否定して、相対的に自己の優位性を高く見せようとする」行為に陥ってしまい、あまり他人から良い顔をされません。心当たりのある方は要注意かと。私も人のことは言えませんが(ドクロ)。
 センター試験に出題されたこの物語は、普通に「ドラえもん」を読んで「ドラえもんって夢があるよなー」と素直に育ったノンケな人にまでそういう「面白さ」を押し付けようとした、理系オタクな人間なら誰もが一度は経験した悲劇のダイジェストではないか? と、私は思うのです。
 めぐみさん、早く目を覚まして下さい!(←本気)
 ――まぁでも、もしかしたらめぐみさんはさとし君のことが嫌いで、普段からなれなれしく接してくる彼を理詰めで追い詰めて嫌がらせをしてやろう、と思った故の行動だったかも知れませんが。だとしたら、めぐみさんにも同情の余地はありますね。
 というか、今時女子をナンパしようとするのに『ドラえもん』をネタにトークを開始するってセンスはどうよ?
 
 あとは余談ですが、私の知人関係で東大の大学院を卒業した経歴を持っている人は、理由は判りませんけど何故か例外なくアニメが大好きである、という統計結果が出ていますので(サンプル数:2)、東大を志す方は「大学院を卒業して立派なアニメファンになるんだ!」という心意気で、これからの受験シーズンを頑張って頂きたいです。
 いや、むしろ「東大の院卒になれる程のエリートになるには、アニメが大好きでなければならない」という法則があるのかも知れません。受験勉強している暇があったらアニメを見た方がいいのかも?(よくないよ)
 
 
「キミも大人になったら、『千と千尋の神隠し』の何処がどうエロいのかが、きっと判るようになるよ!」
(私がスタッフをやっているMTGの大会の会場にて、遊びに来た小学生の男の子に向かって)
 
 というか、正月休みが終わって成人の日も過ぎ、再び週刊少年マンガ雑誌がコンビニに並ぶような日常生活が帰って来た今日この頃ですが、皆様如何お過ごしでしょうか?
 こちらは、私こと深沢が管理運営を行っている、椎名高志ファンホームページ C-WWW の更新情報ページです。
 ダメな大人ですみません。
 
サンデー6号
 そんな訳で、本年最初のサンデーとなる2002年6号が発売されました。
 この号は、さすがに連休明けということもあってか、
- 主人公の容貌が小綺麗だったり、ヒロインが貧乳だったりしたため、「
これがあの西条慎二のマンガか!?
」と読者をビビらせたが、「ハハハーーッ!」というイヤな笑い声が多用されていたり、胸の代わりにスパッツ(の尻)を綿密に描写している辺りに西条氏の「らしさ」が感じられる新連載マンガ「365歩のユウキ!!!」
 
- 死んだヒロインを主人公の最後の武器と化した、という思いもかけない展開で一気に盛り上がったラスボスとの最終バトルがついに決着を向かえた「烈火の炎」
 
- 物語が核心部分に迫り、どんどん(色々な意味で)壊れて行く勝少年の姿が印象的な「からくりサーカス」
 
- 「天使な小生意気」アニメ化決定の一報
 
 など、見所満載で思いの外楽しめました。
 
 ――ですが、個人的に一番面白かったのは、やっぱり「かってに改蔵」。
 「イヤな現実を次々と突き付けることによって、はかない夢を壊していく
」という、早い話がタダの嫌がらせを延々と繰り返す展開は相変わらずのノリで面白いのですが、それ以上に素晴らしいのが、マンガの中での羽美の扱いがどんどん惨くなっていく点です。
 冒頭からして「改蔵が羽美と(理由もないのに)ヨリを戻した」夢を羽美に見させ、それによって「自分の中に醜い欲望が存在する」ことを強烈に認識させて鬱にさせていますし、終盤では「改蔵が他の女子と付き合っている」という厳しい現実を羽美に突き付けて更に鬱にさせ、最後は血まみれになって涙を流しながら改蔵を撲殺するという、壮絶なイジメを作者から受けております。
 如何に「かってに改蔵」がシニカルギャグマンガとは言え、こんなにヒロイン(一応)を恋愛方向にいぢめるマンガがメジャー誌に載り続けているというのも、何だかスゴイことなのではないのでしょうか。
 更に困ったことは、虐げられてテンパった行動を取る羽美の姿があまりに可愛くて、つい萌えてしまうということなのですが!
 私なんか、イヤな夢を見た後の羽美のどんよりした表情に萌えまくりであります!(最低)
 
 そして、あまりに「かってに改蔵」がラブコメ方向にシフトして来た為か、2ちゃんねるの「かってに改蔵」スレッドにおいては、ラブコメ方面での考察を本気でしているファンからの書き込みまで見られるようになって来ています。
 「かってに改蔵」で! あの「かってに改蔵」でラブを語るなんて! という気もしないでもないのですが、ここ最近の展開によってそういう方面の展開を期待するファンの心に火を付けてしまったのもまた現実。こういう楽しみ方をする読者が発生するのは、ある意味必然だと言えます。
 ……とは言え、どう考えても現状のままでは改蔵×羽美な方向に話を持っていくのがハッピーエンドになるとはとても思えませんし、かと言って他に適当な選択肢があるとも思えません。ラブコメマンガってのは、とりあえず大抵の読者が『この二人には幸せになって頂きたい!』と思えるようなカップルを主人公として用意するのが王道だと思うのですが、このマンガにおいてはそういう話の落とし所が全く見当付かないのが困ります。
 まぁ、その「落とし所のないムチャクチャなラブ」そのものを楽しむのが、現在このマンガで展開されている「ラブコメ」の正しい読み方なのだとは思うんですけどね。
 果たしてこのマンガは、ソッチ方面の読者の欲求を満たすことが出来るのでしょうか?
 そういう意味でも、今年は「かってに改蔵」から目が離せませんよ!
 
毎年恒例(らしい)昨年のサンデー連載作品総括
 あと、なんかこのページは年初に毎年こういうのやってたみたいなので、今年もちょっとだけやってみます。
 というか、一読者の分際で発行部数がン百万部の雑誌をエラそうに「総括」とかしてウェブや掲示板で公開する行為って、実は結構恥ずかしいことなんじゃないか? とか最近思い始めたので、もうこういうのはほどほどにしようかと思う今日この頃。
 オレも大人になったよな…(←むしろ老化)
 
2001年に始まった連載
| 金色のガッシュ!! | 雷句 誠 | 01年6号 |  
|   |   |   |  
|   |   |   |  
| HORIZON | 菊田洋之 | 01年20号 |  
| KUNIE〜パンゲアの娘〜 | ゆうきまさみ | 01年21・22号 |  
| ライジング・サン | 武論 尊/松浦 聡彦 | 01年23号 |  
|   |   |   |  
| いるか!! | 田辺 崇 | 01年25号 |  
|   |   |   |  
|   |   |   |  
| うえきの法則 | 福地 翼 | 01年34号 |  
| どりる | 石川優吾 | 01年35号 |  
| KATSU! | あだち充 | 01年36・37号 |  
|   |   |   |  
|   |   |   |  
|   |   |   |  
|   |   |   |  
| 旋風の橘 | 猪熊しのぶ | 02年2・3号 |  
| 焼きたて!!ジャぱん | 橋口たかし | 02年4号 |  
 
 | 
2001年に終わった連載
|   |   |   |  
| タケル道 | 大和 八重子 | 01年16号 |  
| ブリット | 三好 雄己 | 01年19号 |  
|   |   |   |  
|   |   |   |  
|   |   |   |  
| いつも美空 | あだち 充 | 01年24号 |  
|   |   |   |  
| いるか!! | 田辺 崇 | 01年30号 |  
| ナイト・ラヴァーズ | 文月 剣太郎/清水 洋三 | 01年33号 |  
|   |   |   |  
|   |   |   |  
| 平成ときめき力士 プニャリン | コージィ 城倉 | 01年36・37号 |  
| パスポート・ブルー | 石渡 治 | 01年38号 |  
| MISTERジパング | 椎名 高志 | 01年46号 |  
| ライジング・サン | 武論 尊/松浦 聡彦 | 01年46号 |  
| SALAD DAYS | 猪熊 しのぶ | 01年48号 |  
|   |   |   |  
|   |   |   |  
 
 | 
 
 ――昨年のサンデーは、新連載・連載終了の作品数が共に10本(短期連載含む)。連載終了作品が15本もあった2000年に比べれば、誌面はいくらか落ち着きを取り戻したと言えます。
 「ライジング・サン」や「うえきの法則」などのこれまでのサンデーからすれば実験的な作品が何本かあったり、「ブリット」のようなあからさまな打ち切りマンガもいくつか存在したとは言うものの、「犬夜叉」を中心とした主力連載の作品の内容は極めて安定しており、サンデーにとってはここ数年では比較的穏やかな年だったのではないのでしょうか。
 個人的には、「トガリ」の夏目義徳氏・「金色のガッシュ!」の雷句誠氏の両新人作家が、人気・実力を大きく伸ばす様をリアルタイムで観られたのが、去年の大きな収穫でした。今はもう「中堅」と呼んでも差し支えない田中モトユキ・草場道輝両氏と共に、今後10年のサンデーを支える作家に成長してくれることを期待しております。
 その他では、「ダイナマ伊藤!」(杉本ペロ氏)が面白くなり方が、こちらの予想を超えた方向に発展しているのも好感です。密かに毎週楽しみにしています。
 このマンガは、「ぱにょぱにょデ・ジ・キャラット」みたいに1話5分枠でアニメ化するに最適な作品だと思われますので、コンテンツ不足で悩むアニメ制作関係者は是非ご一考を。ダイナマ伊藤が大塚明夫ヴォイスで「よろしくうぅぅぅ!
」と叫んだり、「ダイナマ伊藤」のトレーディングカードゲームがブロッコリーから発売されたりする日が来たら、きっとそれは日本のキャラクター業界にとって新たなブレイクスルーを成し遂げた証明となること間違いないですよ?(多分大間違いです)
 ただ、2000年に連載を開始した13本のマンガの中で現在まで生き残っているマンガがわずか3本(DAN DOH!!Xi、トガリ、動物のカメちゃん)しか残っていない辺りは、さすがに厳しさを感じますね。あだち充氏や椎名高志氏といったベテランや中堅作家の作品ですら2年も持たずに終了した、という辺りが特に。
 2001年に始まった新連載も、年末まで生き残ることができるものは何本くらいあるのかなー?(←業界通を気取るマンガオタクっぽく)
 
 そして当サイト的に注目しなければならない椎名センセの方ですが、例の生原稿プレゼントのコメントから漏れ伝わる情報によればそろそろ次回作の準備に取りかかっている模様であり、こちらもそろそろ気になります。次の情報を待ちたいところ。
 「MISTERジパング」が始まった頃は、『GS美神ファンの支援も期待できるし、別にこのサイトで人気を煽るようなことはしなくても良いだろう』とか悠長に構えていたのが今となってはちょっと心残りですので、もし次回作が始まったら、その時は色々とやらかす気概でつかまつる所存です。ファンサイトとしての面目は保たないとね!(←保身?)
 あと、このサイトの「新連載開始要望嘆願書」の半分近くを占めている『GS美神の続編を!
』という主旨の要望の数々を読んだ後で、椎名先生のサイトで『でも、そういう続編で食ってる雑誌や先生って〜
(以下略)』ってコメントを読むと、ファン心理と作者心理のギャップを垣間見ながら、マンガというメディアとその影響力について色々と考えさせられる気分になること請け合いです。是非!(何が?)
 結局、読者も作者もどっちも身勝手さは変わらない、ということでしょうか?
 
個人用メモ:今後の予定
- 「MISTERジパングベストカップルコンテスト」を1月末で終了
 - これまでのジパング関連のコンテンツを集めた「MISTERジパング統合ページ」の作成着手
 ネット上にあるあまねくMISTERジパング関連のサイトへのリンクを記載した「MISTERジパングリンク集・完全版」の検討
 - 「展開予想ショー」のシステムリニューアルの検討
 
 
 
 馬味ー!(干支および週刊少年サンデーにちなんだ新年の挨拶)
 
 というか、今更ながらですが、新年あけましておめでとうございます。
 本年はちょっと仕事方面やら町内会の付き合い方面やらで色々と頑張らなければいけない状況になりそうであり、正直今のような感じでのサイト運営がどこまで継続出来るのかは私にもよく判らずドッキドキな今日この頃ではありますが、とりあえず死なない程度に(オレが)適当に頑張りながらサイト運営を行っていく所存ですので、よろしくご愛顧の程をお願い申し上げます。
 
グランディアとコミケとミスジパ
 以下は近況を(いきなり)。
 今年の私のお正月は、昨年末に行ったコミケで「グランディア」ネタの本を何冊か見付けて買った影響もあり、暇な時はひたすら(よりによって)サターン版の初代「グランディア」をプレイして過ごしてました。
 始めた当初は、約8時間程プレイすると見ることができるジャスティンとフィーナの略奪結婚イベント(←やってない人には既に何のことか判らない書き方)くらいまで見ればいいやと思っていたのですが、しかし一度始めてしまったゲームをそう簡単に中断できるはずもなく、気が付いたら正月休みの半分以上の時間を費やしてゲームシナリオの半分以上を消費する程にハマってしまいました。結果的に、正月休みをほぼゲームだけで潰してしまったという、社会人としては最高級の贅沢な(あるいは無駄な)時間を過ごしてしまうハメに。
 ここまで来たら、もうこれからの休暇を潰してでも全部クリアするまでやるしかねぇ! オレが行くまで待ってろよ井上喜久子ヴォイスの天然ボケ女子キャラ! という気持ちであり、即ちやる気マンマンであります(ヒント:「グランディア」をクリアするために必要なプレイ時間は約80時間。現在の総プレイ時間は約40時間)。
 
 まぁ、PS2等の最新鋭ゲーム機上でポリゴンキャラがムリムリ動くのが当たり前な今の基準からすれば、流石にサターンのグラフィックが相