Flower message

著者:桜華


 ここにいるのは、最初は、単に人間としての一般常識を身につけ、無用なトラブルを避けるためだった。
 でも、今は違う。
 はっきりと、そう言える。
 私は、ここの居心地が気に入っている。
 おキヌちゃんはとてもいい人だし、美神さんもよくしてくれる。あのバカ犬をからかうのも、とても楽しい。美神さんのお母さんや、ひのめちゃん……それが、私を殺そうとしたのと同じ種族だなんて、まるで嘘みたいに感じられる。
 私は、ここが大好きだ。妖怪と人間の差もなく、気兼ねに付き合えるこの場所が、大好きだ。
 あいつさえいなければ……

「ちわーす、美神さん」
 また来た。
 そのむやみに明るい声に、私はそっと、溜息をついた。
 部屋に入ってきたのは、確かめるまでもないが、やはりあいつだった。私の大嫌いなあいつ。
 名前、横島忠夫。性別、オス。
 性格は、一言で言うなら、スケベ。一言もなにも、これだけでもう充分だとは思うんだけど……
 補足するならば、霊能力が異常に高い事。なんでも、すでに師である美神さんを超えているとか。
 こいつが? まさかね。
「あんたねえ。今日はバイトの日じゃないってのに。どうせ晩飯目当てに来たんでしょうけど、ご飯くらい家で食べなさいよ、食費がかさむ」
 美神さんの言葉に、苦笑いするあいつ。
 でも、しっかり五人分の食器を用意している前でそんな事を言っても、説得力は皆無だけどね。
「いっただっきま〜す!」
 五人でテーブルを囲み、食べる前の、人間としての挨拶。
 勢いよくご飯を口に掻きこむシロ。と、あいつ。
 いつもの事だけど、ぜんっぜん遠慮ない。
 人間の常識としては、少しは遠慮というものがあるはずなんだけど……
「おキヌちゃん、おかわり」
「あんた、三杯目でしょ。よく食べるわね」
 …………こいつに人間としての常識を当てはめようとした私がバカだった。
「どうした、タマモ? 食わないのか?」
「え?」
 いきなり話しかけられて、私はいささか面喰った。
「だって、箸、全然進んでねえじゃねえか」
「……別に」
 気安く話しかけるな。
「調子悪いのか? しんどいなら、早めに寝たほうがいいぞ」
「……別に」
 子供扱いするな。
「熱は――」
 しつっこい!
「なんでもないって言ってるでしょ!」
 大声で、私はあいつに怒鳴りつけた。
 しんと静まり返った食卓に、私の箸が動く音だけが響き渡る。
「オレ、なんか悪いコトしたかな?」
「さあ、なにもしてないと思いますけど……」
 おキヌちゃんとあいつのひそひそ話。人間以上の聴覚を持つ妖孤に、小声で話しても意味はない。
 あいつが気に障ることをしたわけじゃない。ただ、あいつがいるのが気に食わないだけ。
「ごちそうさま!」
 夕飯もそこそこに、私は自分の部屋へと戻っていった。

 翌日の昼。
 私は、なぜかシロの昼の散歩に付き合っていたりする。
 あいつが学校行ってていなくて、一人じゃつまらないからとかなんとか。
 まあ、別に暇だったからいいけど。
 でも、正直言って不思議よね。なんであんなぼんくらがもてるのかしら。
 シロでしょ、おキヌちゃんに、あまり認めてないみたいだけど美神さん。アパートの隣りの小鳩って娘もそうらしいし、ひのめも一番なついている。
 人間の世界じゃ、どちらかというとピートや西条さんなんかがもてる部類で、あいつはどう見ても女には縁がないと思うけど……  ふ……ん。考えるほどに、謎は深まるばかりだわ。
 これは一つ、直接聞いてみたほうが良さそうね。
「ねえ、シロ」
「なんでござるか?」
「あんた、ヨコシマのどこに惚れてんの?」
どがらがぐわしゃ!
 盛大につまずきこけるシロ。
 お約束をありがとう。
「い、いきなりなにを言うでござるか!?」
「別に他意はないわよ。なんであんたや美神さんたちがあいつに好意を持っているのかが、理解できないだけ。
 で、なんであいつに惚れたわけ?」
「あ、いや、その――」
 顔を真っ赤にして言いよどむシロ。ここら辺、まだまだガキよね。
「あったかいから――かな」
「あったかい?」
 おうむ返しの私に、シロはこくりと頷いた。
「先生と一緒にいると、先生が、拙者の頭を撫でてくれたり、拙者を誉めてくれたりすると、なんて言うか、ほんわかとして、気持ちよくって。拙者は、その感じがとても好きで……」
「それで惚れたってわけ?」
「ほ、惚れたとかではなく、ただ、一緒にいたいというか、そういうだけでござる」
 それを惚れたって言うんだよ。って、言っても分からないかな。
 それにしても、まさかシロまでとはね。
 昨日の晩、心配して部屋に来たおキヌちゃんにも理由を尋ねてみたけれど、シロとまったく同じだった。
 そばにいると安らげる、とても優しい人。
 ……はっきり言って、私はあいつが優しいとは微塵も思ってないし、無論、安らげるわけもなし。
 おキヌちゃんやシロの気持ちは、私にはまったく理解しがたい物だった。

「タマモちゃんは、どうしてそんなに横島さんの事を嫌うの?」
「あいつの顔は、見るだけでむかつくんだ。生理的嫌悪ってヤツかもしんない」
「フフフ」
「なによ?」
「それは、あなたが横島さんのことをよく知らないからよ」
「知りたくもないよ、あんなスケベなヤツの事なんか」
「スケベが、横島さんの全てじゃないわ。あなたの知らない横島さんもいる。
 あなたにも、いつか分かる時が来るよ。あの人のすごさが」

 すごさ……ねえ。
 昨晩のおキヌちゃんとの会話を思い浮かべて、私は今までの横島の姿を思い出していた。
 ……………………………………………………………………………
 結論。
 やっぱり、あいつはただのスケベ男だ。
「あ、先生」
 シロが言う。
 え、あいつ?
 顔を上げてシロの視線を追うと、確かに、あいつが……
「せんせ――むご、むがげ」
 声を上げようとしたシロの口を押さえて、私はあいつの視界に入らない場所へと移動した。
 シロの口から手を離す。
「いきなりなにするで――」
「静かに!」
 シロの気勢を制して、黙らせる私。
「な、なんでござるか?」
「あんた、あいつの手、見た?」
「手?」
「何が握ってあったか、見たかって聞いてんのよ」
 そう、私の眼に狂いがなければ、あれは……
「なにって、花束でござろう」
 ……やっぱり、そうよね。
「それがどうかしたでござるか?」
 ……考えなしって、いいわね。
「考えてもみなさい。薄給のあいつが、なんでわざわざ、あんな包装された花束を持ってるわけ?」
「買ったからに決まっているではござらんか」
「だから、なんで日々の生活にも苦しむあいつが、それを割いてまで買うのかって事よ」
「どうしてって……」
「私のカンだと、十中八、九」
 そこで私は、なぜか、一息ついた。
 そして、さらに声を潜めて、言う。
「これね」
「これって?」
 私の立てた小指の意味がわからず、?のシロ。
「女目当てってこと」
「な――!?」
「男が無理して花束買う理由なんて、それっきゃないでしょ」
「で、でも、ヨコシマ先生に限って……」
 あ。やっぱりシロも、あいつはもてないって思ってるんだ。
「ま、だまされて貢いでるだけってのがホントの所でしょうね」
 その一言に、シロがキれた。
「おのれ! ヨコシマ先生をだます輩は、拙者の霊波刀の錆にしてくれるわ!!!」
「落ち着いて、シロ。まだ、そうと決まったわけじゃないわ。証拠がないもの」
「では、一体どうすれば――」
 証拠がない。なければどうするか。
 ……簡単な事だ。
「――尾けるのよ」
 そう、証拠がなければ、作ればいい! 現場を押さえれば、それは何よりの証拠だ!
 フフフ。シロと一緒に現場を押さえれば、あいつはもう決して私に頭が上がらなくなる。
 そうしたら、こき使ってやる。死ぬまでこき使ってやる。
 楽しみ。ああ、楽しみだわ。早く現場に着かないかしら。フフフフフ。

「……何、これ?」
 尾行して行きついた先で、私は途方にくれていた。
 普通の犬や狐以上の「狼でござる!」感覚を持つ私達にとって、気付かれずに尾行するなど朝飯前だったから、それはさして問題はなかった。
 ただ、問題は、行きついた先だ。
「東京タワー…でござるな」
「……よね」
 まあ、東京タワーで密会という事もあり得るだろうけど、それじゃあ、文殊を使ってまで、人目をしのんで空を飛ぶ理由がつかない。
 あいつは、文殊を使って空を飛んで、タワーの上の方――およそ一般入場できそうもない場所――に降り立っていた。
「どうするでござる?」
「どうするったって…行くしかないでしょ」
「行くでござるか? 騒ぎになるでござるよ」
「幻術使えば大丈夫よ」
「でも――」
「あんた、あいつがだまされつづけて、貢ぎすぎて破滅してもいいって言うの?」
 こう言えば、シロは絶対に行くに決まっている。
 ここまで来て、あいつを私の奴隷にせずに終われますかってんだ。
 そんな事を思いながら、私達は東京タワーを、あいつを追って上っていった。

 そこは……なんて言おうか、一種異様な雰囲気に包まれていた。
 タワーの赤に、夕陽の紅が溶け合って、神秘的な風景をかもし出している。
 しかし、この特異な雰囲気の持ち主は、風景ではない。
 あいつだ。
 じっと夕陽を眺めているあいつ。花束を足元において、ただただ何をするでもなく、夕陽に見入っているあいつ。
 それは、事務所にいるときの間抜けなスケベ男じゃない、私のまったく知らない人間だった。
「せん…せい……?」
 シロも、いつものように声をかけられないでいる。
 かろうじて絞り出したその声も、あいつには届かない。
 まるで、異世界にさ迷いこんでしまったような感じだった。
 私達は――私はどうしていいか分からず、ただひたすら、あいつがこちらに気付くのを――こちらに気付いてくれるのを、待っていた。
 やがて――どれだけの時間の後だろうか、あいつは私達の存在にようやく気付き、こちらに首を向けた。
「シロ、タマモ。一体どうしたんだ、こんな所で」
「あ、あんたこそ……」
 ふられたの? とか、嫌味の一つでも言ってやろうとも思ったけれども、今のあいつには、なぜか、そんなこと言う気にはなれなかった。
 なにしてんのよ、とか、気軽に聞こうとも思ったけれど、あいつの纏う雰囲気は、それを拒んだ。
 結局、そこから先の言葉は続かなかった。
 シロも、同じだったようだ。
「――キレイだろ」
 私達の沈黙をどうとったのか、あいつは、静かにそう言った。
「キレイだろ、夕陽」
「う、うん」
「オレは、ここから見る夕陽が、一番好きなんだ。
 ほら、見てみな」
 言われて、私とシロは、紅色の光を放つそれを見つめた。
 キレイ、だった。
 あいつに言われるまでもなく、その夕陽は、キレイだった。
「うわ〜。キレイでござるな〜」
 シロが、目をきらきら輝かせて叫ぶ。
 確かに、こんな高い所から夕陽を見るなんて、経験した事がない。
「先生は、ここでいつも夕陽を見ているでござるか?」
「いつもじゃないよ。今日のような日だけ、ね」
「今日のようなって……今日は、祝日だったでござろうか……」
 あいつの言に、真剣に悩み始めるシロ。
 見かねて、あいつはシロの頭を撫で始めた。
 あいつに頭を撫でられると、シロは一切の思考回路が停止する。いつもそのまま、気持ち良さそうにして、眼を閉じる。最近見た少女コミックで言う、「はにゃ〜ん状態」に陥るのだ。
 それほどまでに気持ちがいいのかしら、あれ。
「タマモは、どうだい?」
「え?」
「夕陽、キレイじゃないかな」
「あ、いや、キレイだよ、とても」
 その夕陽は、今まで見たどんな夕陽よりもキレイに思えた。とても紅くて、それでいて、柔らかくて……
 だけど――
「私は、油揚げの方がいいな」
 …………………………………………気付いた時には、遅かった。
「あははははははは!」
 私の「花より団子」な言葉に、腹を抱えて大笑いするあいつ。し、失礼な。
「先生?」
 唐突に頭の感触がやんだので、シロがいぶかしむ。
「どうしたでござるか?」
「い、いや……タマモがな――」
「言うな! 頼むからあのバカ犬にだけは言わないでくれ!」
「なんでござる? なにがあったでござるか?」
「そっか……お前はまだ、花より団子なんだな……」
 苦しげに腹を抱えながら、それでもなんとか笑いを止めたあいつが、言う。
「わ、悪いか」
 これから来るだろうからかいの嵐に対して、私は精一杯の虚勢を張った。。
「別に、いいんじゃないの」
「へ?」
「大切な物なんて、その時その時で変わるんだし。
 今のお前が、一番大切な物が油揚げだからと言って、それをとやかく言う気はないよ」
「そ、そう――」
 てっきり馬鹿にされるとばかり思っていたので、私はいささか拍子抜けした。
 クシャリ。
 そのわずかの隙をついて、あいつの手が、私の頭に置かれた。そして、ゆっくりと動き始める。
「こ――」
 子供扱いするな。
 そう言おうとしたけど、出来なかった。
 あいつの手が、なんだか、とても暖かかったから。あいつに撫でられている頭が、なんだかとても気持ちよかったから。
 シロの気持ち、ちょっとだけ、分かった気がした。
 安心感が体を包み、心地よい抱擁感に包まれた。
 オキヌちゃんの言ってた事、分かるような気がした。
「だけどな、タマモ」
 私の頭を撫でながら、あいつは言った。少しの憂いを含めて、真剣に。
「本当に大事なものは、決して変わりはしない。
 自分が本当に大切だと思うものは、絶対に変わることはないんだ。
 まだ、お前はそれを見つけてはいないが――
 いつか、見つける時が来る。何よりも代え難い、自分にとっての一番を」
 その言葉には、真実の響きがあった。
「タマモばかり、ずるいでござる。先生、シロも! シロも!」
 左腕に取りつき、シロが言う。あいつは小さく苦笑しながら、シロの頭を撫ではじめた。「はにゃ〜ン状態」になるシロ。
「ヨコシマ」
 私は、あいつの名前を呼んだ。ちょっと前まで、その名を口にするのもいやだったのに、今は自然と、口から出てきた。
「お前は、見つけてるのか? その、何よりも代え難い、大切なものを……」
「ああ――なくしちゃったけどね」
 そう言うあいつの顔は、なにか、私じゃない遠くを見つめているようだった。
 夕陽が、沈んだ。
「――沈んじゃったな」
「ちょっとしか見れないからきれいなんだ。
 昼と夜の一瞬の隙間。その一瞬にしか見れないからこそ、きれいだと思えるんだ」
「渋いこと言うじゃない」
「昔、そう言ってた奴がいたからな」
「誰よ、それ」
「……ホタルさ」
 少しの逡巡のあと、あいつはそう言った。
「ホタル?」
「そう、ホタル」
 そして、夕陽が沈むまで撫でつづけていた両手を離した。
「さて、と。日も沈んじまったし、さっさと帰るか」
「先生、あの花はどうするでござるか? きれいな花でござるが……」
 現実世界に回帰してきたシロが、尋ねる。そう言えば、元々それを追ってきたんだったな。
「あれは、もういいんだよ。元々、ここに持ってくるつもりだったんだから」
「ここに? なんで?」
 私の何気ない質問に、あいつは、少しいたずらっぽい笑みで、だけどどこかさびしげに、一言だけ答えた。
「メッセージ」
「メッセージ?」
「さて、帰ろう! 今日の晩飯はなんだろうな」
 振りかえり、あいつは歩き始めた。
 私は、あえてその事を言及しなかった。
 あいつにとって、触れられたくないものだと理解したから。
「先生、今日もうちで食べて行くでござるか?」
「あったりまえだ。今やオレの重要な生命線の一つだからな。
 あれで浮かせた金で、朝飯を食ってるんだぞ」
「相変わらず切迫した生活を送ってんだな」
「まあ、親が親だからな。もう慣れたさ」
「あんまり、そんな生活に慣れたくはないな」
「違いない。ハハハハハ」
 愉快そうに笑うあいつは、もう、いつもの冴えないスケベ男のあいつだった。
 軽口を叩き合いながら、私達は、その場所を後にした。
「いつか分かる時が来るよ。あの人のすごさが」
 昨夜のオキヌちゃんの声が蘇る。
 まだ、こいつのすごさは分からないけれど――
 私の知らないあいつには、どうやら出会えたみたいだった。私が無視してきた、オキヌちゃん達が惚れたあいつと……
 
 その日の夕食は、和気あいあいとしたものだった。
 私とあいつのケンカもやはりあったが、どちらがあ相手の具を取ったかと言う事から発展した、いわばじゃれあい。
 オキヌちゃんも美神さんも、いつのまに仲直りしたのかと不思議がっていた。
 そして、美神さんは家に帰って、シロはあいつを引き連れて散歩に出かけた。
 事務所に残っているのは、私と、オキヌちゃんだけ。
「ねえ、オキヌちゃん」
「なあに?」
 意を決して、私は尋ねた。
「花のメッセージって、なに?」
「花のメッセージ? それって、花言葉のことかしら」
「花言葉?」
「花はね、それぞれのイメージにあわせた言葉を持っているの。
 薔薇なら『純愛』、月桂樹なら『栄光』といったふうにね」
「ふ〜ん。じゃあさ――」
 私は、帰り道であいつに聞いたあの花の花言葉を尋ねた。
「その花は、たしか――」

 私と出会う前のあいつに、一体なにがあったのだろう。
 ベッドに入って、私はふと、そんな事を考えた。
 あの東京タワーで。あの夕陽のなかで。
 あいつはきっと、本当に大事なものを見つけたんだ。
 そして、それを失った。
 何事にも代え難い大切なものをなくして、あいつの心は、どれほど傷ついたのだろうか。
 それでも、みんなに心配をかけないために、心の傷を隠して、今までどおりのバカをやっている。
 強いな、あいつは。
 オキヌちゃんが言っていたあいつの強さって、これなんだな。
 赤い塔の上、紅い光の中で、あいつは、あいつの大切な者に語りかけたんだ。
「君を忘れない」
 あいつの、花に託した想いは、ちゃんと届いただろうか。
 いや、届いているはずだ。
 あいつほどの男の想いだもの。
 きっと、相手は笑顔で受け取ってくれた。
 私は、そう、信じている。


※この作品は、桜華さんによる C-WWW への投稿作品です。
[ あとがき ] [ 煩悩の部屋に戻る ]