時の道化たち 第一部ゴーストスイーパー武藤玄也
コーヒーブレイク


 えーと、分かりにくい題名をつけて申し訳ございません。ここはいわゆる『あとがき』です。第一部はまだ続くんですけど、とりあえずは一区切りがついたんで。
 というわけで、私の作品を読んでくれた方々はじめまして。『ジャン・バルジャン』です。今までは短編を書いていたんですけど(といっても半年以上前の話)、今回は長編に挑戦してみます。

 一応、もうラストや話の重要なシーン、大まかな流れ等は決定済みです。ですので、はじめのあとがきと言うこともあり、この作品の全体の展望について、お話したいと思います。
 繰り返しますが、まだ、第一部は終わっていません、『時の道化たち』は全四部構成ですが、そのうち、第一〜三部までは今回のように数回投稿して完結するお話がいくつかつながって一つの部を構成します。第四部だけはでっかい事件がボン! と起こって終わる、という感じで。
 それぞれについて少しお話させていただくと第一部は今回出てきた武藤玄也、これが主人公になります。時間的には、原作と同時期。今回は3〜4巻辺りのお話でした。この位置にしたわけはまだ美神が横島の事を全く意識してないころの話にしたかったからです(力の覚醒前と言うこともあって、彼は今回、ほとんど目立てませんでしたね、ファンの方ごめんなさい)。第一部のラストは39巻の直後くらいのお話。つまり、原作と平行して起こった事件が語られるわけですが、武藤が原作の事件に関わるのは一箇所だけです。
 第二部も原作と同時期に起こったお話を語ります。第一部とどこが違うかというとこちらは武藤以外が主人公のお話。第一部と第二部でそんなに凝ったリンクや何やらはやらない予定。こちらでは武藤は出たり出なかったり。──あ、ごめんなさい。こちらは原作と同時期及びそれ以前のお話でした。ヤング唐巣のお話があるんで。
 第三部は、第一部、第二部が終わってそれから続くお話ですね。こっから先は主人公と言うものは特にいません。まあ、『時の道化たち』という題名自体が複数形ですしね。強いてあげるならここの主人公はおキヌちゃんでしょうか。いや、やっぱり微妙に違うかな。
 んで、最後の第四部でしめると。実は武藤を作り出したわけはこの部分である役割を担ってもらうためです。かっこよくはないけどある重要な役割を。

 お次は武藤玄也について。
 今回の話では美神、エミ、冥子の三人と同期のGS という設定が出てきましたね。ばらしてしまうと実はこれ、かなり最後のほうになってから付け加えられた(つまりはどうでもいい)設定でして、最初は美神さんのただの知り合い、というドラマも何もないような設定で、しかも実は『時の道化たち』は『蘇れよ追憶』の次の話からスタートする予定でした。
 ですが、いざ書き出してみると、やはりこいつがどういった人物であるかちゃんと説明するエピソードが欲しくなったんです。すぐに考え付いたのは美神との出会いを語ることだったんですが、ストーリーの展開上、武藤はある程度美神から好感触をえねばならず、尚且つラブっぽくなってしまう要素はゼロにしなければならなかったのです。
 そういう条件をクリアーするためにいろいろ考えた結果がこれでした。おかげで無理せずに武藤の知り合いも増えてしまうというおまけ付きで自分的には大変満足しております。
 美神たち三人と玄也の間にあるものはCONFIDENCE、つまり信頼だと思ってくれていいと思います。『一番湯のカナタ』のリョウとセイリュートのような関係、といえばわかってもらえるでしょうか。
 ルックス的には『中の上』ぐらいに考えておいてください。ちなみに年は美神さんより一つ年下の19、嫌いなものはカリフラワーだそうで。

 各話について。
 それではまず『黒の女王』について。
 気付かれた方もいらっしゃるかと思いますが今回は一話ずつ美神、冥子、エミの三人の話をやりました。一話目はエミさんのお話。彼女がメインのお話は第二部、第三部でもやる予定ですが、彼女が過去とどう折り合いをつけていくのか、ていうのが彼女にかかせられたテーマです(えらそう)。それにしても長かったですねこの話は。読んでいただいた方はお疲れ様です。ああ、やはり二つに分ければよかったのでしょうか……
 二話目は冥子ちゃんメインの『スタンド・バイ・ミー』。原作23巻とは一切関係なしです。
 ラストの部分に複線をおいてみました。これが明らかになるのはそう遠くないです。冥子ちゃん自体についてはちょっと扱いを決めかねています。脇役としては非常に役立ってくれるのですが主役をなるとなるとちょっと……という気がしてなりません。特にこういうシリアスな長編では。比較的彼女と玄也はちょっといい関係に陥りかけましたが、彼女と玄也はこれからもずっと『お友達』でしょう。
 そして最後の『色あせぬ母』。美神さんと玄也の準決勝シーンを描きました。
 『破術』という武藤の新しい技能が登場しました。玄也は格闘術に近いなどと申しておりますがこれは武藤家の先祖が扱った相手が主に鬼(餓鬼とか)だったことに関係しています。コンセプトとしては相手の行動を予測しその勢いを利用して反撃する、という感じです。一応技の名前とか考えたんですけど、それを叫んだりしながら攻撃するのは玄也らしくないんで名前は出てきませんでした。残念。しかし読み返してみると……こいつ美神さんのこと殴ったり蹴ったりしてますね。あなおそろしや。まあ、彼は横島や唐巣といった面々に比べて余り美神さんに振り回されない人間ではありますが……しかし……ラストの謎的存在についてはとりあえず頭の片隅にもおいていただければ十分です。以後こうやって話の一区切りがつくごとにこいつは出てきますが、皆さんの知る固有名詞との関わり合いが出てくるのはしばらく後でしょう。

 そろそろお別れしたいと思います。また美味しいコーヒーが入った時にお会いしましょう。
 次から本格的に第一部が始動します。そして、面白さも加速度的に増していく!……といいなあ。
 ではでは。

 次回予告。
 唸る剣戟、錯綜する思惑、禁じられた邂逅。謎が謎を呼び、力は互いにぶつかり合う。そして小竜姫様に隠された秘密が明らかに……ってな感じでいきます。舞台は海! にもかかわらず不条理なことに水着シーンは一切なし!! 武藤君、今回以上に色々とやっちゃってくれます。果たしてこんな話書いていいのか作者、それ以上に受験勉強はどうした、作者!
 小竜姫様のご登場となりまする、時の道化第一部第二話『舞えよ竜』。ご期待くださいませ。


※この作品は、ジャン・バルジャンさんによる C-WWW への投稿作品です。
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