ヒナタが何故二重人格なのかにまだこだわる。

No.12000/04/26 14:44 雨の浮船(ukifune@jomon.ne.jp)

 誰かおっしゃってるかもしれませんが、
 ヒカゲというのはおそらくその名前の通りヒナタのシャドウ
 であると考えられます。
 シャドウというのはえーと元型のひとつで・・・
 ・・・説明が長くなるんでわかんないひとは心理学の本でも
 読んで下さい。
 シャドウっつうのはユングの提示した概念です。
 ユング関係は、一般向けには河合隼雄氏の著作が+α文庫から
 大量に出ています。もう腹が立つくらい。
 シャドウについてだけなら講談社学術文庫から同氏の
 「影の現象学」だったかなんかという本が出ているはずです。
 すいません。書名正確に覚えていません。
 おそらく椎名先生の頭にはこのシャドウ学説があって・・・。
 とすればヒカゲというシャドウの統合、がこの漫画の大きな
 テーマのひとつ、なのかなーとも思います。
 考え過ぎ?
 シャドウにしろなんにしろ意識下の統合しきれなかった
 人格を再統合するには、その人間のみならず彼をとりまく
 状況そのものがいっしょに成長していかないといけない。

 ご存じかもしれませんがこれをコンステレイションといいます。
 あ、私のことですから英語間違ってるかもなんで、日本語でも書いときます。
 いわゆる布置というやつですね。

 コンステレイションというのはこの場合、星座の並び方のことです。
 ヒヨシの内面的成長がちょうど星座のように、ヒナタ、信長
 蜂須賀、明智、道三、といった人間関係と対応していってる
 ありさまをこう表現するわけです。
 従ってヒカゲはヒナタのシャドウであると同時にヒヨシの
 シャドウでもあるわけですね。
 シャドウ、とか元型を持ち出すとわかりにくいかもしれませんが、

 「ヒカゲはヒナタの夢である。あるいは逆にのんきで健康な
 ヒナタは忍者という血生臭い世界にいたヒカゲの夢である。
 そしていつか少年は少女にとっての夢になるのだ。」
 

 と言えば無意識が自我を補償するというこのユング学説、
 フロイト、ネオフロイト学説とはまた違った味わいのある
 シャドウ学説をなんとなく理解していただけるのではないかと。
 そしてヒカゲがヒナタの夢ならば、予言する、という彼女の
 機能もさほどオカルト的ではなくなります。
 外見がかわっちゃうのは漫画的表現としても。(^^;)

 ともあれ、「ヒナタとヒカゲの統合は彼女本人の成長で
 あると同時にヒヨシの成長でもある。」
 というのはこの漫画の...。

 「秀吉の出世物語といういかにも関西なネタを使って
 少年の成長物語を描く」
 というこの漫画のサブテーマとしてうってつけです。
 いやあ、少年漫画の王道ですぜ。だんな。
 誰がだんなだ。
 美神では登場してくる女性がみんなあぶねえ性格だったんで
 成功すればすれほど無理の出た「横島の成長」のテーマ、
 仕切り直しでどうなりますか。 


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