2011年10月一覧

水蓮寺ルカの同人マンガが普通に面白くて困るサンデー48号感想

ハヤテのごとく!

 設定の確認なのですが、「ハヤテのごとく!」の世界設定って宇宙人の存在はマジでアリでしたっけ?
 確か下田編で宇宙人が出てきたような記憶があるので多分アリだとは思うのですが、現段階では今回の新キャラクターが宇宙人なのか、それともただの変な人なのか判断ができません。宇宙人でありかつ変な人であるというのが正解かとは思いますが。

BE BLUES!

 ミルコじいさんの龍に対する視点が、「怪我を克服した才能ある少年プレイヤー」から「孫娘が片思いしてる気に食わない少年」に変わっているのが面白かったです。サッカーのプレイに対する指摘は確かに的確なんですが、言い方が妙に龍に突っかかるところが大人気なくてステキ。完全にツン期に入っているじいさんが可愛いです。
 孫娘のアンナがツンデレなのは、このじいさんの血を引いているからなのかも知れませんね。ツンデレ遺伝説。

GAN☆KON

 物語の導入部分を無事に乗り越え、今回から連載マンガっぽいレギュラーエピソードが始まったように見えるこのマンガですが、レギュラー最初の「代行者」と神がすごいナルシストな変態なところが、さすが菅原先生のマンガだなと思いました。この調子を維持できればサンデーの中軸を担うマンガに成長すること間違いなしですよ! 頑張れ!(無責任)

 そして今回登場した佐野君は、前髪で目を隠している前髪キャラであるところからして、多分髪を上げたら物凄い美少年であるというオチが予想されます。早く脱ぐなり女装するなりして欲しいです(ひどい)。

最上の明医

 裸体主義一家の末娘の裸体だなんていう見え見えの釣り針に釣られてネタにするだなんて悔しい…でも(ビクンビクン)。
 橋口たかし先生の描くスレンダーな美少女の裸体を見たいと思っているファンは、それこそ「ウィンドミル」の時代から沢山いたと思うのですが、まさかここまであけすけに全裸美少女から全裸熟女、そして全裸紳士に至るまで、橋口先生の裸体バリエーションを全編にわたって拝める日が来ようとは想像できませんでした。しかもこんな変なネタで。

 「最上の明医」は全編において医学的リアリティとマンガ的な狂気が絶妙なバランスでせめぎ合っている稀有なマンガだと思ってますが、橋口先生は時々正気に戻ったかのようにこういうことをやってくれるので嬉しいですね(正気?)。

月光条例

 ほぼ全編が藤木裕美の月光に対する妄想だなんて、見え見えの釣り針に釣られてネタにするだなんて悔しい…でも(ビクンビクン)。
 なお人工呼吸する時は気道確保がまず重要なので、息を吹きこむ前にまず顎を上げて喉に落ち込んだ舌で塞がれた気道を開くようにした方が良いのですが、でもあれをやると一気に現実に引き戻されてしまい、『男女を「人工呼吸」の名目でチュウさせようとする』如何にもマンガ的なロマンチックなシチュエーションが台無しになるんですよね。自分が記憶してる範囲だと、「ラブひな」がちゃんと人工呼吸の前に気道確保をしてて感心しました(感想?)。

 藤田先生は時々思い出したように今回のような普段とは違うタイプの狂気に満ちたマンガを繰り出してくるので、やはり油断できません。

アラタカンガタリ

 「こういう需要は一部の女子だけですキャーッ!
 こんな見え見えの釣り針に釣られてネタにするだなんて悔しい…でも(ビクンビクン)。

 今回は先生(セオ)のボケっぷりが冴えたおかげで物語の雰囲気がギャグ側に倒れたので事なきを得ましたが(革の貞操とかが)、もし渡瀬悠宇先生がその持てるテクニックを駆使して本気でエロい話を描いたら、多分サンデー連載陣の誰にも太刀打ち出来ないようなもの凄い性的なマンガになるんじゃないかと、密かに思ってます。

はじめてのあく

 緑谷のラッキースケベによってユキのポロリ(というかモロ露出)で話題となった先週とは打って変わり、今回は緑谷が自分の名誉を守るために体を張ったこと、そして彼の意中の相手が自分であることを知ってしまったユキが、これまでの態度とは打って変わって赤面して緑谷にデレてしまうことで話題になりました。普段の態度が飄々としているというか、キョーコやアキをからかう側だっただけに、いざ自分が恋愛と真正面に向き合うと途端に赤面少女になってしまうギャップが可愛いです。
 赤面するユキのシーンはこのギャップを際だたせるために非常に重要であり、このコマのユキの可愛らしさからしても藤木先生がここにもの凄い労力を注いだであろうことは、容易に想像できます。よくがんばりました(←エラそう)。

 そして今回のエピソードの結果、緑谷とユキの片付いちゃった感も半端ないものがあるなと思いました。キョーコももはやジローにデレデレですし、アキも赤城といい感じになって来ているので、これで主要キャラクターはあらかた片付いたと見てよさそうな感じ。
 レギュラー陣のカップリングが固まってくると、何かこう「このマンガもそろそろなのかな」みたいな雰囲気が徐々に漂いだして来ませんか?(不吉)

橋口先生の出世作。衝撃のラストは今でも印象に残ってます


「アユミ・タカハラの愛の相談室」のレギュラー化を希望したいサンデー48号神知る感想

神のみぞ知るセカイ

 「どーして私が怒るのよ。ちひろと楽しくやりなよ!
 怖い! ちょうこわい!(感想)

 今回の桂馬の作戦は、ちひろと歩美が繋がっていると仮定、桂馬が歩美を「仲間」にすることでちひろを安定して攻略するというものでした。確かにちひろ相手には順調にフラグを立てて行っているように見えますが、歩美の方は何かフラグどころか、むしろ逆に怒りゲージが溜まっているようにしか見えませんでした。ゲージが溜まると攻撃力が爆発的に上昇するアレです。
 桂馬は「ギャルゲーを攻略するようにちひろを攻略する」と歩美の前で断言してますけど、その結果このギャルゲーには好感度以外に怒りゲージという新しいパラメータを導入してしまった可能性が高いように思えました。怒りゲージがあるギャルゲー。前代未聞です。あやうし桂馬。

 ストーリー的には、何となくちひろの最初の攻略編をなぞっている感じがします。当時のちひろの役が桂馬、桂馬の役が歩美。そうなるとちひろの役はユータくん? ちひろは途中からハブられちゃうのん?

やはりちひろ編は初期攻略エピソードの中でも一二を争う面白さだと思います


そういや最近ウサ晴れるほど酔っ払ってないなあ(´・ω・`) サンデー47号絶チル感想

絶対可憐チルドレン

 『「これでお前は僕のものだ」…と!

 ついにヤンデレ皆本が覚醒した! とファンの間で騒がれたであろう(多分)サンデー47号の絶チル。
 愛する相手を撃ち殺しておいて、彼女が死ぬ間際に「愛してる」と言ったことに対して喜んでしまうのは明らかに歪んでますし、ヤンデレキャラが苦手な私としてはまあドン引きものなんですけど、でもここまで自分の中に激しい性的衝動があるのを皆本が自ら初めて暴露したことについては、「よく自分の中に潜んでいた気持ちを喋ってくれた!」と、読んでて嬉しくなったのも正直なところです。

 皆本はこれまで、薫たちチルドレンのことは「保護者として」大切に思っているとは言ってますが、彼女たちに対して性的な意味での愛情を持っているのを認めることは、かたくなに拒否して来ました。まあそれは実際そうなんでしょうけど、あそこまで強硬に薫たちを恋愛対象とすることを認めなかったのは、未来の薫に、それも自分に撃ち殺されることを望むまでに自分のことを愛している薫に、自分が惹かれていることを認めたくなったからかも知れませんね。

 ただ、今回皆本は自分の中に潜んでいる本当の欲望を認めたことで、それと正面から向き合うチャンスを得たとも言えます。彼が「未来の薫を撃ち殺す」未来を避けるためには、そこまで追い詰められる程に愛し愛される関係になってしまう薫との付き合い方を、今この段階から変える必要があるのではないのでしょうか。
 この気持ちを内に秘めたまま同じ未来を繰り返し、薫と再びヤンデレ風味で殺るか殺られるかの一発触発なスリリングな関係になるのもまあイイものなんですが、それに人類の命運をかけてしまうセカイ系ヤンデレカップリングをやる必要があるのかどうかと申さば(以下略)。

 とりあえず、自分の気持ちに気が付いたことは皆本にとって良いことであるのは確かなので、自分の未来の薫への気持ちを自覚した上で、薫とちゃんと素直に向き合って欲しいところですね。この二人が素直に「好きだ!」「好きよ!」と言い合えるダンガードAの主題歌みたいな恋愛をする未来を得ることが、破滅の未来を回避する第一歩ですよ。多分。何か全然想像できないけど。

 今回もう一つ面白かったところを上げるとすれば、兵部に置いてきぼりにされて「勝手に一人で背負って…勝手に押し付けて…戻ってきたらタダではおかん…!」としょぼくれてる真木を見て、「しょーがねーな」と付き合ってあげる(そして真木と一緒に葉に絡む)賢木が素敵でした。賢木も、一人で色々背負いがちな皆本と付き合ってる関係上、真木の気持ちは痛いほどよく判るんでしょう。

 前のエピソードでナイを救うために兵部と共闘した時もそうなんですが、何かここ最近の賢木はえらいカッコイイですよ。本当の意味での大人の男性っぷりをさり気なく発揮してますよ。どうしちゃったんですか彼?(←ひどい)

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サンデーでアンゴルモアと言えば「モテモテ王国」のデビル教団ですがサンデー47号感想

アナグルモール

 かつて「うえきの法則」で人気を博し、サンデー超で連載していた「タッコク!!」も好評だった福地翼先生が、ついに週刊少年サンデーに帰ってきました。作者コメントの「これで漫画を描きながら年を越せる!」が、何か切実で泣かせます。
 福地先生といえばどうしても「うえきの法則+」での急病による長期連載休止の件を思い出してしまいますが、今度は体調に気を付けながら頑張って欲しいですね。

 それでこの「アナグルモール」ですが、おそらく「北斗の拳」か何かの読み過ぎで地上の人間は全て指先一つでダウンさ! できると思い込んでいる地底人マジンの少年ルチルが、何か色々と問題を抱えているらしい家庭にホームステイをすることになった、という筋書きの作品っぽいです。
 ルチル君の強みは、勿論その身体能力が並の人間をはるかに凌駕しているところにある訳なのですけど、本当の意味での彼の強さは「地上の(正確には日本の)常識がないので、その場の空気を全く読めない」ことにあると思われます。今回は下衆なヤンキーにさらわれたホームステイ先の千羽をそうとは知らずにうっかり救ってしまうというマンガみたいなことをやらかしてましたけど(マンガです)、おそらく今後も彼はその持ち前の空気の読めなさを発揮しつつ、千羽の弟の京介をはじめとする彼女の家族たちの間にある色々な「問題」を、そうとは知らずに解決していくことになるのではないかと思われます。
 でも、今は随分やんちゃしている彼も、いずれはホームステイ生活の中で日本での常識や社会性を身に付けてしまったり、「はじめてのあく」のジローのように女子からモテモテになってしまうのかと思うと切ないですね。いつまでも空気を読めない君でいて下さい(感想か?)。

 あと、初対面の女性の髪を褒めるのは、古典的ながらも有効な手段なのなーと思いました。

神のみぞ知るセカイ

 先週までのハクア地獄変編(要約:ハクアがエロエロな拷問を受けたが辛くも脱出、彼女を助けたドクロウ室長から「私の夢になってよ、ハクア」と告白される話)が一段落し、物語は再び歩美とちひろの桂馬争奪戦という名の泥沼地獄へ戻って来ました。あの世の地獄から現世の地獄へ。その現世も、もし桂馬が女神の復活に失敗すれば本当の地獄と化してしまう運命に。まさに地獄めぐりの様相を呈してきました。

 今回の冒頭、これまでのおさらいを兼ねて桂馬が現状を整理するシーンが出てきますが、桂馬は歩美の最近の態度に対して「攻略を覚えてないのに、ボクのことが好き? 攻略してないのに好感度?」と訝しんでます。勿論ここは読者からの「そりゃ歩美は、攻略抜きで桂馬のことが好きだからじゃね?」とのツッコミを誘うための演出ですよね。ですよね?(確認)
 あと、桂馬は現在「ちひろには攻略の記憶がある。つまり、ちひろ=女神」と仮定し、それに基づいて推測を重ねているように思えますが、ここも読者に対して「ちひろ=女神」説をあえて強く印象付けていると考えれば、後で「女神だと思った? 残念! ちひろちゃんでした!」とひっくり返すための伏線であることも十分考えられます。もし歩美の方に女神がいるのであれば、今のちひろの態度はやっぱり「ちひろは攻略抜きで桂馬のことが好きだからじゃね?」というツッコミをすることも可能です。
 つまり何が言いたいのかというと、現状ではどっちに女神がいるか、あるいはいないかなんて全然判らないので、素直に桂馬によるあやうい二股攻略ショーをニヤニヤしながら楽しむしかないよね、ということなのですが。

 今回では、最後に桂馬が歩美に「ちひろとのデートの必勝法、教えてくれよ」と切り出してますが、かつて桂馬がちひろを攻略した時は、逆に桂馬がちひろに「デートの必勝法」を教える立場だったことを思うと、色々と趣深いです。ここからどうやって歩美を「攻略」するのか、桂馬の名人芸を楽しみにしたいと思います。

GAN☆KON

 「もたれかかるイサナさんの感触と甘い香りで、オレの…オレの煩悩がぁぁー!

 サンデー誌上において、再び煩悩がパワーとなる系統のマンガを読める日が来るとは思ってませんでした。「GS美神」の横島クンの意志を継ぐ男が、ついに21世紀のサンデーに現れましたよ! 「ハヤテのごとく!」のハヤテのような全方位紳士なキャラも現代的かつスマートでいいけど、直情的なエロスをほとばしらせる男は、やはりどの時代にも必要なんですよ! こんなに嬉しいことはないですよ!

 あと、美神さんは巨乳だったけどイサナさんは貧乳なのが、何か21世紀っぽいですよね。時代の風はやはり貧乳に吹いている様です。

BUYUDEN

 「一度でいいからお父さんに僕が勝ち名乗りを受ける姿を見てもらいたいんだ!

 今回の対戦相手は、並の少年マンガだったらむしろ主人公になっていてもおかしくないような境遇の子でしたが、容赦なく武君のカウンターが決まってKO負けという結果に。勝負に勝つということは、対戦相手の夢を叩き潰していくことでもあるという、勝負の世界の残酷な現実がキチンと描かれている点に感心しました。
 そういうことを含めて、やっぱり「BUYUDEN」は面白いなと思います。小学生は最高だぜとかとは関係なく。いやマジで。

おすもじっ!

 前回のエピソードは「芸者修行の大切さを、鮨の仕込みを経験することで自覚する」という、まるで真っ当な料理人マンガみたいな話だったので、さすがに自重し始めたのかな? と思っていたんですけど、今回は「役になりきり過ぎておかしくなってる(頭が)役者のトラブルに巻き込まれる」というアグレッシブかつアナーキーなエピソードが始まったので、安心しました。
 「おすもじっ!」第二部はやはりこれですよ!(これなの?)

「アナグルモール」の福地先生の前作。一見普通の卓球マンガに見えますが、実は卓球が全てを統べる異常な世界における純愛を描いた感動作です


今もここにいるのは、思い残しがあるからにすぎない。サンデー46号絶チル感想

絶対可憐チルドレン

 「パティ? どうしたの?
 「なんでもない。なんでもないから
 パティ自重しろほめ子自重しろのフレーズで)

 皆本が思わずバレットを(パティの妄想をかきたてるほど激しく)抱きしめてしまったのは、前回においてバレットが葵を守るために非業の死を遂げてしまうことを皆本が知ってしまったためなのですが、それ以上に今の皆本は「バレットが死んでしまう未来を避ける力が、自分にはない」ことについて思い悩んでいるように見えます。
 フェザーや不二子からは「そのことで思い悩むな」と言われてはいるのですが、しかし皆本はコミックス1巻の段階で破滅の未来を知ってしまってからというものずっとそのことで思い悩んで来た訳であり、彼の生真面目な性格からしても「今の自分に未来を変えるためにできることはない」と簡単には諦められないのは、まあ致し方ないことだと思います。

 そんな感じで思い悩んでいる皆本に対して、「悩んでいることは判るけど何で悩んでいるのか判らない」状態の薫達が、どのように彼に接して励まそうとするのか。そして皆本は「自分が未来を変える」という考えから解き放たれ、薫たちの励ましを得て本来彼が今やるべきことを見つけることができるのか。今回のテーマはその辺になるのではないかと思いました。
 特に乙女チックモード全開になってるなってる薫の行動に注目ですね。薫の励ましが皆本を悩みから解放し、彼らの未来を変える力になるやも知れません。いやマジで。

 あと今回ちょっと面白かったのが、兵部がいなくなってしまってしょんぼりしている澪たちパンドラの子供たちに対して、皆本が「あ…あいつがそんなに簡単に死ぬなら、僕らは苦労していないさ。きっと、すぐにケロッとして戻ってくるよ」と、ちょっとツンデレ女子っぽい口調で慰めようとしていたところ。
 普段は兵部に対してツンツンしてる堅物の皆本も、兵部の存在がまだまだ必要な澪達に対しては彼が好敵手であると認める発言をちゃんとできるんだなと感心しました。

 「まだ見ていない生存戦略がー!!
 「輪るピングドラム」は自分も13話から先見てないですよ!(秋アニメが始まってそちらのチェックに忙しいので)

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カズラに全身を締め上げられながらもリーマン予想を妄想した皆本は、ある意味立派な変態だと思う


空から降ってきた人間じゃない嫁が欲しいサンデー46号GAN☆KON感想

GAN☆KON

 オレ達の初の共同作業!(挨拶)

 サンデー秋の新連載攻勢第一弾を飾ったのは、かつてサンデー超で「妄想の産物であるツンデレ美少女をネタに、妄想の限りを尽くしてライバルに立ち向かう」という荒唐無稽極まりないアイデアで最後まで押し切った力作「M・S DOLLS」でその名を上げた菅原健二先生。サンデー期待の新人です。

 今度の「GAN☆KON」は、菅原先生の週刊連載初デビュー作という意味においても極めて重要ですが、サンデーという雑誌にとってはクラブサンデーというWebマガジンを媒体にして育てた世代が、ついにサンデー本誌で連載ができるまでに成長したことを意味するものでもあります。
 ですので、週刊少年サンデー的にも、今回の秋の新連載にはかなりの期待をかけているのではないのでしょうか。というか、私の脳内にあるサンデー編集部では既にそうなっています。

 今回の「GAN☆KON」は、基本的には以前掲載された読み切り版と一緒ですが、改めて読んでみてもとても面白かったです。
 出会いからバトルへの流れるような展開、物語と噛み合った主人公の新太少年の清々しいまでのバカさ加減と「縁結びの神様」イサナの設定の珍妙さと適度なドジさ、当人達は至って真剣なのにも関わらず極めてバカバカしいバトルシーン、そしてツン→デレ→ツンと感情が揺れるイサナの可愛らしさと、第一話としては理想的とも言っていいレベルの面白さだったと思います。

 今回の決め技となった緊縛プレイは、主人公の新太君が「いつかの夫婦生活の為にしていた特訓」の成果であると本人が言ってましたけど、これはつまり新太は相当の妄想癖の持ち主であることを示しています。彼が自らが妄想する「来たるべき夫婦生活」のために行った特訓は、きっと緊縛プレイだけではないことはもはや必至。彼が新妻と妄想するプレイの数々は、きっとこれからのバトルを勝ち抜くための力の源となることでしょう。童貞の妄想力はすごいですからね(真顔で)。
 そんな妄想が力となるという点は、「M・S DOLLS」とも共通するものがあります。思春期の男子にありがちなどうしようもない妄想をマンガの形で表現できるのが、菅原先生の強みなんじゃないかと思いました。今後のどうしようもない展開に期待です。

 あとちょっと気になったのは、図書委員のメガネキャラである三峰さん。今回は新太君のダメさを客観的に指摘して罵るキャラとして立ち回ってましたが、わざわざこういうキャラを登場させるということは、彼女は今後の領地争いに絡んでくるのかも知れませんね。カラーの扉絵にも、さりげなく真ん中に黒猫と登場してますし。
 でもとりあえず、彼女には毎回色々な手段で新太君を罵って欲しいです。罵られたい

GAN☆KON

GAN☆KON – 第1話

菅原健二
(C)Kenji Sugawara/Shogakukan 2011

彼女が欲しいと思っていたら、女神が嫁ぎにやってきた!? 願いの強さが力に変わる、恋愛成就バトルコメディー!!

posted with EmbedSunday on 2011-10-18


宙のまにまに(10) (アフタヌーンKC)

 「天文部」という一見地味な部活動を題材に、あまりに眩しすぎる青春のキラメキを爽やかに描いたこの作品も、ついに最終巻。

 個人的には、フーミン先輩に逢えるのもこれが最期だと思うとちょっと寂しいです。フーミンルートを描いた薄い本を希望したいくらい(笑)。62話「花冷え」はフーミンルートに入る最期のチャンスだったのに、朔は分岐があることにも全く気付かずスルーしてしまうとか、君はどこまでボンクラなんだと突っ込みたくなりました。
 勿論、そういう徹底した健全さこそが、このマンガの持ち味です。最終話の朔と美星が自然に手を繋いでいるシーンは、本当に微笑ましい限りでした。

 あとキャラクターでは、姫が一番のお気に入りでした。巻末のおまけマンガに出てきた彼女の将来像は「ああ、この子は絶対こうなるだろうな」と納得。彼女を主人公にしたマンガを読んでみたいですね。

2011-10-04 23:41 | Permalink | Other Review


「ハヤテ」のいいんちょがこんなに可愛いはずがないサンデー44号感想

マギ

 「ですから姫君は…どうぞいつまでも私の国にいてくださいね!
 シンドバッド様が笑顔で紅玉に酷いことを言ったー!

 紅玉は個人的にかなり好きなキャラなんですけど(どう考えても報われないので)、今回の一件でますます報われない属性に磨きがかかって可愛くなったと思いました。
 シンドリアもジュダルのおかげでこれから煌帝国の侵略を受けそうでドキドキするほど大ピンチになることが予想されますけど、彼女はこれからどうなっちゃうんでしょう。彼女はこの戦争を抑止するための力となることができるのでしょうか。それとも、このまま両国の力の間で翻弄される人生を歩むことになってしまうのでしょうか。それより何より、いつか彼女の想いが報われる日が来るんでしょうか? こなさそうですかね?(ひどい)

BUYUDEN

 萌花の着替えシーンで彼女の健康的な肢体があらわになったことで、うっかり「小学生って最高だな」と呟いてしまいそうになる今回のエピソードですが、ストーリー面ではジムの会長の寵愛を一心に受けていた亘君が武に嫉妬心を燃やし始めたり、豹真がそんなしょんぼりな亘を横目で見ながらちょっと嬉しそうだったりと、我々が萌花のパンツに気を取られている間に男子同士の間で掛け算駆け引きが始まっていることに留意しなければなりません。

 そして武君ですが、何かちょっと調子に乗ってるみたいなので、一回戦で無名の選手にボコボコにされて豹真の親父に愛想つかされるパターンを希望します(ひどい)。
 なお、武君のパンツを見て「小学生って最高だな」と思った人は、下の「いいね!」ボタンを押して下さい。

BE BLUES!

 先週に引き続き、モテないサッカー少年達が「リア充爆発しろ」的な悔し涙を流すエピソード。それがこのマンガのテーマであるとばいえ、ホント龍はモテますよね。

 そして登場時は手がつけられないツンキャラだったアンナも、今ではすっかりデレキャラになってしまいました。ツンキャラが「やっぱり大好き」と告白してしまう程までにデレてしまうということは、もはやこのキャラに対する攻略が完了してしまったということであり、後はアンナはどんどん龍に対して際限なくデレて行くのみなのであり、エンディングが見えた! 状態なのです。そりゃミルコじいさんも泣きますよ(大間違い)。

 しかしアンナがデレるのはあくまで龍に対してのみなので、例えば今回アンナに対して「明るくてカワイイ金髪の女の子」とちょっと勘違いしてしまった優人がアンナにうっかり接近したりすれば、アンナは優人に対して存分にツンキャラとして振る舞うことが可能になります。アンナが心身ともに完全復活する道筋が見えた!(大間違い)

犬部!

 「ミルクをいくつも試すお金なんて、犬部にはないでしょう…?
 「僕の稼ぎが悪いって言うのかい、せーじ君!

 どう見ても夫婦の会話です。本当にありがとうございました。
 あとは玉井まゆこさんが、今回もまたセクハラ要員としてしか登場できないところにグッと来ました。

ハヤテのごとく!

 いいんちょがものすごく可愛くなっててビックリしました。「勉強を教えてもらえると助かるのですが…」とハヤテにお願いするいいんちょの表情は、もはや恋する乙女のレベルの可愛さ(変な比喩)。
 ここ最近の「ハヤテ」の中では株が急上昇してるキャラの筆頭なのではないのでしょうか。

史上最強の弟子ケンイチ

 美羽のコスチュームがあそこまでビリビリになってしまうと、いっそのことすっぱり全裸になったほうが逆にエロくならないんじゃないかと思いました。
 あと確認なのですが、美羽って今回明らかにパンツ履いてないですよね? あのボディスーツを着てる時の彼女は、ブラもパンツも付けてないって解釈は正しいんでしょうか?

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訪れるのは、俺が望んだ世界なり サンデー44号絶チル感想

絶対可憐チルドレン

 ナイの爆弾摘出という難易度の高い手術を成功させた後、何事もなかったかのように子供たちが集っている皆本宅にお土産を持って登場、ナイの「飼い主」である悠理を自宅まで車で送った後で、飄々と皆本や不二子とフェザーの正体に関する際どいトークを酒を飲みながらする芸当を見せた賢木が、何気に凄いんじゃないかと思いました。これでは、何か賢木がすごくかっこいいお兄さんのように見えてしまって困ります。いや何となく。
 その賢木に「ありがとうございました」と頭を下げた悠理は、やっぱり賢木がナイの手術を成功させたことを感づいていたんでしょうかね?

 そして今回の「絶チル」では、ついにフェザーの正体が「未来からやってきた、薫を中心としたエスパーの意志と能力の集合体」であることが明らかになりました。このマンガにおける超能力は「物理法則を超えた能力であり、不可能をも可能とする」ものであるという概念は中学生編に入った時点で既に提示されてましたが、フェザーはまさにそれを具現化した存在であると言えます。

 フェザーは本来ならばこの世界にはなかったはずの超時空的な存在であるので、既に定められた「未来」に対して何らかの干渉を行えるのかも知れない。「未来は変えられない」と定められたに等しいこのマンガの世界においては、フェザーのみが唯一未来を書き換えられる(かも知れない)存在である──と、今回のエピソードで明らかになりました。
 これは逆に言えば、皆本や兵部はこの「世界」の一部であるが故に、彼らが未来を変えようとしてどのような行動したとしても、「世界」が選んだ黒い幽霊によって仕組まれたエスパーとノーマルの全面戦争という最悪の未来を避けることはできない──ということになります。
 彼らができることは、彼ら自身が未来を変えようと思うのではなく、よりよい未来を作るためにベストを尽くすこと、そして未来を託せる世代を育てること。多分、フェザーが変身した葵や紫穂が言っていた言葉の意味はそんな感じなんじゃないかと思っています。

 皆本自身は未来を変える可能性を持っていないことが明らかになった、という意味では彼にとって極めて残酷なエピソードになりましたが、逆に言えば皆本がこれまでのように「自分が未来を変えなくては!」と意固地になる必要もなくなったとも考えられます。よりよい未来をつくるため、自分は本当は何をするべきなのか。今回の話は、皆本がそれを考えなおすきっかけとなるのかも知れません。

 とりあえず今回のエピソードでは、ナイの頭部に仕込まれた爆弾は無事に摘出され、悠理の元に無事(猫の姿で)戻ってくることができ、兵部が望んでいた「ナイと悠理がいつまでも幸せに暮す」未来への可能性は残されました。今はこれで良しとするべきなのでしょう。
 個人的には、翌朝悠理が目を覚ましたら、人間の幼女の姿に戻ったナイが全裸で「おじょうさまぁ~」と抱きついてくる、百合百合な展開を希望したいところです。

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子猫を拾って帰って一緒に寝て起きたら、そこには全裸の幼女の姿になった子猫の姿が! という衝撃の展開が待ち受ける、いにしえの美少女育成ゲーム


かのんちゃんマジ天使 サンデー44号神知る感想

神のみぞ知るセカイ

 「桂馬くんなら…たどり着ける

 久しぶりに登場したかのんちゃんですが、何だかすっかり正ヒロインの風格と貫禄を感じさせるキャラクターに成長していて、読んでて畏敬の念さえ抱くほどでした。かのんちゃんマジ天使。ここまで神々しいオーラを放たれてしまうと、もはや信仰の対象となってもおかしくないレベルです。

 元々桂馬が今回の女神探しを(複数の女性を同時攻略するという多大なリスクを負ってでも)推し進めているのは、かのんが古悪魔の手によって刺されてしまい、彼女を復活させるためには他の女神たちの力が必要である──ということもありますけど、それ以上に桂馬には「あの時、かのんを守れなかった」という後悔の念があるからに他なりません。
 今回の冒頭、桂馬がかのんの頬に手を当てて「かのん…!」と呼びかけた時の表情は、他の女子達に接するときとは違う真剣さがあるように思えました。彼はまさに、かのんのために戦っているのです。
 そしてかのんもまた、その桂馬を心から信頼しています。「桂馬くんなら…たどり着ける」と言った彼女の表情が天使のように安らかだったのは、桂馬のことを信じているからこそなのでしょう。

 そう考えれば、かのんが現時点で正ヒロイン的な扱いを受けているのも納得できるというものです。前回ドタバタラブコメディを繰り広げた他の女神たちが宿る女子達とは、なんというかこうステージが違うと表現するしかないくらい、ヒロインとしての格が違っているのではないかと思います。
 つまり、桂馬と恋人になろうとする女子は、「正ヒロイン」たるかのんを倒さなければならないのです。かのんにラスボスの風格が漂って来ましたよね(ラスボス?)。

ときめきメモリアル 対戦ぱずるだま
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ときメモ対戦ぱずるだまは、最終面で伝説の樹の下で正ヒロインでありラスボスである藤崎詩織と一騎打ちするという、壮絶なラブバトルが展開されます