だがしかし 一覧

連載完結記念 サンデー19~20号「だがしかし」感想

だがしかし

 最終回。アニメ第二期が終了するのとほぼ同じタイミングで終了したということは、予めここで終了することが決まっていたという感じでしょうか。
 連載作品として大成功した上に連載が無事円満に終了したことはとても嬉しいんですが、本当に終わってしまうのを見るのは寂しくもあります。文字通り、ここ何年か低迷していたサンデーの舞台骨を支えてきたマンガの一つでしたからね。ホント寂しくなりますね…。

 話としては今回で最終回でしたが、物語としてのクライマックスに相当したのは、そのもう一話前のサンデー19号でしょう。前の夏祭りの時のように急にいなくなろうとするほたるに対して、ココノツが「自分は漫画家を目指す」とほたるに告げ、「自分達にとってほたるが如何に大切な存在となったのか」を切々と訴え、そしてその上で夏からずっと「ほたるに会える口実」という形で引きずっていたホームランバーの当たりくじをちゃんと交換することで、これまでのほたるとの関係に決着を着けた回です。

 ココノツがほたるのホームランバーの当たりくじを引き換えるという行為は、つまりもうココノツはほたると会えなくなっても大丈夫だということをほたるに告げることを意味しており、即ち「駄菓子屋を継がずに漫画家を志す」という彼の決意をほたるに伝えたことを意味しています。
 ホームランバーを交換しながらほたるに対して「僕もマンガ頑張るんで、ほたるさんも会社がんばって下さい」と笑顔で言ったココノツからは、自分はほたると一緒に駄菓子の世界に行くことができないけど、自分もほたるのように自分が決めた志への道を歩くという覚悟を感じました。

 それを受けたほたるが、最後に「ココノツくん、私と結婚する?」って言ったのは、ほたるがココノツのことを「自分で自分の行く道を決めることができる大人になった」と認めた証だったんじゃないかな、とも思いました。彼女の言うことなのでどこまで本気なのかは判りませんが、多分これは本気なんじゃないんでしょうか。

 つまり「だがしかし」とは、駄菓子屋の倅という立場にありながら漫画家になりたいとボンヤリ思っていたココノツが、ほたるという不思議な少女との出会いを経て成長、自分の意志で自分の未来を作るために歩き出し、その結果少女と結ばれるまでを描いた、一大ジュヴナイル駄菓子フィクションだったのですよ! 「だがしかし」すごいな!(多分)

 そして、この話がサンデーに掲載される前の週に、アニメ第二期の最終回が放送されました。アニメ第二期の最終回は、ココノツがマンガを持ち込んでキツいダメ出しをされて落ち込んでいる時に、ほたると雪の降る駅で再開する──というエピソードで、この話ではココノツの漫画家になりたいというボンヤリとした夢に対して厳しい現実を突きつけられて落ち込むココノツに対し、ほたるがいつもの調子で駄菓子トークを繰り広げながらも、ココノツが心の中ではまだ漫画家への夢を諦めきれていないことを察し、彼に対して自分の道を自分で見つけ出すことを優しく諭すという趣向でした。

 そんなアニメの最終回を見た後で、サンデー19号でほたるに対して自分が漫画家を志すことをはっきりと明言したココノツの姿を読んだ訳ですから、そりゃもう「あの時はあんなに悩んでいたココノツ君も、今ではすっかり立派になって…」と思わずにはいられませんでした。アニメ→マンガと続けて見ることに意味がある構成になっていたのは、素直に感心させられましたね。作者が狙ってやったのかどうかはともかくとして。

 何にしろ、「だがしかし」は駄菓子を題材にした優れたコメディーであったと同時に、ほたるという魅力的かつ蠱惑的なキャラクターを軸にしたステキな少年マンガであったことは間違いないでしょう。ほたるがきっかけでゴスロリ服や黒ストッキングの魅力に目覚めてしまったお子様や大きいお子様も多いのではないのでしょうか。はい(自答)。

 コトヤマ先生の次回作にも期待しております。

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最終巻はフィギュア付きと来たか


ほたるさん突然再登場記念 サンデー3+4号 「だがしかし」感想

だがしかし

 マンガの持ち込みに行ったはいいけど酷評されて帰ってきて傷心なココノツの前に、突如としてほたるさんが再登場の回。
 ココノツが己の純潔の全てを捧げる勢いで崇拝しているほたるが! ココノツの心が傷ついているこの絶妙なタイミングで! 失踪する前と何も変わらぬ、あの時のままの姿で! 相変わらず立ってるだけでエロいほたるが! 今ココノツの前に! 立っているんですよ!(興奮)

 今のココノツは、「漫画家になる」という自分の将来の夢が揺らぎ、かつ「駄菓子屋の店長」という今の自分の現実に対しても疑問を持ち始めた、精神的に非常に不安定な状態にあることは間違いありません。今のココノツを「神聖モテモテ王国」風に言えば、がっかりフラレナオン祭り状態です。
 がっかりフラレナオンは確率変動中で大当たりの確率が高まって落としやすいって、ファーザーも言ってました。

 そんなタイミングでほたるに出会ってしまったココノツは、仮にほたるが以前と同じように駄菓子に対する偏愛っぷりを語りだしたとしても、冷静にツッコミを入れられるとはとても思えません。自分のマンガを酷評されてそのまま家に帰りたくない心境になっている今のココノツにとって、ほたるは今の悩みから逃れる場所を与えてくれた救いの女神のように見えるはずです。
 色々と心が揺らいでいる今のココノツに対し、もしほたるが「漫画家の夢を捨てて駄菓子屋を継げ」と言ったとしたら、がっかりフラレナオン祭り中で確率変動中のココノツが実際にそうしてしまう可能性は非常に高いのではないのでしょうか。

 もっとも、ほたるはまかり間違いなくそういうことを言うキャラではありません。彼女はあくまでココノツの駄菓子屋の店長としての高いセンスと志を買った上で、自分の意志で駄菓子屋への道を選んで欲しいと思っているはずです。
 ほたるが今の迷えるココノツにどんな言葉をかけて来るのか。次回はその点が非常に注目されます。


 あと今回の話で感心したのは、これまではちょっと(というか相当)頼りないボンクラなお姉さんと思われていたハジメさんが、ココノツがマンガの持ち込みに向けて原稿描いてる姿を見て「大丈夫です。完成させましょう。自分が手伝いまス!」と応援して目一杯手伝ったり、その一方で(ココノツがマンガ家になるかも知れないと浮かれるサヤに対して)「めっちゃ落ち込んで帰ってくると思うんで」と今のココノツのマンガ家としての力量を見抜いていたりと、ココノツの「夢」に対して極めて前向きかつ冷静なスタンスを取り続けていたことですね。

 ココノツのマンガ家になりたいという(駄菓子屋の店長という今の立場からすると荒唐無稽な)夢を簡単に否定せず、むしろ彼が最大限の力を発揮できる環境を作ってあげる一方、今の彼の実力ではそう簡単にマンガ家にはなれないことを判っていて周囲に浮かれないようにと優しく諭す。とても理知的な、大人な態度だと思います。

 このマンガ、基本的な構造が「周囲のおかしな人達にココノツが常識的な観点からツッコミを入れる」になっている関係上、ココノツの周囲には大人も含めておかしい人しかおらず、今回のハジメのようにココノツに対してフォローを入れられる歳上の人材は皆無でした。そういった意味で、今回はハジメに「ココノツの成長を見守ることができるお姉さんキャラ」という、新しい存在価値を与えた回でもあったと思います。

 何にしろ、「だがしかし」はココノツの漫画家へのチャレンジ、そしてほたるの再登場をきっかけに新しい局面に向かいつつあることは確かであり、これからますます目が離せなくなって来たと言えるのではないのでしょうか。

 そして駄菓子界は今、おやつカンパニーのベイちゃんが2016年を以って引退し、新たなイメージキャラとしてパリピ系男子がフィーチャーされるというニュースが流れて騒然となるなど、正に新しい激動の時期を迎えています。
 このタイミングで駄菓子界の守護者であるほたるが帰ってきたことということは、即ち来年は駄菓子の世界に更なる大きなうねりが起こることは必至であり、ほたるは駄菓子界の大変動に立ち向かい愛する駄菓子文化を守るべく、表舞台に戻ってきたのではないのか。そうは思えないでしょうか?(思えません)

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6巻最期のココノツとほたるの別れのシーン、今読んでもちょうドキドキします


サンデー46号感想メモ

天野めぐみはスキだらけ!

 前回にしろ今回にしろ、もし掲載誌がサンデーではなくCOMIC高だったら(以下略)! というお話でしたね。
 めぐみに始終抱きつかれていた学が最後すっかり枯れ果てていましたけど、めぐみのおっぱいをあれだけ押し付けられれば、そりゃまあまだウブな学が枯れるまでイッちゃうのも致し方ないと思いました(酷い感想)。

 でも気のおけない幼馴染とはいえ女子があれだけ怖がってるんだから、学はもうちょっとめぐみに優しく接してしてあげても良いのではとも思いましたが。学君もまだまだですねえ。

マギ

 シンドバッド!? 死んだはずでは…(ポプテピピック風に)

 ウーゴ君にしろダビデ老にしろ、何かみんな目の輝きが既に常道を逸しているというか、端的に表現するとおかしい(頭が)感じが出ているのが素晴らしいと思いました。
 ここ最近の「マギ」はちょっと普通じゃないんですが、こういう我々の常識を飛び越えた神話的なスケールのマンガを少年誌で読める機会もそうそうはないので、貴重な機会だと思って楽しんで読むようにしてます。

だがしかし

 久しぶりに「だがしかし」本来のノリである駄菓子のうんちくマンガが帰ってきた回でした。
 「ああ見えてハジメは地頭が良い」という特性を、森永チョコボールのキョロちゃんのデザインとピカソが使った技法の共通点を述べることで表現しているのが新しいです。これはほたるやココノツではできない形のうんちくですね。

 あとはハジメがココノツに対して「好きな子いるの?」とかお姉さんぶりながらも、ココノツに下手なこと言うと解雇されるのではと疑心暗鬼になってるところも良かったです。異性で年下の雇用主にどんな態度で振る舞えばよいのか悩む新人女性なんて題材、ちょっと社会派レディコミっぽくないですかね?(ないです)

湯神くんには友達がいない

 ちひろへの告白が飛び交うラブコメ回になるはずだった回(ならなかったの意味)。

 今回ばかりはちょっとラブコメマンガっぽい雰囲気になるのかな? と期待させておきながら、やっぱり普通のラブコメ展開を頑として拒否する、いつもの「湯神くん」が拝めて楽しかったです。「彼女とのデートを賭けて勝負だ!」というお約束的な言葉が、ここまで空虚に響くのも素晴らしいというか何というか。
 これが「タッチ」を排出したサンデーに載ってる唯一の野球マンガというのもメタ的な意味で面白いですよね(と言われても)。

 今回、一応ちょっとソレっぽいかな? という描写は、最後の最後で湯神が倒れたちひろに手を貸すところだけでしたが、そのシーンがあるだけでも「如何な『湯神くん』と言えども、いつかはもしかしてもしかするのでは?」と期待できてしまうところも上手いなと思います。

初恋ゾンビ

 褐色巨乳美人の吐瀉物にまみれるという新属性が爆誕!
 すげえ! 前回の「古見さん」の黒髪まみれフェチを早くも超越する、新たなフェチが登場したよ!(そこかよ)

絶対可憐チルドレン

 椎名先生、この前Twitterで山に行ったとかそんなことをつぶやいていたと思ったら、早速それがマンガに反映されてますね。取材と趣味を兼ねていたんでしょうか。

 本編の方は、谷崎主任が合流したことで、ついに可憐ガイズに谷崎が加入するのか!? とちょっとだけ期待していたのですが、彼の役どころは可憐どころか「自分勝手な行動をして危機に陥ることで、現在の主人公達の状況が最悪であることを読者に教える」系のすっかり駄目な人枠として起用されており、やっぱり基本的にはこういうキャラだったんだよなと再認識するに至りました。
 谷崎主任は基本的にエスパーを躾けて育成すること、およびナオミに虐げられて悦びを感じることに関してだけは有能なので、もし今後があるなら、そういうフィールドで輝いて欲しいなと思います。最後にナオミと再開できてよかったですねえ(フォロー)。

 あと話の中で「誰にも気付かれることなくチルドレン達に助言を与える人物」の存在が示唆されていましたが、これは一体誰なんでしょうか。バベルの管轄が及ばない日本国籍以外のエスパー? それとも「財団」の関係者? 謎の眼帯男?

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今や「からかい上手の高木さん」「恋は雨上がりのように」と並ぶ、小学館を代表するラブコメマンガになりつつ感


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