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99/10/31更新情報へ


 たれぱんだ如きの小動物で癒される程度の悩みなんて、本当の悩みじゃねぇ!(挨拶)

 とか不穏な事を言いながらこんにちは。
 こちらは、私こと深沢が管理運営を行っている、椎名高志ファンホームページ C-WWW です。
 こんな所でこんな事言うのも何だけど、オレは悩みとか心の傷とかトラウマとかにはちょっとうるさいよ!(←うるさいです)


 しかし、やっぱ時代は「癒し」なんですかね「癒し」。今週のサンデーの目次ページのマンガ家への質問も「先生が一番癒される場所はどこですか? 教えて下さい」という、癒しワードが入ったものでしたし。
 今は「癒し」という単語を Infoseekで検索すると 39,761件もヒットする程の癒しブームであり、「癒し」効果をウリにした自然療法やアロマセラピーなどの癒しビジネスも盛んになって来つつあるのですが、しかし個人的には語尾に『ビジネス』という単語が似合うモノはなんかイマイチ信用できないので、どーもこの手の「癒し」には懐疑的です。心情的に。

 今現在「癒し」が流行する理由としては、「現代社会はビッグバンに代表される構造改革の時を迎えており、先が見えない時代である。この不透明感からくる漠然とした不安が、癒しブ−ムの背景にある」とか誠しとやかに言われていますが、逆に言えば「現代社会は従来の概念をうち破る改革がバンバン進む、もの凄い面白い時代である」とも言える訳であり、この辺は視点の変化でどうとでも言い換えられるものなのではないのでしょうか。
 失業不安とか社会不安とか何とかで心身が疲れて「癒し」に走るのも理解はできますが、でも「癒し」に走って「たれぱんだ」の絵本やぬいぐるみを買ってはにゃーんとなるだけでは、結局全然何の問題の解決にもなっていないと思われます。変化におびえるだけではなく、変化に立ち向かう気概が欲しいところですね。

 というか、むしろ同じはにゃーんとなるんだったら、「たれぱんだ」よりも「カードキャプターさくら」を見てはにゃーんとなった方が、萌え萌えではにゃーんな丹下桜ヴォイスを聴けるだけ、癒し効果が高いと思います。
 さらに言えば、最近流行りの「癒し」グッズを買い込んで、一人で自閉的に「傷ついた私」(癒し系の重要ターム)を模索して「なんにしてもやるせないやるせないモジャー!」となっておかしくなってしまうよりも、「カードキャプターさくら」グッズを買った方が社会的にもより健全ですし、その上さくらにゃんのエロ同人誌を購入して「ああっ! さくらにゃんと知世さまがこんなことやそんなことやあんなことにっ! いいのういいのう! やっぱりエロ同人はいいのう!」となっておかしくなってしまった方が、おかしくなりかたが圧倒的に面白いです。
 どうせおかしくなるんだったら、どっちかと言えば面白可笑しくおかしくなった方が良いと思うので、心に傷を負って癒されたい人は、自然療法やアロマテラピーにハマる前に「カードキャプターさくら」とかにハマってエロ同人誌を買い漁れ! と言いたいです。いや言わない。ウソですウソ(手遅れ)。


 で、最近では、なんか「カードキャプターさくら」のさくらや「ああっ女神さまっ」のベルダンディー、「To Heart」のマルチなどにハマる青年達を、「アニメの美少女に癒しを求めている」と分析する傾向もあるようです。まぁ、確かにベルダンディーやマルチなどは「こちらを拒絶せず、ありのままの自分を受け入れてくれる」(癒し系の重要ターム)という雰囲気を持ったキャラですので、そういう雰囲気に憧れて彼女たちを崇拝するファンも存在するとは思います。
 それと同様に「たれぱんだ」も、ただひたすらたれているだけでこちらに対してまったく自己主張をしてない存在であり、即ち「こちらを拒絶しない」→「ありのままの自分を受け入れてくれる」点が売れているのかも知れません。やはり、時代のトレンドはこういう方面に移って来ているのでしょうか。

 「神聖モテモテ王国」5巻のファーザーの台詞に、「だ……誰も傷つけたくない。傷つきたくないんじゃよー!」という優柔不断極まりないものがありましたけど、もしかして今の時代のノリはコレなんでしょうか? 男も女も見境いなく優柔不断砲発射! 攻撃目標は「たれぱんだ」に「さくらにゃん」! なのでしょうか?


 あと「癒し」ついでに美神の話しときますが(ついでかオイ)、「GS美神」界における「癒し」キャラの第一人者といえば、当然ヒーリング能力を持ち合わせたおキヌという事になります。特に、事実上の最終回のエピソードとなった「地上より永遠に!」では、通りすがりのバイクマニアでアニメマニアでマンガマニアで声優マニアな心に傷を抱えた青年の悪霊(一部間違い)ですら説得で癒して成仏させてしまうという、おキヌの持つ癒し能力の魅力が存分に発揮された構成になっています。

 これは憶測なのですけど、作者はおキヌを23巻でレギュラー復帰させて「ヒーリング能力」を身につけさせた時点で、おキヌのパーソナルゴール(最終目標点)を「地上より永遠に!」編に定めていたのではないのでしょうか。美神が悪霊をひっぱたいて成仏させるのとは対照的に、優しい心で説得して成仏させるという、文字通り「癒し」の力です。おキヌが今まで辿ってきた人生を考えれば、この路線にたどり着くのは当然というか、ある意味最善手であると思います。
 ただ、個人的には、ここまで並みの人間の感性を超越したおキヌを見ると、「おキヌの優しさに包まれて癒される悪霊の方はこれでいいのかも知れないが、しかし癒す側のおキヌはこれでいいのだろうか?」とか、ちょっとだけ考えてしまいます。特定対象に癒しを求める形式の「癒し」は、確かに癒される側はいいのかも知れませんが、それによって受ける癒す側の心の傷はどうなるよ? という問題が発生する危険があります。つまり癒す側の受ける傷は誰が癒すのか、っつう事ですね。

 この問題は実は結構根が深く、これをネタに話の一つでも組めてしまう程のボリュームがあります。
 例えば、CLAMPのマンガ「魔法騎士レイアース」では、世界を癒す力を持った少女エメロードを幸せにしようとしたザガートが、結果的に世界に危機を引き起こしてしまうという矛盾が、物語の権限のテーマとして用意されていました。マンガの中では、ザガートを倒すべく召喚された主人公・光が「ザガードなんかに負けないぞ!」と椎名へきるヴォイスで元気に叫んでいましたが、それが何を意味しているのかが読者に判った時に最大の悲劇が起こるという、なかなか上手い話の構造になっています(何故サンプルとしてレイアースが? という質問は、アニメマニアでマンガマニアな私にはしないで下さい)。

 「GS美神」の場合、これについては「美神や横島などの仲間達の存在、そして彼らと共に過ごした暖かい人生経験」を明示することによって、おキヌが癒される場所があることを読者に納得させる手法を取っています。これはこれで良いやり方だと思います。
 ……でも、おキヌが横島に対して恋愛感情を持っていた(過去形?)という事を知っている読者からは、「おキヌは横島とくっつくのが一番幸せなんじゃなかったの?」という一抹の疑問が拭えないというジレンマが残ってしまうのも事実なんですよねー。この「ラブ未解決」の部分が、ラブコメを主軸に長期連載を行おうとしたマンガの欠点の一つなのかも知れません。


 あとは余談ですが、個人的に「癒し」をテーマとしたマンガで今気に入っているのが、紫堂恭子「癒しの葉」です。
 このマンガ、確かにテーマは「癒し」なのですが、同じ癒しでもベルダンディーのように優しく守ってくれる存在がいる訳でも、さくらのように見ているだけで元気になれる女子がいるわけでも何でもなく、その逆に「貴様が癒されたきゃ、貴様の抱える心の問題と向きあえ! そして戦え!」と、癒されなければならない問題を解決する方向に話を持って行っている所に共感が持てます。
 Magic: the gathering でのデッキ構築の鉄則が「ダメージを軽減して癒す呪文を入れるくらいだったら、そのダメージを与える原因となるクリーチャーを除去する呪文を入れろ」であるように、結局最後は癒しを必要とする原因に向き合って何とかしなければならない訳です。「癒し」は、あくまでそれに立ち向かう意志を助けるものでなければならず、「癒し」そのものに救いを求めてはいけない、っつう事でしょうか。
 と、無理矢理ソレっぽい結論を出してみたけどどうか。どこまでもたれてます(原点回帰)。


 それにしても、サンデーの先生達に「癒される場所」なんて質問をした方は、一体どんな回答を期待していたのでしょう。
 もしかして、「ベットの中でマルチの抱き枕を抱いている時」なんて回答を期待していたのでしょうか? よ? 岩本クン(誰?)。


更新情報:

  • 煩悩の部屋」のイラストページに、匿名希望のiさんから頂いた新作イラスト、最終回記念企画ラスト「いつか見た夕焼け」を掲載しました。ルシオラのイラストですね。
     やはり、彼女には夕焼けが似合います。バックの夕焼けと印象的なルシオラの表情のコントラストが美しいイラストです。かなりオススメ。
  • 先週掲載したまきしゃさんの作品「文珠のヨロイ」の改訂版がまきしゃさんから送られてきたので、差し替えました。
     作業が遅れて申し訳ない>まきしゃさん
  • 新コーナーとして、「GS美神 Library」というページを作成しました。
     「GS美神ライブラリ」とは、91年〜99年の長きに渡ってサンデーで連載された「GS美神・極楽大作戦!!」についての情報を集約するべくして作られたページです。個々のコミックスやキャラクター単位で、できうる限りのデータや感想などを掲載していきたいと思っています。
     とりあえずはコミックス1〜2巻までの情報だけ掲載していますが、1週間に1〜2巻のペースで情報を増やしていく予定です。全部を網羅するには約半年くらい時間がかかりますが(笑)、気長にお付き合いの程をよろしくお願いします。


  • 99/10/24更新情報へ

    次回予告:
     お兄ちゃんを密かに想う杏子は……!?(挨拶@週刊少年チャンピオン連載「NUDE」の48号予告

     という訳で、皆さんこんにちは。
     こちらは、今考えてみれば「GS美神」って明確な兄弟姉妹の人間関係を持つキャラがほとんど出て来なかったッスよねー、とか思いながら日々を送っている、椎名高志先生のファンサイトこと C-WWW です。


     というか、最近チャンピオンで始まった「NUDE」ってマンガ、実は結構凄いと思いませんか? いやその、決して次回予告が「お兄ちゃんを! 密かに想う! 妹キャラ! 萌え萌えですな!(←萌え言うなや)」だからとかいう訳ではなくて、マンガの中で扱っているテーマが上手いというか何というか、そういう感じなのです。

     読んだことがない方のために簡単に説明すると、この「NUDE」(作者:うちだ藤丸)は、端的に言えば「ボーイズビー」や「サラダデイズ」と同系統に属する、恋愛を扱ったオムニバス形式のマンガです。
     要するに、毎週毎週違う男女が出てきて、好きとか嫌いとか最初に言い出したのは誰だ? オレだ! いやアタシよ! とか言って衝突するも、物語中盤でカレシが小雨のそぼ降る中で捨て猫を拾う所を偶然カノジョが目撃して好感度ゲージが急上昇! そして最後は、好きだッ! 好きヨッ! と「ダンガードA」のテーマ曲を歌いつつ、希望の星を目指してサテライザーはまっしぐらでハッピーエンド! ってお決まりの展開を毎回毎回繰り返すタイプのマンガですね。いや、「ダンガードA」を歌って締めるマンガはなかったかも知れませんが。

     「NUDE」も基本的には毎回このパターンを繰り返すマンガなのですが、このマンガが他の少年向け同系マンガと大きく異なっているのが、「視点キャラが女性の側である」点、および「思春期の少年少女の身体とセックスの悩みをクローズアップさせている」という点です。
     特に、このマンガを明らかに特徴付けているのは後者の方であり、マンガの中で女の子が「このまま彼とつき合っていたら、いつかアタシは身体を求められちゃうかも知れないワ! アタシどうしよう!」とか「こんなに胸が小さいアタシなんか、きっと男の子は好きになってくれないワ! アタシどうしよう!」とか悩んでいる姿は、私くらいのオヤジ化が日に日に進行しつつある年代の人間から見ると、とっても微笑ましい気分になれます。

     こういうマンガを読んでいると、なんかこう同級生の女の子が「セブンティーン」を学校に持ち込んだ挙げ句に学校の先生に没収されて怒られていた中学生の頃の、まだ男女共にお互い愛と性が漠然としか判っていなかった時代の感覚を、年甲斐もなく思い出してしまいます。あの頃はまだ私も、こんなに身も心も汚な臭くはなっていませんでしたデスよ。うふ(ドクロ)。


     それはさておき、このようなテーマを直接扱ったというのは、「サラダデイズ」や「ボーイズビー」のような同系の少年向け恋愛マンガに対する、大きなアドバンテージになり得ます。
     今まで少年向けラブコメマンガはこの手の「セックス」に直結するようなテーマを直接扱うことはほとんどありませんでした。これは多分、「少年向けで直接アレでナニな描写を入れてしまうのはマズイよな。社会的に」という抑制がどこかしらで働いていたからではないかと思われますが、その一方で少女マンガの世界では高校生カップルとかが色々あって最後の一線を越えちゃってイヤーンなマンガ(何それ?)なタイプが確実に増加している流れも起こっていたりする訳で、そういう点では少年向けマンガは色々と遅れていたのではないか、とも言えます。

     まぁ、「NUDE」も(今のところは)そんなに突っ込んだ描写はそれほど出てきてはいませんし、出てくるテーマも「ティーンのココロとカラダの悩み相談」程度のよくあるものに過ぎないのですが、それでも少年チャンピオンというバリバリの青少年向け雑誌をプラットフォームにして、女性の視点から女性の悩みを男性読者に理解できるように描いたマンガを提供するというのは、結構凄いことなのではないのでしょうか。
     サンデーの「サラダデイズ」がラブコメマンガの教科書的なシチュエーションを延々と繰り返し、マガジンの「ボーイズビー」が『フェンシング部の女子部長の乳首を剣の先で突っつくことに血道を上げる男子部員が今回の主人公。だけど、逆に部長に股間を剣で突っつかれてギャフーン』みたいなアレでナニなマンガを載せ続けているのに比べれば、チャンピオンの「NUDE」は明らかに一歩以上先を行っています。もしかしたら、少年向けオムニバス恋愛マンガの新しいパターンが生み出されつつあるのかも知れない、とまで言えるのかも知れません。


     ただ、この手のマンガは、逆に言えばチャンピオンだからこそ載せられたマンガである、という気もしますね。
     チャンピオンは、読んでいない人からはどーしても「ヤクザとか暴力とかを前面に出したマンガばっかり載っている雑誌。あとドカベン」というイメージを持たれがちなのですが(大変に不幸な事だと思う。いやマジで)、今はマンガの回転が他誌に比べてとても速いので常にフレッシュなマンガが掲載されており、そしてそれ故に実験的なマンガも載せても違和感がない雰囲気を持つ、他誌にはない独特のカラーを持った雑誌であると思います。あと、読者の平均年齢も高そうな感じもしますし。
     「NUDE」が受け入れられたのも、そういう背景があったからかも知れません。

     逆に言えば、サンデーの「サラダデイズ」では、「バージンまであげた幼なじみのカレが、アタシの知らない間に彼女を作っていたなんて! キーくやしい! アタシどうしよう!」みたいなストーリーの話はさすがに無理っちゃー無理でしょうなぁ。
     「サラダデイズ」はサンデーのカラーに似合った良いマンガだと思いますが、それ故にこの手の突っ込んだ描写は不得手ですね。まぁ、どんなモノにも向き不向きがあるっつうことでしょう。

     その点、かつて「ソレをあんまり嫌がっていない小鳩を前にして、横島が理性と欲望の狭間で悩む」という、男なら誰しも理解できるグッと来るお話を作った「GS美神」はエラいと思いました。またああいう話作って下さい。
     と、かろうじてサイトの趣旨にあった話をしながら更新情報します。



    更新情報:

  • 煩悩の部屋」のイラストページに、「愛子強化月間」の言い出しっぺ・裏町片菜さんの愛子イラスト「深夜の教室で」、および新しい素材を使った実験作(多分)「おまけのらくがき」を掲載しました。
     セーラー服+エプロン+白いストッキングというトッピングは、裏町氏でなければ想像し得ないアレでナニっぷりだと思います。相変わらずお見事。
  • 同じくイラストページに、まこらさんの新作イラスト「マリア充電中!!」を掲載しました。
     かなりマネキンチックな表情が印象的です。というか、むしろ怖いです(笑)。こういう絵柄って、今までのイラストにはなかったタイプですね。

  • 煩悩の部屋」の創作文集ページに、NOZA さんの新作「愛子が生まれた日」を掲載しました。
     如何にして彼女は学校妖怪となったのか――をテーマにした、愛子の生い立ちに関する物語です。かなり泣かせるお話に仕上がっています。

  • 同じく創作文集ページに、まきしゃさんの新作「文珠のヨロイ」を掲載しました。
     端的に言って、六道女学院を舞台に、横島がヒドい目に遭う話です(例によって端的すぎ)。


     最後になりましたが、あの緒理さんから、久しぶりにイラストが届きました。
     「色を塗る時間はとうとう取れず、おまけイラスト扱いでお願い致します。」との事ですので、ここで公開します。まだ色々とお忙しいみたい。

     →「愛子のミッション・インポッシブル

     ブレザー服にメガネ! 萌え萌えですな!(←だから言うなっつの)


    自分宛のメモ:11月の予定
    ・美神ファンの叡知の結集を目指す「GS美神ライブラリ」正式公開
    ・11/18 のコミックス39巻(=最終巻)発売記念で何かやる。IRC でチャット会とか(←いつもやってるじゃん)
    ・GS-Mikami Conventional Wisdom(要はキャラ投票)の準備
    ・「冬の連続突撃フェスティバル」の準備
    ・「紙の砦!」向け同人誌原稿の制作
    ・さくせん:いのちをだいじに(睡眠時間強化月間の推進)


  • 99/10/19更新情報へ

     オヤジがいいんですよ! オヤジが!(挨拶)


    近況報告:

     去る16日に、わざわざ新宿まで行ってインド映画見て来ました。タイトルは「シャー・ルク・カーンのDDLJラブゲット大作戦」。「ラブゲット大作戦」という名前だけ見る限りではなんかこうかなり色物臭い雰囲気が漂っていますが、中身は至って正統派のラブコメディです(ストーリーの概要はこちらがお奨め)。

     で、当日は色々あってこの映画を「サークル文珠」の重鎮・羊田中さん、および田中さんのインド映画友達(何でも、コミケの「紙の砦!」ブースに置いてあったスーパードール=ムトゥが出会いの縁だったそうな)2人と鑑賞したのですが、いやもうこの映画が面白いのなんのってもう。

     勿論、タイトルに名前が冠されているシャー・ルク・カーン演じるナンパ青年の好演技っぷりや、この映画のヒロインを演じているカージョルの肉感的で色っぽいダンスなどはとても良かったのですけど、それ以上に素晴らしかったのが、この二人の父親役のオヤジ俳優です。特に、如何にも「頑固親父」風のヒロインの父の存在感はもはや感動的と言っても良い程のレベルに達しており、物語ラストで娘と青年との恋を認めるか否かという最後の最後で見せたあの表情と動作は、今でも強く印象に残っています。あんまり印象深いので、後で夢に出そうで怖いです。
     この「DDLJ」という映画は、タイトルは確かに主演のシャー・ルク・カーンがメインになってはいますが、その実体は実はオヤジ俳優の説得力のある演技を堪能する「オヤジ映画」だったのです。実際、オヤジが歌ったり踊ったりするシーンでは、場内は大喝采に包まれていました。

     映画を観る前に田中さんが「この映画はオヤジ映画です。オヤジがいいんですよ! オヤジが!」と力説していたので、実際どんなオヤジが出てくるかと思って楽しみにしていたのですが、登場するオヤジ俳優のキャラの立ちっぷりはもはや想像以上でした。この映画のオヤジのように脇役のキャラがちゃんと立っているからこそ、主役であるオヤジの子供達も光るって奴ですよ。オヤジキャラ愛好家としては、このようなオヤジ映画を鑑賞できて感無量です。

     「インド映画は喜怒哀楽全てを一つに詰め込んだ究極のエンターテイメントである」と申しますが、この映画はまさにソレですよソレ。本場インドで4年もロングラン上映されているだけのことはあると思いました。
     インドがカレーとダルシムと姫宮アンシーだけだと思っていたら大間違いですよ! インドを語る時は、カレーだけじゃなくてオヤジも忘れるな!(間違った結論)


    更新情報:

  • 煩悩の部屋」のイラストページに、匿名希望のiさんから頂いた新作イラスト、最終回記念企画4「正義に生きた女のその後」を掲載しました。
     小竜姫ファンは、存分に萌えていただきたい。
  • 煩悩の部屋」のイラストページに、初投稿のまこらさんのイラスト「正しい青春!!」を掲載しました。
     私も、やはりストッキングは黒が一番良いと思います。正しい青春全肯定。
  • 煩悩の部屋」の創作文集ページに、shinsho さんの新作「VAMPIRE CAPRICCIO」を掲載しました。
     吸血鬼を巡る事件に相対する、雪之丞の奮闘を描いた物語です。結構長め。
  • 煩悩の部屋」の創作文集ページに、こちらには初投稿となる山屋さんの作品「無法者達の宴」を掲載しました。
     山屋さんには申し訳ないのですが、個人的にはちょっと受け入れられないタイプの話でした。あの美神がこんなこと許すかなぁ? って感じ。「美神さん達3人がみんなハッピーになれる」話を考えたという事ですが……
  • 椎名高志作品秘宝館」に、MAKOTO さんから「アニメグッズ版下敷き」の画像を頂いたので、アニメグッズのところに掲載しました。TNX>MAKOTO さん
  • あと、こちらでは報告が遅れましたが、過去に cirklo さんが提供していた掲示板バージョン椎名作品Q&Aのログを整理した「椎名高志作品Q&A(旧版)」を作成しました。
     椎名先生関連の師弟関係が「野辺利雄→椎名高志→万乗大智」と繋がっているとか、椎名高志を名乗る前は「新庄高志」だったとか、今読んでもタメになるような情報が載っていたりするので、お暇な方はどうぞ。
  •  万乗大智先生と言えば、サンデーの大人気マンガ「DAN・DOH!」の作画として有名ですが、椎名高志先生のアシ経験があった(らしい)というのは、個人的には意外でした。ダンドー世界の中では「新庄」と言えば弾道のゴルフの師匠・新庄樹靖ということになりますが、ひょっとしたら椎名→万乗繋がりで椎名先生にあやかって名付けられたのかも知れませんな。
     そして、新庄×弾道と言えば、もう女性向け同人誌の世界では赤野×弾道と同じくらいの人気を持つ