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あけましておめでとうございます(季節柄の挨拶) サンデー2019年新連載攻勢感想

 お久しぶりです(´・ω・`)

 えらい久しぶりになってしまいましたが、ここ最近始まったサンデー新連載作品についての簡単な感想を書き残しておきたいと思います。
 今年も公私共に色々ありそうな関係上、あまりここやTwitterにマンガの感想を書ける余裕がなさそうなのですが、一応書ける範囲で頑張ってみるつもりではあるので、今後ともよろしくお願いします。

アノナツ -1959-

 新連載。主人公の野球少年が今から60年前の1959年にタイムスリップし、そこでおそらくは野球部の優勝を目指して奮闘するという趣向のマンガかと思われます。

 今から60年前では「野球」の戦術や戦略面といったプレイに関する事はもちろん、「野球」を巡る社会的・精神的なあり方に至るまで今とは全く違っているのではないかと思われますが、如何にも「現代の野球」を体現していそうな主人公が、野球を巡る昔と今のカルチャーギャップに戸惑ったりする展開が期待できるのでは? と思っているところです。

 カルチャーギャップと言えば、60年前にタイムスリップした(と思しき)先で主人公とぶつかった女の子の着ているセーラー服のスカート丈が、60年前の制服にしてはちょっと短いのでは? と思ったんですが、ミニスカートは1959年には既にロンドン辺りでキてたっぽいので、先進的な学校の制服という解釈ならアリなのかもしれないと思いました。この辺のも解明されると良いですね(謎の範疇に入るのかは謎)。

 あと「今から60年前」というと随分昔のことのように思えますが、2019年の60年前は1959年で、既に第二次世界大戦の終戦から14年も経っている時代なんですよね。
 「絶対可憐チルドレン」の兵部や不二子を見てると「60年前って第二次世界大戦の末期くらい?」とか思ってしまうのですが、そもそも「絶チル」というマンガが始まったのが2005年なので既に14年前の出来事であり、ちょうどその分だけ自分の時代感覚がズレていることに気が付きました。あれからもう14年も経ったんですよ皆さん。そりゃみんなも歳取る訳ですよねー(思い出話おわり)

FIRE RABBIT!!

國崎出雲の事情」「天使とアクト!!」のひらかわあや先生による新連載。「歌舞伎役者」「声優」と特定の職業を題材にしたマンガが描いてきた先生ですが、今回は「消防士」がテーマです。

 第一話を読んだ限りでは「『消防士のマンガ』と『プロゲーマー志望の子のマンガ』の2つのマンガが並行で載っている不思議なマンガ」という印象を受けたのですが、サンデー2019年6号の第二話ではその並行して動いていた2つの物語が重なったというか、『FIRE RABBIT!!』が何をやりたいマンガなのかということが明らかになりました。そういう意味では、この第二話までが本当の意味での第一話だったと認識しております。

 それにしても、まさか凄腕の消防士が色々あって「GS美神」のおキヌちゃんみたいな存在になってしまうとは…と思いましたが、サンデーのラブコメマンガと言えば宙に浮かんでいる人間じゃない美少女が欠かせないというのは「うる星やつら」のラムから「初恋ゾンビ」のイヴに至るまでのお約束なので、これはこれでサンデーらしいマンガであると言えるのかも知れません。
 「FIRE RABBIT!!」はラブコメマンガなのか? という点は保留。

妹りれき

 このマンガは個人的に、「兄とコミュニケーションを取ろうとしないために何を考えているのか判らない妹の思考を、兄が妹のスマホの検索履歴から妄想して楽しむ」という趣向の、割と変態度が高いコメディと理解しております。
 基本的にはこういう倒錯した趣向のマンガを理解できる人向けという極めて狭い領域を狙った作品と言えますが、本来サンデーという雑誌はそういう作品を好んで読むタイプの読者のためのものだったはずなので、そういった意味において「妹りれき」はサンデーとして極めて正しい作品である言っても良いのではないのでしょうか。

 唯一の懸念点は、作品のテーマ的にいずれ「本当に大切なことは口に出さないと伝わらないんだ!」とか道徳的に正しいことを言い出してしまう可能性があることですが、そういう本当のことは最終回まで取っておいてほしいなと思いました。

映画・刀剣乱舞

 みんな大好き「刀剣乱舞」の劇場映画版のコミカライズを、「シノビノ」で好評を得た大柿ロクロウ先生が担当という趣向の作品。
 大柿先生、「ゼロの日常」の新井隆広先生と並んで、すっかりイケメン男子マンガ御用達という感じになって来た感があります(印象論)。

 ワシが若かった頃は、歴史を改変しようとする犯罪者を阻止する人というと「T・Pぼん」のリーム姐さんか「タイムギャル」のレイカかといった感じでしたが、今ではそのお仕事は刀剣男子のものなのかと思うと時代を感じます。

 そういえば「シノビノ」の最終回について書くタイミングがなかったのですが、藤堂平助や坂本龍馬が殺害された史実をきちんと踏まえた上で、このマンガらしいアレンジを加えた形でキレイに着地しているなと思いました。あと、何より坂本龍馬を最期まで「カリスマ的悪役」として描ききった点でも素晴らしいと思います。同じく歴史上の偉人であるペリー提督や吉田松陰を相当アレな感じ(褒め言葉)にアレンジした功績も含め、「シノビノ」という作品は幕末ジャンルの極めてユニークな少年マンガとして記憶に残る作品になったと言えるのではないでしょうか。
 「シノビノ」は、正直なところ個人的にはまだまだ終わってほしくないマンガだったのですが、大柿ロクロウ先生なら今後もイケてる男子(オッサンや老人も含む)が大活躍する奇想天外な作品を今後も描いて下さると思いますので、今回の「刀剣乱舞」も含めてこれからも楽しみに読ませて頂きます。

クロノマギア ∞の歯車

 「電波教師」の東毅先生による新連載。色々あって連載終了となってしまった「クロノマギア 時の召喚者と白刃の花嫁」のリブート作品という位置付けと認識してます。
 ただ、リブートといっても共通点は作品の舞台が「クロノマギアの強い奴が全てを支配できる学園」であること、および主人公に「クロノマギア」の能力者・神道花梨が取り憑いている(+彼女は過去の記憶を失っている)という点だけで、他の点は全く異なる印象を受けます。
 「∞の歯車」は東毅先生の作品なだけあって、主人公は自らの目的のためなら権謀術数を厭わない頭脳派な男子ですし、出て来る女子はみんな性格が歪んでいておっかないところが素晴らしいと思います。マジで。
 おそらく次回から物語が本格的に動き出しそうなので、期待して待ちたい所存です。

 それにしても「時の召喚者と白刃の花嫁」は、土星フジコ先生の描くマンガが個人的に好きだっただけに、ああいう形で終わってしまったのは本当に残念です。土星フジコ先生は連載中は相当苦労していた様子で、連載中に実際のゲームとの齟齬をネタにしてはしゃいでいた当時の自分が、今となっては恥ずかしいです。この件については心から反省しております。
 土星フジコ先生は現在休息中とのことですが、なんとか再起して欲しいと願ってます。

電波教師 9 公式同人誌・電波先生付限定版 (小学館プラス・アンコミックスシリーズ)

「電波教師」は、コミケ話が公表を得た結果公式同人誌を出しちゃったのが今でもスゴイと思ってます


コミックマーケット95 椎名高志作品関連サークル

※作品名が書かれていないサークルは、「絶対可憐チルドレン」「THE UNLIMITED -兵部京介-」の二次創作です。

12/29(土)
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今回はこのマンガの一つの到達点だと思った サンデー2+3号感想「BE BLUES!」感想

BE BLUES!

 立彦✕龍のカップリングを中心として桜庭・三石・荻本といった面々の感情が絡みあう、レッズユース対武蒼高校の試合の名を借りた熱い愛憎劇が繰り広げられている最近の「BE BLUES!」ですが(挨拶)、サンデー2019年2+3号の展開は、立彦の龍への長年の想いが「かつての龍だったら可能だったであろうスーパーゴール」を立彦が決めるという一つの形となって実ったという意味で、このマンガの一つの到達点な回だったのではないかと思いました。

 立彦は今でも龍のことがホントに大好きなのは試合前からダダ漏れだったんですけど、彼の中で龍がどれだけ大きい存在であったのかを、立彦は「かつての龍だったら可能だったであろうスーパーゴール」を本当に決めることで表現しました。
 立彦の中の「理想の龍」は既に現実の龍を超えた超人の域に達しているんですが、彼はその超人と重なることをサッカーのモチベーションとしており、それが彼をここまで成長させたことは間違いありません。

 かつての立彦の姿を知っているミルコは彼を「努力だけで獲得できる領域を超えている。あれは怪物だ」と評していましたが、それは即ち立彦の龍への熱い思いが彼をただの人間ではいられなくしたということを意味します。深い愛情は人間を怪物に変えるのです。
 龍のことが大好きで妄想の中の龍と重なるために尋常ならざる努力を重ね、最終的に怪物に進化してしまった立彦。正統派サッカーマンガであるはずの「BE BLUES!」で、人知を超えた究極の愛の姿を見ることになるとは思いませんでした。ほんとこのマンガ深いですよ(ミスリーディングの可能性)。

 そんな立彦のプレーを見ていた優希も「あれはまるで怪我する前の龍そのままの姿だ」と察しましたが、優希はそれを口に出すことはできませんでした。
 「もし龍が怪我しなければ、今頃は…」という仮定はもう決して訪れない世界線の話であり、また怪我から復帰した龍が尋常ならざる努力の末に現在の地点まで到達したことをよく知っている彼女にとって、「もし龍が怪我をしなかったら」は口には出せない言葉であることは間違いありません。

 優人もおそらく優希と同じことを思ったに違いないのですが、実際に彼が龍に対してかけた言葉は「立彦…すごいね」だけでした。
 同じく「今の立彦は怪我する前の龍の姿だ」と思ったナベケンも、実際にそれを龍に言うことはないでしょう。大怪我をした龍が今の姿になるためにどれだけ努力してきたのかを知っているからこそ、その言葉は龍には決して言えないのです。

 しかしこのマンガには、そんなタブーを吹き飛ばせる男が一人だけいます。桜庭巧美です

 「てめえがポンコツになる以前ならやってそうなプレーだったな
 「くやしくねーのか、自分のプレーパクられて。よりによって久世立彦に!

 桜庭はハッキリと、今の立彦は「怪我する前の龍そのままの姿だ」と龍に言い放ちました。幼馴染の優希や優人やナベケンには言えなくても、「性格がひねくれている」というの桜庭さんなら、こんな言いにくいこともハッキリと言える! 桜庭さんマジかっこいい! と、本気で思いましたね。
 こういうことを龍に対して言えるのが桜庭というキャラの強みなんだよなあと、改めて感じた次第です。

 もちろんこの台詞は単なる嫌味ではなく、真意は龍に対する奮起を促すところにあることは明白であり、龍も「くやしいさ!」「だから力を合わせようぜ!勝つためにな!」と桜庭に感情をぶつけて応えます。サッカーのために常にクレバーであろうとする龍からこういった人間らしい感情を引き出せるのも、桜庭の役回りの一つだと言えるのではないのでしょうか。

 サンデー46号で相手に先制点を許した時も桜庭は龍に嫌味っぽい口調で叱責して龍の奮起を促し
ていましたし、桜庭が気落ちした龍を叱って励ますしかる桜庭(しかるねこっぽい発音で)というキャラ付けはますます強固になったと思われます。

 こんな感じで、龍と立彦を中心とした彼らの熱い愛憎劇はまだまだ終わりそうにありません。
 次回以降で起こるであろう、龍や桜庭の逆襲にも注目です。

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桜庭さンかっこいいなあ(表紙)


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