2016年もよろしくお願いします サンデー52号感想
2016新春大攻勢予告
市原氏が週刊少年サンデーの編集長に就任した際、コミックナタリーのインタビューで「藤田和日郎先生、西森博之先生、久米田康治先生。この3名には一刻も早く帰ってきてほしいと思っています。」と語っていた通り、本当に藤田先生と西森先生と久米田先生がサンデーに戻って来ることが発表されました(久米田先生は読み切りだけど)。
また、本名ワコウ先生の新連載、藤木俊先生の読み切りの掲載、「サイケまたしても」の第5シーズンの開始、「銀の匙」新エピソードの掲載、サンデーSの連載作「天野めぐみはスキだらけ!」の本誌移行なども同時に告知されており、ずっとサンデーを読んで来たオッサン愛読者が大歓喜する内容になっていたと思います。
これに関しては「オッサンが喜ぶような内容の攻勢でいいのか」というツッコミもあるんでしょうけど、今回の新連載予告には『現在のサンデー編集部は「戻ってきて欲しい」と公に宣言した作家を本当に戻せるだけの力がある、有限実行な体制である』ことをアピールして誌面改革への本気っぷりを示すことでオッサン読者の信頼を改めて得ることが何よりも目的だと思いますし、これまでのネットでの反応を見る限りでは、実際それはそこそこ成功しているのではないかと思います。
個人的には、何より約一年ぶりとなる藤木俊先生の読み切りが掲載されるのが嬉しいですね。藤木先生が生きててよかった(ひどい)。
暁の暴君
天才型の一真に対するライバルキャラとして位置付けられるであろう、努力の塊たるキャラ付けをされた軍場ハヤトが登場。普通の柔道マンガであればハヤトの方が主人公になってもおかしくないくらい、柔道に対して誠実な努力家さんといった印象を受けます。
これまでの努力の成果として得た圧倒的な技の知識で徹底して読み合い勝負に持ち込んでいるハヤトですが、一真は多分ハヤトの知識を凌駕した、専門用語で言うところの「わからん殺し」的な技を仕掛けてくるのではないかと思います。見た目は下段だけど実は中段攻撃なので立ちガードしないと転んでしまって再び二択を強いられるみたいなアレです。対戦格闘ゲームではよくあることです(その程度の知識)。
あと個人的には、ハヤトの父ちゃんが職場から解雇通知書をもらうコマと、解雇された父ちゃんが交通整理のアルバイトをしているコマをわざわざ描写する芸の細かさにグッと来ました。
社会的には多分この父ちゃんはダメな人なんでしょうけど、息子に柔道を教え込もうとする意欲の高さだけは窺い知ることができました。
初恋ゾンビ
指宿くんの正体が明かされた回。彼は元々「何故かタロウと同じく初恋ゾンビが視える」筆頭として色々と謎が多い人物だったのですが、実は彼は彼ではなく彼女だったというか、端的に言えばちんこが付いていなかったことが、今回明らかになりました。
このマンガの真のヒロインは最初から指宿くんであり、故に最終的にこのマンガはタロウと指宿くんが真実の愛に目覚めるに至るまでの物語であると私は思っているので、本来ちんこの有無は真実の愛の前には基本的に大きな問題ではないはずなのですが、でも「指宿くんが美形の男子」であるのと「指宿くんが男装した女子」であるのとでは二人が乗り越えるべき壁の質が異なってくる関係上、今後の物語の趣は大きく異なって来ざるを得ません。まあ、個人的には「それはそれで」といった感じですが。
個人的には、彼女がわざわざ男装している理由が「自分をこんな身体(=初恋ゾンビが視える身体)にしたタロウに復讐するため」であるという歪みっぷりにはグッと来るものがあります。この歪みがいつ真実の愛に変わるのかと思うとゾクゾクしますね(ダメ)。
このマンガ、一見すると常時女の子のパンツとかが見えてる典型的なお色気マンガの形態を取ってはいますが、実は人間関係がそこそこ複雑な上、単なる概念上の存在だったはずのイブが意思を持ち始めていたり、指宿くんの性別が初期設定から変わったりと、かなりディープな恋愛物語を描くことが可能な構成になっている奥深さも持ちあわせており、なかなか侮れない作品になって来つつあると思っています。
これから人気が出て欲しい作品の一つです。いやマジで。
あと、江火野さんのエロいコスチュームを日々妄想している人吉君におかれましては、今後はぜひ「上が縦縞セーターで下がタイツだけ」みたいな系統の着衣フェチに目覚めていただけると私が喜びますので、ぜひその方向の妄想をお願いしたい次第です。露出が多ければエロいという訳ではないんですよ! 君はやればできる男ですよ! 任せたよ!
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「初恋ゾンビ」の峰浪りょう先生の「ヒメゴト」、一気に読むのがもったいなくて一話づつじわじわ読んでます