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Lucciola Weekly - 今週のルシオラ | |
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98/11/13
ひとまずひとくぎり発売日が遅いものでさっき読み終わりました(ファイヤースターター)。扉をみて、「もう生まれたか?」などと思いっきり勘違いしてしまいました。まあ、私も30になるこの歳でルシオラにはまったクチですから、このへんで落ち着くのもいいのかもしれませんね。 GS美神は連載開始当時から読んでいましたが、椎名先生は物知りで面白い作家だなと言うことで人並みに好きな作品という程度でした。テレビはビデオでとりましたが、横島の成長過程などがみれる前に終わってしまいました。ライバルと戦う少年漫画の王道(ジャ○プの王道ともいう)は、しかし椎名先生のめざすエンターテイメントとは違ったのでしょう。むしろ、あまたの登場人物のキャラクターに触れさせることで、物語は展開していきました。そんな中で、ついに横島が本気で女性を愛したのです。それはやっぱりルシオラの魅力、性格、行動によったものです。「またいっしょに夕日を見て」といったときの私が受けたあの衝撃、あれはぜったいに結ばれない愛だと思ったからでした。結果が悲劇に違いないと確信しながらもスリリングに進む展開に、毎週発売日を待ちわびました。恥ずかしい話ですが、「アシュタロスは俺が倒す」という横島の決意に感動し、通勤電車の中で涙がこみ上げたことは忘れません。連載の中で、多くのキャラが生まれ、消えていきました。連載を終われなかった以上、この展開はつらいですが仕方なかったのでしょう。「収拾がつかない」というのは、きっと本当だったと思います。椎名先生は、作中にも、作外にも自分を出さない作家です。でも、作中人物には冗談めかして語らせます。最近では、美神が主人公の立場を放棄して、作者の代弁者となったりしますが、それはやはりあくまで美神のセリフです。本気と、自己パロディーと、「ぎりぎりの」セリフですよ。 ルシオラ・ストーリーは「逸脱(脱線)の傑作」であり、たぶんあまり編集部では支持されなかったのではないでしょうか。商業誌である以上、話を伸ばされたり、語り尽くせなかったり、そのためにつぶれた作家もいます。私は、一読者としてルシオラとの出会いに感謝して、再会を気長に、そして気楽に待ちます。仮に椎名先生にその気がなくても、横島はきっとまた成長し、いい男になっていくでしょう。そのときにかならずルシオラのことを思い出します。こんなにすばらしいキャラクターを創れる作者が、横島の気持ちを無視できるわけがないじゃありませんか。私も誓ったんです。最近仕事をかえて結婚も近いのですが、横島はアシュタロスを倒しましたが、私の誓いはまだまだかかりそうです。 ひたすら長々と書きましたが、いい作品との別れはつらいです。子供のころ「トムソーヤの冒険」がおわって、ハックやトムという友人たちに置き去りにされたような気持ちが続いたことがあります。こうなったら、もう「最終回」など考えないGS美神であってほしいですね。横島が横島でなくなったら、私はこの漫画をよめなくなりますが。とりあえず、ルシオラの話の続きは期待してまつことにします。 [ASCH]
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