絶対可憐チルドレン 一覧

そういや最近ウサ晴れるほど酔っ払ってないなあ(´・ω・`) サンデー47号絶チル感想

絶対可憐チルドレン

 『「これでお前は僕のものだ」…と!

 ついにヤンデレ皆本が覚醒した! とファンの間で騒がれたであろう(多分)サンデー47号の絶チル。
 愛する相手を撃ち殺しておいて、彼女が死ぬ間際に「愛してる」と言ったことに対して喜んでしまうのは明らかに歪んでますし、ヤンデレキャラが苦手な私としてはまあドン引きものなんですけど、でもここまで自分の中に激しい性的衝動があるのを皆本が自ら初めて暴露したことについては、「よく自分の中に潜んでいた気持ちを喋ってくれた!」と、読んでて嬉しくなったのも正直なところです。

 皆本はこれまで、薫たちチルドレンのことは「保護者として」大切に思っているとは言ってますが、彼女たちに対して性的な意味での愛情を持っているのを認めることは、かたくなに拒否して来ました。まあそれは実際そうなんでしょうけど、あそこまで強硬に薫たちを恋愛対象とすることを認めなかったのは、未来の薫に、それも自分に撃ち殺されることを望むまでに自分のことを愛している薫に、自分が惹かれていることを認めたくなったからかも知れませんね。

 ただ、今回皆本は自分の中に潜んでいる本当の欲望を認めたことで、それと正面から向き合うチャンスを得たとも言えます。彼が「未来の薫を撃ち殺す」未来を避けるためには、そこまで追い詰められる程に愛し愛される関係になってしまう薫との付き合い方を、今この段階から変える必要があるのではないのでしょうか。
 この気持ちを内に秘めたまま同じ未来を繰り返し、薫と再びヤンデレ風味で殺るか殺られるかの一発触発なスリリングな関係になるのもまあイイものなんですが、それに人類の命運をかけてしまうセカイ系ヤンデレカップリングをやる必要があるのかどうかと申さば(以下略)。

 とりあえず、自分の気持ちに気が付いたことは皆本にとって良いことであるのは確かなので、自分の未来の薫への気持ちを自覚した上で、薫とちゃんと素直に向き合って欲しいところですね。この二人が素直に「好きだ!」「好きよ!」と言い合えるダンガードAの主題歌みたいな恋愛をする未来を得ることが、破滅の未来を回避する第一歩ですよ。多分。何か全然想像できないけど。

 今回もう一つ面白かったところを上げるとすれば、兵部に置いてきぼりにされて「勝手に一人で背負って…勝手に押し付けて…戻ってきたらタダではおかん…!」としょぼくれてる真木を見て、「しょーがねーな」と付き合ってあげる(そして真木と一緒に葉に絡む)賢木が素敵でした。賢木も、一人で色々背負いがちな皆本と付き合ってる関係上、真木の気持ちは痛いほどよく判るんでしょう。

 前のエピソードでナイを救うために兵部と共闘した時もそうなんですが、何かここ最近の賢木はえらいカッコイイですよ。本当の意味での大人の男性っぷりをさり気なく発揮してますよ。どうしちゃったんですか彼?(←ひどい)

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今もここにいるのは、思い残しがあるからにすぎない。サンデー46号絶チル感想

絶対可憐チルドレン

 「パティ? どうしたの?
 「なんでもない。なんでもないから
 パティ自重しろほめ子自重しろのフレーズで)

 皆本が思わずバレットを(パティの妄想をかきたてるほど激しく)抱きしめてしまったのは、前回においてバレットが葵を守るために非業の死を遂げてしまうことを皆本が知ってしまったためなのですが、それ以上に今の皆本は「バレットが死んでしまう未来を避ける力が、自分にはない」ことについて思い悩んでいるように見えます。
 フェザーや不二子からは「そのことで思い悩むな」と言われてはいるのですが、しかし皆本はコミックス1巻の段階で破滅の未来を知ってしまってからというものずっとそのことで思い悩んで来た訳であり、彼の生真面目な性格からしても「今の自分に未来を変えるためにできることはない」と簡単には諦められないのは、まあ致し方ないことだと思います。

 そんな感じで思い悩んでいる皆本に対して、「悩んでいることは判るけど何で悩んでいるのか判らない」状態の薫達が、どのように彼に接して励まそうとするのか。そして皆本は「自分が未来を変える」という考えから解き放たれ、薫たちの励ましを得て本来彼が今やるべきことを見つけることができるのか。今回のテーマはその辺になるのではないかと思いました。
 特に乙女チックモード全開になってるなってる薫の行動に注目ですね。薫の励ましが皆本を悩みから解放し、彼らの未来を変える力になるやも知れません。いやマジで。

 あと今回ちょっと面白かったのが、兵部がいなくなってしまってしょんぼりしている澪たちパンドラの子供たちに対して、皆本が「あ…あいつがそんなに簡単に死ぬなら、僕らは苦労していないさ。きっと、すぐにケロッとして戻ってくるよ」と、ちょっとツンデレ女子っぽい口調で慰めようとしていたところ。
 普段は兵部に対してツンツンしてる堅物の皆本も、兵部の存在がまだまだ必要な澪達に対しては彼が好敵手であると認める発言をちゃんとできるんだなと感心しました。

 「まだ見ていない生存戦略がー!!
 「輪るピングドラム」は自分も13話から先見てないですよ!(秋アニメが始まってそちらのチェックに忙しいので)

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カズラに全身を締め上げられながらもリーマン予想を妄想した皆本は、ある意味立派な変態だと思う


訪れるのは、俺が望んだ世界なり サンデー44号絶チル感想

絶対可憐チルドレン

 ナイの爆弾摘出という難易度の高い手術を成功させた後、何事もなかったかのように子供たちが集っている皆本宅にお土産を持って登場、ナイの「飼い主」である悠理を自宅まで車で送った後で、飄々と皆本や不二子とフェザーの正体に関する際どいトークを酒を飲みながらする芸当を見せた賢木が、何気に凄いんじゃないかと思いました。これでは、何か賢木がすごくかっこいいお兄さんのように見えてしまって困ります。いや何となく。
 その賢木に「ありがとうございました」と頭を下げた悠理は、やっぱり賢木がナイの手術を成功させたことを感づいていたんでしょうかね?

 そして今回の「絶チル」では、ついにフェザーの正体が「未来からやってきた、薫を中心としたエスパーの意志と能力の集合体」であることが明らかになりました。このマンガにおける超能力は「物理法則を超えた能力であり、不可能をも可能とする」ものであるという概念は中学生編に入った時点で既に提示されてましたが、フェザーはまさにそれを具現化した存在であると言えます。

 フェザーは本来ならばこの世界にはなかったはずの超時空的な存在であるので、既に定められた「未来」に対して何らかの干渉を行えるのかも知れない。「未来は変えられない」と定められたに等しいこのマンガの世界においては、フェザーのみが唯一未来を書き換えられる(かも知れない)存在である──と、今回のエピソードで明らかになりました。
 これは逆に言えば、皆本や兵部はこの「世界」の一部であるが故に、彼らが未来を変えようとしてどのような行動したとしても、「世界」が選んだ黒い幽霊によって仕組まれたエスパーとノーマルの全面戦争という最悪の未来を避けることはできない──ということになります。
 彼らができることは、彼ら自身が未来を変えようと思うのではなく、よりよい未来を作るためにベストを尽くすこと、そして未来を託せる世代を育てること。多分、フェザーが変身した葵や紫穂が言っていた言葉の意味はそんな感じなんじゃないかと思っています。

 皆本自身は未来を変える可能性を持っていないことが明らかになった、という意味では彼にとって極めて残酷なエピソードになりましたが、逆に言えば皆本がこれまでのように「自分が未来を変えなくては!」と意固地になる必要もなくなったとも考えられます。よりよい未来をつくるため、自分は本当は何をするべきなのか。今回の話は、皆本がそれを考えなおすきっかけとなるのかも知れません。

 とりあえず今回のエピソードでは、ナイの頭部に仕込まれた爆弾は無事に摘出され、悠理の元に無事(猫の姿で)戻ってくることができ、兵部が望んでいた「ナイと悠理がいつまでも幸せに暮す」未来への可能性は残されました。今はこれで良しとするべきなのでしょう。
 個人的には、翌朝悠理が目を覚ましたら、人間の幼女の姿に戻ったナイが全裸で「おじょうさまぁ~」と抱きついてくる、百合百合な展開を希望したいところです。

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