サンデー2+3号「ツクモツキ」感想

ツクモツキ

 読み切り。マンガのスタイルとしては「金色のガッシュ!」(というかポケモン)と同系の、主人公+特殊能力を持った仲間のモンスターのコンビでバトルを行うタイプになると思いますが、モンスターに相当するのが「八百万の神々」であり、その神々は人間のパートナーとして契約すれば神のままでいられるけど、パートナーを得られないと「付喪」という祟り神と化して暴走してしまう、というちょっとひねった設定になっているのが、この作品世界の特徴であると言えます。
 この設定の存在によって、このマンガにおける神々は特定の人間に従属せざるを得なくなっています。サクヤはその象徴と言える存在として描かれてますね。

 そのことを物語前半に(不遇な扱いを受けるサクヤを通じて)描写することで、後半における主人公の「人も神も付喪もみんな大事なお客サマ」という論拠で神や付喪を救おうとする行動にカタルシスを生じさせることに成功しているなと思いました。簡単に感想を言えば、とても面白かったです。

 主人公のパートナーの「十徳」は十徳ナイフの神という設定なので、今回のナイフ以外にも缶切りやドライバーの能力も使用できると考えれば応用も広がりますし、今回のサクヤとのコンボのように他の神の力と併せれば更に色々なことができそう。今回は読み切りですが、作品の設定自体はかなり自由度を高く持たせている感があるので、これは将来的に連載化を狙っているんじゃないかと思いました。
 個人的に感じた唯一の問題点は、主人公の歌詞のセンスが致命的に悪くて読んでてムズムズするというところですが、おそらくそれも狙ってやってるっぽいので、これはこれでこのマンガの味であると判断せざるを得ません。「正気に戻ってちょんまげどーん」とか。

 なお、サクヤこと「木乃花佐久夜毘売」は、古事記に登場する実在の神様がモデルみたいです。
 日本古来の神様のはずなのに、「イエス、マスター」とか平気で英語を喋っちゃうところが彼女の萌えポイント。多分。

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