What's Old


03/10/27  (更新情報へ)

■脳天直撃(セガサターン)

 私の月曜日は、少年ジャンプの「武装錬金」の掲載位置を確認するところから始まります(挨拶)。

 自分が今のジャンプを読む上での最大のモチベーションの源となってる「武装錬金」は、主人公のカズキ君が厳しい戦いを生き残って著しい成長を遂げ、斗貴子さんも無事一命を取り留めてカズキを共に戦う戦士と認め、更に次の展開に繋がる新キャラクターも登場と、本来なら「これでこのマンガの連載も安泰だろう」と一安心するところなんですけど、でも相変わらず微妙な掲載位置が妙な不安をかき立てます。表紙になったりセンターカラーになったりする一方で掲載位置が下位になることも多いため、この作品は人気があるのかないのかちょっと推測が難しいです。

 土俵際で踏みとどまったように見えるけど全然安心できない「ごっちゃんです!!」共々、先行きがとても心配。
 もしかして、この「好きなマンガがいつ打ち切られるのか判らない」ハラハラ具合こそがジャンプの魅力なのか。

 あとジャンプでは、「風天組」の代原(専門用語)として掲載された「超便利ロボ・スピンちゃん」が妙にオモロかったです。特に、「どんなに社交性のないダメ人間でも、ロボットと小さな女の子は大好きですからね」って台詞は、これからの人生における座右の銘にしたいくらい、オレの心に大ヒットしました。
 まったくその通りだよ!(オレが

 以上、私こと深沢が管理運営を行っている、椎名高志ファンサイトの更新情報でした。
 すみません(おわり)。


■コナン1億冊突破記念(ウソ):サンデー47号の感想列伝
  1. 墨村良守14歳(結界師)
  2. クエスチョンマークの付いた椅子に座る過去のナゾナゾ博士(金色のガッシュ!)
  3. 「メゾ・ピアノ!(やや弱く)」(ケンイチ)
  4. かってに改蔵ファンブック化決定
  5. 1942年の陵刀父(ワイルドライフ)
  6. 番外:ドドドドドドドドドド(うえきの法則)

1. 墨村良守14歳(結界師)

 最初に主人公の墨村良守君が登場した時は「9歳」になっていたので、「また主人公の年齢を引き下げて子供にする(そして失敗する)パターンなのか!?」とビビったのですが(失礼)、最後でちゃんと読み切り版の時と同じ中学生に戻っていて一安心。
 小学生もいいけど、やっぱりドラマの主役にするなら中学生が一番だよな! 微妙なお年頃の中学生ばんざい!

 中学生はともかくとして、この作品の作者である田辺イエロウ氏はサンデーマニアな方々の間ではかなり前評判が高いようで、その期待度は週刊デビュー前の雷句誠先生に匹敵する程である、と認識しております。
 前回の読み切り、そして今回の第一回を見る限りにおいては、さすがに技術的にはまったく問題なさそうです。主人公とそのライバル(ヒロイン)、そして彼らの家族といったキャラクター達はどれも魅力的な面々ばかりですし、彼らが繰り広げる今後の話の展開にはかなり期待できそうです。後は、(かつての「GS美神」がそうであったように)作品世界の魅力を広げるオモロい化け物やライバルを、どれだけ創造できるかがポイントになりそう。人気出るといいなぁ。

 あと、このマンガに出てくる「結界」の表現の仕方は、なんか「サイキックフォース」の戦闘フィールドみたいだなぁと思った(まちがい)。

2. クエスチョンマークの付いた椅子に座る過去のナゾナゾ博士(金色のガッシュ!)

 行動はおかしいけど魔物としての力は遙かに強いベルギムEOとの対戦を「これが私の最期の戦いだ!」と覚悟を決めたナゾナゾ博士がやたら格好良かった今回でしたが、そんな博士を描いたカットの中で私が最も格好良かったと思ったのが、初めてキッドと出会った時の、椅子に座ったナゾナゾ博士の姿でした。
 「クエスチョンマークの付いた椅子」という存在そのものが既にオシャレ度高いですが、その椅子をごく自然に座りこなしている博士は更にオシャレです。

 悲しい過去を抱え、悔恨の渦中にその身を埋めながらも、『ナゾナゾ博士』としてのアイデンティティだけは失っていないことを、座っている椅子でナチュラルに表現! これぞ真の紳士のあるべき姿! 魔力じゃ勝てないかも知れないけど、椅子に座らせたらベルギムEOにも負けないぜ! 椅子にかわっておしおきするのはこのオレだ! という気概を感じさせてくれますよね!

 我ながら何を言っているのか判らなくなったので次。

3. 「メゾ・ピアノ!(やや弱く)」(史上最強の弟子ケンイチ)

 強烈なパンチをダブルで繰り出しながら「やや弱く」って何なんだろう。不思議でいっぱいです。今回のライバルキャラであるジークフリート様は、何かもの凄く奇妙な感覚に囚われるキャラです。
 また、あれだけ戦いに美しさを求めているにも関わらず、彼の格闘スタイルが「いくら殴られてもへこたれない、ゾンビのような打たれ強さが特徴」であるところも、ちょっとミスマッチでたいへんよろしいと思います。美形とも三枚目とも言い切れない微妙なルックスと併せ、ここまで独特な雰囲気というか、おもしろおかしい格闘家の存在は貴重なのではないのでしょうか。

 格闘マンガの面白さの一つに「これ以上やったらギャグになってしまうギリギリのラインまで誇張させた肉体美や格闘表現」というものがあると考えられますけど(これを突き詰めてるのが「バキ」。最近は明らかにやりすぎていますが)、「ケンイチ」のジーク様もかなりエッジなキャラだと思いました。

4. かってに改蔵ファンブック化決定

 ファンブック化! おめでとうございます! これで、永遠のライバルの一人である「ラブひな」の赤松健先生にまた一歩近付きましたね! この調子で、今度はアニメ化を目指しましょう!(つらそう)

 それで「ラブひな」ファンブックで最も感心したのは、掲載されている情報量が尋常じゃなかった(あんなの全部読めません)ことも勿論ですが、何より本を執筆したライター陣の名前を全て公表するなど、ちゃんと「マガジン編集部が責任を持って編集した」という気概を読者に見せてくれたところだったりします。
 往年の謎本ブームの頃に出たファンブック系統の本は、著者の名前が匿名だったりする上に「これ作った人は、本当に元になった作品を好きで読んでるの?」と疑ってしまうようなものを結構見かけたので(例:GS美神の謎本)、執筆者に対する信頼感を読者に持たせることは、ファンブックにとってかなり重要なことだと思うんですよ。この手の情報を掲載した同人誌やファンサイトを見つけやすくなっている現在は特に。

 週刊少年サンデー編集部の名前で出す以上、「かってに改蔵」のファンブックは、その辺を含めて相当ディープなものになっていると期待してよろしいんですよね? 全国に多数存在する「改蔵」マニアを敵に回すような、ウスウスな本は作りませんですよね? ですよね? ですよね?(連呼)

5. 1942年の陵刀父(ワイルドライフ)

 かわいそうなゾウ!(挨拶)

 今回の「ワイルドライフ」は、かの「ドラえもん」にも元ネタとして使われた、有名な第二次大戦中における上野動物園のかわいそうなゾウさんのお話でした。この作品の教育的な趣旨が「動物愛護の精神を養うこと」にある以上、時々こういう話が出てくること事態は別に構わないと思うのですが、しかし前回の内容が実質的に宝生さん全裸祭りだったので、今回とのギャップにちょっとクラクラ。
 「ワイルドライフ」を読んでるお子さんは、瀬能さんのナース姿や妊婦姿にクラクラしたり、自ら主人公の前で服を脱いではじらう宝生さんの姿にドキドキしたりしながら、動物愛護について考えさせられることになるので大変だなぁと思いました(そういう問題?)。

 戦争によって貴重な動物達が失われていくのはとても悲しいことですが、今回のゾウの話はまだ人間の情を揺さぶって保護意識を訴えて行けるだけ意義がある方である、とも言えます。戦争絡みの動物の犠牲としては、「紛争で生じた難民が生活のために森を切り開いた結果、野生生物の住める環境が減ってしまい、動物達が種を維持するだけの個体数を維持できずに人知れず失われていく」みたいな出来事が各地で発生しているのが現実の様です。
 紛争にしろ何にしろこれらの問題の根はあまりに深く、簡単に解決できることではありません。問題があまりに深刻なので、真剣に考えれば考えるほど鬱になって絶望して回線切ってケーブルで首吊って死にたくなる(やりすぎ)くらいなのですけど、まぁ我々としては現在の地球にはそういった問題があるという事を認識し、それらの問題に果敢に立ち向かっている陵刀父のような人達を支援していくことが大事なのではないかと思います(優等生的発言)。

 しかし、戦時中にあのくらいの年齢ということは陵刀父は現在70歳近いはずなのですが、彼のあの若々しさはどうしたものか。1950年代に人魚の肉を食べて不老不死にでもなっちゃったのか。「ワイルドライフ」がアニメ化されたら、陵刀父の声は山寺宏一が担当するのか。
 今回のお話の主眼はあくまで「かわいそうなゾウ」なのですが、しかし私としてはどうしてもそこに突っ込んで行きたい。

番外:ドドドドドドドドドド(うえきの法則)

 「ドラゴンボール」で育った世代の漫画家さんなら、みんな一度はこういうのやりたいと思うんだろうなー、と思いました。
 福地先生楽しそう……

 

更新情報:

 


03/10/21  (更新情報へ)

椎名高志短編集発売決定記念アンケート実施中結果を見る

■Slipping Beauty First Impression

 「タイムギャル」かと思っていたら、実は「TPぼん」でした!(感想)

 「アッパーズ」に掲載された「Time Slipping Beauty」を読みました。
 以下簡単な感想。

 扉絵のページのアオリに「新境地開拓宣言!」と書かれていた通り、今回のお話は「椎名高志」という漫画家のイメージの延長線上にはあるんだけど、でも普段とはちょっと趣が異なる、シリアスかつバイオレンスな印象を受ける話だと思いました。
 主人公はみんなが大好きな制服姿の女子高生ですし、お約束的なパンチラシーンも一応あったりするのですが、しかしそういった(本来なら読者サービスに分類される)要素ですら、このマンガにおいては作品世界の過酷さ加減を表現するフレーバーとして機能している感じがします。以前「絶対可憐チルドレン」で見せた、細かい部分まで「作品世界」を表現するピースとして使用するセンスは相変わらずですが、今回はそれを普段(サンデー)とは全く違う世界を生み出すために使っている感じ。
 つまり、このマンガの印象を藤子不二雄で例えればじゃなくての方。「ギニャー!」とか「ギャース!」とかのおかしなオノマトペを多用して、読者を必要以上に不安にさせるマンガを描くのが得意なAの方です。
 そういえば、「ホアー!小池さん」って、コミックスの続きは出ないんでしょうか?(関係ない)

 それでストーリーの方は、今回は前半ということもあってか、主人公であるコヨミの特殊な能力、彼女の使命、そして彼女の行動を律する「掟」についての紹介がメインな印象を受けました。
 特に鍵となりそうなのが、多数の命を救うためには少数を見捨てることも止むを得ないとする「」の存在でしょう。結果的に「掟」に巻き込まれた芳山君に真実を告げる時のコヨミの厳しい表情が、掟に対する彼女の複雑な心境を表現していると思います。

 おそらく、後半はコヨミが「掟」を破らなければ何かを成し遂げられないような、厳しい選択を強いられる展開が待っているのではないか、という気がします。その彼女の選択に、芳山君の存在がどう影響するのかがポイントになるのかも。


 あと話は変わりますが、以前椎名先生が仰っていた通り、台詞の最後に「。」がついていないと、作品のイメージがまったく変わりますね。「アッパーズ」の他のマンガを読んでいる時には全く気にならないんですけど、なまじ椎名センセのマンガは普段から小学館で読み慣れているだけに、「Time Slipping Beauty」の台詞の語尾に「。」が付いていないことに強烈な違和感を覚えました。
 あまりに違和感があったのか、最初のうちは台詞の末尾に「。」が付いている幻影が見えたほどです。ゲーム脳ならぬ、小学館マンガ脳状態。ダメそう(オレが)。

 「句読点の違いなんて些細なものに過ぎない」と思っていたんですけど、その認識は大間違いだったと実感。出版社が自社の作品に「個性」を持たせるために、こんな細やかな点にも気を配っているのか! と、改めて思い知らされた所存です。
 ですので、今回の「Time Slipping Beauty」の感想は、「句読点あなどりがたし!」ということにしていきたい。

 たかしげ宙先生が原作を担当した「全日本妹選手権!!」を読んで不安になりました(おわり)。

 

更新情報:

 


03/10/20  (更新情報へ)

■待ちに待ってた

 週刊少年マガジンに、『あのGS美神極楽大作戦の椎名高志がゲスト登場!』って書かれた「アッパーズ」の広告が掲載!
 なんかちょっと面白い!

 これって、何というかこう、「水曜どうでしょう」の再放送が金曜日に流れるような、あるいは昨日録った「今日の料理」を明日見るような、そういう『別にどってことないんだけど、でもちょっと何か場違いだなぁ的な面白さ』を感じませんか? 感じませんか? そうですか?

 こちらは、私こと深沢が管理運営を行っている、椎名高志ファンホームページ C-WWW です。
 こんにちは(挨拶)。

 椎名センセの新作読み切り「Time Slipping Beauty」が掲載されている「アッパーズ」21号の発売は、火曜日(つまり今日)ですのでお忘れなく。「アッパーズ」を取り扱ってる近所のコンビニや本屋のリサーチはお済みでしょうか?
 まぁ、さすがに「アッパーズ」は天下の講談社が発行する隔週誌なだけあって、ヤンマガを売ってるコンビニだったら普通に買えると思います。売ってる本屋さんがあまりに少ないため、皆さんも読み切り作品を読むために散々苦労されたに違いないサンデー超増刊とは、この辺大違いですよね(にこやかに)。

 やっぱりメジャーな雑誌に載るってのは、特に椎名氏のような一般大衆娯楽向けマンガを描くタイプの作家にとっては大事なことなのなー、と思いました。


 また、Webサンデー上において、ついに「例の4巻」こと新椎名高志短編集の発売が正式に告知されました。
 短編集に掲載される作品の詳細についてはまだ未発表ですが、でもWebに掲載されているカバーイラストと思しきイラストに載ってるキャラを見れば、もう何が載るのかバレバレですね(笑)。

 この短編集の発売時期は今年の12月中旬頃が予定されているそうですが、そのカバーイラストの中に以前「超増刊に掲載した読み切りの中から一つ選んで、連載向け作品として編集部へのプレゼンに持っていく」と作者が告知していた超増刊掲載作品の中で例の幼女だけがいないことを考えると、おそらくこの短編集が発売される時期からそう遠くないタイミングで、週刊少年サンデー誌上で例の幼女の新連載が開始されるのではないか? と期待してもよろしいのではないのでしょうか。
 みんなの幼女への熱い想いが通じたようですよ?(語弊)
 そんな期待を含めて、短編集の発売を楽しみにしたいと思いました。

 以下は妄想。
 この短編集の発売が決定した理由としては、勿論ちょっと前にサンデーの読者アンケートで行われた短編集リクエストの結果も反映されていると思われますが(「椎名短編集を希望!」と投票して下さった皆様に感謝)、それ以上にこの前発売された雷句誠短編集「玄米ブレード」の売れ行きがそこそこ好評で、「サンデー作家の短編集も結構イケるじゃん?」みたいな営業判断が発生した可能性もあるんじゃないのかな、と推測(むしろ妄想)しています。

 サンデー編集部は、この手の短編集をなかなか出さないことでマンガファンの間では本当に本当に本当に有名であり、私ですら超増刊を読んでいるコアなファンがネットで「何故χのコミックスを出さないんだ!」と呪詛の言葉を呟いているのを見かけたことが二度や三度じゃなかった(χ=「ニュータウンヒーローズ」「サッカーキング2巻」「カンタが大将!」、その他モロモロが代入可能)ことを考えると、今のこの流れは埋もれていた作品を再び掘り返せるチャンスなのかも知れません。
 「出せばそこそこ売れそうなんだけど、営業的に踏ん切りがつかない」ボーダーラインに位置する作品に再び日の目を浴びさせるためにも、また現在サンデーで描いている人気作家の短編集を発売する流れを作る(判りやすい例:「葵DESTRUCTION!」を擁する井上和郎センセの短編集)ためにも、今度の椎名短編集はせめてそこそこは売れてもらわなければ困る! と、サンデーウォッチャー的な視点で訴えて行きたい。
 これまで短編集を出してこなかった奴らを見返してやろうぜ!(そこそこの売れ行きで)

 私はこれからそう訴えていきたい訳なので、カバーイラストに描かれたミソッカスを見た時に、「何故『GSホームズ』に登場しなかったはずの冥子がこんなとこに?」と本気で1分くらい悩んでしまったことは、積極的になかったことにして行きたい。
 それもこれも、宣伝文句に臆面もなく「椎名ファンなら誰もが待ち焦がれた、あの単行本未収録作品のヒロインがついに登場!」と書いてしまうくらい、ミソッカスの存在が伝説レベルになってしまうまで短編集の発売を長い間店晒しにして来た奴が悪いんだ! と責任転嫁して行きたい。

 サンデー編集部の皆さん、短編集を出してくれてありがとう!(←アンビバレンツ)


■「書くのはいいけど載せるの遅い」と言われました:サンデー46号の感想列伝
  1. 皮村君(いでじゅう!)
  2. 「私も一緒に歌いたいな。」(金色のガッシュ!)
  3. 『耕太にバレたっ!! 次号休載!!』(美鳥の日々)
  4. 「ねえ、教えてよ。あの女を守って、アンタになんのトクがあるの?」(からくりサーカス)
  5. 最近のモンキーターン

1. 皮村君(いでじゅう!)

 また皮村か!(挨拶)
 ここまで登場頻度が高いとは、彼は本気で女子高生に人気があるのか。作者に愛されているのか。それとも、単にキャラとして使いやすいだけなのか。

 今回は桃里が自分のアイデンティティーの確立に悩むという、十代の若者なら一度は通過しておくべきテーマを扱ったお話でした。結局、彼女はカラむ相手によってキャラクターが変わる不安定迷走キャラという形でオチが着きましたが、逆に皮村君は相手からキャラクター性を引き出す能力があり、誰と組ませるにしても絡ませるのに最適な存在なのかも知れないなぁ、とか思いました。
 今回彼があれだけいい目を見られたのは、顔がブサイクな上に性格が色々な意味で軽いので、異性であることをあまり意識せずに単なるトモダチとして普通に接することができる存在である、という彼特有のキャラクターによるところが大きかったんじゃないかと。
 人間、どんな奴にも一つくらいは取り柄があるということですね(誉めてます)。

2. 「私も一緒に歌いたいな。」(金色のガッシュ!)

 その桃里は「わたしボケますから! ボケきってみせますから!」と羽美ちゃんっぽく訴えて結局失敗してましたが、今週のサンデーで強烈なボケっぷりを発揮して最強に笑わせて頂いたのが、「金色のガッシュ!」のベルギムE・O様です。
 ジェットで飛んだり口から怪光線を発射したり転がり回ったり周囲を無差別に破壊したりのやんちゃなリアクションの数々の面白さは、少年マンガ界におけるリアクションマンガの雄「焼きたて! ジャぱん」の河内やピエロをも余裕で凌ぎます。というか、あんなの人間じゃ絶対に真似できません。

 また、ベルギム様の魔本の持ち主であるダリアの壊れっぷりも素晴らしいです。明らかに性格が破綻しています。街で遭ったら絶対に目を合わせたくないタイプです。彼女がどうやってベルギム様の呪文を発音しているのか、本気で見当が付きません。まさか、ベルギム様の全ての呪文は「ケケケーーー!」で発動するんじゃ? やべえよ!(頭が)

 それより何より、これだけベルギム様やダリアが物語の中ではっちゃけておきながら、最初と最後にシリアスなシーンを挿入しているおかげで、ちゃんと話が締まっている印象を受けるのがスゲエと思いました。雷句先生の作品構成能力とキャラクター創製能力は底が知れません。
 なお、現在発売されている「コミッカーズ」の最新号に「テーマを伝えるキャラクターデザイン」という題目で雷句先生にインタビューを行った記事が掲載されているので、興味がある方はご一読を。

3. 『耕太にバレたっ!! 次号休載!!』(美鳥の日々)

 今回の「美鳥の日々」は、これまでこの作品を支えてきた基本構造を書き換えてしまう程の破壊力を持った急展開を見せたのは勿論のこと、部屋着にしてはあまりにエロ過ぎる服装と仕草のおかげで娘の幼なじみの少年を誘っているようにしか見えない美鳥の母やら、相変わらずの縛られ上手で相手の加虐意識を煽る受けフェロモンを垂れ流している「歩く一人少年受けアンソロジー」状態(意味不明)の耕太君やら、実はポエム系少女マンガ家の素質があったことが判明した真正コスプレマニアのレディース猫部さんやら、それこそページ単位で突っ込みどころがあって非常に楽しいお話だったんですけど、でも最後の最後に登場した最終ページのハシラに書かれていたコメントに全て持って行かれた印象。

 「耕太にバレた」と「次号休載」って、全然関係ないじゃん!
 なんかちょっと面白い!(またか)

4. 「ねえ、教えてよ。あの女を守って、アンタになんのトクがあるの?」(からくりサーカス)

 P.250のコロンビーヌの台詞。勿論、この問いに対する回答は勝ならすぐに答えられるのですが、あえてコロンビーヌにその答えを直接返さず、己(そして読者)に対してその答えを確かめるようにしろがねの寝顔を見守って静かに微笑む勝の姿が、とても格好良いなと思いました。

 今回の黒賀村編は、途中に出てきた連中が相当アレでナニな奴らばっかりだっただけにどうなることかと思いましたが、ちゃんと締めるところは締めてオチを付けましたね。さすがは藤田先生。
 富士鷹ジュビロ対炎燃のサイン会バトルの結果が楽しみです(マンガと関係ない)。

5. 最近のモンキーターン

 比較的萌え萌え言ってることが多いこのページ(比較的?)では、このタイプのマンガに触れる機会はあまりないのですが、賞金王GPから今回の女子王座決定戦に渡るここ最近の「モンキーターン」の展開は、本気で面白いと意思表明しておきたい。
 長期連載作品なだけあって、沢山の人間が相互に関わり合いながらそれぞれの立場から目標に向かって歩んでいく、大河ドラマ的とも言える群像劇がキチンと描写できていると思います。

 そういえば、テレビ東京の土曜日深夜枠で放送されている「人魚の森」の後番組として「モンキーターン」がアニメ化されるっぽい雰囲気。同時期にアニメ化される「ゆめりあ」や「マリア様がみてる」に負けるな!(比較対象が違います)

 

更新情報:

 


03/10/09  (更新情報へ)

10/12:サンデー感想投稿作品を1編追加

椎名高志短編集発売決定記念アンケート(勝手に)

 次のコミックス未収録作品の中から、短編集にぜひ収録してほしい作品を一つ選んでください。

  1. 絶海絶命! (1988,まんカレ佳作入賞)
  2. フォワード (1990/9)
  3. 眠る牙 (1990/6)
  4. 変身拳法ホルモン (1994/10)
  5. スーパーファミリー王国 (1995/3-4)
  6. 家電少女MISOCCUS (1995/7)
  7. ジパング!! (1996/6)
  8. GSホームズ極楽大作戦!! (2002/1)
  9. 江戸浪狼伝 (2003/2)
  10. パンドラ (2003/3-5)
  11. 絶対可憐チルドレン (2003/7)
  12. 零式といっしょ。 (2003/8)
  13. 破壊僧ジョドー (2003/9)

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※お一人で何回投票されても構いません。
※"Time Slipping Beauty" は未収録が決まっているそうなので入れていません。
※漏れている未収録作品がありましたらお知らせ下さい


■書きました:サンデー45号の個人的萌えポイント列伝
  1. P.28で皮村の御輿を担いでいる一年生達の顔(いでじゅう!)
  2. 零戦対ジェット機(D-LIVE)
  3. 「おー戦いこそ曲の源ラララ〜♪」(ケンイチ)
  4. 明るい部屋にいるのに影がかかるP.182のオロチ(オロチ)
  5. ゴスロリばあさん(ロボットボーイズ)

1. P.28で皮村の御輿を担いでいる一年生達の顔(いでじゅう!)

 ここまで無個性な顔が並んでいると、かえって面白いです。

 それにしても、せっかくの巻頭カラー+豪華二本立てな回で、あえて一番読者から愛されていなさそうな皮村をメインにした話をぶつけて来るところに、作者の英断というか蛮勇というか、とにかくただならない何かを感じさせて頂きました。このマンガ、振ろうと思えばいくらでもラブコメとかそういう人気が取れそうな路線を取ることも可能な作りになっていますが、あくまでおもしろ学園コメディ路線を突き進む覚悟があると認定。
 それとも、実は人気あるのか皮村君。高校生女子とかに。

 普通のマンガだとあれだけヒドイ目に遭った皮村君は少しは反省して成長するんでしょうけど、「いでじゅう!」はそういうマンガではないはずなので、きっとまた次回からは懲りずにブルマブルマ叫んでくれるキャラに逆戻りしてくれることを信じています。いつまでもそのままの君でいて!

2. 零戦対ジェット機(D-LIVE)

 今回の零戦対P-51という対戦もオモロかったですが、なんか次回はレシプロ機の零戦とジェット機がドッグファイトを繰り広げるという、まるでセガの「ウィングウォー」やコナミの「タイムパイロット」みたいな燃える展開になりそうですよ! ガンダム相手に「自分の力で勝ったのではないぞ! そのモビルスーツの性能のおかげだという事を忘れるな!」と言い捨てて逃げ出したシャア少佐ならずとも燃える展開です! うわ、すげえ続きが読みてぇ!(例えが古くないか)

 それにしても、もしかしてこのマンガの作者は、髭面でマッチョでプアーな(頭が)反政府主義の白人男性がバカな主張をして大暴れする話が好きなのでしょうか。
 911テロ以前は、アメリカでテロを起こそうとするのはこういうタイプが主流だったと思います。彼らは今、何処へ行っちゃったんだろう。「かってに改蔵」に出てきた反政府運動会の面々に通じる、過ぎ去った時代へのノスタルジーを感じさせますね。赤勝て! 赤勝て!

3. 「おー戦いこそ曲の源ラララ〜♪」(ケンイチ)

 「ラララ〜♪」っていう軽快なフレーズがまったく似合わない堅物フェイスがステキな新キャラ・ジークフリートが登場。このコマに限らず、彼が登場するコマは全て口ずさんでいる曲と彼自身のツラが見事なまでな不整合を起こしています。ここまで来ると、作者がわざとやっているとしか思えません。ジークフリートが登場する戯曲「ニーベルングの指輪」を書いたワーグナー先生もビックリ間違いなし。
 言動と外見が徹底的に噛み合わないと違う意味でここまで面白くなる、という好例だと思いました。

4. 明るい部屋にいるのに影がかかるP.182のオロチ(大蛇)

 このマンガは、「影」の濃淡でキャラの心理を表現する演出を行っているため、光源が人物の背面に位置する=人間の正面に影ができることを意図した作画がされているように思えます。その関係上、登場人物はどいつもこいつも、それこそ通りすがりのお姉さんのレベルに至るまで徹底的に身体に影を抱える描写がなされている訳ですが、その中でも主人公のオロチは闇の背負いっぷりの格が段違いです。明るい部屋の中でヒロインに優しく介抱されている時ですらわざわざ闇を抱えてしまうだなんて、さすが本物のダークヒーローは暗さが違う!
 そんなに見知らぬ女子に優しくされるのが怖かったのか。彼はああ見えて実は引きこもりがちな性格だったのか(まちがい)。

 この作品のモチーフは、古くは「フランケンシュタイン」から最近では「ハルク」に至る、『望まれず生まれた怪物の悲劇』を描いたダークヒーローものということになるでしょう。このような作品には夏目氏の暗めの絵柄、そして前作「トガリ」で培われた作者のイメージがよく似合っていると思います。このタイプの作品が描ける作家は(特に今のサンデーでは)貴重ですしね。
 勿論、この手の作品は(少年誌では)メジャーな人気はなかなか得にくいのではないかと思うのですが、でもこういう作品を描いてこその夏目先生だ! って気がするのは、読者のわがままなのでしょうか(わがままです)。

 「トガリ」以降はサンデー編集部とも色々あったと伝えられる夏目先生ですが、ぜひ今後も漫画家として第一線で活躍して欲しいです。雑誌を問わず。いやホントに。

参考:夏目先生が自分で書いた、『オロチ』に関する「駒木博士の社会学講座」風コメント
 →http://park.zero.ad.jp/~zaw18031/graffiti/g_htm/oro_kouza.htm

5. ゴスロリばあさん(ロボットボーイズ)

 あんな古くさいパーツショップのオーナーのばあさんが、ロリロリな美少女にしか似合わないはずのゴスロリ系のアンティ−クなメイド服(の、ようなもの)をお召しになられてますよ! こんなパーツ屋見たことねぇよ! 終戦直後の神田の闇市の時代から電機部品を商って来たに違いない、百戦錬磨の老練なばあさんですらこんなコスプレ姿でお出迎えとは!
 さすが世界に名高い秋葉原電気街のジャンク屋は違う!(←感心する方向性が違います)

 以下は比較的どうでもいい話ですが、以前秋葉原のジャンクパーツ屋に寄った時、普通のホームセンターなら3000円くらいで売ってる家電パーツとまったく同じ部品の新品が、たったの1000円ポッキリで売られていてビックリしたことがあります。どういう流通ルートを通れば、このパーツがこういう価格になるのか不思議。
 今ではすっかり明るく楽しい不健全なオタクの都と化した秋葉原ですけど、こういう得体の知れないショップの存在こそが秋葉原を「秋葉原」たるものにして来たことを忘れてはいけないと思いました。

 あと、現実の秋葉原にもマンガの中に登場したロボットパーツ専門店がいくつか存在しており、私も行ってみたことがあるんですけど、秋葉原にある他のパソコンショップや同人誌専門店などとは全然店内の雰囲気が違うなぁと感じました。というか、客層からして違います。母親に連れられたお子さまが、楽しそうに店内を眺めている平和な姿が見られたりしますよ。
 健全だ! 秋葉原なのに健全