マギ 一覧

あけましておめでとうございます サンデー2017年1号感想

天野めぐみはスキだらけ!

 「サンデー非科学研究所」で前号からやってるねこぐち先生のインタビューは、先生が「ただひたすらムチムチな女子の尻を描きたい」という一念でここまでやって来たことがよく判る、素晴らしい記事でした。
 特に、ムチムチな女子を描きたいという自らの情熱と、「ヒロインは細い女の子の方が普通だ」という編集者からの一般的なアドバイスが相剋して葛藤する辺りが、何かこう理想と現実の間で苦しむ芸術家っぽくてグッと来ます。

 結果的にムチムチな女子を描き続けることでねこぐち先生は今やサンデー筆頭レベルの人気作家になれた訳で、やはり漫画家として成功するには斯様なレベルにまで気が狂った情熱が必須なんだよなと思った次第です。褒めてます(フォロー)。

 本編の方は、まーくんからカツサンドの差し入れをもらっためぐみがエラい可愛かったのがとても良かったです。勿論ストレッチのシーンも良かったです。本当にありがとうございます
 「天野めぐみ」を読んでいると感謝の心が自然と芽生えてくるので、男の子の情操教育にも良いと思います。

古見さんは、コミュ症です。

 「古見さん」の家族が出てくる話を読むたび、私は常々「古見さんのお父さんになりたい」という感想を抱くようになっているのですが、今回の話を読んだ結果、「古見さんのになっても良いのかも知れない」と思うようになりました。

 それにしても、弟の部屋に姉がTシャツ短パン姿で無断で侵入し、弟にちょっかい出しつつ勝手にマンガを持っていくという行動は、姉が弟に取る行動として一般的なんでしょうか。
 自分にも姉がいますが、姉は自分の部屋には入ろうとせず、逆に自分が勝手に姉の部屋にこっそり侵入して勝手にマンガ持っていく方だったのでよく判りません(ダメ)。

マギ

 物語がイモータルな神話レベルのスケールに突入した結果、もはや宗教ファンタジーとでも言うべきジャンルに変貌しつつある最近の「マギ」ですが、今回のような「現世の絶対神となったシンドバッドの意志に、世界中の人民がイッちゃった瞳をキラキラさせつつ大喜びで従う」様子を見ていると、意識と理想がむやみに高い人が神様になるのも考えものだよなあと思わざるを得ません。
 社長が高潔な理想を掲げていてそれを実現するために、社員を洗脳してブラックな労働環境で自己犠牲を強いるみたいなものですよねこれ(社会問題化)。

 シンドバッド様のような妙に思想が高くて意識も高い神様よりは、「だめてらすさま。」のテラス様のように、面倒くさいことが大嫌いで万事いい加減で現世に対して崇高な理想を抱かない適当な神様の方が、我々のような民草にとっては良い神様なのではないかと思いました。

初恋ゾンビ

 江火野さん水着回。「中学の時に買った水着を着させられているが故に、水着姿が大変なことになっている」というマニアックな設定の元に描かれた必要以上に露出が高い水着姿は勿論素晴らしいのですが、それ以上にタロウのことをいつも以上に意識してしまって頬を赤らめたり微笑んでいたりする表情が大変に良かったです。
 プールから出てタロウと別れた直後の表情からすると、彼女はもう自分が幼馴染のタロウのことが好きだと自覚していると気付いているのかも知れませんね。

 民宿バイト編では既に指宿くんがタロウにメロメロになっちゃってましたけど(やや語弊)、もし指宿くんが江火野さんがタロウに好意を持っていることを知ったら、どうするんでしょうか。指宿くんが「性別を偽っている」という秘密を守るかどうか葛藤できる時間的な余裕は、もうそんなにないのかも。

BE BLUES!

 武蒼のエースである「ドリブルの技術は最高だがソレ以外の全てが最低」な桜庭に卑劣な行為をされてセンターバックを潰された聖和台が、桜庭に対する復讐心に燃える眞鍋がその桜庭からボールを奪ってチャンスを作り、エースの小早川からゴールへの嗅覚に優れた光一に繋いでワンチャンスから貴重な先制点をゲット! という展開に。
 普通の少年マンガのフォーマットでは、桜庭のようなワガママな暴君がフォワード張ってるチームはまかり間違いなく悪役であり、「この試合に勝って小早川をプロリーグへ!」という気持ちでまとまっている聖和台こそが正統派の主人公チームであることは以前ここでも指摘しましたので、現在のこの展開には非常に説得力があります。
 勝負を決めるのは個人技に走ったテクニックではなく、一丸となったチームプレイなのだ! 正義は勝つ!(説得力)

 本編の主人公であった(過去形)龍は「こっからでしょ!」と強がったことを言ってますけど、龍はまだ小早川を止めることはできていないし、桜庭は既にヘバッてるし、優人は相手の攻撃を止められなかったことを悔いてこれから凹みそうだしと、実際問題としてここから逆転できる芽は今のところ全くなさそうに見えます。
 このまま武蒼が本当に負けてしまって、主人公チームが正統派の聖和台に変わってしまうのか否か。このまま聖和台が主人公チームになってしまったら、正ヒロインの座が江藤さんから小早川忍の姉の薫に変わってしまうんだけど、それはいいのか。いや何かそれはそれでという気もするのでいいかも(いいのか)。

 今後の展開をハラハラしながら待ちたいと思います。


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5巻は1/18に発売とのこと


サンデー46号感想メモ

天野めぐみはスキだらけ!

 前回にしろ今回にしろ、もし掲載誌がサンデーではなくCOMIC高だったら(以下略)! というお話でしたね。
 めぐみに始終抱きつかれていた学が最後すっかり枯れ果てていましたけど、めぐみのおっぱいをあれだけ押し付けられれば、そりゃまあまだウブな学が枯れるまでイッちゃうのも致し方ないと思いました(酷い感想)。

 でも気のおけない幼馴染とはいえ女子があれだけ怖がってるんだから、学はもうちょっとめぐみに優しく接してしてあげても良いのではとも思いましたが。学君もまだまだですねえ。

マギ

 シンドバッド!? 死んだはずでは…(ポプテピピック風に)

 ウーゴ君にしろダビデ老にしろ、何かみんな目の輝きが既に常道を逸しているというか、端的に表現するとおかしい(頭が)感じが出ているのが素晴らしいと思いました。
 ここ最近の「マギ」はちょっと普通じゃないんですが、こういう我々の常識を飛び越えた神話的なスケールのマンガを少年誌で読める機会もそうそうはないので、貴重な機会だと思って楽しんで読むようにしてます。

だがしかし

 久しぶりに「だがしかし」本来のノリである駄菓子のうんちくマンガが帰ってきた回でした。
 「ああ見えてハジメは地頭が良い」という特性を、森永チョコボールのキョロちゃんのデザインとピカソが使った技法の共通点を述べることで表現しているのが新しいです。これはほたるやココノツではできない形のうんちくですね。

 あとはハジメがココノツに対して「好きな子いるの?」とかお姉さんぶりながらも、ココノツに下手なこと言うと解雇されるのではと疑心暗鬼になってるところも良かったです。異性で年下の雇用主にどんな態度で振る舞えばよいのか悩む新人女性なんて題材、ちょっと社会派レディコミっぽくないですかね?(ないです)

湯神くんには友達がいない

 ちひろへの告白が飛び交うラブコメ回になるはずだった回(ならなかったの意味)。

 今回ばかりはちょっとラブコメマンガっぽい雰囲気になるのかな? と期待させておきながら、やっぱり普通のラブコメ展開を頑として拒否する、いつもの「湯神くん」が拝めて楽しかったです。「彼女とのデートを賭けて勝負だ!」というお約束的な言葉が、ここまで空虚に響くのも素晴らしいというか何というか。
 これが「タッチ」を排出したサンデーに載ってる唯一の野球マンガというのもメタ的な意味で面白いですよね(と言われても)。

 今回、一応ちょっとソレっぽいかな? という描写は、最後の最後で湯神が倒れたちひろに手を貸すところだけでしたが、そのシーンがあるだけでも「如何な『湯神くん』と言えども、いつかはもしかしてもしかするのでは?」と期待できてしまうところも上手いなと思います。

初恋ゾンビ

 褐色巨乳美人の吐瀉物にまみれるという新属性が爆誕!
 すげえ! 前回の「古見さん」の黒髪まみれフェチを早くも超越する、新たなフェチが登場したよ!(そこかよ)

絶対可憐チルドレン

 椎名先生、この前Twitterで山に行ったとかそんなことをつぶやいていたと思ったら、早速それがマンガに反映されてますね。取材と趣味を兼ねていたんでしょうか。

 本編の方は、谷崎主任が合流したことで、ついに可憐ガイズに谷崎が加入するのか!? とちょっとだけ期待していたのですが、彼の役どころは可憐どころか「自分勝手な行動をして危機に陥ることで、現在の主人公達の状況が最悪であることを読者に教える」系のすっかり駄目な人枠として起用されており、やっぱり基本的にはこういうキャラだったんだよなと再認識するに至りました。
 谷崎主任は基本的にエスパーを躾けて育成すること、およびナオミに虐げられて悦びを感じることに関してだけは有能なので、もし今後があるなら、そういうフィールドで輝いて欲しいなと思います。最後にナオミと再開できてよかったですねえ(フォロー)。

 あと話の中で「誰にも気付かれることなくチルドレン達に助言を与える人物」の存在が示唆されていましたが、これは一体誰なんでしょうか。バベルの管轄が及ばない日本国籍以外のエスパー? それとも「財団」の関係者? 謎の眼帯男?

天野めぐみはスキだらけ! 4 (少年サンデーコミックス)
ねこぐち
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今や「からかい上手の高木さん」「恋は雨上がりのように」と並ぶ、小学館を代表するラブコメマンガになりつつ感


「競女!!!!!!!!」アニメ版開始記念 サンデー45号感想

競女!!!!!!!!

 アニメ第一話を見ました。始まる前は「よりによって、あの『競女!!!!!!!!』をアニメに!? 本当に大丈夫なのか!?」と心配でしたけど、実際に見てみたら個人的には期待以上の出来だったと思います。

 何より、「競女!」の世界とは「水着のお姉さんたちがプールの上で尻相撲をしている」という設定から想像される、「女の子アイドルが『ポロリもあるよ!』みたいなお色気を振りまいてキャッキャウフフと戯れる」ものでは全く無く、乳と尻を戦う武器とみなして壮絶な能力バトルを繰り広げるガチな格闘技を描いたものであることを制作側がちゃんと悟っていることが、第一話から伺えたことが嬉しかったです。
 アニメが始まる前に心配だったのが嘘みたいに(「競女!」として)よくできたアニメでした。「案ずるより尻が易し」とはまさにこのことだったのですね!(グルグルした目で)

 あとは、エンディングでちゃんと登場人物達が走っているところも良かったです(よりによって風に流された競泳水着を追って)。エンディングで走るアニメは名作の法則に従えば、「競女!」のアニメは第一話から既に名作の仲間入りです。

 本編の方は、のぞみの新必殺技「真空烈尻・弐式」が、すごい風を尻から巻き起こすことで相手の尻の体温を急速に奪い、その結果相手の尻を攣らせるものであることについて、読んでいる時は「なるほどわかった」と素直に納得しかけたんですけど、しかし読んだ直後に「いや、いくら何でもそのりくつはおかしい。気化熱でそこまで急速に熱を奪えるだけの風圧を、人間が尻だけで発生できるとは思えない。この技は熱力学を超越してしまっているのでは?」と疑問を持ってしまったので、まだまだ自分は「競女」に対する悟りが足りないなと反省しました。
 そもそも「UNCO」とか言ってる作品世界に常識を持ち込んではいけないんですよ(知性の喪失)。

だがしかし

 ほたる亡き後の(死んでません)「だがしかし」界に、まさかの新女性キャラ・尾張ハジメ(20)が登場。しかも何か住み込みとか言ってますよこの人。彼女、いったい自分が何を言っているのか判っているのでしょうか。

 今のココノツにとって異性と一つ屋根の下で一緒に生活するということは、ココノツがほたるに捧げた純潔への想いが本当かどうか、日々試されるということを意味しているんですよ。ほたるを失って(死んでません)心に穴を穿たれたココノツに、更に性的な意味で過酷な試練を課すことになるんですよ。ハジメさんはそれが判っているんでしょうか。明らかに判ってないですよね。
 彼女を雇用したことが、文字通りシカダ駄菓子店にとっての終わりの始まりとなってしまう可能性も否定できません。尾張ハジメなだけに(シャレ)。

 それはそれとして、ハジメさんは高スペックな頭の持ち主だけどマトモな日常生活が全く送れないキャラということになっていますが、リアルでもそういう人物には何度もお目にかかったことがあるので、彼女には割と近親感を抱けます。
 彼らを見てると、天才を天才のまま活かしておくためには、天才に常識を求めてはいけないんだよなとつくづく思います。

マギ

 シンドバッド、「聖宮」を目指す夢半ばで散ってルフになって輪廻の輪に取り込まれるの巻。あのシンドバッド様が、まさか最期は神の光に撃たれて炭になって消える結末を辿ることになろうとは。
 彼の最期が満ち足りたものであったのが救いではあります。次はどこの誰に生まれ変わるんでしょうか。

 あと、物語が既に神話的スケールに入り込んでいるので全体的に絵の表現が観念的なんですけど、シンドバッドにこの世の摂理を説いているウーゴ君を「人型の白いシルエットに丸い目を入れただけ」の描き方で神々しさを表現しているのが、ある意味すごいと思いました。
 そういえば、前にアリババが超常的な力でハニワになった時も「人型の白いシルエットに丸い目を入れただけ」でしたし、このマンガにおいては丸い目だけの人物表現=神性の現れなのかも知れません。

古見さんは、コミュ症です。

 古見さん水着回でしたが、個人的には古見さんの黒髪を顔にバッサバッサ当てられた結果、「髪フェチ」なる新たな性的嗜好に目覚める只野君がただただ羨ましいなと思いました。
 フェチの中でも比較的ニッチと思われる髪フェチに目覚めてしまった只野君が、これから古見さんの長髪を見るたびにあの時の感触を思い出して悦に浸ると共に、それ以上のプレイを求めたいけどそんなことは絶対にできないし彼女にこの性癖のことなんて言えないという、己の満たされないフェティシズムに悶々とする日々を送ることになるかと思うと、何かこう青春って感じがしていいですよね!

 はしゃいでコケる古見さんが可愛いです(マトモな方の感想)。

天野めぐみはスキだらけ!

 基本的に先々週のサンデーに載った「銀の匙」の一コマ、「だったらとっとと八軒の下宿行って返事して不純異性交遊すりゃいいじゃん!」が思い浮かぶような話でした。
 幼馴染の女の子が「自分の部屋で一緒に勉強しよう」と誘って来たら、まあ普通ならヤることは一つだと思うんですけど、残念ながら「天野めぐみ」はそういうマンガじゃないんですよね。まー君かわいそう…。

 そんなアレでめぐみのムッチムチで無防備な肉体を見せられて終始悶々としていた学とは逆に、話の最後に描かれためぐみの学に対する初恋のエピソードがあまりにピュアであり、この辺の両者の対照っぷりがこのマンガの肝なんだろうなと思った次第です。
 めぐみの学に対する感情が、子供の頃の初恋の状態に留まっていないと今のこのマンガの健全なエロさを醸している雰囲気が整理しないことを考えると、二人の関係は今の状態のまま当分は進展しないんだろうなーとも思います。

読み切り:始発電車

 週刊少年サンデーには久しぶりに登場の小山愛子先生の読み切り。前にサンデーに登場したのは2005年とのことなので、実に11年ぶりの登場ということになります。
 マジか! 前に小山先生の作品が載ったのはほんの数年前だと思っていたんですが、もうそんなに経つのか! そりゃー歳取る訳だわ!(日記)

 小山愛子先生は、ゲッサンで横濱の喫茶店で働く少女の日常を描いた「ちろり」という作品を連載していたのですが、今回の「始発電車」も兄妹の日常の何気ない積み重ねを描くことで、ラストの「妹が結婚する」=これまでの日常が終わることの重みを感じる構成になっていると思いました。
 いくら幼少期にお兄ちゃんのことが大好き! と言ってる妹も、一般的にはいずれ彼氏を見つけて結婚して他所に行っちゃうんですよね。お兄ちゃん大好き系のエロマンガばっかり摂取しているとそういった常識的なことを忘れてしまいがちなので、気を付けたいです。

ふれるときこえる

 最終回。友達を気遣える心の清らかな善男善女達が、キレイな心を持っているが故に恋と友情の間で思い悩むという美しい物語だったという印象でした。
 「ふれるときこえる」というタイトルに象徴されるサイコメトリー能力は、最終的には「サイコメトリーを持っていても全てが判る訳ではなく、相手が口に出して自分の意志で言ったことこそが相手の本当の気持ちである。本当に大切なことはちゃんと言葉に出さなければ相手に伝わらない」というところに落ち着いたところからも、この作品の抱えるテーマの美しさが伺えるというものです。

 あとこのマンガのもう一つの特徴は、メインヒロインであるさとりがここぞという時にメガネとマスクを外してキメ顔を晒す点にあったんですけど、最終回でもそれをちゃんとやらかして噪君を籠絡しにかかっているので満足しました。
 さとりの眼鏡は彼女の心を外から守るためのペルソナの象徴であったんですが、最後に眼鏡を外して噪の前に現れたことで、彼女は自分の心を他人に晒す覚悟を手に入れるまでに成長できたことを示しています。つまりこの物語は、最終的には「さとりが眼鏡を外すまで」の物語だったのです。
 「眼鏡を外すと美人」のパターンって、さとりみたいな子には極めて有効に働くんだなと思いました。

ちろり(1) (ゲッサン少年サンデーコミックス)
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「始発電車」の小山愛子先生のゲッサン連載作品。女の子かわいい


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