絶対可憐チルドレン
薫は小学生の頃から「超能力が暴走して手が付けられなくなる状態」の危機を内包していたキャラではあるのですが、彼女同様に葵や紫穂も能力が強すぎてついに自らをも滅ぼしてしまうレベルにまで到達してしまったことが明らかになったエピソード。
自らの能力を自らの意志で制御できずに暴走させてしまい、結果自分もろとも果ててしまう可能性を抱えて戦うというのは所謂能力バトルものの定番パターンですが、「絶対可憐チルドレン」もいよいよその領域へ本格的に足を踏み込んで来たという印象です。
葵や紫穂の能力は行き着く先が「自己破壊」なのですけど、薫の場合は能力が能力なだけに下手すると周囲の重力を極限まで歪めた結果、重力の特異点が発生してブラックホール化してしまうんじゃないんだろうか? と心配になって来る程です。もし地上でブラックホールが発生したら勿論地球はおしまいであり、文字通りの「破壊の女王」になってしまうことは必至の有様。
つまりチルドレン達は自らの能力を制御できなくなって周囲を巻き込み崩壊してしまう、所謂「邪気眼」をリアルで装備したのと同じ状態であると言えます。中二病患者の誰もが夢見る、「死にたくなかったら早く俺から離れろ!!
」っていうアレですよアレ。チルドレン達は、あのセリフを本当に口にする真っ当な資格を得たんですよ。ステキ!(ダメ)
また、既に彼女たちの能力に対してリミッターが効かなくなって来ているということを皆本が言ってましたが、これはもし彼女たちの能力を解禁したら、文字通り誰にも彼女たちを止める者はいなくなることも意味しています。彼女たちが何らかの意志を持って本気で行動を起こしたら、皆本を含めて誰にもチルドレン達を止められる者はいません。
果たして彼女たちは、自分を破壊する程に強くなってしまった、誰にも止めることができない力で、何をするつもりなのか。あるいは何をするべきなのか。そしてそれを知った松風君はこれからどうするのか。その辺りが高校生編のチルドレン達のテーマになり得るのではないか、という気がします。
高校生編はこれまで松風君をメインに「チルドレンとどう関わっていくのか」を描く構成の話が多かった感じがしますが、ようやくチルドレンがメインのエピソードがやって来てくれた! という感じがします。彼女たちがメインの話を読めるのは、個人的に嬉しいですね。内容はかなり深刻なんだけど。
39巻までと40巻とでは、絶チルのロゴのフォントが変わっていることに気付いた(おそい)