Fanciful science Exclusion-spirit Rader : Fry me into the sky
[part of 2/2]

literary-work:iky


≪原動機付き自転車免許を取ろう≫

 しかしここまでは当人の責任においてであるので同情はしない、しかし更に悲惨なのが魔鈴めぐみ…………………………………に出前を頼んだ客だろう。気球による出前という暴挙に出た魔鈴をシュミレートしてみると。

  「あ〜〜〜ん。出前先は虎ノ門なのに、そっちはお台場よ〜〜〜。また蕎麦が伸びちゃう。お客さんから怒られる〜〜〜〜〜」  なんて、行きたい方向に風が吹かずに東京上空でジタバタしながら泣きの入る魔鈴、そして岡持ちの中で伸びる蕎麦。そして待ち惚けさせられる出前の客。きっと昔の宅配ピザのような30分以内でお届けするなんて夢の又夢であろう。
それでも多分真面目な魔鈴なのでバックレタリせずに届けてはくれるだろう。伸びた延びた蕎麦を……………………。
 迷惑だ。
 筆者のように食べ物を粗末に出来ない信心深い者にとっては、かえってバックレてくれたほうがいいような。
 そう言えば、今はもうやっていないが日テレの特プロ番組「たけし・さんまの超偉人伝」で日本一早い蕎麦屋伝説と言う回で500b以内なら2分で届けるって大阪の蕎麦屋が出てきたが、試しに東京の日テレスタジオにいる二人の所まで出前を頼んだら二時間半で届けに来た事があったが、思いきりダシを吸っていた蕎麦を出演者が食っていて、一体どんな味なのか疑問に思っていたが、実際食わされると困るだろうからな。
 出前が遅いと評判が悪くなる前に是非原動機付き自転車(原チャリ)の免許を取って、本田技研株式会社のジャイロキャノピー(宅配ピザ用原チャリ)で普通に出前をする事をお奨めしたい

≪保健所は何をやっている≫

 評判が悪くなると言えば、猫に飲食店の手伝いをさせるのは如何なものであろうか?。季節の変わり目の毛の生え変わる時期は当たり前で、普段からも当然料理に毛が入るだろうし、猫嫌いも猫の毛アレルギーも世の中には多いぞ。どうしても魔女としての定番を守って、使い魔に猫を使いたかったら、せめて黒猫は止めてスフィンクス(毛の無い猫)にした方がまだいいような……………………。

 それにあの猫厨房の机に乗るわ、確か床を土足で歩いて来て、そのまま客のテーブルに乗って、更に雑菌だらけの己が口にメニューを咥えさせていたが、あれはどう考えてもマズイだろう。筆者の知り合いは猫に噛まれて3年入院した。それぐらいに猫の口内には危ないウイルスとかがウヨウヨいる(←本当です)。他にもハムスターをアニメ番組が影響で飼う人もいるようだが、安易に飼うのはお奨め出来ない。ハムスターもとびきり危ないウイルスのキャリアーであるのだ。噛まれて、体をまるでエボラ出血熱に侵されたように二倍近くに腫らして死んだ知人の女性を知っている。それを考えると当たり前のようにメニューを運んでいたからには、昨年雪印事件とかで敏感になった保健所も黙ってはいないと思われる。多分商売仇はこれ幸いと通報するだろうし、美神も喜んでタレ込むはずだ。

 もし食中毒など出したら多分3ヶ月は営業停止だぞ。そして信用は永遠に戻ってこない。信用は金で買えないんだから大事にした方がいいのは筆者の生家は古い家業だから痛いほど分かっているので、是非営業停止の前に人間の従業員を雇った方がいいと思われる。

 しかし魔鈴の店の値段が安いのは猫やら箒などを使う事によって近年問題になっている国内の雇用費用の高騰に対抗していると思われる。人間の従業員を雇う分の人件費の削減で成し得ているようだ。今時高い人間を雇ったら今の値段の維持は難しいだろう。安いことで固定客もついただろうから、デフレスパイラル現象で牛丼もハンバーガーも安い昨今魔鈴の店だけ単価が上がれば客も離れるだろうし、心の真っ直ぐな魔鈴の事で別の心配もある。昔の国鉄のような理屈で、客が離れた分を他の客に上乗せしたりする可能性も無きにしもあらずだ、単価を上げれば更に客は離れていくだろう。
 そう考えると魔鈴の店の行く末が心配だ。登場の時と横島の送別会以来、店の場面が出てこなくなったのは営業停止になったからでは無いだろうか?愛の貧乏脱出大作戦に出る日も近いかも。

≪撃て美神!!≫

 後 本題である空を飛んで出前をしていた風景を見たが、あれも危ないぞ。
 恐らく自分は魔女なので小竜姫らと同じスーパーマン方法では悪いと必ずホウキを使っていたから、どうやら気球はホウキに繋がれていたと思われるが、飛行浮力を得ているのはあくまでホウキの方だと思える。それ自体は構わないが、どう見ても魔鈴とホウキを繋ぐ命綱のハーネスの姿は見えなかった。ならば手が滑ったりして転落したらどうするつもりなのだろうか?。しかも魔鈴はいつぞやの美神のように絶えず馬乗りで跨って乗ってはいずに、所謂女性乗りでホウキには乗っていた。これは本当に危ない。

 鉄棒で幼少に散々遊んだ筆者は身を持って知っているが、魔鈴の場合は体を預けるただ1つのホウキの柄に対し重心の位置が体の位置に対して非対称なるが故に非常に不安定だ。女性乗りで馬に乗る方が居られるが、摩擦の強くて面積も広いウエスタンサドル(乗馬用鞍)ですら馬が僅かに暴れても女性乗りは落馬が多いのだ。更に空の上は突然の突風も吹くのであんな風の抵抗をモロに受けるような服を着ているのは危険じゃないか?。吹くのは突風だけで無くて、気圧変化のエアポケットも上昇気流もあるのに、更に岡持ちを片手に持って平然と飛ぶ魔鈴。
 ヒートアイランド現象にビル風で吹き荒れる都会の高層の空の風を嘗めてのかお前は!。
 筆者は窓拭きのバイトで僅か十数bの上空でも命綱を付け替える時に突然のビル風に揺られて死にかけたのだぞ。魔鈴が飛ぶのは更に上空だ。突風は絶えず吹いているのだ。航空機の免許を持っているとしても、航空学の座学をちゃんと取ったのだろうか?
 風の1つでバランス崩して、足の方向にもずり落ちたり背中にデングリ返る危険性が非常に高い。筆者も鉄棒で遊んでいてデングリ返し状態になってしまい、行き成り空が見えたので焦って鉄棒を掴もうとしたが、デングリ返った時は大体手を泳がせるので掴み損ねて後頭部から落ちてしまった。筆者の場合は下が砂場であったので良かったが、魔鈴の時は下はコンクリートでしかも下手すれば数百b下だ。百b超えたマンションから飛び降りた自殺者がいたが、ハッキリ言って元が人間であったと思いたく無いほどの無残な挽き肉状態であった。
 確かにうら若い乙女?がお尻にホウキを挟むのはハシたないかもしれないが、まだ太腿でホウキの柄を締付て安定出来る自転車乗りをして欲しいモノだ。美人のそんな末路は出きれば見たくないので。
 しかも運悪く下に通行人がいたら……………………。

 うむむ。美人にこんな事を言うのは心苦しいが、どうも社界人としての社会規範に抵触している事に気がついていないようなので敢えて言おう。
 お前が死ぬのは冷たいようだが勝手だ。
 しかしまかり間違ってお前や、出前で持っているアルミ外板の岡持ちでも落したりしたら、どう見てもコッチも落下防止用の紐も無かったので、運悪く下に通行人でもいたらどうするつもりだろうか。恐らく中身と合わせて10`はあるだろうし、100b上空から落せば落下速度は地上では優に100km(秒速27b)を超える。筆者はこの作品の為に中古厨房専門店に出掛けて同じタイプの岡持ちを持ってみたが、重たい物を運ぶ為に取っ手は太く女の手には余るぐららいだろう。店主の冷たい視線に耐えて持っていると数分で腕はダルイは痛いわで大変であった。中身が無い状態でそれだ。一概には言えないが、魔鈴のあんな細腕で空中では片手は箒を持っていなければいけない。つまり、持ち替えの出来ない以上は片手で持ちつづけなければいけない以上は落下の危険は非常に高い。
 あんな隅が尖った金属ならかすっただけで重傷は避けられないし、頭部に当たれば(上空からだと面積的には五割を超えるし、一番天辺なので多分当たる)切れの悪い斧でプロ野球選手のフルスイングで殴られたと同じで殆ど即死だ。
 ドクドクドクと18禁的展開ならお馴染みな擬音に似た音で血を流したり、頭部に岡持ちがめり込む一般の無辜な被害者を見てからじゃ遅いぞ。確かに原作においての一般人は悪霊にただ殺されるか、出演者からのいわれの無い迷惑を受ける為だけの存在に過ぎない悲小な存在であるが、彼等の財産生命も護ってほしいものだ。
 是非業務上過失致死で訴えられる前に対策を練って欲しい。[khd133p]

 しかし魔鈴の事だ。自分が悪いなどとは夢にも思わず吉本の定番ギャグである、電車で他人の足を踏んでしまった方が「人の足の下に足をいれやがって」系ギャグで「岡持ちと地面の間に潜りこまないでください」とか真顔でいいそうだな〜〜。美神とは違う意味で、世界は自分を中心に回っていると善意で思っているから。

 筆者が許す。罪無き犠牲者が出る前に撃て!! 美神。

≪ホウキに航空機の免許はあるの?。じゃあ魔鈴は21歳以上[注釈]。もう少し若そうだと思ったが≫

 そう言えば空を飛んでの出前は別の問題をはらんでいることに気がついた。

 世界を救うという名目があれば世間も政府も超法規的措置で黙認もしてはくれようが、出前活動はあくまでも業務上の就労であって、研究の為とか言っても世間的には個人の営利活動でしか無い。それじゃあ人様の上を飛ぶのを世間は許してはくれないのではないだろう?。当たり前だが、航空管制条例に思いっきり反しているのだ。
 確かに高度200b以下であるならば超軽量飛行機などは比較的に条例は緩やかだと聞いた事はあるが、あくまで人家も無い田舎での話で東京のように大都市だとそれぐらいで許される問題では無い。

 まず第一に東京上空の大部分は横須賀在日司令部の管轄空域で、自国であってもまるで占領を受けた国のように勝手に飛行は出来ないのだ。許されたのは狭い領域であるので、この前の大接近ニアミスが起きる原因になったぐらいであったのだ。だからまず米軍から厳しく突っ込まれて警視庁が動いて厳しい取調べを受ける事になるであろう。
 オマケに家宅捜査をされたら怪しげな薬品やら薬が出てくる可能性濃厚で、厚生省から薬事法違反でも摘発される可能性もあろう。しかも魔鈴は勝手に店の地下?に異世界を作って移り住んでいたよな。異世界であろうが、何であろうが日本国内からパスポートもピザも無く出入りしている以上はそこは日本国内だと言われても反論出来ないだろう。しかもそこを勝手に開発&使っていいのか?正式な登記簿も無い以上は国有地だと宣言されたら、勝手に開発したと言う角で国土交通省から取調べを受ける事になるであろう。

 更に魔鈴の悪行を探して見るとまだまだあった。いつぞやのバレンタインデーの惨劇の時に横島と西条が身心に多大なダメージを負ってしまった事件があった。あれは黒猫が勝手にやった事……………………なんて言い訳は出来ない。あくまでも飼主は魔鈴である以上はペットの不始末は取らねばならない。黒猫はかなり高い知能を持っていたようだが、法律的にはあくまでも"モノ"なので、仕出かした事は全て飼主の魔鈴にあるのだ。横島達に身心の傷を与えたのは善意(法律的には)であっても傷害罪で裁かれる事になるであろう。確かに二人は訴えないかもしれないが、それはあくまで民事であって刑法では裁かれる事になるであろう。{khd53p}
 一体幾つ罪を重ねるんだ、可愛い顔してとんでもない女だ。やっぱり綺麗な薔薇には棘があるんだな。幾ら可愛くても女性には気をつけましょう。

 よしんば法律的に認められ、飛行許可が出るにしても現実に飛行の申請をしてもおいそれを許可を出してはくれないだろう。誰が何時 何処から何処に何を持ってどんな理由で飛ぶのかの飛行プランの提出を求められる。それを出しても規制天国の日本では打てば響くと言う風にオッケーを出してはくれない。具体的に昼の食事時の出前を考えて見よう。
 昼の出前の注文は大体11時30分から受ける店が多いが、その時間に注文を受けて5分で食事を作っても、魔鈴は飛行プランの提出書作りでまだ出られないであろう。何しろベテランでも15分は掛かるらしい(うろ覚えであるので不明。航空評論家の青木さんに教えて欲しいものだ)。それをファックスで送ってももう正午を過ぎて昼時なので航空管制局も大部分は食事に行っているので許可は遅れるであろう。どう考えても半時間以上は掛かる筈。これの繰り返しだとすれば昼の掻き入れ時でも二三組を捌くのが精々の筈。それもとっくに出来あがったモノばかり。魔鈴の客に暖かい食事が届くことは無い。
 そう考えると、やはり大人しく三輪原チャリで運ばれる道を選んで欲しい。客の為にも……………………。

 魔法の勉強とか薬膳の前に一般常識とか食品衛生学を勉強したほうがいいぞ。西条は魔鈴の事を純粋だと言葉を濁していたが、どうも坂田三吉とか山下清とか小池重明とかと同じタイプのような気がするな〜。ファンもいるだろうから詳しい言及と言葉は避けるが、今の時代ではお仲間はジミー大西って所のような人種ではないであろうか…………………………………。

≪やっぱり哀しい結論だ≫

 話を戻すので、脱線した部分は忘れてください。え〜〜〜〜コホン。

 行きたい方向に進む為に、現実世界の気球では多くの場合はガスバーナー燃焼の強弱によって浮力を調整している。何故かといえば空は同じ場所であっても高さによっては同じ方向に同じ風力の風が吹いているワケでは無い。つまり浮かんでいる場所の浮力調整により上がったり下がったりして行きたい方向の風を掴まえる。そうして、何とか方向を定めるのだ。行き先の指定を可能にする為には小竜姫も魔鈴もヘリウムと熱気球の併用が一番いいのだが……………
                               いいのだが……………熱気球の装備?
 一般にはガスボンベにバーナーだけど、そんなモノ有ったか?

 彼女等はそんなモノは背負っているのを見た事は無いぞ。それから見ても多分熱気球が備わっているとは考えにくいような…………………………………。
 画面外にあるであろう気球の下部に直接バーナーを取り付けてリモコンとかで遠隔操作をすればという意見もあるだろうが、バーナーの操作は非常にデリケートかつシビアであるので決定的に向いていないこともあるが(大昔から魔女は飛んでいたが遠隔操縦のシステム確立は精々ここ数十年だ。とても古式ゆかしい魔鈴の系統にあったとは思えない)、更に大きな問題からもその装置は取り付ける事は不適だ。

 普通の気球のように乗員の乗っているタラップと気球乗員部本体のゴンドラが沢山の金具でジョイントされているならばキチンと固定されているので揺れによる重心の移動も紐で繋がれているより横風に対しても揺れは少ないが、長い見えない糸で繋がれているならば微風であっても長い振り子のように、同じ運動エネルギーであっても物凄く揺れるに違いない。これは子供の時に風船を飛ばした時に、風船自体はそんなに揺れていなくても、持っていた糸に吊るされた持ち手の部分はブンブンと揺れていたのからも分かるであろう。見た事の無い方は縁日でヘリウム風船を買ってきて持ち手にネジでも縛って、扇風機で風をあてれば分かると思われるので実験して欲しい。揺れる揺れる筈だ。

 普通気球は垂直に立っている時にバーナーを焚く。これはもし気球自体が横を向いている時にバーナーを焚いて、火は垂直に噴き上がるのでその火が気球に燃え移ったら大事になるからである。しかし乗員と気球本体を繋ぐのが特撮用の糸一本では絶えず気球は右に左に振れまくっているはずだ。そんな時に誤ってバーナーを焚いたら、バーナーの炎で気球が 炎上⇒墜落⇒死亡 と悲しい結論に達するので是非共バーナー式の熱気球は止めて欲しい。

≪劇中劇?だったの。そう言えば思い当たる事も≫

 大体何故そんな長い見えない糸で繋がらないといけないのかが分からない。先に述べたように普通に熱気球に乗ってはいけないのか?。少年漫画のキャラクターはそんなモノで飛んではいけないのか?何と厳しい掟なのだ。
 それとも先に述べたように、香港編と同じく映画でも撮っていたのか?。
 劇中劇で銀一のGSドラマの描写があったように………………………………………。

 うん????……………………………………………………………………。
 もしかして実は"GS美神"という作品自体が、実は全て誰かの見ている夢とか(ビューティフルドリーマーとか)、あらんやフィクション映画の画面の中の話で、実は我々読者が今まで見てきた"GS実神"という作品は全て架空の世界であったとか言うありがちなオチであったとか?。銀一の話が、実はそれの前振りであったとか。

  …………………………………

 今の時代にエラク古いパターンだけど、案外と原作者は古いパターンを踏襲したのが好きそうだから考えられぬ話ではないぞ。
 し しかし、そうだとすると7年間架けた前振りか。偉く長すぎる前振りだな〜〜〜〜〜〜。そうだとするとあの、世の読者をあっと!!呆れさせた迷作"奇面組[注釈]"を超えるな〜〜〜〜(笑)。

 でも、オモシロそうなので勝手に考えてみよう。

 実は"GS美神"はテレビドラマであって、キャラクターは全て役者とか流行りのアイドル主演の、まあいわゆるフジなら月9でTBSなら金9 日テレなら土9とかだった…………………………………とかならどうだろうか?そしてそれのブラウン巻のコッチ側は今まで散々みてきたが、その裏側はどんなんか考えても見る。
 そんな展開に興味の無い方は次の**********マークまで飛んでください。

 ON AIRと赤いランプの灯ったスタジオの天井から500kWの撮影用ライトが煌煌と燦燦とセットの上の役者を照らす。サブ(副調整室)からの映像をモニター前に陣取ったスタッフが凝視している。
 ふうと、安堵のため息が漏れた。
 「はい。オッケー。お疲れさん」という椎名総監督の台詞で、組み上げられた美神令子事務所のセットで役を演じていた演者らは今日の撮影が終わった事に安堵しつつ、その顔が演じていた役柄からプライベートな顔に戻る。お互いの顔を見合わせて無事に終わった事を、消える照明の中で安堵するキャスト達。

  「お疲れさ〜ん。あ〜あ〜。今日の監督厳しかったな〜〜〜。長台詞なんだからワンカットにあんなにこだわらなくてもいいじゃないかね。そう思わないエミ(役名)ちゃん」
 西条(役名)が役柄とはうって代わったお笑い系の挨拶で明るく言う。彼は元はお笑いバンド出身であるだけに場を和ませる事で出演者に人気のムードメーカーだ。

  「は はい。私も その ちょっと今日の椎名さんは厳しかったかなって思います」
 西条(役名)に振られた小笠原エミ(役名)はOKの台詞で安心していたので、行き成り話を降られてビックリしながら答える。相当に慌てているのは、シンガー出身である彼女は派手な外見(生まれ付きの)とは反して結構実生活は大人しい。
 他人の意見に中々と逆らえずに、それを他の出演者に体よくからかわれているのが目下の悩みらしい。今だって監督は優しかったので彼女的には何も不満は無いが、先輩俳優である西条に同意を求められれば断る事も出来ずに同意してしまったぐらいだ。
  「僕がどうしたって?」
 物陰から行き成り現れた監督がヌット登場して、表面上だけは不機嫌そうに睨む。
  「え?あ か 監督。お帰りになったんじゃああああ」
 ビビルエミ(役名)。それをニヤニヤと笑う西条(役名)や他の出演者やスタッフらだ。
 実はこれも皆で取り決めた仲間内での"親愛の情"の表現であった。気の弱くて、可愛いエミ(役名)は皆の可愛い可愛い妹であるので、可愛い女の子は苛めたいのはいつまでも代わらない男なのだ。
 そんな策にハマッタ事など本人全然分からずに「はわわわわわ」とかいいながらシドロモドロのままに言い訳するエミに更に苦笑を隠せない皆であった。

  「もう。みんな、エミ(役名)ちゃんをカラカッテ嬉しがってるんじゃないわよ。本当に、もう」
 涙目のエミに助け舟を出すのは、袴姿の16~7歳の女子高生………………………………に見えるが、こう見えても年女でるオキヌ(役名)であった。ただし主演の中では幼く見えてしまい、私生活では未だに補導されるわ仕事では綺麗な女性役が来なくて、嬉しいんだか哀しいんだか本人も悩んでいるらしい。性格は結構な姉御肌で、弱気を助け強きを殴るって凄いおネエ様であるので共演の女性陣からの信頼も厚い。
  「ああ。オキヌ(役名)さ〜ん。助けてくださ〜い」
 袴姿のオキヌ(役名)に縋るボディコンのエミ(役名)。この二人どう見ても逆であるが、オキヌの方が年上で性格も全く役柄とは逆。オキヌ(役名)に、まるで女子高の禁断の愛?でおネエ様に頼るような様子のエミ(役名)。ちなみに役柄上は21歳であるが、こちらこそモノホンの16歳の女子高校生で堀腰高校に通っている。
  「もう、エミ(役名)!!あなたももう少しちゃんとしないと狼らにいいようにたぶらかされて、ベッドで美味しく食べられるわよ。特に西条のヤツなんかに引っかかったら人生台無しよ。人生の裏街道を歩くにはまだ早いわよ」
 飛び付いてきた、自分より頭半分背の高いエミ(役名)を叱る…………………………………が、声には全く怒気は無く、仕方ない子供をあやすような慈愛に満ちながら頭を撫でる。
 何故かエミ(役名)の目がトロンとしているのが気に掛かる野郎達。実は紳士協定で抜け駆けは無しにしていたが、参加しているのは当然独身男子のみでまさかエミにそんな毛があるとは誰も思っていなかったのだ。

  「あ〜〜〜。オキヌ姉さん。純真なエミちゃんに手を出してないだろうね。みんな!!エミちゃんの純潔は我等がオキヌおネエ様からまもろうぞ」
 おお〜〜〜〜と云うスタッフらの声が唱和する。
  「な!!!!!」
 西条(役名)が何やら怪しい関係じゃないと二人を(特にオキヌ)からかう。エミ(役名)は現役女子高生であるし、オキヌ(役名)も女子高に女子大出身であるので女同士が怪しい関係といえば分からぬワケでは無かった。つまりズーレー。
   プチッ
 何かが切れた音がスタジオに響き渡り、スタッフの顔が青くなって、次の瞬間にスタジオにデカイ破壊音が轟いた。

  「ま〜たやってるの。あの二人」
 マネージャーにタオルとドリンクを渡された美神令子(役名)がドッカリとキャストチェアーに座って、ストローを口で弄びながら多分明日から大道具さんが大変だと思う程の喧嘩を繰り広げながている二人に嘆息した。
  「まあ喧嘩する程仲がいいってね」
 美神美知恵(役名)もステージの破壊に勤しむ二人に多少声は震えながらシカトしようと勤めているようだ。以前止めに入って酷い目にあって懲りたのであった。
  「そうかしら…………………………………………」
 そんなレベルかと、役柄も実生活も実の娘は母の言葉を胸に考えながら、チラと母に向かっていた視線を外すと、ゴゴゴゴゴ とスタジオに立てられていた美神令子事務所のセットが倒壊していくのが見えた。
  「………………………………………しばらくはロケ中心ね」
  「そ そうみたいね………………………………………」
 爆風で埃が舞い立つ中に立ち尽くす二人であった。

  「ん!」
 美知恵(役名)が喧騒の反対側、スタジオの入り口の方に目を走らせる。キラキラと指しこむ眩しい陽光の中に彼女等の共演者が今まで固く閉じられていたが、撮影OKで開け放たれた扉から出て行く姿が見えた。
 今撮っているドラマの実質的な主役である横島(役名)だ。知り合いの女の子にサインを頼まれていたのを思い出して、彼の方に向かおう・・・・・とした足が止まった。暗いスタジオから見れば外の陽光に四角に切り取られた風景の中にいる横島(役名)のいる画面に一人の少女が駆け寄っていたのが見えたのだ。
  (あ!)
 彼と歓談している少女の姿にはチョット焦ってしまった。その娘は以前の共演者であるが、既にドラマでの出番が終わったのでもうスタジオには用が無い筈だが、スタジオに現れた姿を度々見る。彼女はいつも頬を染めて、熱い瞳と時にはお弁当などを持って彼に会いに。無論若い男女の逢瀬がどんな意味をもっているかを今更言うまでも無いであったろう。
  「ほらっ令子(役名)」
  「ん?何ママ」
 まだストローを咥えている娘の椅子を押して、次の仕事でケツカッチンだと尻を叩く。
  「ええ!まだ少し時間があるじゃないの〜」
 愚図る娘をステージママよろしく、別の入り口から急かすようにスタジオを後にした。今彼女と彼の談笑を自分の娘が見れば、帰る車中に嫉妬まみれの愚痴を聞かされる事が分かりきっていたからであった。
  (仲がいいのは分かるけど、もう少し周りの目を気にしてよね)
 そう言いながら美知恵(役名)はマネージャーの乗ってきたベンツに娘を押し込むのであった。

  「ああ痛ってえなあ。令子(役名)ちゃんもオキヌ(役名)さんも本気で殴るんだぜ。幾ら作り物のプラスチックの神通昆でも、殴られれば痛いんだから、もう少しは手加減してもいいだろうっての」
 いつものドラマの落しで、他の女性にチョッカイを出して、殴られて終わりってパターンで二人に殴られた顔の傷を押さえる。「何をしたの」と少女が笑いながら訊ねる。彼女はドラマ内では死別という形の為に出演はもう無いけれども、実生活では写真週刊誌が騒ぐ相思相愛の恋人とか騒がれている女性アイドルだ。前降しの黒髪のストレートボブがコケティッシュで、ドラマではいつも被っていた小道具の触覚のついたカチュウシャは今は無いけれども紛れも無く……………………。

  「いや、台本では女性のクライアントの手を握るだけだったんだけど、やっぱり親愛を表す為とドラマの深みの為には俺も涙を飲んで、深く表現した方がいいと思って両手で思いっきり厚い抱擁を……………………」
 両手で抱き付くようなポーズを取り、うひひひひ と思いだし笑いが込み上げる。視聴率とタイアップの為にドラマ"GS美神"は若手の女性アイドルやら美少女歌手をゲストに招く事が多いので、役柄としてはセクハラ黙認もされている彼としては非常に役得であるのだ。しかも今日はグラビアアイドルで、巨乳で有名なタレントであったので、思いきり抱き付いた時のEカップの感触がまだまだ残っていた。
 目の前の彼女は、やっとヒイキ目に見てCカップなので、やっぱり大きさへの欲求は他で満たさなければと思っていたのだが・・・・・・・・・・・・。
   ドォガーン
 次の瞬間横島(役名)の体はブーメランスクエアを受けたように宙を仰け反り吹き飛び、何故か?マウスピースを口から吐き出しながらつぶやいた。
   「ドラマではもっと可愛く、健気に耐え忍ぶキャラだったのに〜〜〜〜〜〜〜」
 空を吹き飛んで行く横島(役名)のつぶやきを背中に受けながら「ふんっ」と怒って帰っていく少女であった。

 う〜む。
 今の時代にチョット古いかもしれないが、未だに芸能界を舞台にした漫画やゲームやドラマが絶えないのも事実だし(ガラスの仮面 ホワイトアルバム ムコ殿とかetc etc)、そう考えると結構萌える展開だな〜、空くまで筆者的にはだが。

 何しろこれなら"彼女"が復活しても世界観は壊さなくて済むからな〜。そして、舞台でそれを演じる人物達が微妙に劇と実生活とのクロスする悩みや想い。そして始まる恋の鞘当。おお、そう考えると結構萌える展開ではないか。筆者は猛烈にこの話が書きたくなった。
 ようし、絶対この話は書くぞ~~~~~~~~~~~~~~~。
近日公開予定。

*****************

≪小竜姫様。ご懐妊?≫

 え〜〜〜〜。気を取り直して本題に戻ろう。つうか、戻れるのか???。
 なんか仮にでも劇中劇だとすると、書き割りにクロマキーにCG合成だと言ってしまえば、科学的考察なんぞどうでも良くなってきたような気がするが、取り敢えず元に戻そう。
 ちゃんと始めた事には責任を持とう。書き始めたサイト小説は自己責任のおいて最後まで書きましょうね。どこのサイトのどこのコーナーのどこの誰とは言わないけど……………………………………………………。

 それでも敢えて、仮に長い紐で繋いだりしたら魔鈴達は別の意味で大変だろう。
 そんなモノで繋がれたらば、乗っている乗員である魔鈴らは、まるで嵐の荒れ狂う海に落ちた木葉のように体を滅茶苦茶に揺らされて死にそうな目に合う筈だ。多分彼女らは飛行を終えた後は食事所では無いだろうし、腹に何か入れていたら多分下呂温泉状態であったろう。

 もしそんな状態で小竜姫が美神の事務所に現れ、トイレでゲーゲーとやりながら 何故か?妙神山名物に今筆者が勝手に決めた(笑)夏蜜柑とかグレープフルーツでもお土産に持って来ていて美神とオキヌが "ハッ"という擬音で勘ぐれば………………………横島にとってどんな楽しい いや悲惨な勘違いな惨事に見舞われるだろうか?。
 きっととても見ている者としては嬉しい いや辛いお話になりそうで筆者は同情を禁じえない。

 まあ、それはともかく………………………………。
 降りてからやられる分にはまだ良いが、空を飛んで居る時用に是非ともシップレスバッグ(ゲ○袋)は持っていて欲しいものだ。空から吐瀉物が降って来るって天気予報は困る。森田さんでも予想は出来まいからな。
 もしかして二人が痩せているのは、特に大体コックの女は太る宿命を背負うのだが魔鈴がベストな体格であるのはこんな生活が続いているかもしれない。
 過激なダイエットだな〜。確かにこれを続けていけば、もしかして生身で空気より軽くなるかもしれないが(笑)健康と将来の骨粗鬆症の予防の為には止めた方がいいと思われる。

≪未来への展望≫

 再びの結論。

 図らずにも、飛行に関しての科学的な考察をするつもりであったのに、どうも後半は魔鈴嬢の無軌道な悪事を世に知らしめる事に終始した感が否めないが、どうやら?多分?上記の理論展開によっては浮力によってGSキャラは空を飛んでいるワケでは無いらしい。筆者のあらん限りの知識を総動員したにも関わらずに実を結んではくれなかったとは ひっじょ〜うに 厳しい(財津さん調で)。
 しかし諦めるワケにはいかない。先週の深沢氏のコラムのスーパーマンや、キン肉マンの初期のような哀しい方法で愛するGSキャラが空を飛んでいるなんて事無いように(絶対無理だし)、意地でも科学的に正しく、且つ格好好く飛ばしてみせようぞ。 

 と言うわけで次回は〔魔鈴や小竜姫の事はスッパリ忘れて〕マリアが使っていると思われるジェット推進?(反作用力)でこの問題の解法を試みる事にする。

劇終

Next program [lie-Schedule]

In the playing, play[gsm] : Sheath properness of love [Tentative name.]
literary-work:iky

An expectation to ask for
coming-soon

参照文献


※この作品は、西表炬燵山猫さんによる C-WWW への投稿作品です。
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