4か月前の週刊少年サンデー感想 2026/06号 (2026/01/07発売)
目次
あけましておめでとうございます! (2026年の年初に出たサンデーを読んでいるので)
積読している電子書籍版週刊少年サンデーを、四か月遅れで読んでおります。電書は本を貯めこんでる実感がないまま無限に積読できるので便利。
以下、新連載を中心とした作品の雑感です。なお、このサイトで前にサンデーの感想を書いていたのが2022年2月までだったので、それ以降に始まった漫画は自分にとってはみんな 新連載扱い です。
放課後、ボカ研で!
この現代社会において、音楽に興味がある若者が初音ミクを始めとしたボーカロイドの存在を全く知らないまま高校生まで生きることが可能なのか? という 大きな疑問 はあるものの、その点を除けば強烈なボケキャラを主役に据えた部活モノとして楽しく読めそうという印象。
基本的に読者はボカロのことを(少なくともミリしらな主人公よりは)判っている現代社会を生きている人間なので、「自分が知っていることが漫画に出てくると優越感に浸れて嬉しい」という人間の根源的な欲望を刺激する漫画だと理解。サンデーにおける高校文科系部活漫画として「究極超人あ~る」を超えることを目指して欲しい(無理難題)。
ふたりバス
連載開始当初は「田舎が舞台のラブコメなので『百瀬アキラの初恋破綻中。』と被るのでは」と心配されていた(自分が)このマンガだが、「通学バスという特殊な空間を舞台に、疎遠になった幼馴染同士の不器用ながらも微笑ましいコミュニケーションを描く」という、『百瀬アキラ』とは全く方向性が異なる路線なので良かった。
田舎という舞台の使い方も、(「現代の秘境」的な舞台として使っている『百瀬アキラ』とは違って)「ふたりバス」では田舎特有の狭い交友関係やそこから生じる文化、コミュニケーション濃度の濃さといった面をクローズアップしており、それ故に同級生とは違う高校に進学したことで「田舎特有の狭い交友関係」からはみ出つつあるヒロインとのコミュニケーションの難しさを主人公に感じさせる役目を果たしている。上手い舞台装置の使い方だと思う。
あとこの作者の前の作品「ポニテに揺れる」が個人的に大好きだったので、「ふたりバス」には大いに期待している。「ラブコメのサンデー」の看板を『百瀬アキラ』や『尾守つみき』と共に背負って欲しい逸材だ。
尾守つみきと奇日常。
「古見さんは、コミュ症です。」に続く新しいダイバーシティ&インクルージョン系日常系ラブコメマンガとして始まった「尾守つみきと奇日常。」も、なんかもうすっかり今のサンデーを支える長期連載作品の仲間入りに。
個人的には連載始まったのつい最近では? とは思ってしまうのだが、実は2023年10月連載開始なので、もう2年半も連載が続いてることに。今や「古見さん」亡き後のサンデーのラブコメにおける主力作品と言っても良いレベルだろう。つみきちゃん、しばらく見ないうちにすっかり立派になって…(親戚のおばさん視点)
連載の方は、後輩キャラの虎条華錬に焦点が当たる展開に。世間知らずで我が強くて語尾に「ですわよ」を付けて喋るテンプレ的なお嬢様なれど、その「テンプレ的なお嬢様像」を自ら打ち破ろうともがいているところが(もがき方が面白いところも含めて)魅力的なキャラだと思う。
そして彼女の父親もまたテンプレ的な「娘の自我の芽生えを否定して摘み取ろうとして来る厳格な父親」で、つみき達はこの親子のテンプレ性を如何に打ち破ることができるのか? が今後の展開の焦点になりそう。
百瀬アキラの初恋破綻中。
良くも悪くもピュアなアキラとはじめによる、純愛と呼ぶのもおこがましい(あるいははばかられる)ドタバタラブコメディ。連載開始が2024年8月なのですでに長期連載作品と呼んで良い作品なのだが、このサイトの「2022年2月以降に始まったマンガは新連載」の定義に従って新連載とみなす。
最初のうちはアキラがはじめに近づくための綿密な「計画」がアキラのエクストリームなドジっぷり、およびはじめのエクストリームな鈍感っぷりによって破綻する様を楽しむコメディだったのだが、この2026年6号ではついにお互いにやりたいことを叫びあって笑いあい、更に感極まったアキラがはじめにチュウをする(着ぐるみ越しに)ところまで進展。微笑ましいったらありゃしないですね(感想)。
4か月前に掲載された話でこうだったんだから、最新号ではどのくらい関係が進展しているのか楽しみ。この二人のことだから、ここから全く進展していなくてもおかしくないが、せめてもうちょっとは進展して欲しい。心置きなくいちゃつくこの二人の姿をいつか観てみたい。
機械残骸の魔法少女
サンデー2026年6号に掲載された、小学館新人コミック大賞受賞作。最初から最後まで崩れない緻密な絵柄、見せ場の戦闘シーンのド派手な演出、主人公の魔法少女とロボットという最少人数だけで構成されたから物語だからこそ描ける両者の関係性の変化など、「新人とは思えない」という慣用句をお世辞ではなく文字通りの意味で使わざるを得ない、なんかものすごい漫画だったという感想。突っ込みどころとしては、最後に「料理してくれる奴が必要」と言いながら作中に食事のシーンがなかったことくらい(講評で青山剛昌先生が述べていたが)。
サンデーうぇぶりにはまだ掲載されていない様だが、これはうぇぶりにも掲載して広く読んでもらうべきマンガだと思った。
第97回発表|これまでの受賞者|小学館 新人コミック大賞
(少年サンデーコミックス)
(小学館)
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