論旨:高橋留美子先生が「バブみ」の境地に挑んだ意欲作 サンデー12号「境界のRINNE」感想
境界のRINNE
謎の失踪を遂げていた主人公の母親が、変わり果てた姿でついに主人公の前に姿を表し、秘められた謎について語り始める──という、作品によっては最終回間近にならないと出てこないようなストーリー上における最重要級な謎を、「母親は既に近所の幼女に転生していた
」「しかも母はとんでもないホラ吹きだった
」ってネタに落としてしまう、大らかというか大胆というか「え? こんなオチでいいの?」ってこちらが戸惑ってしまうくらいの投げ出し感が、色々な意味で凄いなと思いました(ほめてます)。
あとこの「幼女の中身が母親」であるというところから感じる彼女独特の貫禄は、世間で言うところの「バブみ」に相当するものではないか? とも思ったのですが、何か微妙にこの事例はバブみとは前線違うような気もします。この幼女に対して、りんねや鯖人がいわゆるバブみを持つ女性に対する典型的な反応(例:シャアのララァに対する「私の母になってくれるかもしれなかった女性だ!」的な昂ぶるアレ)をしておらず、母や妻に対する普通の反応をしているからなんでしょうか。
「バブみ」という概念は、母性を与える側と受ける側の双方の協力がないと成立しないものなのかもしれません。概念って難しいですね。おわり(何この文章)。
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アニメ版は独特のリズム感にようやく慣れて来ました