その後の「クロノマギア 時の召喚者と白刃の花嫁」(サンデー26〜29号)感想まとめ

クロノマギア 時の召喚者と白刃の花嫁

 お久しぶりです(´・ω・`)

 以前このサイトで、サンデーで連載が始まった「クロノマギア 時の召喚者と白刃の花嫁」と、原作であるデジタルカードゲーム「クロノマギア」の違いについての記事を書きましたが、当時は

・実際のゲームではルール的に起こり得ないことが、マンガの中では起こっている(例:1ターンに18マナ使う)
・「攻撃を受けるとその分マナが溜まる」「クリーチャーのスタッツを上昇させる『レベルアップ』」「マギアスキル」といった、このゲームの特徴的なルールの明確な描写が出てきていない
・土星フジコ先生のかわいい絵柄と、「クロノマギア」のダークでホラーなクリーチャーが今ひとつマッチしていない感があるのでかわいい美少女クリーチャーを出して

 といった、カードゲームを題材にしたマンガとしての問題点がありました。
 しかし第5話以降、このマンガは徐々に「カードゲームを題材にしたマンガ」としての体裁を整え、上記の問題点を克服しつつあるのではないか? というのが、本稿の論旨です。

 という点を踏まえつつ、第5話〜第8話の感想を列挙してみます。



第5話(サンデー26号)

  • プレイヤーにダメージが与えられると、その分だけ魔力が回復する」という概念が明確な形で登場。
    これは「クロノマギア」というゲームをユニークなものにしている特徴的なシステムであり、花梨がこれを説明しているコマが出た時は「ついにこのマンガも『マンガの中で起こることはゲームでも起こり得る』という本格的カードゲームマンガの路線に舵を切ったのか!」といたく感動しました(やや大げさだけど本当)。
  • かと思ったら、「召喚した《人食いの大猪》(2マナ2/2)と取っ組み合いの喧嘩をして心を通じ合わせる」という、犬丸のバカっぷり(良い意味で)をフィーチャーする如何にもキッズ向けマンガ的なほのぼの展開に突入。
    カードのモンスターと心を通じ合わせる主人公というと、カードゲームマンガの名作「カルドセプト」のナジャランを思い出しますね(オッサン勢)。ナジャランの「よくやったわミノタウロス!今夜は焼き肉よ!!」に匹敵するキメ台詞が、犬丸にも欲しいところです。
  • 花梨から「自分は過去の記憶を失っている」「犬丸をクロノマギアの頂点に立たせれば元の世界に変えることができるらしい」と聞いた犬丸が「花梨を元の世界に帰す」という目標を掲げたことで、花梨がデレ始めます。いいと思います。

第6話(サンデー27号)

  • 土星フジコ先生名物のおっぱいが大きくてちょっとトロそうな天然系美少女・桜ノ宮来音が(再)登場。
  • 親切でトロそうな巨乳の女の子が親切に近寄って来たかと思ったら、突然態度を豹変して襲い掛かってくる。でもどっか弱気というか、事情がある素振りを見せるのも忘れない。いいと思います。

第7話(サンデー28号)

  • 来音が犬丸を攻撃している時に使っているクリーチャーは、《リリス》(3マナ2/2、召喚時に全ての敵クリーチャーの攻撃力-1)、《インプ》(3マナ1/1、対戦相手にダメージを与えるたびに対戦相手のMPを1減らす)、《デモンズハンド》(2マナ2/1、召喚時に正面の敵クリーチャーの攻撃力-1)、そして《仮面の魔女キルケー》(5マナ2/3、召喚時に正面のクリーチャーをブタに変える)だと思われます。
    注目はやはり《リリス》。満を持して美少女クリーチャーが登場です。
  • しかしそれ以上にゲーム的に重要なのは、これらのクリーチャーが全て悪魔属性で統一されており、またカードのマークがハートとダイヤなので、来音のデッキは「能力者」が(マークがハート+ダイヤであり、マギアスキルに悪魔属性が必要である)エレナであり、デッキタイプはいわゆる「悪魔エレナ」と呼ばれるものではないか? と推測が可能になっている点です。
    原作のカードゲームのルールに沿った展開になっている点、ちゃんとしたデッキコンセプトがマンガから読み取れるという点において、これまでと比べて大きな進歩が感じられます(エラそう)。
  • 美少女クリーチャーといえば、犬丸が《エルフの戦士》(1マナ1/1、能力なし)を召喚。2回攻撃が可能なマジック《有翼の靴タラリア》を使って《インプ》《デモンズハンド》(共に耐久力1)を破壊。これもちゃんとルールに沿った展開です。エルフの戦士のを強調しているのも良いです。
  • この回は、これまでのこのマンガに足りていなかった「ゲームのルールに沿った、かつマンガらしい派手な演出と展開」「美少女クリーチャーの登場と活躍」を兼ね備えたものだったと、個人的には思っています。この回で、このマンガは本格的カードゲームマンガになったと言っても過言ではありません。多分。
  • そして学園でのバトルに敗北してポイントが0になった生徒は文字通り存在が消えてしまうという、超恐ろしい設定が明らかに。この学園はコンプライアンスに問題があるのは明らかなので、お互いの存在を賭けてバトルする前にまず警察を呼ぶべきではと思いました(ダメ感想)。

第8話(サンデー29号)

  • 《キルケー》の能力で《エルフの戦士》が《ブタ》(2マナ2/2、能力なし)に。
    マンガの中では無能の代名詞と化しているブタですが、「クロノマギア」のブタは、コモンパック(コモンカードしか出ない代わりに価格が1/4とお安いパック)の目玉クリーチャーとしてフィーチャーされるなど、もはやこのゲームのマスコット的な存在になっているように思えます。ブタかわいいよね。
  • キークリーチャーを《ブタ》にされたために窮地に陥った犬丸ですが、《ブタ》の上に《月狼ハティ》を重ね合わせることでスタッツを上昇させる「レベルアップサモン」により形勢を逆転、プレイヤーである来音をハティの速攻能力で急襲して逆転勝利を得ます。
    レベルアップも「クロノマギア」を象徴するルールの一つなんですが、このバトルでのフィニッシュブローとして使うためにあえてここまで温存させておいたように思えます。
  • 来音が抱えていた「自分は役立たず」というコンプレックスを解消しつつバトルに勝利した犬丸は、来音に自分のことを「犬丸」という名前で呼ぶように命じて一気に好感度をアップさせることに成功。好感度が上がることで女の子の自分に対する呼び名が名字から名前に変わる様は、「ときめきメモリアル」を思い出して目頭が熱くなります(オッサン勢)。
  • そしてラストで(原作のゲームでは花梨と同じ「能力者」である)ゼータが登場。
    おそらく、次回以降は「クロノマギア」最大の特徴である「能力者」、そして能力者の固有能力である「マギアスキル」に焦点が当てられ、更に本格的カードゲームマンガ路線に移行するに違いないと思っていたのですが、第8話を最後に連載はストップ。いまだに再開されていません。

 「クロノマギア」というゲームの最大の華はやっぱり「マギアスキル」であり、実際のデッキの構築においてもまず「どの能力者のマギアスキルを使うか」が起点となっているので、「クロノマギア」を題材にしたマンガとしてはやっぱりマギアスキルに触れるところまでは話を進めて欲しいです。
 そしてもし連載が再開した暁には、ゼータのマギアスキル《扇動》でいいようにクリーチャーをコントロールされて犬丸がひどい目に遭う展開となり、「クロノマギア」のプレイヤーから「あーゼータの扇動ハメなー強いよなーこれ俺もやられたわー」って共感されるがいいと思います。

 ちなみに自分は《扇動》で相手をハメる方が好きでした。ハメて勝つと楽しいよ!(ひどい終わり方)

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土星フジコ先生の描きおろしが載ってるアンソロジー。登場人物は巨乳女子・鈍感男子・この二人を焚きつける性悪女子という「戦争劇場」を彷彿とさせる組み合わせなので、「戦争劇場」が好きだった方ならオススメ

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