BE BLUES! 一覧

エルフの女性と旅ができるだけでありがたいと思うべきだと力説したい サンデー2021年4+5号感想

葬送のフリーレン

 今回の「葬送のフリーレン」は僧侶クラスが使う呪文の背景設定といった趣で、序盤のパーティーに必要なクラスの話と相まって、はるか昔にテーブルトークRPGのコラムやリプレイを読んでいた時の気持ちが蘇りました。フリーレンの世界って、そのままTTRPG化できそうなポテンシャルがありそうに思えます。

 今回は、ラストにフリーレンがザインを「偉いぞ」と褒めて頭なでなでしているところが良かったです。連載開始時点の彼女ではこのような行動はまず絶対にしなかったであろうことを考えると、彼女がこれまでの旅で学んだ成果が出ているシーンだと思いました。フリーレンは旅を続けるに連れ、少しづつ変化しつつあります。
 やがて彼女が、名実ともに「大人のお姉さん」になれる日もいつか来るのかも知れませんね。お色気以外は(決めつけ)。

 あと、序盤にザインとフリーレンがギスギスしそうなところで頑張って気を使ってフォローしようとするシュタルクがかわいいなと思いました。このパーティーで一番常識があるのは彼だと思います(でも役回り的に一番損をするのも彼)。
 このマンガのタイムスケールは非常に長いので彼はあと数十年くらいはこんな気苦労を抱えること必至だとは思いますが、最終的には幸せになって欲しいですね。

MAJOR2

 話そのものは道塁の過去のチームメイトがメインでしたが、スポーティーな女子中学生の下着姿を沢山描くのが本来の目的だったに違いないと確信せざるを得ませんでした。特に道塁の上だけ制服+下パンツの構図とか、ホントすごいと唸るしかありません。

 ありがとうございました(感想)。

よふかしのうた

 キャラの見た目や言動に騙されがちですが、吸血鬼は皆年齢不調なんだから、確かにナズナがカブラを眷属にした可能性はあったのだ──と気付かされた回でした。これっていわゆる叙述トリックってヤツなんでしょうか。

 結論としては、カップリングの受け攻めを固定化しない発想は大切だなと思いました。

BE BLUES!

 龍が最高のプレイを見せたのと引き換えに両足がダメになる展開は、古式ゆかしいスポ根っぽいなと思いました。こういう展開に説得力を持たせられるのも、龍というキャラの魅力の一つです。
 そして、龍をそこまで追い詰めた獅子雄が「はよお戻ってこい」と呟く姿も印象的。すっかり龍にメロメロですね彼(まちがい)。

 あと今回の「BE BLUES!」ではベンチに降ろされてガタガタ言ってる桜庭さんが実に良かったのですが、ミルコが不調の桜庭をあえて起用して相手のDFを疲弊させ、そこにテツヤのスピードをぶつけてDFを破壊する作戦を立てていたことも明らかになり、読み終わった時は「桜庭さん…🥺」という気持ちになりました。でも、それも桜庭というキャラの魅力の一つです。

龍と苺

 竜王が連盟の会長のおじさんから怒られる様が良かったです(そこか)。見せ方が苺が宮村のおじさんに怒られる姿にそっくりで、本質的に両者の性格が同質であることを表現しているものと解釈しました。
 そして、怒られながら将棋して苺に圧勝することで竜王の強さを表現しているのも見事ですね。「龍と苺」は、今年来るマンガの一つになるのではないかと密かに思っております。


今回はこのマンガの一つの到達点だと思った サンデー2+3号感想「BE BLUES!」感想

BE BLUES!

 立彦✕龍のカップリングを中心として桜庭・三石・荻本といった面々の感情が絡みあう、レッズユース対武蒼高校の試合の名を借りた熱い愛憎劇が繰り広げられている最近の「BE BLUES!」ですが(挨拶)、サンデー2019年2+3号の展開は、立彦の龍への長年の想いが「かつての龍だったら可能だったであろうスーパーゴール」を立彦が決めるという一つの形となって実ったという意味で、このマンガの一つの到達点な回だったのではないかと思いました。

 立彦は今でも龍のことがホントに大好きなのは試合前からダダ漏れだったんですけど、彼の中で龍がどれだけ大きい存在であったのかを、立彦は「かつての龍だったら可能だったであろうスーパーゴール」を本当に決めることで表現しました。
 立彦の中の「理想の龍」は既に現実の龍を超えた超人の域に達しているんですが、彼はその超人と重なることをサッカーのモチベーションとしており、それが彼をここまで成長させたことは間違いありません。

 かつての立彦の姿を知っているミルコは彼を「努力だけで獲得できる領域を超えている。あれは怪物だ」と評していましたが、それは即ち立彦の龍への熱い思いが彼をただの人間ではいられなくしたということを意味します。深い愛情は人間を怪物に変えるのです。
 龍のことが大好きで妄想の中の龍と重なるために尋常ならざる努力を重ね、最終的に怪物に進化してしまった立彦。正統派サッカーマンガであるはずの「BE BLUES!」で、人知を超えた究極の愛の姿を見ることになるとは思いませんでした。ほんとこのマンガ深いですよ(ミスリーディングの可能性)。

 そんな立彦のプレーを見ていた優希も「あれはまるで怪我する前の龍そのままの姿だ」と察しましたが、優希はそれを口に出すことはできませんでした。
 「もし龍が怪我しなければ、今頃は…」という仮定はもう決して訪れない世界線の話であり、また怪我から復帰した龍が尋常ならざる努力の末に現在の地点まで到達したことをよく知っている彼女にとって、「もし龍が怪我をしなかったら」は口には出せない言葉であることは間違いありません。

 優人もおそらく優希と同じことを思ったに違いないのですが、実際に彼が龍に対してかけた言葉は「立彦…すごいね」だけでした。
 同じく「今の立彦は怪我する前の龍の姿だ」と思ったナベケンも、実際にそれを龍に言うことはないでしょう。大怪我をした龍が今の姿になるためにどれだけ努力してきたのかを知っているからこそ、その言葉は龍には決して言えないのです。

 しかしこのマンガには、そんなタブーを吹き飛ばせる男が一人だけいます。桜庭巧美です

 「てめえがポンコツになる以前ならやってそうなプレーだったな
 「くやしくねーのか、自分のプレーパクられて。よりによって久世立彦に!

 桜庭はハッキリと、今の立彦は「怪我する前の龍そのままの姿だ」と龍に言い放ちました。幼馴染の優希や優人やナベケンには言えなくても、「性格がひねくれている」というの桜庭さんなら、こんな言いにくいこともハッキリと言える! 桜庭さんマジかっこいい! と、本気で思いましたね。
 こういうことを龍に対して言えるのが桜庭というキャラの強みなんだよなあと、改めて感じた次第です。

 もちろんこの台詞は単なる嫌味ではなく、真意は龍に対する奮起を促すところにあることは明白であり、龍も「くやしいさ!」「だから力を合わせようぜ!勝つためにな!」と桜庭に感情をぶつけて応えます。サッカーのために常にクレバーであろうとする龍からこういった人間らしい感情を引き出せるのも、桜庭の役回りの一つだと言えるのではないのでしょうか。

 サンデー46号で相手に先制点を許した時も桜庭は龍に嫌味っぽい口調で叱責して龍の奮起を促し
ていましたし、桜庭が気落ちした龍を叱って励ますしかる桜庭(しかるねこっぽい発音で)というキャラ付けはますます強固になったと思われます。

 こんな感じで、龍と立彦を中心とした彼らの熱い愛憎劇はまだまだ終わりそうにありません。
 次回以降で起こるであろう、龍や桜庭の逆襲にも注目です。

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桜庭さンかっこいいなあ(表紙)


しかる桜庭「ビビるのはもうやめなさーい!」 サンデー46号「BE BLUES!」感想

BE BLUES!

 「ビビってンのかてめえ
 「相手はレッズだぞ、想像力足りてねえんじゃねーか?

  自分のミスから先制点を奪われて意気消沈する龍を叱る桜庭が印象的だった、今回の「BE BLUES!」。

 矢沢から「古巣へのうっぷん晴らしてぇだけだろうが!」とツッコミを入れられた直後に「まだ、そんな目で見てんのかよ!」と言い返して龍に熱い眼差しを送っている桜庭の姿からは、この叱責がこれまでの彼のような単なる鬱憤晴らしではなく、以前の彼とは違う意識から発せられたものであることを伺わせます。桜庭は本当に変わりつつあるのです。


 もっとも、鬱憤晴らしな側面がないのかといえば、そんなこともないのではとも思います。

 今回の失点はカウンターを焦った龍のわずかなミスを見逃さなかったレッズの荻本がボールを奪取したことが原因ですが、桜庭もサンデー43号で荻本の迫力あるディフェンスの圧力に耐えかねた結果シュートとも龍へのパスとも呼べない中途半端なプレイするミスを犯してチャンスを逃してしまい、更に荻本から「ビビッてたもんね、タクミらしくもなく」と煽られる始末。
 桜庭の龍に対する「ビビってンのか」という叱咤は、同じく荻本からボールを奪われ、荻本に対して恐怖を感じてしまった自分自身への叱咤というか、鬱憤を爆発させたとも言えます。

 現在の桜庭は龍を高く評価しているのですが、その龍が荻本に競り負けてしまったことに対する失望、そしてお前は荻本に負けるなという励ましの意味もあるに違いありません。

 桜庭は基本的に「しかるねこ」と一緒で叱ることでしか愛情を表現できないキャラクターなので、「ビビってンのかてめえ」という叱咤の言葉には、龍に対する現段階の精一杯の激励が込められている。私はそう解釈しました。


 そして桜庭の叱咤で思い出されるのが、今を去ること(現実の時間で)1年前の高校選抜合宿編です。

 龍はあの時高校選抜合宿に招聘されたものの、周囲とプレイが噛み合わずにチームで孤立しかけていたのですが、そこで窮地から抜け出すために龍が行ったのは、かつてチーム内で孤立しても誇り高く己のプレイを貫き通した桜庭の姿を妄想し、(妄想の中の)桜庭から「ボケが!」と叱ってもらうことでした。
 その叱咤の声(妄想です)によって龍は迷いを振りきって独断で動く覚悟を完了させ、次のワンプレイで大活躍することに成功してチームメイトからの信頼を回復。見事窮地を脱したのです。

 あの時の龍は妄想の中の桜庭によって励まされたことで立ち直ったのですが、今度は妄想ではなくリアルな桜庭から叱責を受けたんですよ。これで効果がないはずがありません。龍の迷いも、これできっと振り切れるに違いありません。龍にとって桜庭とはそういう存在なのです。

 今思い返してみると、龍の妄想の中にいる桜庭ってちょっとカワイイですよね。ンベッって舌出してるところとか特に(どうでもいい)。

 という点を踏まえると、対レッズユース戦後半の最大の見どころは、荻本のハードなディフェンスを如何に二人が掻い潜って龍が桜庭にボールを通し、桜庭が得点を決めるのかという点になることは確実でしょう。
 荻本という二人にとって共通の敵を倒して龍から桜庭にボールが通った時、それは2人の間に揺るぎのない信頼感と確かな愛が生まれる時なのです。多分。

 どうでもいいことですが、「ビビってンのかてめえ」の「ン」がカタカナなのが小池一夫チックでいいと思います(おわり)。

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高校合宿編クライマックスが収録されている32巻。龍のちんこのデカさを見よ(まちがい)


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